人間だけど私は魔化魍を育て、魔化魍の王になる。   作:創夜叉

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今回は5代目魔化魍の王が出ます。
そして、一部ビックリするかも?



記録弐拾

 私に前世があり、鬼だったのは前世の兄だと言ってから2日経った。

 今は慧鬼と名乗っているお兄ち………………間違えた、お姉ちゃんはどうなったのかと言うと–––

 

「ねえ黒、聞きたいことがあるから、地下室来てもらって良い?」

 

「分カリマシタ」

 

 意外と馴染んでいた。

 それも鬼なのに白曰く、「王の姉だと分かって、追い出すわけにもいきませんので」と言って、他の子たちも白の言葉に理解して、殺気を出すというか殺そうとするのはやめた。

 お姉ちゃんは昔から、こんな風によく話すから友達も多かった。俗に言う、コミュ力が高いっていうやつなのかな。

 だけど、お姉ちゃんのことは割と呆気なく解決したんだけどすごく謎なもの………いやよく知ってるのが目の前にある。

 

「2日も経ったのにまだその姿なの崩」

 

ノォォォン

 

 遠くに行く時によく乗せてもらっている崩が全身を長いロープで手足を出せないようにグルグル巻きにされて館の側にポツンと置かれていた。

 私の前世話が終わった後に白に連れてかれ、気がついたらこのようになっていた。白に『崩がなにかしたの?』と聞いてみたら–––

 

「王にはあまり関係がないことです」

 

 とにっこりしてるけど、目が少しも笑っていない白に言われて、深く聞くのをやめた。

 

「白ーー」

 

「何でしょうか我が王」

 

「そろそろ解いてあげたら?」

 

「そうですね。流石にこのままなのは可哀想ですからね」 

 

 そう言って、崩に巻いてるロープを何処からか取り出した扇で切り裂くと、ロープはボトッと音を出して落ちる。

 崩は手足を出して、足先を軸にくるくる回してストレッチ(?)をしている。

 

「お姉ーーちゃん何処!!」

 

 おっと、雛ちゃんと遊ぶ約束をしていたんだったけ。急いで行かないと土門が大変な目にあっちゃうから。

 そう思い、幽冥は館の中にある雛の部屋に向った。

 

SIDE練鬼

 三度笠の狼の魔化魍たちによって高知支部が壊滅してから1週間経った。

 壊滅した高知支部唯一の生存者 詩鬼の意識が戻ったので、話を聞こうと思い。僕は病室に向かっていた。

 すると、病室の扉が少し開いていた、どうやら先客がいたようだ。

 

「お前だけでも無事で良かったよ詩鬼」

 

 先客は四国支部の王の加藤さんだった。どうやら、あの時の高知支部でのことを聞いてるようだと思い、僕は病室の開いてる扉の隙間から中の様子を見る。

 

「私が付いていながら、あの魔化魍にやられる暴鬼さんを………」

 

 詩鬼は顔を下げ、あの時のことを思い出し、布団の裾を強く握っている。勝は嫌なことを思い出したと思い、詩鬼の頭に手を置く。

 だが、病室から離れて見ていた練鬼にはその姿が少し演技っぽく見えていた。その理由は加藤は顔を下げてる詩鬼の顔を見れないだろうが、遠くから見ていた練鬼はその顔が見えていた。

 その顔には悪意のある三日月のような笑みを浮かべながら悲しんでいる様な声を出している。

 

「そろそろ時間か………またな詩鬼」

 

 練鬼は病室の扉から離れて、別の病室に隠れ、加藤が出ていくのを待った後に詩鬼のいる病室に入った。

 

SIDEOUT

 

 雛ちゃんと遊んだ後に黒と話しているお姉ちゃんの所に行き、お姉ちゃんの持っていた魔化水晶を渡して貰い、自分の部屋で眺めていたらまた頭痛がしてベッドに倒れた。

 そして、目を覚ますと前のような白い空間ではなく、神社のような場所だった。

 

「貴様が今代の王か?」

 

 低い声が聞こえて辺りを見回すと………居た。

 神社の手水舎の屋根に横たわっている大きな三度笠を被った狼の魔化魍がいた。

 不純な色が一切ない程の白くて美しい毛並み、青い宝石のような綺麗な目、ギラリと光っている大きな牙と鋭い爪、シュンとした長い二等辺三角形のような耳が二対、首には青いマフラー、そして大木のような大きさの三本の尻尾、そのうちの一本に私の右腕にあるのと同じ青い龍の痣があった。

 シュテンドウジさんの時と似てるからおそらく–––

 

「5代目魔化魍の王 イヌガミだ」

 

 手水舎から飛び上がり、私の前に着地する………わっ

 

 イヌガミの着地した風圧で、幽冥は腰を付いてしまう。すると、腰を付いた幽冥を見てプルプルと小刻みに震えるイヌガミ。

 急いで、立とうとすると–––

 

「大丈夫?」

 

 ………………えっ? あれ、さっきと口調が……… わっ!?

 

「どこにも怪我はない、擦り傷とか打撲とか」

 

 と言いながら前脚と尻尾を器用に使って、私を持ち上げて、色々な角度で私を見るイヌガミさん。

 そうしてくるくると身体を隅々までイヌガミさんに見られて数分経った。

 

「どこにも怪我は無さそうだね」

 

 すごい優しそうな声で私に声を掛ける。 ………あの〜

 

「な〜に?」

 

 さっきの口調と違う気がするんですが。

 

「はっ!! ………………何のことだ」

 

 あ、戻った。すごい変わりようだ、でも、さっきは心配してくれてありがとうございます。

 

「れ、礼はいらん///」

 

 三度笠で顔はよく見えないが少し照れてる。

 

「///………そうだ。貴様にはひとつ礼を言わねばならない」

 

 礼?

 

「そうだ。お前に私の娘は救われたありがとう」

 

 そうして、頭を下げるイヌガミさん………ん、娘?

 

「貴様が幼い時に会っていた狗威 朧は私の娘だ」

 

 狗威 朧って、………ええええええええええええええええええええ!!!!

 

SIDE練鬼

「襲撃の時に襲ってきた魔化魍を全部ですか?」

 

「覚えてる限りでもいいよ」

 

 僕が病室に入って、詩鬼さんにお悔やみの言葉を掛けて、話をしていると徹さんが入って来て、あの時に襲って来た魔化魍を教えてくれと言い今に至る。

 

「ですが、私が覚えているのはよくて四体くらいです」

 

「構わないよ」

 

 いい笑顔で言うが、傍から見たら二十代後半の女性に四十手前のおじさんが迫っている風にしか見えない。

 しかも、鼻息を荒くして言っているから余計に危なく見える。そんな徹さんの質問に答えるように詩鬼さんは上半身をベッドから上げる。

 

「先ずは、練鬼さんも徹さんも知っていると思いますが、『三度笠の狼の魔化魍』です」

 

 三度笠の狼の魔化魍。

 ここ最近の猛士のメンバーが襲われた場所には必ずと言っていいほど目撃されている神出鬼没の魔化魍。最初は犠牲者は少なかったが、その数はドンドン増えていき今では猛士のメンバーを50人以上喰らっていると言われている。

 しかもその中にはベテランと言われている鬼 半鬼も犠牲者の一人である。能力は一切不明で分かっているのは特徴的すぎる三度笠を被っているという事と見たこのない魔化魍を複数連れて、各支部の鬼を殺していること。

 

「次にですが、三度笠の狼の魔化魍に次ぐ被害を出している『独眼蛇の魔化魍』です」

 

「独眼蛇も出て来たのか?!」

 

「はい」

 

「何ですか徹さん、その独眼蛇って?」

 

「そういやお前は知るはずもないか、独眼蛇の魔化魍は四国地方を中心に被害を出した魔化魍だ。特徴は片目が無く、口に頭蓋骨を咥え、下半身が白骨化している蛇の魔化魍で大食漢、バケガニのように人間の骨が好物らしく神社や寺によく現れていたらしい」

 

「そんな魔化魍が」

 

「ああ。おまけにこいつは猛士のメンバーだけでなく一般人を多く喰らっていたらしい」

 

「後の二体は特徴だけしか六本腕の上半身女性の蛇の魔化魍と二足歩行の頭に火を灯した蜥蜴の魔化魍って所です」

 

「ふんふん、情報あんがと、じゃあ」

 

 そう言って徹さんは病室を出ていった。

 僕も時間的にそろそろ出ないとマズイので、詩鬼さんに挨拶をして帰る支度をする。

 

「では詩鬼さんまた」

 

 そう言って僕も病室を出て行った。

 

SIDEOUT

 

SIDE◯◯

 はあーー。擬態(・・)してるけど次から次のようで疲れる。目的の物を奪って、早く合流しなければ。




如何でしたでしょうか?
今回はこんな風でした。次回は最後の◯◯の人物の正体と魔化水晶が奪われます。
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