背伸びしたような木々が茂る森の中に、大きな屋敷を見つけた。
「でっけぇな…」
暗闇の中、密かに窓から漏れてくる灯りから、ここに住人がいることが伺える。
「(夜もおそくなってきたな…ちっ、めんどくせぇ…)」
野宿というのも悪くはないが、この森では狼がでるという話はよく聞くし、別段狼に対抗できそうな物を持っているというわけでもない。
つまり、とても面倒ではあるが、ここの屋敷の主に泊めてもらえるよう頼む必要があるわけだ。
「(…まぁ、野宿ってのも、考えてみりゃやっぱ無ぇわ。)」
汚ねぇし。と呟くと、リヴァイは屋敷の元へ足を向けた。
大きな扉の前に立つと、古そうで不気味な扉はまるで”開けるな”と言ってきているようだが、そんなのは俺が知ったこっちゃねぇ。
ここの住人がどんな奴だろうと、ここの屋敷がどんな幽霊館だろうと、ここに泊めてもらえるのかという問いをするだけでいい。
駄目なら他をあたるだけだ。
リヴァイは大きく扉をノックした。
そして扉が開くことを想定して一歩下がって待つ。
「………」
だが、しばらくしても扉は開くどころか、物音ひとつ聞こえてこない。
灯りが見えるのだから誰かしらいるはずなのだが…
「(………うぜぇ)」
普通の人なら(あれ、ノック聞こえなかったのかな?)と再びノックするところだろう。
しかしリヴァイは違う。
再びノックなど面倒なことはせず、積極的にもドアノブに手をかけ、捻ったあと、大きく内に向かって扉を引き寄せた。
鍵がかかっていたらそれまでなのだが、その屋敷の主人はよほど不用心なのか、はたまたメイドが閉め忘れたのか、ドアはあっさり開いてみせた。
これには本人も驚きだ。
「………不用心だな」
リヴァイは一瞬ドアノブを見つめた後、そう口にすると屋敷の中へ入って行ったのだった。
ばたん
「誰もいねぇのか……?」
大きな扉を閉めると、そこには典型的な金持ち屋敷の光景が広がっていた。
大理石の床、大きなシャンデリア、綺麗な曲線を描いた階段。
しかし、所々には蜘蛛の巣が張っていて、リヴァイは大きく顔をしかめた後、気を取り直す様にすいませんと声をあげた。
そうすれば誰かしらメイドが出てくるだろうとした事だったのだが…
「あぁ、客人でしたか。すいません気が付かず…」
そういいながら現れたのは、なんと15歳ほどの少年だった。
少年は白のブラウスを身に着けており、
「(今の物言いだと、この家にメイドやらはいないというわけか)」
その少年があまりに”当主です”というオーラを出してくるので、リヴァイは真っ先にそう理解した。
「俺はリヴァイという。森で迷ってしまってな。…申し訳ないが、今晩ここに泊めて頂きたい。」
決して頭は下げない。リヴァイはじっと少年の目を見つめて瞳から思いを訴えた。
少年はその目線にじっと見つけ返すと、ニコリと笑ってみせる。
「えぇ、勿論良いですよ。この辺りは狼が出ますし。お一人で出歩くのは危険ですからね。」
「申し訳ない、助かる。」
「いえいえこちらこそ」
「……?」
そう日本語おかしく言ってみせると、少年は愉快そうに瞳を細めた。
エレンもリヴァイもまだまだ他人行儀ですねぇ。
まだ1,2話はこの他人行儀が続きます笑
エレンは吸血鬼なので、見た目は15歳ですが実際は…って吸血鬼お決まりのパターンですw