人間だけど私は魔化魍を育て、魔化魍の王になる。   作:創夜叉

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新作です。
今回はオリジナルと原作の魔化魍が新たに登場します。
お楽しみください。


記録陸拾

 蛇姫の術で着いた場所は霧が少し出てる森の中だった。

 

蛇姫

【ここが佐賀になります】

 

 蛇姫は妖世館に帰る為の術を知る者としてメンバーの1人として決められていた。

 今回の佐賀の遠征のメンバーとして選ばれたのは黒を除いた、従者である白と赤。ワームのランピリスワーム。

 人間は私の姉である春詠お姉ちゃん、捕虜の突鬼こと佐賀 錬。

 家族の魔化魍は土門と崩、羅殴、唐傘、蛇姫、眠眠、食香、美岬、常闇、波音、浮幽、蝕、乱風といった感じである。

 何でメンバーを決めたのか知らないが、遠征メンバーが決まり佐賀に来る際に、泣きそうな顔で私を見送った朧の顔が忘れられない。

 

「(帰ったら朧のお願い聞いてあげよう)」

 

 と、心に思いながら先ずは、現地の情報集めをする為にどうするか白を呼んで考えることにした。

 そして、一方–––

 

SIDE朧

 居残り組として妖世館に残った家族たちは–––

 

【朧、そんな泣くなよ】

 

暴炎

【そんなに泣くな】

 

【だって骸、うう、幽冥お姉ちゃーーん】

 

 佐賀に一緒に行きたかった朧を慰めていた。

 幽冥と出会う前からの付き合いである骸と暴炎はこの状態になった朧はしばらく泣き続けるだろうと判断してそのまま、放置することにした。

 

睡樹

【僕……王に……買っ…て貰った…………種を…植えて…くる………命樹手……伝って】

 

命樹

【分かった】

 

 睡樹は手にビニール袋とお気に入りの如雨露を持ってその後ろから命樹は掘る道具の入ったバケツを持って着いて行った。

 

飛火

【私もいつも通り散歩して来る】

 

葉隠

【僕も付いていくよ】

 

 飛火と葉隠は2人で日課の散歩と写真撮りに行った。

 

鳴風

【私たちも行こう】

 

【そうだね】

 

 飛火と葉隠の散歩を見たのか、鳴風も兜も翼を広げて空へ飛んで行き、個人個人自由に動くのを見て、各々が自分のやりたいことをする為に移動した。

 

【幽冥お姉ちゃん。寂しいよ。会いたいよ】

 

 幽冥が佐賀に行ってまだ30分も経っていないが朧は身体を丸めてシクシク泣いていた。

 

SIDEOUT

 

 

SIDE◯◯

【【いい加減しつこい】】

 

「…………」 

 

 幽冥たちのいるところから遠く離れたところに鰭の凍った1つ目の金魚の魔化魍が、ライフルを装備した傭兵たちと戦っていた。

 

【【(早く始末して、コソデノテ様のところに行かなければ)】】

 

 金魚の魔化魍は鰭の氷から無数の氷柱を放ち、それを避けようともせずに傭兵たちは喉元に氷柱が食い込む。

 喉元に食い込んだ氷柱から中心に傭兵たちの身体を氷が包み込み、傭兵たちは氷像に変えられた。

そして、地面から鍬形虫のように大きな顎を持った蠍の魔化魍が現れた。

 

【終わったの】

 

【【ええ、終わりました。申し訳無いのですが氷像(コレ)を屋敷に持って行って貰って宜しいでしょうか?】】

 

【うん。良いよ】

 

 大顎でいくつもの氷像を挟んで、蠍の魔化魍は歩るき始めて、金魚の魔化魍は別の方向に向かって飛んでいった。

 

SIDEOUT

 

「初めまして。魔化魍の王」

 

【初めまして】

 

 私を下げるようにして家族たちは目の前の謎の等身大魔化魍と謎の妖姫を睨んでいる。




如何でしたでしょうか?
今回はこんな感じです。

ちなみに朧が泣き止んだのはあれから12時間後です。


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