人間だけど私は魔化魍を育て、魔化魍の王になる。   作:創夜叉

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オリジナル魔化魍の正体は・・・
今回は白がオリジナル魔化魍の正体を言います。


記録伍

 白が起きるの待ちながら、謎の魔化魍の身体を触る。

 脚から伸びてる植物の蔓を触るとプニプニしてる。次に上のツタを触るとこっちは少しベタっとし、腕のツタはツルツルしてる。蕗の葉を乗せた頭のハエトリグサのトゲを触ると腕と同じようにツルツルしてる。

 

「うぅん」

 

 謎の魔化魍を触ってると白が目を覚ました、それにつられて土門たちと謎の魔化魍も起き始める。如雨露に入れていた蔓を抜き自分の身体に戻し、謎の魔化魍は立ち上がり、私の顔を目がない顔でジロジロ見てる。

 

「王! お、おはようございます」

 

「おはよう。土門たちも」

 

グルルルル ピィィィィィィ

ギリギリギリギリ ノォォォォォン

 

 起きたみんなが私におはようと言うかのように鳴く。そして、白が起きたことでまず聞きたいことを聞くことにした。

 

「白。まず聞きたいことがあるけど、この子は?」

 

「報告しなくてすいません王。その魔化魍はコロポックルと呼ばれる魔化魍です」

 

「コロポックル?」

 

 白から聞いた名前は聞いたことのない魔化魍だった。魔化魍オタクとなった私はそれ以来、妖怪を調べるのが好きで、その時のコロポックルについてのことを思い出す。

 

 コロポックル。

 アイヌの伝承に登場する妖怪で、背丈が低く、動きが素早く、漁に巧みだった。蕗の葉を傘のように持ち、鹿や魚などの獲物を取り、アイヌの人々と物品交換をする。

 ただし、人に見られるのを極端に嫌い夜になった時に窓からこっそり差し入れるような感じだった筈……

 

「昨日私が眠っている間に何があったの?」

 

「はい。この子と会ったのは館の中の掃除が終わった時です」

 

SIDE白

 私は館の中の掃除を終えて掃除道具を片付けている時、つまづいて転んでしまい、何かを押してしまった。

 するとガコンと壁の一部が奥に消えると、壁の1つが横にスライドして階段を見つけました。階段は下まで続いており、興味が湧いて階段を降りた。

 階段を降りると1つの通路を見つけた。さらに歩くと鉄で出来た扉を見つける。重い扉を開ける。すると中で見えたのは。

 

「これは………」

 

 中には、透明な液体に浸かる心臓のようなモノ、怪しい色をした薬品を入れた試験管、茶色い種のようなものが中心に入れてるプラスチック製のケース、巨大な冷凍庫、巨大な本棚、乱雑に置かれた書物や巻物等が目に入った。

 私はまず書物と見ると現存しているあらゆる魔化魍の情報が載っており、ここまで正確な情報に私は驚いた。次に巻物を見ると聞いたことも見たことのない魔化魍の情報があった。

 

 コロポックルと書かれていたその魔化魍はこの部屋に置かれてるらしく、探すために巻物を閉じて部屋を見渡すとガラスの机に置かれてる1つの植木鉢に気付く。

 植木鉢の方に向かうと、如雨露を見つけた。持ち上げようとするとツタが如雨露に絡み付いていて、持ち上げれない。すると絡まっていたツタが私の頭に向かって勢いよく伸ばしてきた。

 

 危なかった。もう少し掴むのが遅かったら私の頭に穴が空いてただろう。如雨露に絡まってツタが減り、如雨露がツタから外れる。すると、植木鉢の上の植物がウネウネ動き出し、私の目の前で人型になっていく。

 

 ハエトリグサを縦にし、蕗の葉を乗せた頭に、全身を覆う緑のツタにツタのような腕をした魔化魍 コロポックルが姿を現した。

 コロポックルはこちらの様子を伺い、右のツタの腕を槍状に変えて私を警戒し、目がない顔で私の手元をジロジロ見てる。

 私の手元を見るコロポックルにもしかしてと思い質問する。

 

「もしかして、如雨露を返して欲しいのですか?」

 

 するとコロポックルはコクリと頷き、私は如雨露をコロポックルに渡すと、何も持っていない左のツタで如雨露を取り、ツタで絡め、足付近の蔓を如雨露に入れる。

 私はコロポックルを王に会わせようと思った。人間でありながら王は我々、魔化魍を家族のように接してくれる。このコロポックルも王は受け入れてくれるだろう。そう思った私はコロポックルのツタの腕を掴み、この部屋から連れ出す。

 

 暗い階段を上がるたびにペタペタとコロポックルから音が鳴る。だが、コロポックルの腕は少し震えていた。どうやら、あの部屋を出ること自体が初めてのようだ。そして、壁のスライドドアを通り、館の外の扉を開く。

 コロポックルの腕を離してあげると、コロポックルは初めて見る外に興奮しているのか外を走り回る。

私は遠くからその様子を眺めている。下から土を掘る音が聞こえるくる。音はどんどん近くなり、音の正体………顎が現われる。

 

 自身の身体を振って身体の土を落とす顎。顎が私に気づきこちらに歩いてくる。するとコロポックルの存在に気づき、コロポックルの前で足を止める。

 コロポックルも顎に気づき、ジット見ている。顎も初めて見るコロポックルにどうすればいいという感じで首を傾け、同じくジット見ている。するとコロポックルがツタの腕を伸ばして顎を撫で始める。撫でられている顎はそのままコロポックルの側までより横になって眠ってしまった。

 顎が眠ると、土門や鳴風、崩も戻ってきた。皆初めてはコロポックルを警戒するが、気持ちよく寝る顎を見て警戒を解き、コロポックルに近づく。

 コロポックルも近づいてきた皆を撫でると、撫で始めて数分経つ頃には、私を除く、全員が眠っていた。

 コロポックルは私をツタで絡みつけて自分の側に寄せて、私の頭を撫でる。どんどん眠気を誘われ、ねむ・く………

 

SIDEOUT

 

「それで、今に至ったという訳」

 

「恥ずかしながら、そういことです」

 

 しかし、そう考えるとすごい魔化魍だ。警戒心を抱かせるも少し撫でるだけで、眠らせるなんて。

 まあ、新しい家族が増えたと思えばいっか。でもそうすると名前を考えなきゃな。そうだな・・・

 

「そうだ! 睡樹」

 

「睡樹ですか」

 

「眠りを呼ぶ樹だからね。まあとにかくこの子は………ワッ!」

 

 振り向くといつの間にか 、睡樹が立っており、私の頭を撫で始める。

 あ、ああ眠くな……て…




いかがでしたでしょうか。今回オリジナル魔化魍 コロポックルを出してみました。
次回はオリジナル人物たちによる猛士の会議を書きたいと思います。

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