人間だけど私は魔化魍を育て、魔化魍の王になる。   作:創夜叉

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やっと館の修理に入ります。
さらにオリジナルの魔化魍を出そうと思います。


記録肆

 崩が顎に餌を分けているの目撃した後に白と共に館の修理の話をしようとしたら–––

 

「ん」

 

 急に眠気が来た、考えて見たらもう寝る時間だった。でも、館の外観を覚えてるのは私だけだから起きてなきゃ。

 

「失礼ながら我が王。そろそろ体力の限界のはずです。お休みになってください」

 

「でも、私が起きてなきゃ」

 

「王の体はあなた1人のものではありません。少しは私達を頼ってください」

 

「分かった。じゃあお休み」

 

「お休みなさい」

 

SIDE白

 王が私に寄りかかり眠りについた。丸1日起きていればそれは眠くなる。ましてや王は人間の子供、睡眠は必要だ。

 だが、魔化魍の王について王に言わなかったのがいくつかある。その1つが人間から我々、魔化魍の身体に徐々に近付き変わっていくこと。

 今まで人間として生きて来た王にその事を言えなかった。

 私は最初に会った時、王だと気付かずに童子と共に王を襲おうとした。だがそれは、我が子とツチグモとオオアリに阻まれ、童子は喰われた。腕から見える青い龍の痣を見た瞬間、魔化魍の王の伝説を思い出した。そして後悔した。

 王に手を出そうとした私は死ぬつもりだったが、王が止めて私に従者になれと言った。嬉しかった、王を殺そうともした私を王は従者にしてくれた。この恩はこの命続く限り、一生忘れることはないだろう。

 王を洋館の中にあったベッドというものに運び、掛け布団を王に掛ける。

 

「みんな集まってください」

 

 王をベッドに寝かせ、洋館の外に出た私は 、土門や鳴風、顎、崩たちを呼ぶ。

 崩の上に3体は乗っかり、私の前に集まる。集まったの確認して、私は本題を話す。

 

「王はこの館を早く完成させたいようです。ですから私たちが少しでも王の役に立つようにこの館の修理を王が眠っている間に私たちだけでやろうと思う」

 

グルルルルッ ピィィィィィィ

ギリギリギリギリ ノォォォォォン

 

 各々が理解して声を上げる。

 

「土門はこのレンガをあの壁に組み込み、糸で補強してください。鳴風はレンガを運んであげて下さい。顎は館の外の邪魔なものを退かしてください。崩は館の周りの穴を埋めて来てください」

 

 私の言った指示の通りに各々が行動を始める。土門と鳴風はレンガを館の壁の方に持っていく。顎は崩と共にも移動する。

 私は館の中の掃除をしようと思い、再び館の中へ移動する。

 

SIDEOUT

 

 目を覚ましたら、いつの間にかベッドの上にいた。白の肩に寄りかかって眠ってたはずなんだけど、白はどこにもいない。

 扉が出ると驚いた。まず、綺麗なのだ。昨日は埃や瓦礫によって汚かった廊下が綺麗になっている。他にも、昨日治そうと思っていた壁の穴がレンガで埋められてたり、折れてた柱が真っ直ぐに建っていたりと明らかに直されている。

 外へ出れる扉に向かい、外へ出る。

 

 また、驚いた。昨日は一つしか直せなかったが、穴は他にもあった。それが全部無くなっていた。

 そして少し歩るくと白たちを見つけた。

 

 白を中心に土門や鳴風、顎、崩が一緒に寝ていた。微笑ましく思い、白のそばに向かおうとすると白の隣に見慣れないものが居た。

 

 ハエトリグサを縦にし、蕗の葉を乗せた頭に、全身を覆う緑のツタにツタのような腕。そして、この館に置いてあったガーデニング用の如雨露に脚から伸びてる蔓で水を飲んでいる。

 魔化魍には大型だけではなく、等身大のサイズの魔化魍もいる。だが、これの多くは夏に発生する個体が主で、夏とは真逆の冬に育つ魔化魍ではない。さらに、魔化魍オタクとも言える私が全く知らない『等身大魔化魍』だった。




いかがでした。館を直すと言いながら、あまり描写がなくてすいません。
次回、オリジナル魔化魍の正体と名付けをやります。

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