幽冥とヤドウカイは次回になります。
結局あの後、シュテンドウジさんとイヌガミさんは私の事を可愛いやら初々しい等と言って、気付いたらあの神社ではなく、新幹線の中だった。
「お姉ちゃん! 早く行こうよ!」
ひなちゃんに手を引っ張られ駅から出たら–––
「うわぁ!」
辺り一面は雪で覆われた幻想的な白景色だった。春が近くなって来て、東京だと少し暖かくなってきているがここはかなり寒い。
「王、コートを着てください」
そう言って 、白は防寒コートを私に着せる。ひなちゃんには黒が防寒コートを着せていた。お姉ちゃんは既に着ている。
キャリーケースを見るとブルブル震えていた。それそうだキャリーケースには身体を温めるものは一切入っていない。
「とにかくどこかホテルに行きましょ」
「はい」
「えーーーもっと雪で遊びたいーーー」
「ダメデス。後デ、一緒ニ遊ンデアゲルカラ、今ハダメ」
「ぶーーーー」
ひなちゃんはもっと雪で遊びたいようだが、黒が説得してくれて、とりあえず遊ぶのは辞めた。
さて、安いホテル探さないと。
SIDE◯◯
古びた寺から少し離れた所にある方丈という場所に尼と和服の男女。
手に小豆を入れたざるを持つ青い作務衣の蛙。
全身に包帯を巻いた人型。
黒いサングラスを掛けた黒コートの男。
胸元が少しはだけてる紅のドレスを着て背中に蝙蝠の翼を生やす美女。
ちゃぶ台の上にある竹の筒から頭を見せる白い狐。
それら異形ともいうべきものが集まり、夕餉を済ましたのかちゃぶ台の上には皿がいくつも重ねられていた。
「………で、王は何処にいるのですか?」
尼の隣で正座する和服の女が小豆を持った青い作務衣の蛙いや魔化魍 アズキアライに質問する。
【あっしの術で王をあの場所に着くようにしやした、問題はありやせん】
アズキアライはそう答えるとざるに手を入れ小豆をとぎ始める。
「シャシャシャッ、それでどうするんだ美岬」
不気味な笑い声を出した黒コートの男が尼に質問する。
「そうですね。王はいずれ会いに向かいますが、まずはヤドウカイ達と接触したいですね」
【#%$>€$#%%】
「王に接触する方が良いのでは? と聞いています」
何を言ってるのか分からない全身に包帯を巻いた人型の言葉を和服の男が翻訳し、尼に伝える。
「ヤドウカイとの接触を最初にするのは、この北海道にある3つの猛士の支部の破壊と想鬼の持つ魔化水晶を奪う為に」
【ほーやっと戦えるのか】
【僕もこんなこともあろかといっぱい分体を作ったんだよ】
紅のドレスを着た女は鋭い八重歯がギラリと光るように笑い、竹筒から顔を出す白い狐は自身の特殊能力で増やした自身の分体の事を尼に伝える。
「そうですか。ではヤドウカイ達と接触しましょう」
尼の声でそれぞれが動き始めた。
そして、今から10時間後に北海道に3つある猛士の支部が1つ消えた。三度笠の狼の魔化魍と下半身が海豚の人魚のような魔化魍とその仲間達によって。
そして、幽冥も新たな魔化魍と出会う。
如何でしたでしょうか?
覇王龍さんのアズキアライが出てきました。和服の女と黒のサングラスに黒コートの男を除いて、全員アイディア魔化魍です。誰が誰か分かりやすかったかな〜