深い森では主従関係   作:ますち

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第二話 夕食ができるまで。

 

「では、こちらの部屋をお使いください。」

そう通されたのは、とても広い部屋だった。

 

 

中に入ることすら躊躇ってしまいそうなその豪華な部屋は、

二人で寝てもまだ余りそうなほど大きなベッドがその存在感を感じさせ、

床には控えめな赤色が、絨毯となって敷き詰められている。

 

 

・・・大体何なんだあのベッド前の広々とした空間は・・・

あそこで筋肉トレーニングでもしろと・・・?笑えない冗談だ。

 

そう考えたところで、当主の少年から言葉がかかった。

 

 

「すいません…普段使わない部屋なもので、少々お見苦しいところもあるかと思いますが…」

 

 

その言葉にサッと部屋の端に目をやるとそこには埃が溜まっており

「…………」

リヴァイは思わず口元が引きつった。

 

 

掃除しよう。そう心に決めたリヴァイに、当主の少年はニコリと微笑むと、

「では、私は夕食をつくってきますので、リヴァイさんはゆっくりなさっていてください。」

そう口にした。

 

 

「……?」

 

これには、リヴァイの頭の上にハテナマークがうかぶ。

 

 

「…お前がつくるのか?」

シェフとかいるだろ普通。

 

 

そう言うと、当主の少年は一瞬何のことを言われているのかわからなかったらしく目をぱちくりさせていたが、言葉の意味を理解すると、あぁ。と口から言葉をもらした。

 

 

「この屋敷には私しかおりません。そのため、家事など全てのことは私が行っているんです。」

「……そういうわけか」

 

納得。リヴァイがそう表情にだすと、当主の少年は、では。と部屋から廊下へ出る。

 

 

「夕飯ができましたらお呼びします。リヴァイさんはどうぞおくつろぎください。」

 

 

ばたん。

 

 

扉が音をたてて閉まると、リヴァイは落ち着く間もなく、真っ先に部屋の窓を開け放って空気の入れ替えを開始し、ベッドの上を何度か叩いた。

 

すると多くの埃が舞い上がり、リヴァイは眉を寄せると、その埃たちを睨みつける。

 

 

本来ならこのシーツやらマットやらを洗ったり日干ししたいところだが、こう夜遅いのではそれも叶わない。

 

 

「(それに…たかが一泊だしな)」

明日になればここを出ていく。

 

そしてこのまま森をぬけて・・・・・

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

「(……いかん、疲れがでてきたか…)」

 

腹も勿論減ったがそれよりも眠い。

 

埃も空気の入れ替えで落ち着いたようだしな、とリヴァイはベッドにそのまま倒れこんだ。

 

 

・・・あぁ・・・風呂・・・借りて・・・入らねぇと・・・

 

 

そう頭にうかんだが、ベッドに倒れこんでからでは何もかもが遅かった。

リヴァイの瞼が自然と降り切るのは、そう時間のかからないことであった。

 

 

 

 

 

 

 

・・・・体が・・・・重い・・・・?

 

 

それからどれくらいの時間が経っただろうか。

リヴァイは”違和感”によって眠りの世界から現実に連れ戻された。

だがまだ眠り足りないのか、瞼は開くことを拒んで、なかなか上がってはくれない。

 

 

・・・しかしなんだ・・・この重み・・・

そしてこの・・・・冷たい感覚は・・・

 

 

再び眠りの世界へ行きたいところだが、リヴァイはぼんやりした頭のまま、無理矢理に瞼を持ち上げた。

 

 

・・・しかし真っ先に視界に入ってきたもののせいで眠気が一瞬にしてどかかへ消え去ったのは、言うまでもなかった。

 

 

「あ、起きましたか。」

 

そう笑顔で口にするのは、当主の少年だ。

こいつがここにいるということは、夕飯ができたということだろうか・・・?

 

 

しかし、どうやら、夕飯出来ましたよ起きてください。ということではないようだった。

 

当主の少年は仰向けのリヴァイに馬乗りになっており、両手はそれぞれ少年の手によって押さえつけられていたのだ。

 

 

少年の手は氷の様に冷たく、”冷たい”と感じたのはこれが原因のようだった。

 

人に見下される、上に乗られる、ということが大嫌いなリヴァイにとって、馬乗りされているという光景は、眠気を吹き飛ばすのにはもってこいの材料だった。

 

 

「おい…テメェ誰の腹に乗ってやがんだ…降りろ。」

 

 

リヴァイが怒りの表情で凄む、が少年はそれに怯えることはない。

 

 

「そんなに怒らないでくださいよ。すぐ終わりますから。」

そう笑うと、ゆっくり頭を下してリヴァイの首元に口を近づけた。

 

 

「おい…何してんだ、離れろキメェ。」

リヴァイはあからさまに嫌そうに眉を寄せると、頭を動かして拒絶する。

 

 

・・・なんだこのガキ・・・もしかしてゲイ・・・ってやつか・・・?

 

 

頭にその考えがよぎると、少年はそれを読んでいたかのように、首元で囁いた。

 

 

 

「リヴァイさん。……吸血鬼…って、見たことありますか?」

 

 

 

首元で喋んなキメェ。その意味を込めて舌打ちをすると、リヴァイは何の変化もないトーンで回答した。

 

 

 

 

 

「ねぇよ。というかまず俺の腹の上からどけグズ野郎。」

 

 




エレンはまだまだ他人行儀ですが、リヴァイはそろそろ口の悪さがでてきましたね。

馬乗りで激おこ(笑)のリヴァイの表情と威圧にもエレンが負けないのは、やはり吸血鬼として長年生きて身につけた余裕というものなのでしょうか。

この後はリヴァイは吸血されてしまうのか、はたまた回避できるのか・・!?

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