人間だけど私は魔化魍を育て、魔化魍の王になる。   作:創夜叉

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お待たせしました。
今回はカマイタチとマビを匿った2人の正体が明かされます。


風と炎の飼い主は人外

 私と飛火、葉隠、睡樹、昇布、蝕はカマイタチとマビが世話になっているという店にいる。

 目の前には、カマイタチとマビを撫でる2人の人間(?)がいた。

 

 私はこの2人にあった時に感じたのは、まず人間ではない別の匂いだった。

 私の身体はだんだんと魔化魍に近くなっていることもあり、それに伴って視力、嗅覚、腕力、脚力など色々なものが上がった。それが理由なのか私は人間の匂いも分かるようになった。

 

 だから、分かったのだ。彼ら2人は人間ではない事に、理由をもう1つ付け加えるならマビを素手で撫でれるタオルを鉢巻のように巻いたおじさんが理由だ。

 何故ならマビは頭部を除いて、殆どが炎で出来た身体を持つ魔化魍。そんな魔化魍を撫でているのに熱がりもせず火傷する様子もない。

 

「お前さんがこいつらの言っていた王ってやつか?」

 

 おじさんが私に質問する。

 

昇布

【き、貴様我らの王に馴れ…王?】

 

 昇布が目の前のおじさんに尻尾を伸ばそうとするが、幽冥に手で制されて渋々と伸ばそうとした尻尾を元の位置に戻す。

 

「すまねぇな。どうも敬語っていうのは苦手でよ」

 

「おやっさんに敬語は似合わないですからね」

 

ビュウウウウウ

 

 頭をポリポリと掻きながら謝罪をするおじさん。そして、その様子を見てカマイタチの真ん中の頭を撫でながら返答する調理帽の男。

 カマイタチは気持ちいいのか目を細めながら男に撫でられている。そして、真ん中を除いた左右の頭は男の撫でる手をジッと羨ましそうに見ている。

 私はこの2人に聞く事にした。

 

「それで、おじさん達は何者なの?」

 

「「………」」

 

 2人はその事を聞くと笑っていた顔が能面のように表情がなくなった。

 やがて、2人はカマイタチとマビを撫でるのをやめて、私たちに顔を向ける。

 

「こいつらを助けてくれたお前さん達には見せても大丈夫だろう。なあ茂久」

 

「そうですねおやっさん」

 

 そう言うと2人の人間に変化が表われる。

 タオルを鉢巻のように巻いたおじさんは金属網のような面を着けた顔に全身が炭で覆われた身体、そして鬼と似た2本の角を生やした異形に変わった。

 調理帽の男は顔に模様が浮かび上がり、全身灰色の海豚に似た怪人に変身する。

 

 2人の正体はこれで分かった。

 マビを撫でていたおじさんの正体はこの世の邪気が器物の姿を似せるまたは器物そのものが変化して誕生する鬼を模した怪物。地球を守る精霊と共に戦う百獣戦隊ガオレンジャーの敵 オルグ魔人の炭火焼オルグ。

 

 カマイタチを撫でていた男の正体は1度死んだ人間が体内にある因子で覚醒し、蘇った元人間。王を守る為に開発されたベルトを使って変身する仮面ライダー555と戦ったオルフェノクのドルフィンオルフェノク。

 確かに人間じゃない匂いの理由もこれで分かった。何せかたや蝕む悪鬼、かたや人類の進化形態と呼ばれる者たちだ。

 

「お前さん驚かねえんだな」

 

炭火焼オルグが私に聞く。

 

「私はこれでもこの子達の王をしていますし、貴方達と似た者でもあるランピリスワームやマシンガンスネーク、インセクト眼魔とも暮らしてますから今さらオルグ魔人やオルフェノクが現れても驚ろきませんよ」

 

 私がそう答えると2人は少し肩を震わせて、何か堪えてる。

 

「?」

 

「「ハハハハハハハハハハハハ」」

 

 突然、2人は笑い出した。その様子に私も睡樹も昇布も飛火、葉隠、カマイタチ、マビはポカンとする。

 やがて、笑いは止まって人間の姿に戻った2人は私に向けて嬉しそうな顔で喋り始める。

 

「まさか、俺たちより年下の嬢ちゃんにこんな風に言われるとは」

 

「そうですね。おやっさん」

 

「まあ、お前さん達のお陰で店を畳まずに済んだ。礼として俺たちの料理をご馳走してやる」

 

 そう言って2人は厨房に入って料理を作り始めた。

 

SIDE飛火

 王様たちにお願いをして良かった。

 普段は人間の灰、王様の作った料理を喰べるけど、此処の料理はそれと同じくらいに美味しかった。

 

 あ〜あ〜カマイタチ達が頼めば妖世館に来てくれるかな〜

 

 王様はカマイタチ達を家族として向かい入れてくれる。それに乗じておじさん達の店を妖世館に移せないかな。崩おじいちゃんや跳に頼めば出来そうだけど。

 

 そうこう考えてるとおじさん達が料理を持ってきた。

 

SIDEOUT

 

 

SIDE睡樹

 すごく……美味しそう…な匂い。

 皿に盛られた………のはピザという…物と焼き鳥…………って言う食べ物。

 

 睡樹は椅子に座る幽冥たちの真似をして席に座る。

 席に座ったのを確認した2人はテーブル上に料理を置いていく。そして、睡樹の前に置かれたのはピザだった。

 

「いい…匂い」

 

 そう言って睡樹は目の前にあるピザの1ピースを手に取る。既に切られているのか軽く引っ張るだけでトロリとしたチーズが糸を引く。

 

「あち……熱い」

 

 睡樹は持ったピザが熱く危うく落としそうになるが皿を引き寄せてテーブルに落とすのを防いだ。

 

「危なか………った」

 

 改めて睡樹はピザを持ち口に運ぶ。

 

「!!!」

 

 初めて……ピザを喰べた…美味しい。

 トロリとしたのは………何か分から………ないけど……掛かっている…ものは……分かった…蜂蜜だ。

 主の話に…よるとピザは本来、トマ……トを潰し……た…ものを…使って………作るらしい。

 でも、僕は…こっち………の方が好きだ。

 

「(あの人達……妖世館に………来ないかな)」

 

 睡樹はゆっくりとピザを味わいながら飛火と同じことを考えていた。

 

SIDEOUT

 

 全員の食事が終わった。感想はかなり美味しかった。焼き鳥もピザもどちらも美味しかった。

 私は炭火焼オルグ達のある事を提案した。

 

「私の家族になりませんか」

 

「「!!!」」

 

 カマイタチやマビもそうだが、私はこの2人の料理を妖世館にいる家族達にも味わって欲しい。

 

「「…………」」

 

【俺らもおっちゃん達に来て欲しい】

 

【あのピザを毎日喰べたい】

 

 カマイタチもマビも2人と離れるのが嫌なのか説得をする。

 2人は暫くそのまま黙っていたが炭火焼オルグが口を開き始める。

 

「俺たちの答えは………」




如何でしたでしょうか?

答えは百獣戦隊ガオレンジャーの炭火焼オルグと仮面ライダー555のドルフィンオルフェノクでした。
次回からはひな編に入ろうと思います。

質問コーナー回答の欄
昇布
【質問コーナー………今回は俺だけのようだ】

昇布
【今回は覇王龍というものか…なるほど、人間団子の作り方か】

昇布
【人間団子は血を身体から3分の2吸い取って、吸い取り終わった後に肉を捏ねくり回して団子状にしたものだ。簡単そうに見えるが意外と難しい。中にある人間の骨ごと捏ねくり回してるからな】

昇布
【これが作り方だ。気になることが出来たら質問コーナーというものに書いてくれ】

昇布
【では、次回をお楽しみに】

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