人間だけど私は魔化魍を育て、魔化魍の王になる。   作:創夜叉

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はい。ついに入りましたひな編の戦闘に…………といっても今回は役割分担の回です。
本格戦闘は次回になります。


記録陸拾玖

SIDE波音

 ひなが心配で食香と共に後を追いかける。

 そして、ひなの近くを走る幼女はおそらく、ジャック・オ・ランタンが言っていたあの子なのだろう。ひなの祖母であるコソデノテがいる部屋に向かう途中、変な音が響く。花火を打ち上げた時に出るような音がどんどん近付き、それが屋敷の何処かにぶつかった瞬間–––

 

 屋敷全体を揺らす程の爆発と轟音が次々と起きる。

 ひなと幼女はその揺れで足のバランスを崩して、倒れそうになるが、食香が本来の姿に戻って、自身の身体を千切り、ひなの倒れそうな位置に投げる。千切れた破片は無数の分体に姿を変えて、ひなと幼女の倒れる位置に並ぶ、ひなと幼女が倒れるとブニュウと肉に沈み込んだような音が鳴り、ひなと幼女は怪我をせずに食香の分体のクッションに倒れた。

 

波音

【食香、王に知らせて敵が来たって】

 

食香

【分かった】

 

 私も本来の姿に戻って、ひなの元に行くと、ひなは気絶していた。幼女は少し頭をカクンカクン揺らしていたが問題はなさそう。王への報告とひなの護衛を呼ぶ為に食香を向かわせた。

 

 ひなの側を離れないようにして、そのまま手を握ってひなの側でひなの護衛を待つ。

 幼女はいまだに頭が揺れてる。

 

SIDEOUT

 

 ひなが部屋を出て少し経ってから屋敷全体を揺らし、響く爆発音。

 屋敷の一部が燃えたのか焦げ臭いにおいがこっちにくる。この状況から考えると–––

 

食香

【王、猛士の鬼たちの攻撃のようです】

 

 そう考えてると、擬人態の姿ではない本来の姿に戻った食香が開きっぱなしだった襖から飛び出して報告をいれる。その報告を聞くと、己の武器を服の下から取り出す白と赤、本来の姿に戻っている家族、片脚を着いていたジャック・オ・ランタン達が私からの命令を待つように静かに待っていた。そして、その代表かのように白が口を開く。

 

「王よ御命令を」

 

 私は服をシュテンドウジさんと同じ赤紫の着物に変えて、家族達の前に立つ。

 

「猛士が攻めて来た。ここには私たちの家族、ひなの本当の家族がいる。

 ひなに再び家族と別れさせるような事をさせてはいけない…………猛士(奴ら)を貫け、切り刻め、引き千切れ、焼き尽くせ、擦り潰せ、絡み取れ、そして屠れ。ありとあらゆる力を持って猛士(奴ら)を消せ!!」

 

グルルウウウウウウウウ ノォォォォォォォン ウォォォォォォォォォ カララララララ

ヒュウウウウウウウウウ フアアアアアアアアア プルルルルルルルル キキキキキキキ

ルルル、ルルル、ルルル、ルルル チュッチュッ、チュッチュッ、チュッチュッ、

ビュウウウウウウウウウ カッカッカッカッカッカッ ユラユラ、ユラユラ、ユラユラ

シャアアアアアアアアアアア ポロロロロロロロロロ カラン、カラン、カラン、カラン

 

 私の声を聞き、皆声を上げる。そして、先程の自己紹介の後に聞いた、ジャック・オ・ランタン達のそれぞれ能力と私の家族の能力で出来る役割をそれぞれ考えて、その役割を告げる。

 

「先ず、土門と羅殴、唐傘、フルツバキで気付かれないように樹の上に移動、奴らが次の弾を込めた瞬間に奇襲。

 この鬱陶しい音を止めて」

 

 先ずはあの攻撃を辞めさせるために奇襲に向いた者を送り込む。

 

土門、羅殴

【【かしこまりました】】

 

唐傘

【わ、わかった】

 

【任せて】

 

「白、赤は土門たちに指示を与えて、蛇姫は白達の補助を」

 

「「王の御命令のままに」」

 

蛇姫

【分かった。補助は任せろ】

 

「次に崩、食香、乱風、ジャック・オ・ランタン、バケトウロウは屋敷に侵入しようとする敵から屋敷を守って」

 

 次に崩達に屋敷の防衛を任せる。巨体を活かした妨害や無限増殖する食香、風の壁、溶岩、触れたものを石化させる右脚といった妨害に適した者たちに頼む。

 

【一歩も通すつもりはないわい】

 

食香

【ひなを泣かせないために】

 

乱風

【私の風の塵にしてやります】

 

【焼き尽くしてあげます】

 

【王の望むまま】

 

「それでも屋敷に侵入して来たら美岬、常闇、テオイヘビ、マイクビが対処して」

 

 防衛してくれていても万が一があるので、戦闘能力の高い美岬と常闇、テオイヘビとマイクビで万が一を防ぐ。

 

美岬

【分かったよ幽】

 

常闇

【任せろ】

 

【おうよ】

 

【分かった】【分かりました】【……分かった】

 

「春詠お姉ちゃん、ランピリス、眠眠、浮幽、蝕はコソデノテとヒャクメを見つけて守ってください」

 

 ひなの残された家族、それを失う訳にはいかないので、春詠お姉ちゃん達に護衛を任せる。

 

「眠眠、寝ないで起きてください」

 

眠眠

【後、少しだ「ダメです!!」ううう】

 

浮幽

【ルルル、ルルル】

 

【あの薬とこの薬を……ブツブツ】

 

「それと、私は突鬼の見張りだよね」

 

 春詠お姉ちゃんの側には突鬼が首に手を置いてあぐらで座っていた。

 

「だから、何もしねえよ」

 

 だが念には念を………もし、いざ裏切られてはたまったものではない。

 

「以上のように行動を開始してください。それと鬼と遭遇した場合は、1対1ではなく、複数で戦うようにーーーーでは、行動開始!!」

 

 

 

 

 

 現9代目魔化魍の王の家族は動いた。

 そして、食香の後ろを着いて行こうとしたオクリイヌを幽冥は呼びかける。

 

【何かようですか王様?】

 

「はい。貴女には少し頼みがあります」

 

 幽冥はオクリイヌの耳に顔を近付けて、何かを教えると………

 

【な〜るほど!! イイぜ。私1人か?】

 

「はい。頼みますよ」

 

【応よ!! じゃあひとっ走り行ってくる!!】

 

 オクリイヌはライダースーツの女性の姿に変えて、何処かに走っていった。




如何でしたでしょうか?
今回は内容の通りの役割で猛士佐賀支部と戦います。
そして、オクリイヌも活躍します。どんな活躍かは………それはひな編の戦闘中のいずれかで出ます。

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