人間だけど私は魔化魍を育て、魔化魍の王になる。   作:創夜叉

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今回はヤオビクニの正体、北海道最後の刺客、新たな勢力の3つをお送りします。


記録肆拾陸

 『やっと会えた』?

 ………………この魔化魍 ヤオビクニはそう言った。

 だけど、おかしい。子供の頃に遊んでいたヤドウカイこと朧がやっと会えたというのは分かるが、私の記憶にはこのヤオビクニと出会った記憶は一切無い………………無いはずなんだけど。

 

 何でだろう。何故か懐かしい人物に会えたという感じがする。そうまるで、前世のお兄ちゃんがお姉ちゃんとなって私の目の前に現れた時と同じ感じが–––

 

【如何したの幽?】

 

 返事の無い私を心配しているのか、首を傾けるヤオビクニ。すると、ヤオビクニの胸元から胸の隙間に隠れていたのか翡翠の勾玉のペンダントが出てくる。

 

「!!」

 

 これを見て、思い出す。

 そうこれは、前世で1人の友人の誕生日に誕生日プレゼントとしてあげた物、それ以来彼は(・・)、交通事故で死ぬまで、肌身離さず持っていた物。

 そして、クダギツネが言っていた言葉で思い出すべきだった。

 

「美岬? 沖野 美岬なの」

 

「美岬? 美岬君か!!」

 

 その名前を聞いて、お姉ちゃんは驚き、目の前のヤオビクニも驚くがすぐに笑顔に変わる。

 

【本当に久しぶりだよ幽】

 

SIDE◯◯

 ヤドウカイやヤオビクニ達によって壊滅した猛士北海道第2支部の建物に4人の人間が集まっていた。

 

「これで全員です」

 

「やっと揃ったか」

 

「さっさと始めようぜ」

 

 此処にいる4人の人間はこの北海道で唯一残ったの猛士の支部 北海道第3支部の鬼。そして、この北海道でもかなりの実力を持つ数少ない精鋭の鬼たちだ。

 彼らは人間を守る為に魔化魍と戦っているわけではない。人間より強いもの(魔化魍)を倒す為だけに鬼となった。

 そして彼らが集まった理由は。

 

「噂の魔化魍の王との戦いを!!」

 

 そう。猛士でも噂となっている魔化魍の王と戦う為に彼らは自分の守る場所でもある第3支部を飛び出してここに集まった。しかも余計な茶々を入れられないようにと第3支部の支部長や人間を全員殺して。

 その結果、今の第3支部の人間はこの4人のみ。

 だが彼らは後悔しない。例え、北海道の人間を全てを殺しても後悔しない。闘争こそ己が喜び。

 

 そして彼らは王と戦う為に第2支部の崩れた建物から去った。

 

SIDEOUT

 

 

SIDE慧鬼

 まさか、美岬君が居るとは………………あ、今は美岬ちゃんか。

 しかし、今世は私も女性になっていたが、生まれたのは私よりも昔らしい。しかも魔化魍としての名前が名前だった。

 

 ヤオビクニ。

 ある男が、知らぬ男に誘われて家に招待される。男はそこで人魚が調理されるのを見てしまう。人魚の肉の料理をご馳走として出されるが男は気味悪がって食べず、家に持ち帰る。

 そしてそれを知らずに人魚の肉を喰らって不老長寿となった男の妻または娘。妖怪というより人魚として語られることが多い。何度も結婚しても夫は死に知り合いも死んでしまったので出家して比丘尼となった。

 杉や椿、松を全国で植えて、最後は若狭にたどり着き、入定する。齢800まで生きたという事で八百比丘尼と呼ばれている。

 

 だが、語られてる八百比丘尼の話とは違い、結婚してはいたが、それは最初の一度のみで、その後は結婚していない。

 出家はしたが、髪の毛は剃っていない。普段はバレないように尼頭巾の中に髪を纏めているらしい。

 

【それにしても春詠さんも私と似た様な状態になってるとは】

 

「やっぱり、そう思う」

 

 私達2人は元々、男だ。今では割り切っているが慣れるまで苦労したものだ。そもそも男と体の状態が違うからだ。

 最初の頃なんかトイレなんかに困ったもの………って、なんか寒気が!!

 

 春詠が振り向くとジト目で見る幽冥がいた。

 幽冥に見られたことで考えるのをやめた。そして幽冥たちはヤドウカイとヤオビクニに案内され廃寺に入っていった。

 

SIDEOUT

 

 

SIDE◯◯

 幽冥達がヤドウカイとヤオビクニに会っている同時刻。

 北海道から遠く離れた深い森の奥に6体の魔化魍と1人の人間と1人の異形がいた。

 その内の1体は猛士北海道第1支部に忍び込んでいたジャック・オ・ランタンだった。

 

【今代の王は本当に面白かったですよ】

 

【良いな、僕も見たかった】

 

「駄目ですよ。貴方はまだ術を覚えていないんだから」

 

【その通り】【アンタまだ幼体だし】【………我慢】

 

【良いじゃん。ジャックだけズルい】

 

「貴様は幼い、付いて行った所で役に立たん」

 

【ううううう】

 

【まあまあ、その辺にしてあげましょう】

 

【少し言い過ぎだぜ】

 

【そうそうみんな貴方が心配なんですよ】

 

 ジャックはその光景を微笑ましく見るが、それは1つの攻撃によってその気分をぶち壊された。

 そして、その下手人は–––

 

「皆!! こっちだ!!」

 

 猛士の鬼だった。

 鬼の声で続々と集まる鬼たち。

 

カッカッカッカッ  ユラユラ、ユラユラ  オギャァァァァ

シャアアアアアアアア  ポロポロポロポロ  カラン、カラン

 

「「………………」」

 

 ジャック・オ・ランタンを中心に集まっていた魔化魍たちは鬼たちを睨む。威嚇に使う様なただの睨みではなく殺気を込めた本気の睨みだ。

 その瞬間にこの鬼たちの運命は言わずとも分かるであろう。




如何でしたでしょうか?
長い話を掛けてヤオビクニの正体が明かされました。答えは友人の1人でした。
そして、新たな勢力の中にいる異形は平成仮面ライダーの敵の1人です。
ヒントは赤紫色の武器持ち昆虫型怪人です。
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