人間だけど私は魔化魍を育て、魔化魍の王になる。   作:創夜叉

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新年明けましておめでとうございます。
もう2月ですが、今年もよろしくお願いします。
今回はこの作品では殺られることの多い鬼が活躍する回です。まあ、相手は主人公とは関係の無い野良魔化魍ですので、本能に任せて生きてるようなやつです。
因みに今回登場する野良魔化魍は原作魔化魍よりも本能に忠実です。なので幽冥の家族の魔化魍や悪魔魔化魍のように猛士にバレないようにという考えを持たず自身の空腹時にはその飢えを満たすことしか考えていません。
そして活躍するのはオリジナル設定として作った猛士三派閥の猛士らしい普遍派閥こと傍観派の話です。
過激派や共存派はいつか書こうと思います。


普遍派と魔化魍

 猛士。

 人里離れた山や海、誰も寄りつかない廃墟といった場所に現れる人智を超えた怪物 魔化魍から人々を守るために人知れず戦っている組織。

 その始まりは戦国時代とされているが、原型となった組織は平安時代にあったとされる。

 だが、組織というものは長い時が経てば何処かで歪んでいくものだ。猛士には魔化魍に対する考えで異なる三つの派閥がある。

 

 魔化魍殲滅派閥 過激派。

 

 魔化魍穏健派閥 共存派。

 

 そして、魔化魍普遍派閥 傍観派。

 

 今回はそんな三派閥の一つ。傍観派の中でも少し、いや、かなり変わっているある部隊の活躍をお見せしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 魔化魍の王こと幽冥が『鳥獣蟲同盟』と共に中部地方の鬼たちと戦っている同時刻。

 奈良県吉野郡八経ヶ岳にある『猛士の総本部』の中にある一室。

 

 そこは総本部の中でも辺鄙な場所、いやかなり端側にある部屋なため、この部屋を知る者はかなり少ない。

 そんな部屋に7人の男女が集まっていた。

 

「…………今回はどんな相手なんだろうな」

 

 腕を組みながら喋るのは頭に根性と書かれた鉢巻きを巻いた黒の短髪で道着姿の青年 日暮 三四郎。

 

「はあ〜休みが欲しいですね」

 

 数珠をじゃらじゃらと鳴らしながら喋るのは白い尼僧頭巾で髪を隠した尼僧服の女性 聖 歌蓮。

 

「そうですね〜」

 

 隣の聖に同意するように喋るのは色素が抜けた白い髪、あははーと気の抜けた表情を浮かべる青年 鈴谷 革。

 

「なんなら今すぐ休みてえ」

 

 机に足を掛けながら座って喋るのは肩まで掛かる黒髪に、ノースリーブの黒ジャケットを着た目つきが鋭い青年 尾崎 遼。

 

「右に同じ休暇、求む」

 

 机に突っ伏して喋るのは黄土色の髪で瓶底眼鏡を掛けた色々なところが膨よかで背の小さな女性 市ヶ谷 ハル。

 

「はいはい。休みは私も欲しいけど、今は話をしっかり聞く時間だよ…………………それでばっちゃん。討伐対象は?」

 

 そして、手を叩きながら5人を注意するのは頭頂部に独特なアホ毛があり、顔の左側を髪で隠し、赤茶色の着物を着た女性 能代 煌梨。

 

「煌梨ちゃん。ありがとね〜じゃあ今回の仕事を話すよ」

 

 人の良さそうという印象を覚える丸眼鏡を掛けた中老の女性、ばっちゃんこと紫亜 圓子が手に持つ紙を開く。

 

「今回は大阪第3支部からの仕事だね。討伐対象はカッパだよ」

 

「カッパか〜」

 

 紫亜の言葉を聞き、その場の全員のテンションが下がる。

 

「規模はどのくらいですか?」

 

 全員を代表したかのように聖が手を挙げて質問する。

 

「報告によると30体以上はいるみたい」

 

「「「「「「はあーーーー」」」」」」

 

 紫亜の言葉を聞きため息を吐く一同。

 

「雑食性のアイツらが30以上ってことは、相当の人喰ってるな」

 

「住処は判明していますか?」

 

「ええ、大阪第3支部(向こう)が探してくれたみたい。あとは討伐だけだって」

 

「何故、大阪第3支部は討伐しないのですか?」

 

「ええ、と…………あそこにいた無銘たちって若くて名持ちになるために戦ったら返り討ちにあって重症者と死者数名、教育係でもあった鬼は過激派でカッパを討伐しようとするも数の暴力で逆に殺されて、残っているのは調査員の歩が数人と防衛のために残った天狗が2人だけです」

 

「「「「「「……………………うわあ」」」」」」

 

 紫亜の報告にドン引く一同。

 

「まあ、鬼である君たちからすればドン引くよね」

 

 部屋にいるのは紫亜以外全員、鬼だ。

 しかし彼らは支部に所属するのではなく猛士内にある独立した部隊として活動する者たちだ。

 元々、猛士には『三派閥』なんてものは存在しなかった。そんなしがらみを嫌った彼らは派閥の勧誘(主に過激派)を断るために独立部隊を作り出した。

 ただし、独立部隊を作るにあたって総本部はある条件を出した。それが他支部の魔化魍討伐の仕事だ。

 

 この条件が出た理由は年々減少する魔化魍に対する戦力である鬼が理由だ。

 天狗や戦輪獣などもいるが、やはり魔化魍討伐は鬼を必要とする。だが辺境にある支部はそんな鬼が居なかったり、逆に鬼は居るが戦闘経験の浅い無銘だったりする。

 そんな場所に向かって代わりに魔化魍を討伐するのが能代たちの部隊『百日草』である。

 

「ばっちゃん。これが終わったら今度こそ休暇貰えるよね?」

 

 そんな彼女たちは、魔化魍討伐率が極めて高く、鬼のいない支部からは救世主のようにされているせいでか仕事はよく振られる。そして、その仕事を終わらせると次の仕事を振られる。その循環が続いて、この仕事で24連勤になる。

 なので、それを見た過激派に所属する者からは『社畜戦鬼』と揶揄されてたりする。因みに紫亜は彼ら『百日草』の体調管理兼健康管理兼仕事管理を任せられた管理職である。

 

「……今度こそは」

 

「やっと休めるのか」

 

「ああ。これも仏の導きですね」

 

「うわーい。休みだあ。ゆっくり部屋で寝るんだぁ」

 

「久々の休日だな」

 

「休みサイコー」

 

 紫亜の言葉に暗い雰囲気だった一同は明るくなり、各々が休みについて口に出す。

 

「じゃ、とっとと連中(カッパ)を清めて久々の休みを満喫しよう!!」

 

「「「「「はい!!」」」」」

 

 こうして『百日草』の鬼たちは依頼を受けて大阪に向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 大阪某所。

 依頼を受けた『百日草』は大阪第3支部からの報告にあったカッパの住処にいるカッパの様子を見ていたのだが––––

 

「うわあ、これ聞いて話より多くないですか?」

 

「あれからさらに喰い荒らしたんでしょうね〜。ほら、あそこ」

 

 聖の言う通り、聞いていた数よりも更に多い。そして、鈴谷の指差した先には––––

 

「………『鬼喰い』、ですか」

 

 紫亜の言っていた過激派に属した鬼の亡骸らしき鎧と無銘特有のそこまで色の無い鎧が骨と一緒に積み重なっていた。

 魔化魍が鬼を喰らった場合、どうなるのか?

 

 結論から言うのなら、強くなる。

 そもそも鬼は元々、人間。つまり魔化魍にとっては餌だ。だが、その餌はそんじょそこらの人間(餌)とは違う。

 鬼は己を鍛え上げて魔化魍と対抗できる様になった者たちだ。そんな鬼は普通の人間よりも栄養が豊富で魔化魍にとってはご馳走のようなものだ。過去には、ただの人間よりも鬼を喰らうことに固執した魔化魍がいた。元々凶暴で手に負えなかったその魔化魍によって一支部が壊滅し、討伐のために多くの犠牲が出たこともある。

 以来、鬼を喰らい続ける魔化魍のことを二つ名とは違う名として『鬼喰い』と呼んでいる。

 

「鬼喰いですね。能代さん、あれは早く始末しないとヤバいですよ」

 

「そうですね」

 

 日暮の言葉に能代は同意する。

 あのカッパたちを放置すれば、ことは大阪だけでなく他の支部にも甚大な被害が出る。それはただでさえも多忙な『百日草』に仕事が増えて休みが遠のくことに他ならない。

 

「みんな。早急に片付けるよ!!」

 

「「「「「はいっ!!」」」」」

 

 能代の言葉に返事を返した日暮たちは鬼へ変わるための変身具を取り出し、鬼へと変じる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 カッパたちをまとめるカッパの長は調子に乗っていた。最近やって来た鬼たちを喰らったことがその調子に乗る理由だ。

 だが、それは突如、現れた者たちによって崩れ去った。

 

 突如、現れた五つの影は、落ちた周囲にいるカッパたちを殺した。

 突然の事態にカッパの長は最初は慌てるもその影の姿を見て、口角を上げ、カッパの長は声を荒げて周りのカッパに指示を出す。

 

ココ、ゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲ!!

 

「うわあ、いっぱい迫ってきましたよ」

 

「関係ねえなあ!! むん! ふん!」

 

 コココッ コバッ

 

 音撃棒ではない地獄の獄卒が持つような棘を生やした音撃金棒を振り回し、カッパの身体を粉砕または頭を潰す鬼。

 

「次、来な。潰してやるから」

 

 頭部と腕が朱色で縁取りされ、頭頂部から伸びる一本角、灰色に近い白の鎧を纏い、右肩に棘の付いた肩鎧を身につけ、音撃金棒を振るう鬼。

 軽い音撃棒を嫌いそれよりも重さのある音撃金棒を好んで使い続けて、一年前に名持ちの魔化魍を討伐したことで無銘から名持ちの鬼となった。

 周りも巻き込む戦いから周囲に嫌厭された中、『百日草』はそんなの関係なく対等に一緒に戦える。それが心地良いからこそ彼はここで彼らと共に戦う。それが怪力鬼こと日暮 三四郎。

 

「ほうら、逃げないと危ないですよ!!」

 

 斬馬刀の如き大きな音撃武器を振り回して、カッパをどんどん肉塊に変えていく鬼。

 

「殺生を仏は許さないでしょうけど、魔化魍相手なら目を瞑ってくれるでしょう」

 

 薄紫色に縁取りされた頭部、額から伸びる2本の角、大玉の数珠に似た装飾が左肩から腰近くにあり、両手脚には具足の様な装甲に覆われている。そして、その手にあるのは全音撃武器の中で最重量を誇る音撃妖怪提琴(コントラバス)を持つ鬼。

 普段の言葉とは違い、豪快に音撃武器を振り回し、仏の慈悲を遥か彼方に吹き飛ばして魔化魍を相手に大立ち回りをする。

 魔化魍の研究をしていたが、功績を気に食わない周囲に陥れられて研究職を追い出された時に助けてくれたのが能代だった。そんな能代に誘われて『百日草』に入った此処ならば研究していても文句を言われないので、そこが気に入って『百日草』として働いている。それが剛力鬼こと聖 歌蓮。

 

「ひょいっと、ほいと。ほうらあーー!!」

 

 どの音撃武器にも該当しない大鎌の如き音撃武器を振るい、カッパの首を刎ねては軽業師のように飛び跳ねて、再びカッパの首を刎ねる鬼。

 

「まだまだ刎ねる首がいっぱいですねー」

 

 頭部と腕、脚がマゼンタ色で縁取りされ、頭頂部に4本の角が生え、両脚に瓦の様に重なる軽装甲を着け、従来よりも丈夫で鋭利にカスタマイズされ大剣というより戦鎌のような音撃弦 頸刎(くびはね)と脚周りの装甲に隠してあった鬼石短刀を構える鬼。

 その明るい性格からは想像もできない異色の経歴を持ち、それ故にあまり周りと馴染めなかった中で親しくしてくれたのが『百日草』の仲間たちだった。そんな彼らのために戦う。それが刎鬼こと鈴谷 革。

 

 カッパの首を掴んで、その脳天に音撃管の下にあった刃を突き立てる鬼。

 

 グゲエ…

 

 事切れたカッパを蹴り飛ばして鬼は音撃管を撃つ。

 

「おらどうした! どうした!! その程度なのかてめえらは!!」

 

 銀で縁取りされた頭部、側頭部に2本の角を生やし、上半身と両脚が西部のガンマンのガンベルトの様な装飾に覆われており、その両手には従来ではあり得ない二丁のカスタム音撃管 擂威斗(らいと)と練吹斗(れふと)を握る鬼。

 粗暴な言葉とは裏腹に計算尽くした動き、的確な早撃ちで魔化魍の四肢を撃ち抜いて、動けない魔化魍の脳天に音撃管の銃床についた鋭利に研いだ鬼石の刃が食い込む。

 一匹狼気質で周りを信用することが出来なかった。だが、『百日草』は唯一信用出来た仲間だった。そんな場所で彼は仲間と共に戦う。それが双鬼こと尾崎 遼。

 

ゲゲゲゲゲ

 

 そんな双鬼の背後に向かって一体のカッパが声を上げながら飛びかかってくる。双鬼が別のカッパに気を取られた隙をついての完璧なタイミングの攻撃。

 

「ああ?」

 

 だが双鬼は驚きも焦ることもなかった。何故なら––––

 

ゲ、ゲッ

 

 そのカッパは双鬼に辿り着く前に何処からか飛んできた鬼石がカッパの頭を撃ち抜いたからだ。顔の半分が消失したカッパはそのまま地面に落ち、残った頭部もグシャッと地面にぶつかって潰れる。

 

「流石、いい腕だな」

 

 双鬼は地面に転がるカッパを一瞥して直ぐに別のカッパに向けて両手の音撃管で脚を撃ち抜く。

 

 狙撃されたカッパから遥かに離れた地点。そこにはカッパを狙撃した鬼が片膝立ちでライフルの様な音撃管を構えていた。

 

「下方修正、風向きよし」

 

 深緑で縁取りされた頭部に梟の様な鬼面を額に付け、左側頭部に角を生やし、面の右目付近に照準器の様な模様が描かれ、迷彩柄の鎧を纏い、腰から膝まで鎧と同じ迷彩柄の布で覆われている。手には超遠距離にカスタマイズされた両手銃のような形状の音撃管 遠離(えんり)を構える鬼。

 普段は仕事をめんどくさがる彼女も鬼と変じればそれが嘘だったかの様に戦う。魔化魍も知覚しずらい遠方から特殊な鬼石の弾丸を油断している頭へと撃ち込む。

 極度の物臭で、食事すらめんどくさがって餓死しかけたところを能代に救ってもらった経緯があり、いつの間にか『百日草』として行動するようになった。それが離鬼こと市ヶ谷 ハルだ。

 

「ハルさんの援護は毎度有難いですね〜そして、ウチのリーダーも凄いですね〜」

 

 刎鬼は両断して虫の息のカッパの頭に音撃弦を突き刺して仕留め、奥に視線を向ければ一人の鬼が多量のカッパを相手に無双していた。

 

 獲物に群がるようにどんどん迫るカッパを相手に戦うのは円の形をした音撃武器を振るう鬼だ。

 

 頭頂部に金の鯱鉾を模した飾りがあり、胸、肩が金の装甲で覆われたその両手に音撃振張(しんばる) 烈盤(れつばん)を持つ鬼。

 そう。この姿こそ彼女の鬼としての姿、かつてヒトツミを討伐した『七人の戦鬼』の一人、煌鬼の血を引き正式にその名を継いだ能代 煌梨こと煌鬼である。

 

「鬼喰いの割には弱いですね。これなら焦る必要もなかった」

 

 ゲゲゲゲゲ

 

 能代の言葉に侮辱されたと判断したのか声を荒げるカッパの長。その声に反応して残っていたカッパが長の周りに集まりだす。

 

ゲゲゲゲゲ ゲゲゲゲ ゲッゲゲ コココココ

 

 たった一人の煌鬼を相手に集団で取り囲み下卑た笑い声を上げるカッパの長とカッパたち。

 それを見て、他の5人の鬼は助けようとする動きも見せないことでカッパたちは見捨てられた憐れな鬼と不快な声を上げる。

 しかし、煌鬼はカッパの笑い声など耳に入っていないのか音撃振張(しんばる) 烈盤(れつばん)を構える。その名は初代煌鬼の使っていたものと同じ形で同じ銘の音撃武器であった。

 そして、煌鬼は盛大に音撃振張(しんばる) 烈盤(れつばん)同士を叩きつける。

 

「音撃拍(おんげきひょう) 軽佻訃爆(けいちょうふばく)!!」

 

 盛大に叩かれた音撃振張(しんばる) 烈盤(れつばん)から衝撃波の音撃がカッパの群れに響き渡る。

 

ゲゲゲゲッゲエ ゴボボッ グエエエエエエ ゲエググ ココココ

 

 あるカッパは地面にのたうち回り、あるカッパは口から粘つくような白い泡を吹き出し、あるカッパを頭を抱えて苦しく唸り、あるカッパは音を聞こえないように周りのものに無駄に攻撃する。カッパの長はそれら全てに当てはまり苦しむ。

 だが、どのカッパも身体中に出来ていく罅が増えていくごとに抵抗は減り、力無く地面に倒れていく。

 

「はっ!!」

 

 最後と言わんばかり音撃振張(しんばる) 烈盤(れつばん)同士を叩きつけるとカッパの群れの身体は膨張したかのように膨らんで風船が割れるように一瞬で身体が吹き飛んだ。

 

「ふ〜カッパの討伐を確認。これでお終わりだね。じゃあ帰ろっか」

 

「「「「「はい!!」」」」」

 

 こうして、『百日草』はカッパの討伐を終え、依頼のあった大阪第3支部へと向かい本部にいる紫亜に報告するのだった。

 だがしかし––––

 

「えええ!! 休暇は無し!?」

 

「ホントにごめんね!! 総本部には何度も言ったけど、どうやら魔化魍の王の動きが理由で魔化魍たちが活発になってるみたいでその影響で各地の魔化魍が暴れ回ってるみたいで」

 

「……クソッタレ」

 

「折角、頑張ったのに休みなし、ああ」

 

 そう言うと尾崎は椅子を蹴っ飛ばし、市ヶ谷はダラんと机に突っ伏す。

 

「あれれ〜そろそろ総本部の奴の誰かヤる?」

 

「そうですね。今なら仏様も見逃してくれるでしょう。一人くらいならヤっても」

 

 鈴谷と聖の2人は黒い笑みを浮かべながら音撃武器を構えて何処かへ向かおうとする。

 

「落ち着け2人とも」

 

「「あうっ」」

 

 何処かへ行こうとする2人の脳天に水平チョップを叩き込み暴走を止める日暮。

 

「ばっちゃん。流石にもう歯止めが効きそうにないんですけど」

 

「ホントにごめん!! 今度こそ! 今度こそは絶対に休暇を取ってみせるから!! だから、もう一仕事お願い!」

 

 三人のやり取りを見ていた能代は紫亜に報告すると泣きそうな声で応答される。

 

「…………うう、分かりましたよ。やりますよ!! ですが今度こそ休みをとってくださいね!!」

 

「ホント!! ありがとう能代! それじゃあ、次の場所だけど、次は新潟支部からの仕事だね。討伐対象は『焦脚』と呼ばれるカエングモだね」

 

「名持ちですか。はあ〜〜〜まあ、頑張りますか」

 

「あ、それと睡眠はキチンと取ってね。そちらの支部長には話は通してるから必ず睡眠取ってから新潟に向かってね」

 

 そう言うと、通信はブツっと切れて、能代は受話器を置くと後ろにいる仲間に言い伝える。

 

「…………………じゃあ、此処で少し睡眠してから新潟に向かおうか」

 

「「「「「…………はい」」」」」

 

 こうして彼らは眠りについたのだった。

 そして、睡眠をとった彼らは魔化魍を討伐する為に大阪第3支部を後にして新潟支部に向かうのだった。




如何でしたでしょうか?
今回は猛士がちゃんと活躍する回です。普遍派と言いましたが、彼らは普遍派と名乗っているわけではなく共存派にも過激派にも付かず、淡々と魔化魍を討伐することから普遍派とされています。いずれ過激派と共存派の方も書こうと思います。
因みに平安時代にあるという設定は『仮面ライダー響鬼特写写真集「魂」』(朝日ソノラマ)で組織の原型が存在するという設定があるというところからきてます。
次回はいよいよ、本編である九竜編を描くつもりです。流れは大体考えられているので楽しみに待っていてください。

ーおまけー
迷家
【は〜い。可愛い僕を待っていたかな?
 あけましておめでとうございます。今年もよろしくね〜】

跳
【もう正月は過ぎてるみたいでやすが】

迷家
【いいの! 僕はまだ正月気分でいたいから!!】

跳
【はあ〜まあいいでやすけど、で? 今日のゲストはどうしたんでやすか?】

迷家
【え? いないよ】

跳
【は?】

迷家
【今日は呼んでないの、というか今回はお休み】

跳
【はあああああ!!】

迷家
【だって、なんかみんな忙しそうで呼んでも無視されるんだよ】

跳
【………それは、どうにも出来ないでやすね】

迷家
【だから、今日は誰も呼んでないの】

跳
【まあ、次の時にはあっしが誰か連れてくるでやすから………元気出すでやす】

迷家
【ありがとう跳。じゃあ、今回はここまで、また次回ね】

跳
【さようならでやす】
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