人間だけど私は魔化魍を育て、魔化魍の王になる。   作:創夜叉

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こんばんは。
今回は静岡支部の戦闘回です。
例の如く、今回も前後編で戦闘回をお送りします。


記録百拾弐

 美岬たちの猛士中部地方長野支部への攻撃が始まった同時刻。

 猛士中部地方静岡支部へ続く道を歩く集団がひとつ。

 

「王。もう少しで静岡支部に到着します」

 

 集団の先頭を歩くのは擬人態の姿に変わった幻笛と名前を貰ったヨスズメ。

 そんな幻笛の言葉を聞き、幽冥は背後の家族たちに身体を向ける。

 その身体の先には予言ことクダンから授けられた『お告げ』を聞いて決めた幽冥の静岡支部襲撃のメンバーが擬人態の姿で集まっていた。

 

「みんな。静岡支部に着いてすぐに行動できるようにしてね」

 

「「「「「「「「「「「「「「はい!!】】】】】】】】】】】】】】

 

 幽冥の言葉を聞き、返事に答えた魔化魍たちは擬人態の姿から本来の魔化魍へと変わる。

 その中には『鳥獣蟲同盟』の魔化魍もいる。勿論名前はもう考えて、出掛ける前には名前を授けた。

 今この場にいる家族と新たな家族は骸、拳牙、大尊、兜、三尸、跳、舞、幻笛。ヒダルガミこと乾。シュチュウこと盃。タンコロリンこと樹裂。そしてクダンこと予言。

 

 静岡支部に向かう前に僅かながら交流することが出来たおかげか、ある程度会話する位の仲にすることは出来た。

 今回の目的は静岡支部の壊滅と静岡支部に侵入した仲間とある鬼の救出(・・)だ。

 

 鬼の救出は鈴音と名を授けたネコショウからのお願いである。

 『なんで鬼の救出を!!』……って赤や家族の一部は憤慨していたが、鈴音から聞かされた話で私は納得した。

 

 猛士の中にある魔化魍に対して異なる考えを持つ3つの派閥。

 魔化魍殲滅を目的とした過激派、猛士の理念を掲げた傍観派、そして人類と魔化魍の共存を夢見る共存派。

 

 最初にこの話を五位から聞き、改めて鈴音からの説明で幽冥が驚いたのは言うまでも無いだろう。

 兄だった姉の春詠からそのような話を一度も聞かされたことがなかったからだ。だが勿論それには理由がある。

 

 彼女の姉である春詠は『8人の鬼』の1人である。

 鬼を継承する前は、銀で魔化魍の研究を主とした変わり者だった。珍しい魔化魍の噂を聞けば討伐ではなく研究という名目で捕獲し、人知れず組織に気づかれないように魔化魍を逃していた。まあ、その事がバレたのと『8人の鬼』の血縁という理由で角に移らされた。

 『8人の鬼』の影響力は馬鹿にできるものではない。その影響力ゆえに3つの派閥で過激派のメンバーは3つの派閥内でかなりの数が所属している。

 そんな彼女がもしも共存派に所属することになれば魔化魍を殲滅を目的とした過激派からすれば、せっかく集めた仲間が傍観派に、いや最悪なことに共存派に所属するようになってしまっては堪ったものではない。

 故に猛士過激派に所属する上層部や鬼、天狗はあの手のこの手で、共存派の情報を春詠に隠していた。

 だからこそ、共存派の情報を春詠は知らなかったので、猛士の話を聞いてもそのような話が幽冥の耳に入ることがなかった。

 

 そんなわけで私は鈴音の話を承諾し、目的の静岡支部に私たちは向かうのだった。

 

SIDE診鬼

 私の腕を掴んだ鬼の顔が急に燃え、鬼が手を離せば炎は全身に周り鬼を焼死させた。そして、私の前には–––

 

【………オイラはフラリビ。オイラがいる限り神通には指一本触れさせない!!】

 

 緑の炎に包まれた両翼と尾翼の鸚鵡の姿をした魔化魍が周りに18個の火の玉を浮かべて宙を羽ばたいていた。

 その姿に見覚えのあった私は鳥籠を見ると、焼け溶けた鳥籠があった。つまり目の前に飛ぶ魔化魍の正体はあの子だ。

 

「魔化魍だと!! いつの間何処から!!」 「診鬼を守っているぞ!!」

 

「まさか、魔化魍とも内通していたとは!!」 「裏切り者を殺せ!!」

 

 鬼や天狗はいつの間にか現れた魔化魍 フラリビに驚き、その原因が神通の仕業と思った。

 元々普遍派と偽って過激派に入り込んだ神通に重い罰を科すつもりだった静岡支部の面々は魔化魍を内部に引き入れた裏切り者として神通を殺そうと無銘の鬼たちは量産型音撃管で神通に向けて空気弾を放つ。だが–––

 

【言ったはずだよオイラがいる限り神通には指一本触れさせないって!!】

 

 フラリビが私の前に行き、宙に浮かんだ火の玉を使って火の盾を作り出し、無銘の空気弾を防ぐ。

 

【ごめんね。オイラがもっと早く神通の元から離れていれば、こんな目に合わなかっただろうに】

 

「君は、魔化魍だったんだね」

 

【大丈夫。オイラは神通の味方だよ】

 

 フラリビは空気弾を防ぎながら、盾から一部の火の玉を離し、無銘の鬼たちに撃ち込む。

 

「「「「がああああああ!!」」」」

 

 一瞬にして無銘たちは炎に包まれてそのまま床に倒れる。

 次にフラリビは盾から槌に変え、窓付近の壁を叩き、壁を破壊する。

 

【早く逃げて、オイラが神通を守るから】

 

 私を守るように翼を広げ、火の玉で私を部屋の外に追い出す。

 

【もう直ぐ魔化魍の王とその家族がここに来るから、王たちに保護してもらって】

 

 魔化魍の王が来る。それは私の、共存派としての最優先事項だ。共存派の存在を王に伝えるチャンスだ。だが、フラリビを置いていくわけにはいかない。

 フラリビは宙に浮かぶ槌を再び火の玉に変えて一斉にばら撒き、鬼や天狗を攻撃する。

 

「待ってフラリビも…【早く逃げて!! オイラは大丈夫だから!!】っ!!」

 

 フラリビはそう言うが、静岡支部の全戦闘員が集まっているこの状況はどう考えても、フラリビが不利だ。

 なら私は–––

 

「私は魔化魍共存派 神通 希美またの名を診鬼!!

 魔化魍と共存を望む者、過激派の多勢に無勢のこの状況下で私だけ逃げるわけにはいかない!!」

 

 私はフラリビを助ける。それで死んでしまったら元も子もないかも知れない。だけど、私を助けてくれようとしたフラリビを置いて逃げるわけにはいかない。

 だが、神通の宣言を聞き、自分の周りに浮かべていた火の玉が無くなっていた事が原因で身を守る術が無いフラリビ。

 それは熟練の鬼から見れば隙だった。

 

「隙あり!!」

 

【ぐう!!】

 

 そんな隙を見抜いた崗鬼の音撃弦 光崗から放たれた音撃の雷がフラリビの片翼を貫き、フラリビは地に倒れる。その光景を見て、私は直ぐにフラリビの元へ駆ける。

 フラリビを狙う鬼の攻撃からフラリビを守るために私は彼を抱えて、迫る攻撃に目を瞑った。

 

「がぶっ」 「あべゃ」 「ぴゃ」

 

 変な声が聞こえ、私が目を開くと音撃武器を構えた鬼たちが死んでいた。

 ひとりは面が無くなっていてその顔は赤く恍惚とした表情を浮かべて死んでおり、その首近くには背中に苔を生やした半透明の山椒魚がいた。

 

 その右隣の鬼は背中の複数の手裏剣が突き刺さって死んでおり、死体の上を木の葉の羽で空を飛び片面を黒布で隠す暗緑色の雀が羽ばたいてる。

 

 また左隣の鬼は腹に大きな穴が出来、その腹を貫くのは水で覆われた拳を構えた鯱の頭部を持ち、虎の如き身体を持った人型が立っていた。

 

 3体の魔化魍が神通とフラリビを守るように立ち、追撃を掛けようとした崗鬼たちを牽制する。

 そして、その間を通り抜けるように複数の札が飛んできて、井伊宮支部長や鬼、天狗の一部がいる地面の下に張り付く。

 

跳、予言

【【強制転移】】

 

 新たに現れた2体の魔化魍が叫ぶと、地面が光りそこに向かって幾つの影が飛び込むと同時に井伊宮支部長と大半の鬼と天狗を巻き込んで消えた。

 

「支部長、みんな!! おのれ!!」

 

 光から逃れた崗鬼と一部の鬼と天狗がその場に残って、札の飛んできた方向を睨む。

 そこには鷹の翼と脚を持つ赤鱏の魔化魍。

 

 尾先に提灯を灯した二足歩行する蜥蜴の魔化魍。

 

 蛇の頭を持った鰐の身体の魔化魍。

 

 胃のような色合いをした虫の幼虫の魔化魍。

 

 作務衣を着た青蛙の魔化魍。

 

 人面の仔牛の魔化魍。

 

 そして、青蛙の魔化魍と仔牛の魔化魍の間に立つのは紫の紐で赤紫の髪を結い、片眼鏡を掛け、左半身全体が札で覆われ、両肩に鈴の付いた漢服を着た少女が立っていた。

 

「魔化魍、の王」

 

 フラリビを庇う診鬼の姿を見た少女いや、魔化魍の王こと安倍 幽冥は微笑みを浮かべて答える。

 

「そう。私が魔化魍の王、名前は、まあ、話はこれが終わったらゆっくりしようか」

 

 優しそうな微笑みは消え、身体が凍るような視線を崗鬼たちに向ける。

 

「お前が魔化魍の王か、お前を殺せば魔化魍根絶の夢が一歩近くなる」

 

 それに対して音撃武器を構える崗鬼と鬼と天狗たち。

 幽冥が札を構え、兜が尻尾を収縮し、三尸が爪を鋭く尖らせ、大尊が息を大きく吸い込んで、乾は背中の触手をうねらせ、肩に予言を乗せた跳が手を合わせ印を結び、崗鬼に向かう。

 一方–––

 

SIDEOUT

 

SIDE骸

 俺は猛士の支部を攻撃するのは賛成だ。奴らのせいで家族が死ぬような事があれば、俺は荒れていた頃よりも更に危険なことをするだろう。

 だが、鈴音(ネコショウ)の願いは聞きたくなかった。

 

 鬼を助ける。

 

 あの鬼だぞ。遥か昔から敵対してるあの鬼を助ける。

 仲間が死んでいくの見ていって頭がおかしくなったのかと思った。だが、王がその理由を説明したので、一応納得はしたさ。

 

 魔化魍穏健派閥共存派。眉唾みてえな話だが、俺たちとの共存を夢見る人間の集まりみてえだ。

 助けようとしている鬼がそこに所属する鬼らしい。王もその鬼に興味があるらしく、助ける気満々だ。まあ、王がそれを望むのならそれに答えるのが家族であり臣下の俺たちの役目だ。

 

 そして、王の手で張られた札を軸に跳と予言(ウシ)の術を使い、あの場にいた偉そうな女と鬼や天狗の戦力の大半を俺たちと一緒に飛ばしてもらった。場所は何処かの平野。

 骸と舞、樹裂は静岡支部支部長 井伊宮 宮子と静岡支部の鬼、天狗混成部隊を相手にしていた。

 

骸

【ジャララララ、雑魚が束になったところで俺に敵うわけねえだろう!!】

 

樹裂

【動きが遅えな】

 

 骸が動いた一瞬で3人の鬼と天狗の首が宙を舞い、樹裂が鋏を振るって天狗の身体を切り裂く。

 その光景を見た1人の鬼が叫ぶ。

 

「支部長逃げてください!!」

 

「私だけ逃げろと言うのですか」

 

「支部長はここから逃げて狼鬼さんにこの魔化魍たちのことを報告してください」

 

「くっ、でも」

              

「私たちだけでも時間を稼いでみ【現実はそう甘くねえんだよ】っ、がぶっ、う……」

 

 俺から目を背けていた天狗の背には胸から貫いた俺の尻尾が飛び出し、俺が器用に首に回すとそのままゴキリと首を折って天狗を殺す。

 さっきから気になっていたが、あの女。どうやら、マトモな戦闘経験が無いのだろう。だから、俺がいる前で油断しているんだ。

 

「クソ!! 死ね魔化m、ぶぎゃ」

 

 俺に向かおうとした鬼の顔に樹裂のストレートのように伸ばした鋏が鬼の面ごと下顎の肉ごと抉り、続いて振られた鋏が身体を横に両断した。

 

舞

【恐れよ!】【怯えろ!!】【………絶望しろ】

 

 舞たちも髪を使って鬼や天狗の身体をバキバキと折り曲げている。

 鬼や天狗はまだ居るが、この感じだとそんなに時間は掛からねえな。

 

 

 

 

 

 

 そして、俺の思った通りに鬼たちはすぐに殺せた。

 味方が全滅して鬼の力も持たない女はその場から逃げようとする。

 

「ひいぃぃ!!」

 

 だが逃げようとして井伊宮の首にはいつの間にか接近した樹裂の鋏が食い込み、そのまま挟むと井伊宮の首は宙を舞う。

 首を無くした身体はそのまま倒れ、首は落下する途中で骸は尻尾で受け止めると、どんな死に顔か眺めようと井伊宮の首を見る。すると–––

 

「(私、首を切られてるのに、生きてる!)」

 

 首だけになった井伊宮は何故か生きており、その異様な光景に鎌首をもたげる骸に樹裂が答える。

 

樹裂

【これはオラの力さ。鋏で切ったものを留(と)めるというタネも仕掛けもない力だ】

 

 留めるとは、動いているものを動かないようにする。

 

 継続しているものを継続できなくさせる。途絶えさせる。

 

 固定する。離れないようにする。やめさせる。制止する。

 

 関心を向ける。注意する。その場にとどめ置く。

 

 やめる。あとに残す。

 

 と色々な意味があるが、樹裂の言う『留める』とは、固定する力だ。

 

 樹裂ことタンコロリンいや、バケガニ種の魔化魍は鋏を基点とした能力を持つことが多い。

 元種であるバケガニは鋏から斬撃を放つや鋏から溶解泡を噴き出す。

 バケガニ異常種 カルキノスは鋏で切った者の魂を奪うという能力を持つ。

 鋏刃はまだそういう能力を持っていないが、樹裂と出会えば数ヶ月後あるいは数年後には何かしらの能力を持つことになるだろう。

 

 話は樹裂の能力に戻そう。

 井伊宮が首を切られて何故生きているのか、それに樹裂の能力が関係する。

 樹裂が井伊宮の首を切った瞬間に首があった時と同じ状態に固定(・・)したのだ。

 メタいことを言うのなら某奇妙な冒険のギャングの1人が持つ拳で触れた対象にジッパーを取り付けるスタンド能力で胴体を首を分断された同じ組織の構成員と似た状態だ。

 だが上記と違うのは、例え身体が無くなったとしても首だけ無事ならその者は生きているということ。

 つまり、井伊宮は首さえ無事なら身体がどうなろうと生存するのだ。そう身体がどうなろうと(・・・・・)………

 

骸

【へえ〜、なら、ゆっくりとこいつの身体を喰らう様を見せつけるとするか】

 

舞

【いいね】【賛成】【…………味わう】

 

樹裂

【身体も生きてるから、新鮮そのもの】

 

骸

【じゃあ先ずは俺から頂くぜ!】

 

 骸がそう言うと、地面に倒れる首の無い井伊宮の右腕に噛みつき、そのまま顎に力を込めると細腕は肉と骨ごと噛み砕かれ、血が噴き出て骸の口元が赤く汚れる。

 

 樹裂は鋏で井伊宮の左脚を挟み、そのまま脚を捻り切る。捻れた脚から血が溢れ、樹裂はそのままもう片方の鋏で肉を削り口元に運ぶ。

 

 舞が髪の毛を振るうと残った左腕と右脚は根本から切断され、髪で掴んだ舞たちはその腕や脚に口付けし肉を吸う。

 

 腕を喰い終わった骸は今度は一般的なサイズはある井伊宮の両胸に噛みつき、そのまま噛みちぎる。骸の口元から溢れる赤い血肉と白い脂が地面にボタボタと落ちていく。

 

 片脚を喰い終わった樹裂は今度は井伊宮の腹部に鋏を突き立てそのまま鋏を開くと真一文字に裂かれた腹から臓器が溢れて、樹裂は腹から垂れる腸を鋏で掴み、スルルと啜るように腸を喰らう。

 

 骨と皮だけになった腕と脚を捨て舞は樹裂が切り裂いた腹に髪の毛を侵入させて露出する腸の上にある臓器を一つずつ抜き取り、それぞれの首が吸うように喰らう。

 

「(やめて食べないで、私の身体を、やめて)」

 

 声帯のある喉から上を切られた故に喋ることが出来ず、身体が無くなっていく感覚はあるのに痛覚がない井伊宮は骸と樹裂、舞たちに解体するかのように喰われる自分の身体を見せつけられる。

 

「(助けて、狼鬼さん)」

 

 かつて自分を助けてくれた時のことを思い出しながら、この場にいない狼鬼に喋れない喉で助けを求める井伊宮だが、現実は無情で魔化魍に喰われる自分の身体を見て、涙を流す。

 こうして静岡支部支部長 井伊宮 宮子は骸と樹裂、舞に身体が喰い終わるまでその光景を見せつけられ、そして身体が骸と樹裂、舞の腹に納まった。

 

 そして、最後に残った首を骸が尾で拾い、その顔を見る。

 

「あ、ああ、あ」

 

 光の無くした瞳で涙を流しながら空を見る様は正に無様と言わんばかりに骸は首を宙に投げる。

 そして、落ちてくる井伊宮の首が最後に見たのは、赤黒く汚れた骨の口を開いて待つ骸の顔だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、静岡支部支部長 井伊宮 宮子が骸たちの腹に収まった同時刻。

 

「さあ、そろそろに終いにしやしょう!!」

 

 もうひとつの戦いの決着が着こうとしていた。




如何でしたでしょうか?
愛する者を守りたいという気持ちでフラリビは頑張りました。
次回は後編と過激派サイドの話にしようかなと思っています。
では、次回もお楽しみにしてください。あと、感想欲しいな………

ーおまけー
迷家
【どうも、みなさん。おまけ、コーナーの時間で〜す】

迷家
【今日のゲストは、この〜方〜】

屍
【テオイヘビの屍です。それでなんですかその喋り方は?】

迷家
【では、早速質問を〜させて貰います】

屍
【……無視ですか?】

迷家
【最近見た〜あるカメラマンと、同じ〜喋り方です。
 では〜質問で〜す。】

屍
【はあー、何を聞きたいの?】

迷家
【あなたは〜骸と〜同じ、種族〜なのですか〜?】

屍
【骸と?】

迷家
【はい。私、とても、気になって〜いるのです】

屍
【まあ、隠してることでも無いから言うけど、簡潔に言うと私と骸は似ているけど別の種族だね】

迷家
【違うん、ですか〜】

屍
【外見という意味合いでは確かに似ているかもしれないけどね。そもそも私と骸は産まれ方が異なるから】

迷家
【産まれ方?】

屍
【骸の方は個人のことになるからそこまで言えないけど、骸は『想いの力』で魔化魍になったの対して、私は『怨みの力』で魔化魍となった】

迷家
【怨み、ですか?】

屍
【そう。それもただの怨みではなく『動物たちの怨み』。
 捨てられたり、虐待された動物が今まで向けていた人に対しての愛情が憎しみに変わり、その果てしない憎しみ、いや憎悪こそが私をテオイヘビに変えた。
 まあ、端的に言うなら骸は内的要因による魔化魍化、私は外的要因による魔化魍化というところ、これで質問の答えにはなった?】

迷家
【とても、勉強に〜なりました。おっと、そろそろ〜終わりですね】

屍
【そう。じゃあ、小雨のところに帰らせてもらうよ】

迷家
【まあ、挨拶だけでも〜お願い、しますよ。
 では〜みなさん〜また〜お会い〜しましょう】

屍
【さようなら】
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