人間だけど私は魔化魍を育て、魔化魍の王になる。   作:創夜叉

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お久しぶりです。前回の更新からかなり時が経ってしまいました。執筆をしながら、昔の話を訂正してたらかなり時間が掛かってしまいました。
鳥獣蟲宴編が終わり幕間へと移ります。
今回は訂正の中でちまちま執筆していた幕間を2話連続投稿です。
最初の話は幽冥の家族のある魔化魍の妹が連れを伴って妖世館に訪れる話です。



幕間
ある魔化魍の妹


 魔化魍の王である安倍 幽冥とその家族が住む妖世館のある場所から少し離れた森の中。

 そんな森を進む三つの影があった。

 

【本当にこのような場所にあの方が?】

 

【ええ。この先に間違いなく】

 

 影の中で一番背の高い者の問いに小柄な者が答える。

 

【では、急ぎましょう。かの王の元へ】

 

 そのまま三つの影は真っ直ぐと妖世館へと向かっていた。

 

SIDE白

 王が中部に行った五位たちのところに行って2週間と5日経った。

 あの赤(堕触手)が王と一緒に居るのを考えると、ムカムカしますが今回の目的からして王と二人きりになれる確率は低いでしょう。

 

 猛士中部地方静岡支部の襲撃時に現れた悪魔魔化魍チュパカブラとの戦闘で目をやられた三尸と兜。跳の迅速な対応によって失明することは無かったが、目の見えない状態で戦闘に参加させるわけにはいかず王の指示でひと足先にこの妖世館に戻ってきた。

 三尸はあぐりに兜は北海道にいた頃の仲である鋏刃、穿殻、浮幽に看病されている。

 

「いい天気ね」

 

「アア、コレナラ夕方前ニハ乾クダロウ」

 

「雛〜そっちの端を持って、潜砂は落とさないようにしっかり持ってて」

 

「うん」

 

「うまく広がらないよ!」

 

「潜砂、ここを持てば簡単に広がりますよ」

 

 今日も王の無事を祈りながら私は黒とお手伝いをすると申し出た雛、波音、潜砂、彼女たちを心配する凍と共に多量の洗濯物を干していた。干されている洗濯物のほとんどが家族の着る服である。

 基本的に森や山、海、川、洞窟といった自然のある場所で暮らしている魔化魍は衣服を必要としない。むしろそんな物を着ていればたとえ外見が動物っぽくても、一発で魔化魍とバレて猛士に討伐されるだろう。

 しかし、擬人態の術を使えば、人間とほぼ同じ姿に変わり、オマケに衣服を着た状態で人間へと変わる。だが、擬人態の術には問題があった。

 擬人態の術は最初に術者が頭の中で浮かべたイメージの服装に固定されてしまう。しかもそのイメージされた服装は術者によっては現代では合わない服装だったりする。よくあるゲームとかなら同じ服装でも問題なかったりするだろうが、あいにくとこれは現実。

 そんなキテレツ格好をしていれば周囲の人間、いや猛士に怪しまれてしまう。

 稀に幼体から成体になった魔化魍や幼体の頃から使っている魔化魍が擬人態の術を使うと成長した身体に合わせてか、服装が最初に術を使って思い浮かんだイメージから多少変わったり、想像力(イマジネーション)が強いと服装を自在に変わることもできたりするらしいがそれを出来るようになるのを待つわけにはいかないし、既に成体の魔化魍の場合、その手段は使えない。

 ならどうするか。それを回避するために幽冥が思い浮かんだのが替えの服である。家でもある妖世館内及び周辺なら擬人態の術で生み出された衣服で、人間の街など人目がある場所へ外出する際には替えの衣服に着替えて外出するというルールを作った。

 最初は自分のイメージした服装でいたいと不満を言う家族もいたが幽冥と春詠の説得と説得をする2人の背後から圧をかけてくる白と赤によって渋々ながらも納得してくれた。

 

 こうして家族用の大量の衣服を購入した幽冥はそれらを家族に配り、ルール通りに外出の際には購入した衣服を着るようになった。だが、衣服を着ればもちろん汚れる。というわけで着た服は洗濯することとなり、今こうやって白たちによって太陽がよく照らす外に干しているのだ。

 

「(今日はそこまで洗濯物も多くないし、進んで手伝いたいって言ったから雛たちにもやってもらったけど、小さい雛たちにはまだ早かったかしら)」

 

 洗濯物を物干し竿に掛けるのに悪戦苦闘する雛たちを見た白はそう考える。

 雛は普段はこんなことを進んでやらない。波音や潜砂と一緒に子供らしく遊び、黒や春詠から教えられて学び、雛の祖母である紫陽花と共に眠る。普通の子供らしいことをして暮らしている。

 そんな雛が同じように子供っぽい潜砂と共に手伝いをしている。

 

「これで、おしまい」

 

 雛が最後の服を物干し竿に掛けて、嬉しそうな顔をする。

 

「(たまには褒めてあげようかしら)」

 

 白が頑張った雛たちを褒めようとした次の瞬間–––

 

「!! みんな伏せなさい!!」

 

「「っ!!」」

 

 突然の白の声に反応したのは黒と凍。

 2人が雛たちの上に覆い被さると同時だった。

 白たちの目の前に何かが勢いよく降ってきた。

 

「ああ! 洗濯物が」

 

「せっかく干せたのに」

 

 何かが降ってきたことによって発生した土埃と風に煽られ、物干し竿に引っ掛かっていた洗濯物は地面に落ち、それを見た雛と潜砂はせっかく干すことが出来た洗濯物が汚れてしまったことにショックを受け、ショックを受ける雛と潜砂を見た凍は肩が震える。

 だが白と黒、そして波音は降ってきた場所を睨む。そして土煙が晴れるとそこには三つの影が立っていた。

 

 ひとつは直立させた耳を持つジャッカルの頭部、カラシリスを纏い、腰には太刀を携えた人型。

 

 ひとつは全体を覆う程の大きさの白い大布を纏い、特徴的な目の絵が描かれたなにか。

 

 そして、その両方の間にいるのは家族のひとりと特徴が合致する魔化魍だった。

 全身を包帯で巻いた人型の魔化魍。

 

【&=\;〆$】

 

 そうエジプト出身の人造魔化魍ミイラだ。

 しかし、屍王とは違う点がある。それは、胸元にある大きな果実、もとい大きな胸。その大きさは特上メロン、いや下手をすれば西瓜と同等な大きさの胸だ。包帯を巻いた身体のせいで肌が見えていないのに煽情的に見える。

 因みにその胸の大きさに少し恨めしい視線を送る黒がいたのは誰も知るよしもない。

 

「王は留守です。御用なら改めて後日お願いします」

 

【¥@##;£】

 

 ミイラが口を開くが、その言葉は何を言っているのか理解出来なかった。それを見てジャッカル頭の魔化魍が代わりに喋り始める。

 

【王は知らん。拙牙(せっが)たちは偉大なるお方の元へ向かおうとしているだけだ】

 

 偉大なるお方?

 この館の主人である魔化魍の王以外にそのような者がいたかと考えるが、すると–––

 

【【雛様を泣かせたな!!】】

 

 いつの間にか元の姿に戻っていた凍が術で生み出した氷の礫が侵入者たちに向かって飛んでいく。

 すると側にいた大布を被った魔化魍が裾を少し上げるとそこから黒い塊が飛び出して凍の術を防ぐ。

 

【【では、これはどうです!!】】

 

 術を防がれた凍はそれに動じることなく次の行動に移していた。

 凍った鰭が周りの水分を集めていくと、それは水晶のように透き通った球が作り出される。

 

【【はっ!!】】

 

 鰭の上で生み出された水晶球を宙に投げると、落ちてきたそれを凍が尾鰭で叩きつけて撃ち出す。

 水晶球は大布を被った魔化魍に真っ直ぐと向かっていく。大布の魔化魍は先程と同じように裾を上げて、そこから飛び出す黒い塊で防ごうとした瞬間–––

 

【ふん!!】

 

 いつの間にか移動していたジャッカル頭の魔化魍が凍の水晶球を腰から抜いた太刀で両断していた。

 

【【な!!】】

 

 自身の技を斬られるとは思わなかった凍は動揺で動きを止めてしまい、その隙を見逃すはずもないジャッカル頭の魔化魍は太刀で凍を両断しようと接近する。

 

【むぅ】

 

「なかなかの速さだけど私には及ばないわね」

 

グルルルルル

 

 だが、間に入った白が鉄扇でジャッカル頭の魔化魍の太刀を防ぐ。ジャッカル頭の魔化魍は犬歯を剥き出しにして唸るように力を込める。

 

【++£〆〒!!】

 

 遠くにいたミイラは腰の包帯に引っ掛かっていた先端に三日月の飾りが着いた短い杖を取り出すと、それを横薙ぎに振るう。

 

「っ!!」

 

 横薙ぎに振るわれた短杖の三日月の装飾から三日月状の斬撃が飛んでくる。それを見た白は鉄扇に込めた力を一瞬だけ緩め、ジャッカル頭の魔化魍が体勢が崩れるとその身体を踏み台のようにして跳んで、斬撃を回避する。

 

「ハア!!」

 

 白が回避すると同時だった。

 背中に担いだ斧を構えてミイラに向かって突っ込む黒。ミイラは迫る黒の攻撃を紙一重で避けるが黒は連続で斧を振るう。

 

「ハアアアアアア!!」

 

 心なしかいつもより速く、斧を振るうキレが凄いが気のせいだろう。若干、目が血走っているように見えるのも気のせいだろう。

 

【^£〆$〒@!!】

 

 だが、ミイラは黒の攻撃を避けながら腕周りの包帯を緩めていく。緩んだ包帯は下に垂れると、ミイラはそれを鞭のように振るう。

 黒は迫る包帯を斧で切り裂こうとした瞬間、直感が働いたのか黒は斧の峰を利用して包帯の軌道をズラし黒もしゃがむように避ける。

 包帯はしゃがんだ黒の上を通っていくと側にあった幹の半分を切り裂き、勢いを失って地面に垂れる。

 

「……クッ!」

 

【£€$〆^/^*】

 

 もしも、黒が直感に従って避けなかったら斧と共に身体が両断されていただろう。

 しかし、ミイラの攻撃は終わっておらず、ミイラが腕を動かすと地面に垂れた包帯も再び動き、黒を狙う。

 

「(避ケラレナイ!!)」

 

【¥!?】

 

 だが、この場で戦っているのは黒だけではない。

 黒を狙っていた包帯はどこからか飛んできた水流によって動きが鈍くなっていく。包帯は染み込んだ水の重さに耐えきれずに地面に沈む。

 

【アタイを忘れないで欲しいわ!!】

 

 そこには人差し指を銃に見立てて水流を放った波音がいた。

 体勢を立て直した黒は地面を蹴って飛び、一瞬で白の隣に戻る。

 

【¥*@q〆】

 

 ミイラは短杖を構えて、解けた包帯をゆっくりと振り回し、ジャッカル頭の魔化魍は腰を深く落として太刀の鯉口に手を掛け、大布の魔化魍は先程よりもさらに大布の裾を上げて中からヴヴヴと鳴りながら黒い塊がうねっている。

 

 対する白も両手の鉄扇を広げて構え、黒は斧をミイラに向けて正眼で構え、凍は周りに氷の礫を作っていき、波音は(b)刺鱏《しえい》《/b》を抜いて今だに落ち込んでいる雛と潜砂を守るように構える。

 

 お互いの緊張が高まる中、白たちと侵入者たちの睨み合いは突然、地面から無数に生えた土の棘によって終了する。

 

「「っ(ッ)!?」」

 

波音、凍

【【【っ!?】】】

 

【【【な!!】】】

 

 白たちも侵入者たちも突然の事態に驚き、動きが止まる。

 

【騒々しいぞ!!】

 

 白と侵入者たちが声の方へ視線を向ければ、そこには北海道で捕らわれた捕虜である筈の衣鬼こと黒風 愛衣を連れた屍王が立っていた。

 おそらく、捕虜という立場から外出を禁じらてる彼女を連れての館内デート中だったのだろう。普段からあの女を妻にすると言っていた屍王。

 彼女が鬼だった故に魔化魍へ向ける感情を理解してるからこそ、様々なアプローチやプレゼントを送っている。

 まあ、最近の彼女は屍王と一緒に行動するのが楽しみなのか、同室の突鬼に惚気話を聞かせているらしい。

 

【何をしているのだ……………む。貴様らは】

 

【※※!!】

 

【【なっ!!】】

 

 屍王の姿を見たミイラとジャッカル頭の魔化魍、大布の魔化魍は固まる。

 

【………………久しいな我が妹よ。そして我が臣下よ】

 

 そして、屍王の口から放たれた言葉に私は耳を疑う。

 美岬から聞かされた話によれば屍王は古代エジプトにいたとあるファラオが自身の万が一の為にスペア扱いとして生み出された人造魔化魍。しかしファラオに対して反逆した罪で封じられたとのこと。

 すると固まっていたミイラと2体の魔化魍は屍王の前に移動する。

 

【%€〒^@………お久しゅうございます兄上】

 

【【ファラオ、王命を果たしました】】

 

 そうやって3体の魔化魍は屍王の前で片膝を突いて頭を下げる。

 そして、私が王に報告する時と同じように屍王に今までのことを語り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 魔化魍たちの話を静かに聞き終えた屍王は口を開く。

 

【…………そうか、我が封じられ、国が滅びてもあの地でファラオの墓と妹を守っていたのか、大義であった。では、何か褒美を与えねばな】

 

【いえ、それがファラオに仕えるものの、拙牙(せっが)の使命です。褒美は不要です】

 

 ジャッカル頭の魔化魍が屍王の言葉に答えて、側にいた大布の魔化魍も頷く。

 

【いや、あの時に我は言ったぞ。好きに生きるがいい(・・・・・・・・・)と、それでもお前たちは歴代の偉大なるファラオの墓を守り、妹も守った。それに対して褒美を与えるのはファラオとして当然のことだ】

 

【も、勿体なきお言葉です】

 

【恐悦至極】

 

 屍王の言葉が嬉しいのかジャッカル頭の魔化魍と大布を被った魔化魍は頭を下げる。

 

【……して、兄上。そちらの女性は?】

 

 屍王の妹であるミイラが黒風の方をジッと見る。

 

【おお、そうだった。お前たちに紹介しよう。我の妻になる黒風 愛衣だ】

 

「ななな、ま、まだ妻になるとは/////」

 

 屍王の言葉に否定の言葉を言う黒風だが、頬を赤めていては説得力が皆無だ。なるほど、捕虜という立場である筈の突鬼が迷家やマシンガンスネークたちに愚痴るのも納得できる。

 

【つつつつつ、妻? え? 兄上が? あの兄上が!? 本当にございますか!? それでしたら不肖、この妹、全力で応援させていただきます!!】

 

 まさかの言葉に屍王の妹のミイラは慌てる。

 この慌てようからするに、屍王からは一度もそういった話が無かったのだろう。まあ、何百年も会っていなかった兄からの突然の妻発言は私でも慌てる。

 

【そうですかファラオ。良いお相手が見つかり拙牙(せっが)、嬉しゅうございます。拙牙(せっが)、アヌビスと申します】

 

【私はファラオに仕えし魔化魍メジェドと申します】

 

【妾、ファラオである兄上の妹のミイラと申します…………………それで、そちらの方はどのような魔化魍なのでしょうか?】

 

 襲撃を仕掛けた魔化魍たちが応戦した白たちに自己紹介をするとミイラは黒風がどのような魔化魍なのかと質問をする。

 その言葉を聞いた黒風は顔を青褪める。それもそうだ。なにせ黒風は魔化魍の敵である猛士の人間(・・)で名持ちの鬼(・)なのだから。

 

「ええと」

 

【どうされましたか?】

 

 一向に口を開かない黒風に首を傾げるミイラ。

 

【ん? おお、そうだ。言い忘れていたが、愛衣は人間だ。それに鬼でもある】

 

【【【ハ???】】】

 

 屍王の爆弾発言に黒風は青褪めた顔のまま後ろに倒れそうになるが、屍王が倒れる黒風の後ろに手を伸ばして倒れるのを防ぐ。

 

【兄上、今、なんとおっしゃいましたか? 少し妾の耳におかしな言葉が聞こえましたが】

 

【聞き間違いではない。この者は人間で、鬼だ!!】

 

 屍王の言葉を聞き、アヌビスは腰の太刀に手を伸ばし、メジェドの目付近に光が集まり、ミイラは短杖を構える。

 

【ファラオ、その者を離してください。斬れません】

 

【ええ。その鬼を此方にお渡しください】

 

【人間如きが妾たちの、ファラオの妻になるなど、許さない!!】

 

「ひいいいいいいいい!!」

 

 情けない悲鳴を上げる黒風だが、仕方もない。

 もしも屍王が目の前で殺気立つ魔化魍たちに黒風を渡せば間違いなく彼女を殺すだろう。だが–––

 

【止めよ!!】

 

 太陽の長杖(シャムス)を構える屍王が殺気立つ魔化魍たちを制す。

 

【何故です兄上!!】

 

【言ったはずだぞ、この者は我の妻にすると。貴様らの耳は飾りではあるまい。それでも逆らうというのなら。我は妹や臣下である貴様らでも容赦はせんぞ!!】

 

 瞬間、屍王の身体から放たれるオーラに殺気立てていた魔化魍たちは動きを止める。

 

「(前の人間との戦いの時とは比じゃない!!)」

 

「(クッ、マサカコレホドトハ!!)」

 

 それは、離れた所で成り行きを見ていた二人の妖姫(白と黒)も同様だった。

 白はかつて屍王のことについて美岬の言った話を思い出していた。「もしも、人造魔化魍ではない普通の魔化魍だったのなら、彼は王となれただろう」という言葉を。

 

【…………承知しました。拙牙(せっが)は手を出しません】

 

【私も手を出しません】

 

【なっ!! アヌビス! メジェド!】

 

 アヌビスもメジェドも主人であるファラオの屍王に歯向かう気は無く、そのまま矛を収めるが、納得のいかないミイラはまだ屍王の腕にいる黒風を睨む。

 

【ふむ、お前はどうする? なんなら久々に兄妹水入らずで戦(や)るか?】

 

 全体に掛かっていた屍王の圧が妹のミイラのみに集中する。

 

【………………分かりました。納得はまだしませんが、一応は認めます】

 

 そしてミイラも矛を収めた。そして屍王に近付く。屍王は妹のミイラが害を加える気がないと判断したのか黒風を下ろしてミイラの前に立たせる。

 

【では、これからも兄上をよろしくお願いいたしますお義姉様(・・・・)】

 

「うん。よろ…しく」

 

 戦う気がないと分かっていてもつい身構えてしまう黒風に顔を近づけて圧を掛けながら黒風に挨拶をするミイラ。

 

凍

【【あなたたちには、この洗濯物を洗い直すのを手伝ってもらいます!! この子たちが頑張って干した物の苦労を知ってもらいます!!】】

 

【【………はい】】

 

 そして、その隣では洗濯物を抱えて説教する凍と項垂れた姿で正座しているアヌビスとメジェドだった。

 

「(はあーーー。王、早く帰ってきて下さい)」

 

 それらを見た白は心の中で溜め息を吐きながら、愛する王である幽冥の帰還を待つのだった。

 こうして屍王の妹のミイラと屍王に仕えていたアヌビス、メジェドが妖世館に住むようになったのだった。




如何でしたでしょうか?
やってきたの屍王の妹と屍王の従者だった魔化魍たちです。ミイラはこの話では出しませんでしたが、その素体となったのは暴君のファラオの妻だった女の肉体と魂です。
従者として仕えてたのがブラックドッグ異常種 アヌビスとヒダルガミ異常種 メジェドです。
神様の名前を持った魔化魍はどうかと思いましたが、ポンポン出さなければいいかと思いこの種族名にしました。因みに神様じゃなかったらアヌビスはバーゲスト、メジェドはスカラベになっていました。
因みにアヌビスの拙牙は一人称です。某寄生少女ライトノベルの登場キャラの一人称、拙虫が元ネタです。
では、次の話はある魔化魍の持ち物がツクモガミ種の魔化魍へと進化します。続けてお楽しみください。

ーおまけー
迷家
【やってまいりました。おまけコーナー!! では早速、今日のゲス「ちょっと待ってね〜」…へっ?】

「は〜い。迷家お久しぶり」

迷家
【ナ、ナイちゃん!! なんでココに!!】

「そりゃ勿論、私のターンが来たからですよ」

迷家
【それって以前言ってたアレ?】

「そう。君たち安倍一家のサーヴァントステータス紹介!」

迷家
【いや、そりゃ僕も知りたいけど今日のゲストが……】

?
【別に構わねえよ】

迷家
【え?】

世送
【いや、だから構わねえって言ったんだよ】

「おお〜!! 話がわかるね君。じゃあ紹介するのは君の聞きたい誰かにしよう。誰のを聞きたいですか?」

世送
【へっ、俺か!?】

「そう!! いや気にならないのら別に良いですよ。そこの迷家に聞きますから」

世送
【いや、嫌って訳じゃねえよ。ただ、いきなり誰かと言われても…………あ】

「お、誰のを聞きたいのですか?」

世送
【……く…】

「え? 何、聴こえないですよ」

世送
【だから、…ふく…を】

「もう少し大きな声で?」

世送
【だから! お袋のを教えてくれ!!】

「どわーーー! 吃驚(ビックリ)した!!」

「えっと、お袋ってことは…………ああ、食香さんですね」

世送
【そうだよ。で、お袋のさーゔぁんとってどんなんだ?】

「食香さんは子供好きなみんなのお母さんって感じの方でしたね。時折、マスターや後輩ちゃん、子供系サーヴァントと一緒に特異点でピクニックに行ったりしていました」

世送
【お袋らしいな】

「じゃあ、開示せよ英霊の記憶(ステータスオープン)!!」

世送
【なんだそれ?】

「まあ私の特別な力みたいなものです。そしてこれが食香さんの英霊のデータです!!」

【CLASS】アーチャー
【真名】食香
【性別】女
【身長・体重】155cm・82kg〜♾️kg
【地域】日本
【属性】秩序・善・地
【好きなもの】子供、自分の育てた子供たち(乱風や世送たち)
【嫌いなもの】弱い者いじめ、虐待をする碌でもない大人
【ステータス】
筋力D+ 耐久AA 敏捷C 魔力B 幸運C− 宝具A++
【クラス別スキル】
対魔力(C)
魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。

単独行動(母性)(EX)
「単独行動」の変種スキル。マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
EXランクであれば、マスター不在でも行動出来る。自分の子供や困った子供がいる限り、その子供を心配して彼女の魔力は何故か供給され続ける。

【固有スキル】
自己再生(EX)
どんな攻撃を受けて身体を損傷しようとも僅か1ミリの破片から肉体を再生できる食香のもといヌッペフオフの特殊能力。
身体を粉々にされようと、燃やされようと、塵にされようともその身を滅することは不可能。

引き寄せる魔香(A)
食香の身体から発する魔化魍の食欲を刺激させてしまうほのかに甘い香り。
サーヴァントとなった食香は魔化魍だけでなく人や神を除いた魔獣や竜、死霊を引き寄せる魔香となった。

お肉どうぞ(A)
人を喰らうことで増える身体の一部を他者に与える食香の行動が昇華されたスキル。
この肉を喰べると以下の効果がある。
身体能力向上、複雑骨折程度の損傷を治す治癒効果、腹八分目ほどの満腹感、疲労回復、多少の幸福感など様々な効果を持つ。
肉が無くなればこのスキルは使えなくなるが、食香が食事またはマスターからの魔力供給などを行うことで回復するので心配は無用。

【宝具】
妨害で投げられる分体(ケアレス・エネミー)
ランク:B
種別:対人宝具
レンジ:5〜20
最大補足:1人
由来:食香の分身でもある分体を投げつけて相手の行動を妨害する至ってシンプルな攻撃……なのだが、食香や他の家族がこれを使用して様々な敵へのトドメの前の攻撃として利用されたせいか、中傷〜重症の相手がこの宝具を受けると相手は動きが停止してしまい、隙を晒してしまう。
更には身体的な弱点が判明しているサーヴァントに対してはその弱点部位に向けて放てば、致命傷を与えることが出来る。

暴力を嫌う柔らかい大壁(ウォール・オブ・ジェントルブラウン)
ランク:C−〜B
種別:結界宝具
レンジ:1〜3
最大補足:20人
由来:ある敵の攻撃から20人の子供を守った食香の行動が昇華した宝具。
自身の身体と大量に生み出した分体で味方の周りを囲って壁のようになり相手からの攻撃から味方を守る。ただし、この宝具は子供を守ったという行動が宝具化したせいか守る対象の中に子供がいないとその守りは弱くなり、逆に子供が多いほどその守りは強固なものとなり、その真価を発揮する。
なお、この宝具は本来、シールダーのクラスの時の宝具のためアーチャーのクラスではランクが低い。

世送
【本当にお袋の記録か? これ?】

迷家
【一部は納得。でも、アーチャーって弓持ってる遠距離攻撃のクラスじゃなかったっけ?】

「そうなんですけどね。まあ、アーチャーのクラスはお前ホントに弓兵って! 連中いっぱい居ますし」

世送
【へえ〜…………………何処でもお袋はお袋ってわけか】

「あ。そういえば、うちのマスターが彼女によく抱きついていたね。なんかお母さんを思い出すとかって言っていましたね」

世送
【………………】

「あれ? どっしたんですか?」

迷家
【世送?】

世送
【……い】

「え、なんですか?」

世送
【ズルいって言ったんだよ!!】

迷家
【どわああああ、耳があああ!!】

「ううう、頭があああ!!」

世送
【俺だって、お袋に、お袋にそこまで甘えられたことねえのに、ああ、ムカつく!! 一度そのマスターとやらの首を噛み千切りてえええ!!】

「まあまあ、落ち着いてください世送さん」

世送
【ああ!! これが落ち着いていられるか! ……………おい。ナイちゃんとか言ったな。俺をそのマスターのとこまで案内してくれよ】

「おっと、それはダメです。マスターは今、忙しいからね。じゃあ私はこれにてドロン!」ボン

世送
【て、逃げるんじゃねええええええ!!】

迷家
【こりゃ、終わらせた方が良さそうだね。じゃあまたね。バイバーーイ】
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