【完結】アリス・イン・ワンダーランド   作:さくらのみや・K

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Bonus-Disc エトセトラ
あとがき〜ヤンデレCDの異端児〜


エッジレコーズからリリースされたヤンデレCDは、全部で5枚ある。

記念すべき初代ヤンデレCD、ヒロインが増えた2枚目「ぎゃー!!」、限定版の「ぎゃふん!」、ジャケットの雰囲気が変わった「ヤンデレ惨」、そして最新作にして最後のヤンデレCD「Re:birth」だ。

 

本作は3枚目「ヤンデレ惨」の第4話「桜ノ宮 亜梨主」編を元に、桜ノ宮姉妹の設定も参考にしつつオリジナルの設定も組み込ませて頂いた。

お聴きになったことのない方のためにざっくり言うと、原作は亜梨主が少年(原作ではCDを聴いている本人)を殴り殺すところで物語は終了する。

本作は、時系列で言えばその後日談を、筆者が捏造したということになる。

慧梨主と亜梨主が同一人物であるという発想のきっかけは、天海祐希が主演を務めた刑事ドラマ「BOSS」だったと思う。

虐待で弟をなくした兄にその弟の人格が形成され、その弟の人格が復讐として殺人事件を起こす回があった。

この話を書き始めるより更に前だったが、あっ良い!と思ったのを覚えている。

双子の片割れが死に、その人格がもう一人に乗り移るというストーリーは、おそらく他にもあると思う。

それでも、筆者はそんな桜ノ宮姉妹の二次創作が見たくて、我慢できずにこのアリス・イン・ワンダーランドを書き上げた。

 

 

桜ノ宮姉妹の話は「慧梨主編」と「亜梨主編」の二つがある。

知らない方のために説明するが、慧梨主の方は主人公(CDを聴いている聴き手、本作でいう少年)を奪おうとする亜梨主を慧梨主が刺し殺した。

亜梨主編は本作にあったように、慧梨主に裏切られたと考えた慧梨主が自殺し、亜梨主が主人公を9番アイアンで殴り殺すという展開だ。

なぜ筆者が桜ノ宮姉妹の二次創作を書くにあたって、「桜ノ宮 亜梨主」編を選んだか。

それは、亜梨主というキャラクターとそのヤンデレさにある。

 

桜ノ宮 亜梨主は前述の通り、聴き手である主人公を憎み殺すという、おそらく数あるシチュエーションCDでも類を見ない結末を迎える。

「死ぬほど愛されて眠れない」というコンセプトとは正反対のストーリーに、ヤンデラー達の賛否は分かれたという。

どろっどろの深い愛を押し付けられて殺される通常のヤンデレとは違う、罵詈雑言を浴びせられ、ゴルフクラブでボコボコにされて死ぬ結末を望む者は少ないだろう。

筆者も、咲夜とおんなじくらいのツンデレちょいヤンデレくらいか〜?などとタカをくくっていたから、初めて聴いた時はショックを受けた。

そのせいで筆者は亜梨主よりも慧梨主に惹かれ、今でも推しは慧梨主である。

しかし、それでも何度も何度もヤンデレ惨を、「桜ノ宮 亜梨主」編を聴きまくった。

そして筆者は気付いた。

 

「亜梨主のヤンデレはとてもスタンダードなタイプである」と_________

 

確かに、ヒロインが別のヒロインを好きで、邪魔になる主人公を憎み殴り殺すというコンセプトは異端だが、慧梨主を病的に愛する亜梨主は、実はものすごく純粋なヤンデレヒロインなのだ。

「亜梨主編」で一番好きなセリフは「あたしは慧梨主を愛してる」なのだが、水橋 かおりさんが迫真の演技で訴えかけるこのセリフにこそ、亜梨主のヤンデレヒロインとしての全てが宿っている。

純粋に、ただ純粋に慧梨主を愛する亜梨主。

「なぜそうなるし」とツッコミたくなる陰謀も、賛否を生んだ主人公撲殺も、全ては手段に過ぎない。

慧梨主の必死な訴えかけを真面目に聞いているシーン、そして主人公を殴りつけながら慧梨主への愛を叫び続けるシーン。

亜梨主の(ヤンデレヒロインの中でも)奇怪な行動につい目を奪われてしまうが、実はCDの中でも1、2を争うほどシンプルなヤンデレヒロインなのだ。

 

アリス・イン・ワンダーランドでは、「亜梨主編」で語られる亜梨主の慧梨主への深すぎる愛を物語の始まりにした。

亜梨主が慧梨主になりすましていたきっかけを、亜梨主の愛情にしたかったのだ。

そして、あえて慧梨主の結末も原作通りにして、彼女の存在の儚さと亜梨主の罪深さを表現しようとした。

筆者の文章力でどこまでそれが成し遂げられているかはわからないが、数万分の一でも感じ取っていただければ幸いである。

 

 

この作品も、以前投稿した短編「血濡れのショパン」同様にガゼボの曲をイメージソングにしている。

ラストに出てきた「Alice in wonderland」である。

お分かりかも知れないが、タイトルもこれがもとになっている…というかまんまである(笑)

日本語訳は、「I like Chopin」ほど有名ではないためか、いくら検索しても出てこなかった。

weblioの英訳アプリとGoogle翻訳をフル活用し、数時間かけて自分で翻訳した。

全文を載せるのは権利的な問題でアレだが、作中にチラッと載せた歌詞は筆者が翻訳したものである。

テンポが良く、不思議で胸をきゅっと締め付けられるような哀しさの混ざるメロディに乗せ、ガゼボの甘いボイスで歌われる寂しげな歌詞。

この曲を聴きながら、慧梨主を失った亜梨主の悲しい気持ちを考察してきた。

アリス・イン・ワンダーランドが完結した今、この曲は一生忘れない思い出の曲になるだろう…おそらく

 

 

無駄に時間ばかり経ってしまった作品だが、最後まで読んで下さった全ての読者、お気に入りをくれた皆さんに感謝したい。

お気に入りや評価、コメントももちろん欲しいしありがたい。

だがそれより、この小説を読みきって、最後に「ヤンデレ…良い!」となってくれる方が、一人でもいてくれれば、筆者はそれで満足である。

 

 

 

最後に_________

 

慧梨主、

亜梨主、

心から、ありがとう_________

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