人間だけど私は魔化魍を育て、魔化魍の王になる。   作:創夜叉

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今回は襲撃後の高知支部の話しとヤドウカイと共に行動する他の魔化魍が出ます。


記録拾陸

SIDE練鬼

 あの報告の後に会議に参加していた全員で四国地方高知支部に向かった、そこにあったのは–––

 

「高知支部が………」

 

「嘘だろ、ここがあの高知支部なのか?」

 

「………生存者を探します」

 

「そうね………」

 

 あかりさんとみどりさん、本部から連れられた医療班の歩がボロボロになった高知支部に入って行く。

 改めて、高知支部だった建物を見る。整備されていた壁は粉々に砕け、扉だったものは黒焦げてる。

 

 そして、意を決して建物の中に入る、まず目に入ったのは受付だった所、よく見ると後ろの壁に黒い人型があった。おそらく、超高温の火炎を真正面から受けたのだろう、逃げる暇もなく壁に残ったのだ。

 

 次は廊下で、そこにはいくつもの深い爪痕、飛び散った血痕、溶かされてる装飾、喰い散らかされた人間の腕など様々なものが落ちてたりした。

 高知支部の支部長の部屋に向かうと。

 

「うっ!!」

 

 激しい異臭が漂ってきて、その臭いに向かうと支部長室があった。

 支部長室の扉を開けると。

 

「っ!! おい! 晴雄」

 

 扉を開けて見たのは床に横たわっている高知支部支部長の道井 晴雄であった。それを見た、加藤さんが普段の怠そうな声ではなく、低い声が響く。

 

「晴雄! 晴…………クソッ!!」

 

 横たわってる道井さんの顔を見て、膝をつき拳を床に叩きつける。

 それだけで、既に道井さんは亡くなっているのが分かった。すると–––

 

「生存者がいました!!」

 

「本当か?」

 

「ですが、傷が深いので急いで手当てをしないと」

 

「すぐ向かおう。何処だ!!」

 

「こっちです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あかりさんに連れられて、僕達は建物の外に出ると、1人の鬼が担架に乗せられていた。

 

「お前は詩鬼!!」

 

「加藤……支部長…ガッ」

 

「急いで治療をしない」

 

 担架で運ぼうとする医療班の腕を掴んだ。

 

「待ってく………だ……加藤支部……長………」

 

「ああ、何だ」

 

「これを………」

 

 そう言い、詩鬼は先端に緑の鬼石が付いたはんば折れてボロボロの音撃棒 暴木を加藤さんに渡す。

 

「これは暴木………」

 

 この音撃棒は暴鬼さんの使っていた武器であるが、激しい戦闘があったのは武器が物語っていた。

 

「暴鬼………ううう……うああああああ!!」

 

 加藤さんが暴木を抱えてて泣き叫んだのを僕は黙って見てるしかなかった。

 

SIDEOUT

 

 

SIDEヤドウカイ

 残り6つ………早く会いたい、王に。

 

【良い頭蓋骨だジャラララララ〜】

 

【ガシャ、今は仕舞っておきなさい】

 

【まあまあ固いことを言うなよ〜最近の鬼が弱すぎてコレクションに出来なくてストレスが溜まってたんだ】

 

【はあ、後2分待ってあげるからそれまでに仕舞なさい】

 

 ガシャの頭蓋骨好きは本当にどうしよもありませんね。

 

【ヤドウカイ、今戻った】

 

【あそこの様子を見て来たわ】

 

 私はガシャのことを考えてると、戻ってきた2体の魔化魍が私に話し掛ける。

 

【お帰りなさい、ヒトリ、ダラ】

 

 頭に炎を灯した二足歩行の蜥蜴の魔化魍 ヒトリマ。

 

 下半身が蛇、上半身は6本の腕を持つ裸体の女性姿の魔化魍 カンカンダラ。

 

 彼らには先ほど襲撃した猛士四国地方高知支部の様子を見に行ってもらった。

 そして、わざと(・・・)見つけやすくした生存者(・・・)を連中が見つけたら退くように言ったので、戻って来たのだ。

 

【そう言や、ヤドウカイあいつらは?】

 

【今は潜入して貰っています】

 

【なるほどなー】

 

【でも良かったのあの子はあの能力があれば、抜けれるだろうけど】

 

【問題ありません、あの子たち(・・・・・)は引き際はちゃんと分かっていますから】

 

 あの子たちに任せたのは、総本部にある魔化水晶を奪ってくること。

 さて、次の8人の鬼は誰を狙おうか? ……は〜、早く王に………幽冥お姉ちゃんに会いたい。

 

SIDEOUT

 

 そういえば、あの子はどうしたんだろう、いつも犬のように私の後ろについて来て、私のことを幽冥お姉ちゃんと呼んで一緒に遊んだあの子は–––

 

「また会いたいな〜朧」




如何でしたでしょう?
今回のオリジナル魔化魍は覇王龍さんのヒトリマと青薔薇の吸血鬼さんのカンカンダラを出させて頂きました。アイディアありがとうございます。

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