人間だけど私は魔化魍を育て、魔化魍の王になる。   作:創夜叉

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今回で第2支部編の中編になりました。
今回は、新たな魔化魍の名と黒サングラスの黒コート男の正体が明らかに・・…


記録参拾

SIDE美岬

 全く、静かに侵入しましょうと言ったばかりだと言うのにミイラさんは、はあ〜〜〜〜。

 

【&@%£$$$!!】

 

 全身に包帯を巻いた人型が叫びながら、鬼たちに包帯の鞭を振るい攻撃をしている。

 竹筒からはいくつもの白い狐が鬼の周りにいる人間に向かってその牙を向く。

 

「ここは絶対に落させません」

 

 そう言う鉱鬼は自身の音撃弦 虹鉱を構えて、7人の鬼と共に猛士第2支部の裏口を守っていた。

 

SIDEOUT

 

 

SIDE衣鬼

 風を裂いて、衣鬼は音叉鞭を全身に包帯を巻いた人型の魔化魍 ミイラに振るう。

 変身音叉を変形させた音叉鞭による激しい攻撃によってミイラの身体はどんどん削られ、包帯の下の黒い皮膚が見えてくる。

 音叉鞭はさらに激しさを増して、ミイラの左腕を切り裂く。

 

「とどめをさしてやる!! 音撃乱(おんげきらん) 暴風怒涛(ぼうふうどとう)!!」

 

【@¥&¥€%£+!!!】

 

 衣鬼は音叉鞭を弧を描くように空中で振り始める。やがて巨大な風に変わり、衣鬼はその風をミイラに投げつける。

 巨大な風の中に閉じ込められたミイラは包帯に巻かれている全身を削られていき、千切れた包帯が空に散っていく。やがて、黒い身体も風によってどんどん削られ塵に変わっていく。

 

「次の魔化魍を………」

 

【ふふふふふ、ふはははははははははははは!!】

 

「っ!!!」

 

【我を倒したつもりか鬼】

 

 倒した筈の魔化魍から声が聞こえてきたことに衣鬼は驚き、辺りを見回す。

 すると腕に謎の痛みが走り、衣鬼は自分の右腕を見ると、黒い何かが右腕の装甲を貫通して刺していた。

 潰そうと手で叩くが、黒い何かは右腕から離れて、空を飛んで逃げる。

 

【我に気付いたか鬼、ならば見せてやろう我の真の姿を】

 

 すると黒い何かの全身に同じ黒い何かが集まり始めて、徐々に人型に変わっていく。

 ヘラクレスオオカブトの頭部に黒い体躯、下半身を覆い隠す白い腰布、青と金色の装飾を全身に身に付け、手には太陽を模した長杖を持つ。

 

「なんで、音撃を受けた筈なのに」

 

【確かに音撃は受けたさ、だが、あれは我の本体ではない!!】

 

 そう言うと、ミイラは長杖をコツンと地面を突くと、ミイラから少し離れた死体に黒い何かが集まり、死体を覆い尽くす。

 黒い何かは徐々に数が減っていき、やがて黒い何かは完全にいなくなると同時に先程、倒したミイラと同じ姿の魔化魍が立っていた。

 

 これを見た衣鬼は顔を青褪める、つまり自分が戦って倒したのは魔化魍では無く魔化魍そっくりの偽者に作り変えられた人間だったといことに。

 衣鬼は口元を手で抑える。それを見ているミイラは。

 

【ハハハハ、やはりこれを見た人間は同じような行動に出る、死んだ人間は我らの餌かもしくは道具に過ぎぬ】

 

 再び、長杖を突くと、地面が急に盛り上がりそこから複数のミイラが現れる。

 衣鬼は突然現れたミイラ達を見て、さらに顔を青褪める。ミイラ達は衣鬼を囲み、呪詛のような声を出す。

 

「もうやめてーーーー!!」 

 

 耳を防いでも聞こえる声を聞き、衣鬼はそのまま倒れる。ミイラの本体が突き刺した毒が全身に回ったからだろう。

 

ハハハハハハハハハハハハハ

 

 ミイラの高笑いが響き、ミイラは衣鬼の腕を掴んで何処かに連れてった。

 

SIDEOUT

 

 

SIDE黒サングラスの黒コートの男

「シャシャシャ、やるな女」

 

「五月蝿え!!」 

 

 頭部を藍色で縁取りされていて、左右非対称の長さの角を生やし、胸元には猪を模した面が付いてる鬼 突鬼と戦っている黒サングラスの黒コートの男は突鬼の振るう音撃擦弦(バイオリン)の弓刀を変な笑い声と共に避ける。

 

「この当たれっ!!」

 

「断る!!」

 

 今度は音撃擦弦(バイオリン)のパイルバンカーのようになっている本体を男の身体目掛けて放つ。

 弓刀と本体を使った突鬼の激しい攻撃は男の動きを鈍らせるのに十分だった。やがて、パイルバンカーの本体が男の胸元に突き刺さり、轟音と共に打ち付けられるが、それと同時に高い金属音が響く。

 

「シャシャシャシャ」

 

 男はパイルバンカーの杭を引き抜き、突鬼を殴ろうとするが、突鬼は後ろに飛んで躱す。

 男の黒コートはパイルバンカーの直撃によって焼け焦げて胸元が見えていたが、突鬼はそれを見て、声を荒げる。

 

「何だ!! てめのその身体!!」

 

 突鬼は男のコートの下にある皮膚が人間と違った事に驚く、右は蛇の腹を思わせる皮膚だったが、左は機関銃についてる弾帯を模した機械が付いていた。

 

「シャシャシャ、これを見られたからには俺の本当の姿を見せてやる」

 

 男は顔を掴み、勢いよく剥がす。

 突鬼は突然の男の行動に驚くが、男の剥がれた顔から見えたのは赤い筋繊維では無く、蛇の顔だった。剥がれた顔に続いて、身体も蛇の脱皮のように剥けていく。

 

 やがて、男の姿は人間とは全く異なる姿に変わった。

 コブラの頭に鱗に覆われた左腕、身体の半分に付いた弾帯、腰から左足の上半分に巻き付く蛇、右足は鉄板で覆われている。そして、もっとも目立つのは右腕全体がマシンガンになっている。

 

 そう、この魔化魍………いや、この怪人の正体は嘗て、力と技のベルトを持つ昭和仮面ライダー3号こと仮面ライダーV3と戦った秘密結社デストロンの機械合成改造人間。

 

「俺の名はマシンガンスネークだっ!! シャシャシャシャシャシャ!!」

 

 マシンガンスネークは右腕のマシンガンを構えて、突鬼に向ける。

 

「シャシャシャ、行くぞっ!!」 

 

 マシンガンスネークの腕のマシンガンから大量の弾丸が突鬼に火を吹く。

 突鬼は音撃擦弦(バイオリン)の本体を盾にして弾丸を防ぐが、どんどん本体に皹が入り、今にも砕けそうになっている。

 

「意外と頑丈だな、だがどれくらい耐えられるかな」 

 

 そして、突鬼の音撃擦弦(バイオリン)は遂に砕けた。砕けた音撃擦弦(バイオリン)を見て、突鬼は戦意喪失する。

 マシンガンスネークは突鬼の頭にマシンガンの銃口当てるが、戦意喪失した突鬼はもはや戦う事は出来ない。

 

「ちっ、つまらん」

 

 マシンガンスネークは突鬼の首元に手刀を入れ、突鬼は意識を失い。鬼の姿から一糸纏わぬ人間に戻る。

 

「//////////!!」

 

 流石に目の前に、服を纏わぬ人間がいるのに放置するのはマシンガンスネークとしては気まずいらしく、人間の姿の時に来ていた黒コートで突鬼の服代わりとして着せる。

 そのまま、米の俵の様に担いでマシンガンスネークは突鬼を連れていった。

 

SIDEOUT

 

 

SIDEヤシャ

 激しい金属音が響く、顔に鬼のような黒い面を掛けている和服姿の男の魔化魍 ヤシャと鬼。

 

【なかなかやりますね】

 

「魔化魍に褒められても嬉しくねえ!!」

 

【(はあ〜最近の鬼は弱すぎると、皆よく言いますね)】

 

 ヤシャはかなりの加減をしながら鬼と戦っていた。自分が本気を出すにしても今、別のところで戦っているハンニャの力を借りねばならない。

 

【(そろそろ飽きてきました)】

 

 この鬼は名持ちではないが決して弱い鬼ではない、この北海道にいる8人の鬼の想鬼に指導してもらい、北海道にいる魔化魍を50体以上は倒した実力を持つが、戦っている相手が悪すぎたのだ。

 

「喰らえええええ!!」

 

【ふん!!!!】 

 

 鬼は一瞬にして両断され、物言わぬ肉塊と化した。

 ヤシャは死体を一瞥して、刀の血を服の裾で拭き取る。そして、昔を思い出していた。

 

 ヤシャは嘗て、名のある武家に生まれた人間(・・)だったのだが、婚約していた(ハンニャ)を助けるために、上司を斬り、そして姫と共に逃げたが、上司の部下の待ち伏せで姫と共に殺された。

 だが、ヤシャは姫と共に世界を恨んだ、どうして好きな人間と一緒になれないのかと、だから願った、人間でなくていい、彼女と一緒に過ごせれば自分達は妖にでも悪魔にでもなってやると、その時に出会ったのが沖野 美岬ことヤオビクニだった。

 昔を懐かしく思いながら、ヤシャは愛する(ハンニャ)の元に向かった。

 

SIDEOUT

 

 

SIDE鬼

 気配を薄くしながら、鬼のような白い面を掛けている和服姿の女の魔化魍 ハンニャから姿を隠す。

 だが、気配を薄くしても何処からか飛んできた矢は左腕を掠って、何処かに飛んでいく。

 

「何処から撃ってきてるんだ!!」 

 

 そして、何処からかまた矢が飛んでくる。

 

「があああああああ!!!」

 

 今度は右脚を貫き、矢が地面に刺さる。矢には血がベットリと着いていて、地面を少し赤くした。

 鬼は貫通した脚を抑えて、近くの木の幹に隠れる。鬼の装甲すら貫通する矢に恐怖する。そして、傷口に布を巻き思いっきり締める。

 傷を塞いで、鬼は移動しようと立ち上がると共に矢が飛んできて頭を貫通して、木の幹に刺さる。 

 倒れる鬼にさらに矢が飛んできて物言わぬ死体の鬼の両腕、両足、首、腹は木に縫い付けられるように矢が刺さっていく。

 

 すると、空間が少し歪みそこから手に大弓を持ったハンニャが現れる。

 

【………所詮この程度】

 

【姫ー何処ですか!!】

 

 すると何処からかヤシャの声が聞こえ、ヤシャが現れる。

 

【姫、探しましたよ】

 

【………ごめんなさい】

 

【姫、私からあまり離れないでください。もう姫を失うのは嫌なんです】

 

【///////】 

 

 ハンニャはヤシャに抱きしめられて、顔を赤くしている。

 

【ふふははは、このような場所で発情するとはなハンニャ!!】

 

 笑鬼を縫い付けた木の枝にミイラが意識をなくしている女の鬼を背に乗せて、ハンニャ達を揶揄っていた。

 その光景を見られたハンニャは先ほどとは違う光の灯ってない目でミイラに矢を当てようと大弓を引き始めるが–––

 

【姫、今は私を見てください】

 

 ヤシャの言葉で大弓を引くのを辞めて、ハンニャとヤシャはイチャイチャな雰囲気をだす。

 それを見たミイラはいつの間にか消えていた。

 

SIDEOUT

 

 

SIDE美岬

 本来の姿に戻り、目の前の鬼と戦っていた。

 だが、戦って分かったが鉱鬼というこの鬼はかなり厄介だ 。初めは音撃弦を使い、何処かぎこちなかったが、音叉刀を使いはじめた瞬間に私と互角の腕を見せている。

 

 刀で鍔迫り合っていると、奥から何かが走ってくる音が聞こえ、目をそこに向けると三度笠の狼の魔化魍がコッチを見ていた。

 ここで、2つの魔化魍グループのトップは初めて、開合した。




如何でしたでしょうか?
今回は茨木翡翠さんのミイラと覇王龍さんのヤシャを出させて頂きました。
茨木翡翠さん、覇王龍さんこれからもアイディアよろしくお願いします。
そして、黒サングラスの黒コート男の正体はデストロンのマシンガンスネークでした。

また現在、活動報告にて、この作品の次に書く舞台の投票していますので、投票できる方は何番かを書いて、活動報告に投票してください。


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