新たな魔化魍も出ます。
白たちの名前を考えた。今度は、この館を直さないとね。
これからは此処で暮らすんだから。ちゃんと直して、住めるところにしないと。誰が二度とあんな両親のところに戻るもんですか。
しかし、外から見る限り、壁は見事に砕かれて大きな穴があり、屋根は崩れてボロボロ、窓ガラスはそこら中割れている。中はどうなってるか入ってないから分からないけど、多分ボロボロだろう。
「白〜〜ぅ!!!」
突然の大声で、私の背中にいた土門がビックリしたのか地面に落っこちた。腹を出してジタバタする土門の姿が微笑ましいが見てるだけでは、可哀想だから私が背中に手を入れて、起き上がらせた。
土門はプンスカ怒っているのか、前脚を使って、私の足を軽く突っつく。
「何でしょうか? 我が王?」
白が片膝を付けて、私の前に現れる。
「これからこの館を直すんだけどね、ここら辺に材料になるやつない?」
「残念ですが、ここら辺には材料になるような物はありません。そういう物は人間の街に行かねば」
「そっか」
それもそうだ。そもそもこんな人工物を直すための材料をこんな山奥にあるかと聞く方がおかしい。やはり、山を降りて材料を買わなければいけないだろう。だが、財布は両親に取られているから取り返さないといけない。どうすれば…………あっ。そうだ。
今、頭の中に思い浮かんだのは、人間としては間違った考え方だろう。しかし、魔化魍として、いや、白の言う魔化魍の王としての考えならば正しい考えだ。
「土門、鳴風、顎」
私の声を聞き、みんな私の前に集まる。
「お腹空いてない?」
グルルルゥゥ ピィィィィィィ ギリギリギリギリ
「そっかお腹空いてるんだね? じゃあ、これからご飯を捕まえようと思うだけど? どうかな?」
グルルルゥ ピィィィィィィ ギリギリギリギリ
嬉しそうにみんな声を出して、土門は私の背中に掴まり、鳴風は白の腕を尻尾で掴み、顎は今か今かと顎をカチカチと鳴らして、私が歩くの待っている。
「白も来て、鳴風のご飯はあなたが居ないといけないから」
「分かりました」
「じゃあ、行こっか」
そして、家へと向かった。
SIDE主人公の両親
「どこにも居ないのか?」
「ええっどこにも居ません」
「っち! あのガキ。今度は一週間の飯抜きじゃあ済まさんぞ!」
「それよりも、あんなの捨てた方が良かったんじゃないの?」
「何言ってやがる! 誰が俺たちの飯を準備すると思ってるんだ? 誰が俺たちの服を洗うと思ってるんだ? 誰が部屋を綺麗にするんだ? 全部あのガキにやらせてるんだぞ!」
「それもそうね」
「これからも全部の炊事、洗濯、家事をあいつにやらせるんだから、何としても見つけねえと」
さっきから人を物の如く、言っている彼らこそ、魔化魍の王と呼ばれた少女の両親である。
この両親は、産まれてからそれほど経っても居ない少女を放置し、それを目撃した近所の住人からの通報で警察から注意されてを何度も繰り返している。やがて近所の住人も改めることのない少女の両親を無視するようになった。
だが警察からの注意を面倒くさく感じた両親は6歳になったばかりの少女に無理矢理、家事を教えた。失敗すれば、何度も躾と称して殴ったり、蹴ったり、食事を抜いたりした。10歳になる頃には、家事を失敗することは無くなったが、それでも、気にいらないことがあれば、ストレスが溜まれば、両親はすぐ少女を痛ぶっていた。
だが、少女の両親の心配はすぐ無くなるだろう………………なぜかと言うと。
「ただいま」
その少女は帰って来たからだ、自分に優しくしてくれる『
SIDEOUT
山を降りて頃には、すっかり夜になっていた。
山から少し歩いた所に私の家がある。いつもはこの家に戻る時が、悪夢だったけど、もうそんな生活をしなくて済むことが嬉しい。
だから、この子たちのためにご飯になってよ。ね、
「今まで何処に行っていたの!」
「勝手に居なくなりやがって、てめえが居なきゃ俺らは生きていけないんだ! さっさと、飯を作れ!」
いつものように少女に命令をする父親。
「おい! 聞いてるのか!」
だが、いつまで経っても動こうとしない少女にイラついたのかいつものように、少女を殴ろうと拳を振り上げる。
「…………」
だが、少女は殴られなかった。何故なら、少女の父親の腕を掴む白がいたからだ。
「なんだ、てめぇ!!」
急に現れた白に怒鳴り声で質問するが、白は質問に答えようともせずに、父親の腕を捻る。
「我が王に手を挙げようとしたのです。生きていられると思わないでください」
そう言うと、姫の姿がたっぷりとした布を纏った姿から戦闘形態でもあるイッタンモメンの妖姫へと姿を変える。
「ひぃいいい!」
「ば、化け物」
母親が悲鳴をあげ、父親が掴まれた腕を外そうと力を込めるが、白はさらに強い力で腕を掴む。やがて、父親を壁に投げ飛ばすと白は逆立ちの姿勢になり片足を父親に伸ばして、絡み付け締め上げる。
すると、太った父親の体から大量の液体が溢れてくる。それを見た鳴風は溢れて出てくる液体を吸い始める。嬉しそうに翼を動かす鳴風は満足したのか吸うのやめる。そして、もう液体が出ずにカラカラの皮と化した父親だったものを白から渡してもらう。
水分が無くなりカラカラな骨と皮しか残っていない父親の死体を少女は力任せに引き千切る。
か弱い少女の力でもベリッと皮が破けて、上半身と下半身に分かれる。少女は上半身を土門にあげ、下半身を顎にあげる。バリバリと貪り喰われていく父親を見て少女はなんの感情も湧かなかった。
かろうじて思ったのは、『死んでくれてありがとう、
次に母親を
「白、逃げたから捕まえてくれないかな」
「かしこまりました」
白はそう言って、裏口から逃げた母親を追いかけていった。
久々に人間を食べれて満足しているのか鳴風は少し目を瞑りかけている。土門と顎は既に喰べ終わっており、少女の足元に集合する。
眠たそうな鳴風の身体を抱えて、土門と顎と一緒に母親を追いかけてる白の方に向かうことにした。
SIDE白
我が王が追いかけろと言った母親という人間を見つけた。
大小様々な岩がある山道にある一番大きな岩に身を隠れている。だが、人間の隠れている岩を見て、違和感を感じ始めた。その違和感から観察していると、気のせいだろうか。岩が少し動いた気がする。
だが、今はそのことよりも王の命令を遂行せねばと思い、人間の隠れている岩に向かおうとした。
「ん!?」
だが、その時だった気のせいだと思っていたことは気のせいではなく、間違いなく岩は動いていた。岩の一部が目のようにギョロっと開き、身を隠していた人間と目が合った。
「いやあああああ」
自分の隠れていた岩に突然、目が現れたら誰だって驚く。多分、私も驚きます。
「あれって、オトロシ!!」
ノォォォォォン
SIDEOUT
オトロシ。
犀と象亀を合わした姿に岩のような甲羅にある一つ目が特徴な100年に一度現れるか現れないかと言われる伝説の魔化魍。
岩に擬態する能力を持ち、鈍重な見た目と違い、手足をしまい込んで、そこから高速でガスを噴出し、660Kmのスピードで移動できる。
それが、私の前に見える魔化魍の名前である。
隠れていた母親を標的に定めたのか、軽く移動して似た大きさの岩に側に行くと再び岩に擬態する。周りが岩だらけでもあるせいか母親は周りをキョロキョロと見渡して警戒するが、そんなことは意味がない。もう、側に寄って来ているのだから。
「ギャぁぁぁああ、足があぁぁぁ!」
擬態を解いたオトロシは前脚で油断している母親の右足を潰す。そして動けなくなった母親を見ると今度は脚をしまい、潰した右脚を軸にして回転を始める。どんどん回転して勢いが増すオトロシによって潰された脚からどんどん取り込まれていく。骨と肉が擦れて、潰れて、嫌な音が響き、血がドクドク溢れていく。そして、上半身まで来ると音はさらに響き、血の量はさらに増える。
オトロシが回転をやめ、そこから退くと、回転によってぐちゃぐちゃに潰れた母親の肉をオトロシは喰い始めた。
はい。新たな魔化魍はオトロシでした。
次回はオトロシの名付けと白のお使いみたいなのを書きます。