人間だけど私は魔化魍を育て、魔化魍の王になる。   作:創夜叉

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ヤドウカイチーム&美岬チームVS北海道第2支部の鬼達による戦いが始まりました。
今回はかなり長いため3話掛けてお送りいたします。


記録弐拾玖

SIDE◯◯

「クソ、魔化魍共め!!」 

 

 目の前の机に手を叩きつける髪の薄いこの男は上居 井留は現在の状況に苛立っていた。

 今、猛士の北海道第2支部は複数の魔化魍の襲撃を受けていた。

 ほとんどの人間が寝静まっている時間の急な襲撃により第2支部の半分の人間が魔化魍たちに喰われていった。

 

「第1支部と第3支部に増援の連絡を!!」

 

「ダメです。伝達用のディスクアニマルは全て破壊されました!!」

 

「クソっ!!」

 

 韋意はこの現状を解決するために第1支部と第3支部に増援を貰うためのディスクアニマルを送るも、襲撃してきた魔化魍達の攻撃によって破壊されてしまった。

 現在、この支部にいる鬼16名は魔化魍達に攻撃を仕掛けて分断に成功した。

 韋意は祈るように鬼たちの勝利を願った。

 

SIDEOUT

 

 

SIDEヤドウカイ

「ぎがあああ!!」

 

「いやああ………」

 

「がああ………」

 

 牙や爪が人間()の血と肉片で赤く染まる。

 北海道にある猛士の支部は他の地方の支部より土地が大きいためか所属する人間や鬼の数がなり多い。

 現在、襲撃を掛けたこの第2支部はこれでも北海道内では最小と言われているが、既に100以上は仕留めたはずなのに、まだ出てくる。目の前で震えて人間を喰らって次の獲物を探そうとしたら–––

 

「てやああああああ!!」

 

 横から途轍もなく大きい音叉剣を持つ人間が私に攻撃してきた。

 

「そこまでだ魔化魍共、この北海道随一の冠鬼がお前達を倒してやる」

 

「冠鬼さん1人で突っ走んないでください!!」

 

 冠鬼の後ろからさらに8人の鬼が現れた。

 何の力も持たない人間の相手に飽きていた時に来ましたね………………少しは骨があるといいですね。9人の鬼は変身音叉や変身鬼笛、変身鬼弦を使い、自身の姿を鬼へと変えて、私達に向かってきた。

 

SIDEOUT

 

 

SIDEランピリス

「妹の仇!!」 

 

 私は現在、歌鬼という鬼と戦っていた。

 最初、女は私の姿を見て詩鬼と言っていのでおそらく、私が擬態した人間の事を言っているようだが、私は詩鬼では無くワームのランピリス。

 『詩鬼、詩鬼』と五月蝿かったので擬態を辞めて、元の姿に戻ると女は涙を流しながら変身音叉を使い、女の身体のまわりに風が包み姿を変える。

 頭部が桜色で縁取りされていて、額に短い一本角を生やし、桜の花びらを模した胸当てに植物の根に似た金属の輪を足に巻いた鬼 歌鬼に姿を変える。右手には音叉剣を持っていた。

 

「人間とはやはり分からない生き物ですね」

 

「………何ですって」

 

 歌鬼は動きを止めて、私の言葉に耳を傾ける。

 

「自分とは違う人が死んで、そこまで悲しむのか。理解に苦しみ………………話の邪魔はしないで欲しいんだけど」

 

 歌鬼は喋っているランピリスに音叉剣を振り下ろすが、右手の発光体で音叉剣を防ぐ、それと同時に歌鬼の腹に蹴りを入れて距離を離した。

 

「妹の声で喋るなああああ!!!」

 

 激昂した歌鬼は滅茶苦茶に音叉剣を振り回す。だが、ランピリスから見ればさっきまでの攻撃に比べれば、見切りやすく大振りな動きで凄く単調な攻撃だった。攻撃を右手の発光体で防ぎ続けてると、歌鬼は息を上がらせて音叉剣を杖の代わりにして立つのが精一杯だった。

 

「もうおしまいですか?」

 

「五月蝿い!!」

 

 また大振りで振るも、簡単に避けられて体勢を崩して、地面に倒れる。

 

「さて、そろそろ終わりにしますか」

 

 ランピリスの右手の発光体が緑の輝きを増していき、発光体の先から緑色の炎が浮き出て来る。

 

「では、さようなら歌鬼姉さん」

 

 緑色の炎が歌鬼に目掛けて放たれる。

 

「今だ!!」

 

「なっ!!!」 

 

 歌鬼は先程までの動きが嘘かのような俊敏な動きで炎を躱して、ランピリスに近付き、バックルに付いている音撃鼓 歌謡をランピリスの腹部に付ける。

 

音撃打(おんげきだ) 桜花絢爛(おうかけんらん)

 

 音撃棒を握り締め、ランピリスに必殺の清めの音を放ち続ける歌鬼。

 最後の一撃を音撃鼓に叩きつけようとする歌鬼だが–––

 

「な!? ガハッ」

 

 最後の一撃を放とうとする両腕をランピリスに掴まれ、最後の一撃を放つことができなかった。そして、清めの音を受けていた筈のランピリスは苦しむ様子もなく音撃鼓に発光体を当てて燃やす。

 その光景を見て、驚愕する歌鬼はランピリスに地面に叩きつけられて、動きを封じられる。

 

「な、なんで……魔化魍に…お、音撃が効かな…い、なんて」

 

 ボロボロになった歌鬼はランピリスに聞いた、しかし答えは彼女を絶望させるには充分な言葉だった。

 

「私はそもそも魔化魍ではありません」

 

 その言葉を聞いた歌鬼の心は折れ、絶望が支配した。

 

「では、今度こそ本当におしまいにしましょう」

 

 ランピリスは歌鬼を宙に投げてる。それと同時にランピリスは固有能力であるクロックアップを使い、空中にいる歌鬼に連続の攻撃を与える。

 上、下、右、左、斜めとあらゆる角度からの打撃を受けて、ヒビがはいっていく歌鬼の身体、そして攻撃が一旦止まったことにより、重力によって下に落ちていく歌鬼にランピリスは追いかけ、右手の発光体に炎を灯して、発光体を歌鬼の腹に叩き込む。

 歌鬼の身体はみるみる緑色の炎に包まれ、地面に落ちた時には既に全身を炎が包み込んでいた。

 ランピリスは燃える歌鬼の姿を見ながら詩鬼の姿に戻り、支部の襲撃のためにその場から離れていった。本人は気付かずに片目から涙を流していた。

 

SIDEOUT

 

 

SIDEガシャドクロ

 あああ、弱え、弱え。

 全く、たくさんの鬼がいるから頭蓋骨のコレクションが増えるかなと楽しみにしていたのに。

 

「が、ああ………あああ」

 

 ガシャドクロの前には四肢全てをあらぬ方向に曲げられて、腹から内臓の一部が垂れている鬼がいた。

 

 確か、磁鬼とかって言ったかこの鬼。

 初めは、驚くような攻撃ばっかしてくるから、久々に本気出せるかなと楽しみにしていたのに、空気中の静電気を集めて攻撃なんて、ショボい技を使いやがって。

 本気出す気も失せて、軽くやっただけでコレだ。

 

【まあ、久々の人間だゆっくり味わうとしますか】

 

 ガシャドクロはそう言って、白骨の尻尾を使って磁鬼の身体に巻きつけ。どこかに消えた。

 

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SIDEヒトリマ

 あああ、炎だ、炎。何もかもを燃やし尽くす炎。

 やっぱり良い、例えこの炎が鬼が作った炎だとしても、この炎は燃える。人を焼くことも、家を焼くことも、その気になれば水を焼くことも出来る。

 俺の身体に鬼が放った炎がどんどん俺を燃やそうとする。でも、意味がない。

 

「俺の炎を受けて、まだ生きているのか、ならば!!」

 

 鬼は音撃棒からさらに炎を俺に浴びせるが、意味がない。

 出来ればもうちょっとこの炎と戯れたいが、さっさと終わらせたいからな。

 

ボオオオオオオオオオ!!!

 

 俺が吠えるとさっきまで、俺を燃やそうとした炎が俺から離れて、一箇所に集まる。

 宙に浮かんでいる巨大な炎はやがて、その形を炎の龍へと変化させて、俺を中心に浮いている。

 普段は隠れて見えていない手を出し、鬼に向けて炎の龍を嗾ける。

 だが、鬼は炎の龍を音撃棒で十字に組んで防ぐ。

 

「なんと面妖な!!」

 

 防がれるのは想定内だ。手を思い切り握り締めると–––

 

「なっ!!」

 

 炎の龍の身体は分裂して炎の龍は5匹の炎の龍に変わり鬼に襲いかかる。

 音撃棒で2匹潰すが残った3匹は鬼の身体に纏わり付き、激しく燃える。炎の龍は火災旋風のように変わり、中心にいる鬼を燃やす。

 

 数十秒経ち、握り締めていた手を開いて、横に一閃すると、炎は消えて、黒く焼け焦げた変わり果てた姿となった鬼が立っていた。

 ヒトリマは鬼の身体をツンと指で突くと、鬼の身体はボロボロ崩れていく、ヒトリマの後ろから風が吹いてきて、崩れていく鬼の身体を風が空へと運んでいき、遂に鬼は灰に変わり、空へと消えていった。

 

SIDEOUT

 

 

SIDEカンカンダラ

「巨体の癖して速すぎる」

 

 それは針鬼さんが遅いだけです。しかも私はヤドウカイ達に比べたら3番目に遅い。

 カンカンダラは振られた音撃弦を2本の腕で防ぎ、残った4本の腕を針鬼の腹に叩き込む。衝撃によって音撃弦を離してしまい、針鬼は遠くに飛ばされる。

 

【これは良いですね………】

 

 遠くに吹き飛ばされた針鬼に目を向けずに、カンカンダラは手に持つ音撃弦 針陣を眺める。

 この魔化魍 カンカンダラは戦った鬼の持つ音撃棒、音撃管、音撃弦で、気に入ったものを奪い、自分の武器として使う変わった魔化魍なのである。

 カンカンダラは針鬼の方に目を向けず去った。

 

 いや、目を向ける必要も無いだろう2本の腕で音撃弦 針陣を見ていたカンカンダラだが、4本の腕には嘗て戦った鬼たちから奪った4つの音撃管があり、針鬼はその音撃管に全身を撃たれて死んでいた。

 魔化魍を倒すために使っていた武器が魔化魍に使われる、鬼にとっては言いようのない屈辱的な死に方だった。

 

SIDEOUT

 

 

SIDEヤドウカイ

 遠くから金属と金属の打ち合ってる音が響く。

 

「待て逃げるのか!!」

 

 後ろから冠鬼が追いかけて来るが、私は気にしないで音の方角に向かって走る。

 そこに居たのは、下半身が海豚の人魚のような魔化魍と鬼が刀を鍔迫り合っていた。




如何でしたでしょうか?
今回は戦い方が明らかになっていない魔化魍達での戦闘シーンを描いて見ました。
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