人間だけど私は魔化魍を育て、魔化魍の王になる。   作:創夜叉

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あけましておめでとうございます(今更ですが)。
今年もよろしくお願いします。
まあ、ぶっちゃけますとリアルで色々な面倒ごとがありまして書く時間が全然ありませんでした。
ちびちび書いて、もう2月後半というか3月。今年はもう少し早く書けれるよう努力します。
では、今年初投稿。どうぞ!!


記録百弐拾玖

SIDE?

 灼鬼に着いて行き着いたのは海にほど近い洞穴だった。

 中に入れば人工的な明かりが道を照らしていて、奥へと進めば数十名ほどの人間がいた。

 

「灼鬼さんお帰りなさい、その方はもしかして?」

 

「ああ。この東北の『八人の鬼』である雹鬼だ」

 

 アタシの目的のために過激派(コイツら)に協力することにしたが、見た感じほぼ中部地方の連中ばかりか。灼鬼から聞いた話じゃほぼ死んだ狼鬼の仇討ちで集まったようだ。

 正直な話。この人数で、王とその仲間の魔化魍たち、更にはこの地方でも有名なクズリュウやアシュラ、二つ名持ちの魔化魍がいる九竜宮に向かうのは自殺行為に近い。

 何か数などものにしない秘策か物でもあるのか?

 

「初めまして、索鬼です。『八人の鬼』がこの戦いに参加してくれて心強いです」

 

 アタシたちを見て最初に話しかけてきた男が名乗る。

 

「………灼鬼からの紹介通り、アタシは此処の『八人の鬼』の雹鬼だ」

 

「存じております。中部でも貴女のご活躍は耳に入っておりました。最近ですと名持ちのバケガニ討伐に30体以上のウワン種の殲滅、本日のヤマビコ討伐ですね」

 

 スーツ姿の女が答える。

 最近のアタシの討伐記録も把握してるとは、このスーツの女。鬼じゃないのにやたらと詳しいな。………って、あの女、何処か(・・・)で見たような気がするが、気のせいだろうな。まあ、討伐報告書でも見る機会があれば、アタシの討伐記録なんてすぐ分かるだろう。

 

「情報は命ですからね。それではこれより九竜宮と『魔化魍の王』への襲撃についての会議を始めます」

 

 灼鬼の声に反応して奥にいた他のメンバーは大きな丸机に集まり、そのまま待機しはじめる。

 資料やら巻物やら古い書物やらと色々なものが机の上に散乱している。まあ、アタシには関係がないし、ちゃっちゃと方法を聞いたほうがいいな。

 

「で、どうやって行くんだ? 彼処は普通の船でいける場所じゃねえだろ」

 

 そう。クズリュウの住処である九竜宮のある海には無数の大渦が存在しており、普通の船で向かえば間違いなく大渦に巻き込まれて船は大破、そして魔化魍たちからの攻撃で沈没して魔化魍の腹の中に収まるか渦に呑まれて溺死ってところだろう。

 

「ええ。貴女の疑問もご最も。ですが、私たちにはこれがあります」

 

 そう言ったやつ(灼鬼)が見せたのは戦輪獣の円盤だ。だが、今まで見てきた戦輪獣の円盤にしてはサイズが桁違いな程にデケえ。

 

「おい。なんの戦輪獣だ? 黄檗大楯や緑大拳でもそこ迄大きくないぞ」

 

「これはつい最近、此処東北地方支部内で開発された戦輪獣でして名を白船と言います」

 

「なるほど、白鯨を元にした戦輪獣か」

 

「ご名答です」

 

 ディスクアニマル 白鯨。

 元々は海中探索や索敵に使用していたディスクアニマルだが、戦輪獣が開発されたことで、音撃程ではないが『清めの音』を利用した音波を発射できる機構を付けるようになった為に、海においての水棲魔化魍の活動阻害を目的とするディスクアニマルとなった。

 しかも、他のディスクアニマルの待機形態がCDサイズなのに対して、白鯨はLDサイズ。それもあってかこのディスクアニマルは持ち運びが容易ではく、活動範囲が海と限定されているため海辺ではない猛士の支部にはほとんど支給されることもない少し特殊なディスクアニマルでもある。

 だが、此処、猛士東北地方はいずれの支部も海に面した場所に支部が造られているためにどの支部にも白鯨のディスクが置かれている。

 そして、そんな白鯨を戦輪獣としたのが、白船である。

 

 なるほど。アタシが支部にいない間にそんなものを開発していたとは、よっぽどクズリュウたちを如何にかしたいからだろうか。

 しかし、この白船という戦輪獣はどう見ても戦闘用というよりも輸送を主としたものなのだろう。だがあの大渦を問題なく渡るほどの耐久性を有しているのだろうな。

 しかし、渦は攻略できても肝心の攻撃に使えるものではないため、白船は戦力とは言えない。

 他にもあるのかと灼鬼の言葉を待っていると–––

 

「灼鬼さん。灼鬼さんが留守の間に四国の王の加藤さんから例の物(・・・)が送られました」

 

 四国の王?

 そういや、四国の『八人の鬼』の暴鬼も高知支部での魔化魍の襲撃によって死んだんだっけな。

 

「おお。遂に来たのですね。

 あれさえ有れば、今まで死んだ同士や何も出来なかった無力な人々の変わりに魔化魍を殲滅してくれます」

 

 どうやら、その送られたものが今回の襲撃の要になる物なのだろう。

 どういうものなのか少し気になるな。

 

「おい」

 

「どうしました雹鬼さん」

 

「例の物って何だ?」

 

「おお。そうでしたそうでした。協力してもらうのですから、雹鬼さんだけ仲間外れというわけにはいきませんね。此方へ」

 

 そう言って灼鬼はさらに奥にアタシを連れて歩く。

 歩いて数分もしないうちに広まった場所に出る。するとそこには––––––

 

「なんだいこりゃ?」

 

 其処にあったのは銅色の軽装の鎧を纏った武者のような人形が10体と機械仕掛けの馬に跨がる金色の重装の鎧を纏った将軍のような人形が一体置かれていた。

 

「これこそ四国の王の加藤さんが四国地方愛媛支部支部長だった代々木 蓬の遺した設計図から生み出した対魔化魍戦闘自動人形 雑と対魔化魍戦闘自動人形 長です!!」

 

 驚いた。こんなものまで造られるようになったとは、しかし対魔化魍戦闘自動人形ねえ〜。

 猛士の人員不足は理解していたつもりだが、遂に完全な機械仕掛けが魔化魍と戦うようになるとは、いや、その兆候は戦輪獣が造られた時点でもうあったのかもしれねえな。

 戦いの度に減る人員を如何にかしなければならないという猛士の長い悩みを解決できる画期的な兵器といえるだろう。

 

 改めてこの対魔化魍戦闘自動人形といわれるものを見ると雑と呼ばれた10体いる人形の方は、額に鬼の角を模した小さな一本角を付け、腰にはおそらく音叉刀をモチーフにしたであろう片刃の剣を佩いて、左腕にシンプルな鉄の丸盾を装着している。

 長と呼ばれた人形は側頭部に牛のような角を2本付けて、腰には雑と同じよう音叉刀をモチーフにした二振りの長さの異なる剣が佩いている。跨っている馬の側面には音叉槍をモチーフにした槍が架けられている。

 

 つまり雑はその名通りに兵で長は兵を纏め上げる将のようなものか。

 おそらく、これが九竜宮攻略のためのコイツらの切り札なのだろう。

 

「ふふふふ。これが来たのなら先ずはテストをしないといけませんね。

 この対魔化魍戦闘自動人形の性能がどれ程のものか」

 

 そう言う灼鬼の口は酷く歪んでいる。

 魔化魍に激しいに憎悪を抱く過激派(コイツら)を見てて、何度も思ったが今の過激派(コイツら)の方がよっぽど魔化魍に見えるな。

 まあ、そんなことを言ったところでコイツらは止まらねえだろうな。

 

 ………例え、人間に友好的(・・・)な魔化魍だったとしても過激派(コイツら)は魔化魍というだけで排除する。何ならその人間が猛士と関わりのない人間ならば秘密裏に処分(・・)していることも知っている。

 だからこそアタシは、過激派(コイツら)よりも先に何としてもあの魔化魍を……………

 

 

 

 

 

 

 ブルブル(・・・・)を見つけなければならない。




如何でしたでしょうか?
鬼サイドオンリーの話でした。本当はこの対魔化魍戦闘自動人形は加藤 勝の出る『四国の逆襲編』に出す予定でしたが、少しだけ繰り上げて対魔化魍戦闘自動人形の雑と長を出すことにしました。
次回は幽冥サイドでまだ九竜宮で出会っていない魔化魍のお話か今回登場した対魔化魍戦闘自動人形による野良魔化魍蹂躙の話のどちらかの予定です。
次回もお楽しみに!
では、おまけコーナーどうぞ!!

ーおまけー
迷家
【ハロハロー、いや明けましておめでとうございまーーす。
 ということで新年初のおまけコーナーはっじまるよー♪】

サーティセブン
【元気ですね。おや、新年明けましておめでとうございます】

迷家
【というわけで前回言ってたゲンブの解説お願いね】

サーティセブン
【ええ。かしこまりました】

ゲンブの解説
種族名:オトロシ異常種 ゲンブ
属性:茶
スタイル:幻
分類:大型
鳴き声:ノグォォォォォン
一人称:儂
容姿:中心に巨大な瞳が生えた翡翠に近い色の甲羅で、甲羅の淵周りを苔色の長毛で覆われ、カラ
   フルな色合いの鱗の蛇の尾を2本生やした巨大な亀
二つ名:なし
特徴:オトロシ種同士から産まれたオトロシの中から稀に至るオトロシ種の中でも最強と名高い異
   常種であり、『北の四獣』、『秘術を生み出すもの』、『女王の生き字引』という異名を数
   多く持つ四獣魔化魍の一体で、安倍 幽冥の家族であるオトロシ()の実祖父。
   四獣魔化魍の中でも最硬といわれる防御力を持ち、更には属性を問わないあらゆる術を会得
   しており、それらの術を発展させた『奥義』や『秘術』を数多く編み出した。
   術のみの戦いならば、他の四獣魔化魍に負けることはないと自負しており、それは他の四獣
   魔化魍たちも認めている。
   七代目魔化魍の王 ユキジョロウに仕えていたといわれるが、実際は古馴染みの関係で彼女
   から無茶振りを振られて仕方なく解決していたとのこと。
   だが、仕えていなかったのかと言われれば、それも違うらしく古馴染みでもあった彼女の存
   在を忘れないためなのか「ユキジョロウに仕えていた」と語っている。
   ユキジョロウ亡き後は、バラバラになったユキジョロウの部下の魔化魍を纏めて追撃する猛
   士から守った。追撃から逃れた後は同じ四獣魔化魍のセイリュウやスザク、ビャッコにも協
   力してもらって部下の魔化魍たちを各地に逃がした。
   現在は、人が入り込めない秘境に潜むように妻と共に暮らしており、時折、孫でもある崩の
   様子が気になってか『転移の術』を使って突然現れては崩に術の修行を付ける。
   偶にその様子を見かけた他の家族に術の修行を頼まれることもあり、頼まれれば修行を付け
   るがその修行内容はかなり厳しい。
   人間に対しては激しい嫌悪や見下しなどの感情は持っておらず、本人も戦う気がないのなら
   普通に人間とも会話は出来る。それ故か妖世館にいる捕虜の鬼や共存派の鬼に相談をされる
   と会話している姿が度々目撃されている。
戦闘:尾の蛇による噛みつきと神経系の毒ガス、口から熱線と極低温光線、様々な術、
   背中の甲羅を使った防御、某角川亀怪獣のような回転突進攻撃
CV:志波岩鷲(高木渉)

迷家
【崩のお爺ちゃんって、結構、いやかなり強いんだね】

サーティセブン
【ええ。私が戦った魔化魍たちの中でも間違いなく最強の術使いでしょうね】

迷家
【へえ〜、そんなお爺ちゃんの英才教育のお陰か僕たちも色んな術を崩に教えて貰ってるし、崩のお爺ちゃんに感謝だね】

サーティセブン
【もし、宜しければ、この場に呼んでみましょうか?】

迷家
【う〜ん。遠慮しようかな】

サーティセブン
【それは残念です】

迷家
【じゃあ、今回はここ迄、今年も宜しくねーバイバーーイ♬】

サーティセブン
【では、またお逢いしましょう】
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