人間だけど私は魔化魍を育て、魔化魍の王になる。   作:創夜叉

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今回は初、鬼SIDEのみの話です。
そして、オリジナル魔化魍と平成ライダーの敵の1人が出てきます。


記録弐拾壱

SIDE◯◯

 職員も帰宅し、静かになった猛士の総本部。

 その総本部にある個室病室にいる一人の女性が目を覚ました。ベッドから降り、病室の扉から顔を出して、誰も居ないのを確認すると扉を閉め、ベッドの近くに戻る。

 

「やっと動ける」

 

 そう言った彼女………いや詩鬼は備え付けのロッカーから鬼になるための変身音叉 俳叉と古びたパイプ、服を取り出し、白の病衣を脱ぎ捨て、服に着替える。

 服が着替え終わった詩鬼は俳叉を服に仕舞い、古びたパイプを手に持ち、パイプをコンコンと手で叩く、するとパイプの中から火も付けていないのに白い煙が出て来て詩鬼の前に留まる。

 そして、白い煙は徐々に形を変えて灰色と白のツートンカラーの獏の魔化魍 エンエンラに姿を変えた。

 

【ふあ〜〜〜やっと出番?】

 

「はい。長く待たせてすいません」

 

【いいよ〜〜よく寝れたから〜】

 

「そうですか。では、魔化水晶の場所は分かりましたか?」

 

【うん。分かってるよ〜〜ふあ〜〜】

 

 そう言うと、エンエンラは身体を白い煙に変えて、地図のような形に変わる。

 そして、煙の地図を見た詩鬼は古びたパイプを出す。

 

「ご苦労様です」 

 

【じゃあ〜〜また〜】

 

 詩鬼は古びたパイプを再びコンコンと叩くと、エンエンラは吸い込まれていくようにパイプの中に戻っていった。

 詩鬼はパイプを服の中に仕舞い込み、病室を抜け、魔化水晶が保管されている総本部の封印倉庫に向かった。

 廊下の電灯は全て消えていて、非常灯の灯りだけが床を照らす静かな廊下に詩鬼の足音だけが響く。やがて曲がり角が見え、その近くにある階段を降りていくと、詩鬼は目的の場所に辿り着く。

 そこは封と書かれた札が幾つも扉に貼られ、取っ手には鎖で開けられないようにガチガチにされている大きな扉がある。

 

「ここですね」

 

 扉を確認した詩鬼は俳叉を取り出し、何か呟くように唱えると、俳叉は音叉剣に変わって、鎖に振り下ろして、鎖を切り裂き、扉を開く。

 中には猛士が長年集めた魔化魍に関する道具や資料、禍々しい物、見るからにガラクタ、とにかく色んな物が置いてあった。

 目的の物を探すために色々漁っていると、大きな箱を見つけた。

 

「もしかして」

 

 ポケットから腕輪を出し、箱に近付けると箱の隙間から青い光が見える。

 

「これは間違いない魔化水晶」

 

「やっぱりそれが狙いだったんだね詩鬼ちゃん」

 

「!!」

 

 後ろに振り向くと開いた扉に寄り掛かっている中部地方の王 飯塚 徹がいた。

 

「詩鬼ちゃんと握手した時に妙に冷たすぎてな、適当な話をしている時にサーモグラフィーが入ってるこのカメラを使って、詩鬼ちゃんの体温を見たんだ」

 

「………………」

 

「すると詩鬼ちゃんの身体体温がすげえ青くてな、驚いたぜ水に浸かって身体を冷やしてるんなら分かるんだけどさ、ベッドの中にいたのに異常に低い温度だったんでね」

 

「壊れたんじゃないんですか」

 

「これ昨日買ったばっかでね、それは無いな」

 

「……………」 

 

「で、調べるためにもう一度部屋に行こうとしたら、詩鬼ちゃんが部屋を出ていくのを見たんで尾いて来たって訳」

 

 まさか、尾けられていたとは。だが、幸いにも気付いてるのはこいつだけの筈。

 

「どうするつもりですか?」

 

「縛りつけて総本部長や他の王の所に連れていく」

 

「やれるものやって見てください」

 

「へえ〜、じゃあ先ずはこうしますか」 

 

 飯塚は服から出したリモコンのボタンを押す。

 

SIDEOUT

 

SIDE飯塚

 何か怪しかった詩鬼をつけてみれば王クラスではないと許されない封印倉庫に入る姿が見えた。

 そこで王権限の緊急システムを使って、出口には「俺が待機して」とお願いした現猛士総本部長の武田 烈火に総本部直属の鬼 練鬼、四国地方の王 加藤 勝、四国地方の鬼が数名。

 

「詩鬼テメェ」

 

「詩鬼さん、何でこんなことを?」

 

「残念じゃ詩鬼、お前が魔化魍に組みしてたとは」

 

「さあてと、弁解はあるかい詩鬼」

 

 上から勝、練鬼、烈火総本部長、そして俺が詩鬼に呼び掛ける。

 だが、詩鬼は顔を下に向けたまま何も反応しない。

 

「おい! 詩「ふふふふふふ」き?」

 

「ふふふふふふふふふふ、あはははははははははははははははは!!」

 

 様子がおかしい、こんな状況なのに笑うなんて。普通に考えれば頭がおかしいか気が狂ったと言う所なのだが。

 

「何がおかしいんだ詩鬼」

 

 詩鬼は笑うのを辞めて顔をあげる。その顔は笑い声をあげていたとは思えない脳面のような無表情だった。

 

「何がおかしいって、いつまでも私が詩鬼という人間だと思っている貴方たちが可笑しくて」

 

 すると、詩鬼の身体が緑色に発光し、姿を変えていく。

 全身が緑色で目は鋭く、右手が丸い発光体のホタルに似た魔化魍が立っていた。

 

「邪気を感じるが魔化魍とは違う!」

 

 練鬼の言った言葉に周りは驚く。

 

「魔化魍じゃないだと!」

 

「ふふ、魔化魍の味方をしていますが、私は魔化魍ではありません」

 

「じゃあ何なんだお前は」

 

 そう聞くと、怪人はそうだったという感じで自分の正体を名乗った。

 

「私は遥か宇宙の彼方から地球に落ちた小隕石から生まれたワームのランピリスと申します」

 

「ワーム?」

 

「本当は貴方たちとも戦ってみたいのですが、私はこれを届けるのが任務ですからね。では」

 

 手に持った箱を見せたランピリスワームは目に止まらない速さで動き俺たちの前から消えた。

 魔化魍とは違う種族どんなのがいるかは分からないが、魔化魍たちはますます手が付けられなくなるだろうと俺は思った。




如何でしたでしょうか?
はい。平成ライダーの敵は仮面ライダーカブトの第3話に登場したワームのランピリスワームでした。
次回は立て篭もり事件に巻きこまれた王を救出するために魔化魍たちが・・・
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