また、いつも通りの投稿スピードで投稿出来たらいいなと思っています。
安倍家の魔化魍参の巻を書いてる時に同時進行で書いていた奴が出来ましたので、投稿します。
では、どうぞ。
目覚める家と艦
世送
【王様。これがあそこから集めた怪しそうなもの全部だな】
背中に背負った風呂敷を降ろすオクリイヌもとい世送が猛士の佐賀支部から持って帰って来たものには色々なものがあった。
まず、世送が取り出したのは少し大きな透き通った赤い勾玉だった。私がそれを手に取ろうとすると–––
「それは私の物です」
襖を開けて入ってきたバケトウロウこと灯籠が私の手にあった勾玉をとると、突然、元の姿に戻る。そして、勾玉を背中の甲羅の窪みの部分に入れると、勾玉は形を変えて、小さな炎に変わり甲羅の周りを少し明るく灯す。
灯籠
【やっと、やっと戻ってきた。これを探すのにどれ程………】
「灯籠。貴女の物だってのは分かったけど、それって、何なの?」
灯籠
【ああ、王。突然、王の手から掻っ攫うように取ってしまいすいません。これは『
これに炎を蓄えて、いざという時にそれを代食としてますが、ある時に鬼に奪われたんです。私は自分の『
灯籠はそう言うと、再び擬人態に戻り、入ってきた襖から飛び出てった。
世送
【…………まあ、持ち主に戻って良かったんだよな】
「そ、そうだね。世送、次の出して」
世送
【じゃ、次はこれかなっと】
「これは!?」
世送が取り出したのは、ダイヤル式の小さな金庫だった。
世送
【この金庫が怪しくて開けようとしたんだけど、開かないから。どうしようかと考えてたらそのまま持ってかればいいかと思って、そのまま金庫ごと持って帰ってきちまった】
少し舌を出して、謝る世送。
確かに私は怪しい道具を回収と言ったから、お願いは果たしてるが、まさか怪しそうなものが何か分からずにそのまま金庫ごと持ち帰るとは思わなかった。だから怒ろうにも怒ることは出来ず、取り敢えず彼女の母親である食香に後で伝えとこうと私は思った。
世送
【次で最後だぜ】
そう言って、取り出したのは血脈のようなラインが入った小太刀だった。
「この剣……は………」
この小太刀を見ていると何か懐かしい感覚が………って、あれ今、私意識が何かのまれそうになっていたような。
世送
【大丈夫か、顔色が変だったぜ王】
「大丈夫。何でもないよ」
私は何も無かったように世送に答えて、幽冥は自身の手にある小太刀を眺めていた。
SIDEひな
コソデノテこと紫陽花とひなの2人が再開で会えなかった今までの事を話していた。
「お家燃やしちゃうの」
「もう此処には住めないからの」
「ごめんなさい、ひなのせいで」
「謝らなくて良い。既に此処は奴らに知られていた。いつかは離れるつもりだった。ただ、それが早かっただけ…………そうだ! ひな。ひなに渡すものがあった」
そう言って、紫陽花は立ち上がり、ひなの手を握って何処かへ向かって歩く。
少し歩くと、錠で閉じられた小棚の前に着き、紫陽花が錠を外して扉を開くと中から黒塗りの箱を出す。
「ひな。これを開けてみなさい」
そして、ひなの見える位置に箱を持っていき箱を開けさせる。中から出て来たのは、ひなの祖父である梅雄、父である竹弥が使っていた8人の鬼 呑鬼の変身音叉。鰐の頭を模しており他の鬼とは違った変身音叉
「おばあちゃん。これは?」
「ひなのお爺ちゃんとお父さんが使っていたものだ」
「おじいちゃんやお父さんが」
「それの使い方は私は教えらないが、ひなの近くにはそれを使うものがいるから、その人に教えてもらいなさい」
そう言って、箱の中に呑牙を仕舞い、箱をひなに持たせて、紫陽花はひなの手を繋いで屋敷の外にいる灯籠たちの元に向かった。
猛士九州地方佐賀支部の攻撃によってボロボロになった屋敷の前に幽冥と蛇姫と一部の家族を除いた家族とジャック・オ・ランタンこと南瓜たちと屋敷の家主の紫陽花とヒャクメこと凍がいた。
灯籠
【宜しいですね?】
「ああ、これが最後の依頼かの」
灯籠
【では…………はっ!!】
灯籠の甲羅にはめ込まれた火昌から小さな火が屋敷に飛んでいき、屋敷の壊れて突き出た木片に着火する。
灯籠の放った小さな火は木造の屋敷を飲み込む大きな炎に変わり、屋敷を燃やしていく。
紫陽花とひなは焼けくずれていく屋敷を静かに見ていた。
それから数十分経ち、紫陽花と凍の住んでいた思い出の屋敷は燃え尽き、黒く焼け焦げたものに変わり果てた。
SIDEOUT
紫陽花たちが屋敷の別れをしている間に蛇姫が転移の術に使う陣を作っていたようで、後は私の合図で転移するだけのようだ。
「じゃあ、蛇姫お願いね」
蛇姫
【はい。では、いきます!!】
蛇姫が札を掲げると、光が幽冥たちを包み、その姿を消す。
ひなの家族を探す今回の旅は無事に成功した。しかも新たな家族が出来たことに幽冥は満足していた。
光が晴れて、最初に目に入ったのは、我が家である妖世館だ。
蛇姫
【転移完了です。私は少し疲れたので眠るとします】
「ありがとう蛇姫。ゆっくりおやすみ」
術を使って疲れた蛇姫は、寝床に向かおうとしてるので、私はお礼を言って、蛇姫と別れてそのまま館に向かう。
そして、私は妖世館の扉を開くと同時に抱き着かれる。
「ただい、うわぁ!!」
「お帰り幽姉ちゃん。はあーーー幽姉ちゃんの匂いだ。落ち着く」
私に抱きついて来たのは、朧だった。しかも、初めて会った時と同じ姿になっている。
どうやら余程寂しかったようだ。しかも抱きついてる手が万力のように力を込められて離せられない。
「寂しかったよ、寂しかったよおおお」
朧の声が少し涙っぽく聞こえてきたので、離れてと言うわけにはいかずにそのままにすることにした。
そして、朧は2日分幽冥と一緒じゃ無かった分を取り戻すかのように、幽冥に抱きつき甘えていた。
そして、それを見ていた最初の妖姫の従者は。
「あ、あ、あ、あの雌犬があああ!!」
朧が抱きついているのを羨ましそうに服の装飾である布を噛み締め。
前世の親友で最古の転生者は。
「私も幽に抱きつきたいな」
顔を少し赤めらせ。
最初の妖姫と犬猿の仲な3番目の妖姫は。
「お、王が………そ、そこは、あああん♡」
朧の位置を自分に置き換えて、邪な想像をしていた。
そして、朧の抱きつきからおよそ3時間くらい経った頃に、私は抱きついていた朧に離して貰い、外に放置したままの貸家と船の元に向かった。
貸家は北海道で、船は『
貸家は全身が霧に包まれて、宙にふわふわ浮く、後頭部に角を生やした竜の落とし子に変わり、船は蛸の足の四肢を生やした硨磲貝の人型が、動物と魚の骨で組み上げられた巨大な戦艦に乗ったものに変わった。
幽冥は『魔化水晶』が集まってくるに連れて、その身に魔化魍の王の気ともいうものに覆われていた。その気によって、魔化魍に変化の兆しがあった貸家と船は魔化魍として、覚醒した。
幽冥は白や黒たち、妖姫から物から産まれる魔化魍の事を教えられた。それは、長い月日を経た物が何かを拍子に魔化魍 ツクモガミに変異すると。
幽冥は初めて、物から産まれると言われる魔化魍 ツクモガミの誕生に驚くも、新しい家族が増えることに嬉しそうな顔をした。
如何でしたでしょうか?
本編の方は何処か変なところがないか心配になりながら書いていました。
次回の話は、目覚めた2体の魔化魍の話です。
お楽しみにしてください。