色々と突っ込みそうなところがありますが、なるべく突っ込まないでください。
オトロシが現れて、母親を喰らった。そして、オトロシも私を見たら頭を下げていた。どうやら魔化魍たちは私の存在を認識すると、私が王だということに気付くようだ。
家に戻ろうとしたらオトロシもついて来た。このまま別れるのはと思って話をしたらオトロシも私の元で一緒に暮らすことになったので、オトロシにも崩という名前を与えた。
崩は土門たちに比べて、少し大きいから後少しでもしかしたら、成体になるのかもしれない。
でも、これだけじゃダメだ。しばらくはあの子たちのお腹は持つかもしれないけど、崩は他の子より大きいから次のご飯も早く準備してあげないといけない。
そして再び家に戻って来た、崩もついて来ようとしたが、大きさに無理があったので、さっきの場所で待ってもらっている。
家に入ったら白にも協力してもらいながら必要な服や持ち物を父親の持っていたキャリーバッグに詰め込み、お金を探す。探すのは白だけじゃなくまだ小さい土門たちにも手伝ってもらっているからすぐに見つかると思う。
お金を探し始めて少ししたら見つけた。
私に家事炊事をさせて家でダラダラと過ごしていた筈の両親が何をしていたのかは不明だが、財布の中を見る限りかなりのお金を持っていたようだ。
これほどのお金があれば、あの洋館を直して、この子たちと暮らしていける。
キャリーバッグを持ち、白と共に家から出る。裏口には先ほど外に出た土門たちが待っており、私の姿を見れば土門は背中にくっ付き、鳴風と顎はキャリーバッグの上に乗っかる。そのまま崩が待っている場所に移動する。
崩と合流したところで、これからの予定を白と一緒に考えていた。
「ねぇ白?」
「なんでしょう我が王?」
「白ってその服装と声を変えられる?」
「変えられるには変えられますが、時間が掛かります」
「じゃあ、私が言う服と女性らしい声に変えて」
「分かりました」
白の服がシュルシュルと動き私が言った通りにたっぷりとした布のような服から上は白のブラウス、下は水色のシフォンスカートに変わる。
そして、私の持っていたキャリーバッグにのせていた麦わら帽子を白に被せる。
「うんうん。いい感じだよ白!」
「ありがとうございます」
褒められて嬉しいのか頬を赤らめる白。この格好なら外へ出しても問題なさそうだ。そう思い、私は白に材料を書いた紙とその店に行く方法を書いた紙を渡した。
「じゃあお願いね」
「………分かりました。では王、行って来ます」
「いってらっしゃい」
そして、白はおつかいに行った。土門たちが見送ってくれている。
白を見送り、土門たちと共に洋館に戻るため、山へ登りはじめる。
SIDE白
我が王から『おつかい』というものを頼まれた。妖姫として生き、山で暮らしていた私は初めて人間の暮らす街という場所に来た。
王が言うには、我々魔化魍の餌である人間がたくさん集まり生活する場所。だが、今回はあの館を直す材料を買うために来たのだから。さっさっとおつかいを達成させねば。
「よお。姉ちゃん一人なの?」
そう考えていたら、人間の男が私に馴れ馴れしく質問してきた。
ここに王である少女がいたのならこれはナンパだと気付くのだが、今は白一人しかいない。時間の無駄だと思い、その場から離れようとする。
「おい! 無視するな!」
男は白の腕を掴み、行かせまいとその場に止めようとする。だが、白からすれば鬱陶しいだけの男を妖姫に変わって男を排除しようとしたが–––
「あの〜その人、嫌がってますから手を離してあげてください」
SIDEOUT
SIDE◯◯
後ろを振り向くナンパ男の肩をバッグを持った男が掴み。ナンパ男に注意をする。
「なんだ! テメぇ?」
「だから、その人が嫌がってそうですから。その手を離してあげてください」
「じゃあ、とっとと失せろ! 用があるのはこの女なんだからよ」
「はぁ〜優しく言ってる内に離してあげれば……」
「ああっ!」
そう言ったナンパ男は男を殴ろうと顔に向かってパンチする。
「なっ!」
ナンパ男の拳を片手で掴み、掴んだ拳に男は力を込める。
「痛い、痛い痛い!」
男に掴まれた拳を離して貰おうと腕を引っ張るナンパ男の手を離し、ナンパ男は急に離された反動でコンクリートの道路に後頭部をぶつけ気絶する。
「大丈夫だった?」
男は白の方に向き、心配そうに聞いてくる。だが、白は妖姫であるため何を心配しているのか分からず、そのまま何も言わずに人混みの中に消えていった。
「あら、行っちゃった」
バッグを持った男は白が消えた人混みをしばらく眺めてるとポケットに入れている携帯が鳴る。ポケットに手を突っ込み、携帯を取り出して電話に出る。
「はい僕です……はい。これから『関東支部』のほうに向かおう………ええっ!! すぐに『総本部』に戻れ、それは無いですよ今着いたばかりですよ、えええっ! 分かりましたすぐに戻ります!!」
電話を切り、携帯をしまった男は駅に再び戻った。
SIDEOUT
白がおつかいに行ってから数時間経った、その間に崩が土門たちの面倒を見てる間に、洋館の修理するべき所を見ていた。
まず目がいくのは、大きな穴が空いた壁、おそらく、ロクロクビが壊した部分の穴だろう。一部の窓ガラスは割れており、周りの土は深く抉れてる。まずは、抉れてる土を埋めて芝生を植えなきゃ。芝生は白が買ってくれるからそれは後でにしてここはこうしよう。
「崩ちょっと来て」
ノォォォォォン
岩石のような甲羅に土門たちを乗せてこっちに来る崩。
「崩、ここに土で埋めて平らにしてくれる」
甲羅に乗せた土門たちを降ろして、右足を使って穴を土で埋めて前足で交互に踏み、平らにしている。
少しすると深い穴はなくなり、真っ平らな地面に変わった。
「ただいま戻りました我が王」
崩が地面を平らにしてもらっていたら白が帰って来た。右手におつかいで買ったものを持ち、左手に金髪褐色肌の男を引きずって帰って来た。
「白、それは何?」
「おつかいの後、ずっと付きまとって来たので此処まで誘って、気絶させました」
「そう………あっ、お腹空いてる子」
土門は片足を上げて、欲しそうにコッチを見てる。
鳴風は私の肩に乗り、眠そうにしてる。顎は居なかったが穴を見つけたので、落とし穴を作ってるのだろう。崩は土門と同じように欲しそうにコッチを見てる。
「じゃあ、土門から食べていいよ。崩はその後」
土門は男の足を食べ始める。
気絶しているみたいだが、土門に右足の脛まで食われてるのに、男は一向に目を覚まさない。だが、よく見ると男の首が一周したかのようにグニャグニャだった。
それに気付き、白の方に目を向けると、視線をそらす白。
「今度は、気をつけてよ」
「分かりました」
土門は男の下半身を食べ、崩に男の上半身をあげようと引っ張るが、まだ幼体だからか力がなく上手く運べないようだ。それを見た崩は自分から近付き、男の上半身を咥えてどこかに行った。
後ろから白と一緒に崩を追いかけると、顎の掘った穴の側に崩がいた。男の死体の片腕に噛み付き引き千切ると顎の掘った穴に食い千切った男の腕を穴に落とす崩。
それを見た私たちは静かにその場を後にした。
白を助けた男の正体は察しのいい人なら多分、分かるはずです。
次回はいよいよ館の修理の予定です。