人間だけど私は魔化魍を育て、魔化魍の王になる。   作:創夜叉

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やっと、此処まで来ました。
北海道編の中間になります。
この話が終わった後半が幽冥、ヤドウカイ、美岬の合流そして、第3支部にいる想鬼との戦いになります。


記録参拾漆

SIDE◯◯

 やめて、やめて、やめて、やめて、清めの音をやめて。

 私の身体にヒビが少しずつ入っていく。自慢の翼や尾はどんどん塵と化し崩れていく。

 意識がなくなりそうになった途端に–––

 

「音撃止め!!」

 

 白衣を着た男が下卑た笑みを浮かべて私を見る。

 

「くくくくくっ、良いぞ、良いぞ、その顔を私は見たいんだよ」

 

 笑い声が私の傷付いた身体に響く。

 今すぐ、その笑顔を苦痛で歪ませたい。だが、私の武器とも言える尾は今の実験でボロボロになり使うことが出来ない。

 

「暫くしたら実験を再開する。各自今の内に休憩しとけ」

 

 すると、白衣の男の隣のもう1人の男が休憩を告げる。

 白衣の男の声でデータを取っていた研究員、音撃を放っていた鬼たち、そして下卑た笑みを浮かべた白衣の男は、休憩の為に実験室から出る。

 やがて、部屋には休憩を告げた白衣の男と私しか居なかった。

 

「………………アカエイ大丈夫か」

 

【心配するんだったら、もう少し手加減する様に指示してよ】

 

「それは無理だ。少しでも手を抜けばあの男に怪しまれます」

 

【はーーー。で、脱出の準備は整ってるの?】

 

「問題無い。それにあと少しで王がやって来るそうです」

 

【王が?】

 

「おそらく王は今日、第1支部(ここ)を襲撃します。そのどさくさで王に保護してもらってください」

 

【ショウケラやジュボッコは?】

 

 私以外に此処に囚われた魔化魍が心配だった。

 

「あの人間がなんとかしてくれると思います」

 

 あの人間………………ああ、あの娘か。人間なのに私達、魔化魍の身を心配してくれる人間。

 

【そう】

 

「では、それまではいつも通り」

 

【また音撃を受けるのか………憂鬱】

 

「………私はこの間にあの男の部屋を探ってみます」

 

【まあ頑張りなさいジャック(・・・・)

 

SIDEOUT

 

 顎と睡樹が穴から戻ってきた。証拠のつもりか見張りの傭兵の脚とミイラの3人の死体を持って。

 

「良くやったね顎、睡樹」

 

ギリギリギリギリ  シュルルルルゥゥゥ

 

 私に撫でられ嬉しそうにする2体。そして、そのまま第1支部の入り口に全員で向かう。

 

 

 

 

 

 

 元々、今居た場所から第1支部の入り口はそこまで遠くなく、見張りも顎と睡樹が片付けたので、問題もなく第1支部の入り口に辿り着く。

 

「崩、あの扉を潰して」

 

ノォォォォォン

 

 小さなぬいぐるみのような姿から咆哮とともに本来の大きさに戻る崩。最初に会った時は中途半端のような大きさが今では立派な成体にまで成長した。

 因みに成体になったのは崩を含めて、土門、顎、羅殴の4体で、鳴風と飛火は後少しで、睡樹と唐傘、波音は等身大の為、大きくなることはなく、鋏刃や穿殻、浮幽、昇布は既に成体だった。

 

 崩は巨大な脚で第1支部の入り口の鉄扉を破壊する。巨大な鉄の扉はミシミシという音ともに踏み潰される。

そして、潰された鉄扉を見た私はみんなの方に振り向く。

 

「みんな、私達はこれから猛士と戦う。今までの様に平和に過ごすのは無理かもしれないけど、私に力を貸して」

 

「幽、言われなくてもみんなやる気満々だよ」

 

グルルルルルル  ピィィィィィィィィィ ギリギリギリギリギリギリ 

ノォォォォォン  シュルルルルゥゥゥ  ウォォォォォォォ  

コォォォォォォォン カラララララララララ ンキィ、ンキィ、ンキィ、ンキィ

ヒュルルルルルル  ルルル、ルルル

 

 お姉ちゃんの言葉を肯定する様に声を出すみんな。

 

「私の………いや魔化魍の王として命じます。猛士北海道第1支部を潰しなさい!!」

 

 私の声で魔化魍(家族)は自分の思うままに行動を始めた。




如何でしたでしょうか?
今回は茨木翡翠さんのアカエイを出させて頂きました。茨木翡翠さんアイディアありがとうございます。
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