地獄を見た。
地獄を見た。
地獄を見た。
地獄と化した場所で、少年は生まれた。
その地獄こそが今、エミヤシロウが持つ最古の記憶。
決して拭うことも、忘れることも許されない、始まりの
人の命が紙のように軽く、燃え、塵となる。
抗いようのない絶望、行き場のない憤怒が入り混じった騒音は止むことが無く、人肉が焼け焦げる異臭は常に鼻を蹂躙する。
頑丈だっただろう建築物は軒並み崩れている。それに下敷きとなっている人間も大勢いた。どこに行っても同じような光景が目に映る。まるで延々とループしているのではないかとすら思え、狂いそうになる……否、もう既に狂っているのかもしれない。
建物に押し潰され、即死した人もいれば、肉体を圧迫されてなお、辛うじて生きていた人間もいる。その人達は助かろうと必死だった。
火の手が迫っている。ジリジリと嬲り殺される。そんな結末、誰だって真っ平だ。生きているのなら藁に縋ってでも生きていたいと思うのは当然だ。
中には自分より我が子を。我が子は自分より親を助けてほしいと願う者達もいた。
ああ、知っている。知っているとも。彼らは神でも仏でもない、この自分にそう願っていたのだから。
俺/私/僕/息子/娘/孫/を助けてくれ。
何度も聞いた。何回だってこの耳に届いた。
数えるのも馬鹿らしいくらい、助けを乞われた。
建物の瓦礫に下敷きにならず、奇跡的に生き残っていた少年は、見えぬ出口を目指して歩いていた道中で、幾百、幾千にも及ぶ声を聴いた。
そして我武者羅に振り払った。振り払わなければ、自分も死ぬと分かりきっていたから。
少年は、歩けはしたが、歩くことだけでも精一杯だったのだ。
誰かを救うなんて余力はない。誰かを救うほどの力もない。己が死なないようにすることだけが、唯一できることに他ならなかった。
故に彼らの視線、声を背に少年は歩き続けた。
歩けば歩くほど足は制限なく重くなる。彼らの助けを乞う悲鳴は堅く、茨のついた鎖のような役割を果たしていた。
一秒が一時間に感じる。一分が気の遠くなるほど長い時間だとさえ思えた。
ああ、自分は何と言う名前だっただろうか。
ああ、自分はこの地獄を体験する前に何をしていただろうか。
親の顔も、友の名も、一切思い出せない。
この背景が全ての始まりと言わんばかりに、この地獄以前の記憶がすっぽり抜け落ちていた。
記憶の無い状態で、傷だらけの体を動かし、唯ひたすら歩き続けた。
背後から迫る死神から逃げるように。己を焼かんとする炎から逃げるように。
そして少年は生き残った。全て失い、空っぽに成り果てても生き抜いた。
見知らぬ男に引き取られ、新しい名前を得て、それでもなお中身が空洞のままだった。
………生還した彼を待っていたのは安堵でもなければ平穏ですらない。
少年を待ち構えていたのは生き残ったことに対する責務。
―――サバイバーズギルト―――
温かみの欠片もない、脅迫概念だった。
生き残った自分は特別だ。
生き残った以上、死んでしまった者たちの代わりに何か特別な事をしなくてはならない。
だってそうだろう。そうでなければ、死んでいった人たちに申し訳がたたないのだから。
ならば何をするべきなのか。この命は、何の為に使うべきなのか。
少年は考え、考え、熟考した結果、ある一つの夢のような答えに辿り着いた。
死んでいった人たちの代わりに、この悲劇を二度と起こさない。
そんな思いを胸に多くの人間を助ける『正義の味方』になることを誰でもない己に誓った。
◆
「………また、ここか」
英霊との激戦の後、見事に気を失ったエミヤは見覚えのある病室で目を覚ました。
幾度となく世話になったアースラの病室であるとエミヤは嫌々ながらに理解できてしまう。
これで、もう20回以上はこの部屋に担ぎ込まれたな……と、呆れながらに溜息をついた。
「ぬ……くっ」
体を起こそうと肉体に力を入れるが、まったく動いてくれない。それどころか体中を滅多刺しにされたかのような痛みがエミヤを襲う。肉体の損壊具合は、過去最高を記録したんじゃないかと思えるほどの有様だ。
しかし、一番損傷が激しかっただろう魔術回路は極めて目立ったダメージが見受けられない。見事な手際で修復された後がある。魔術師がいないこの世界において、こんな芸当が出来る人間は一人しかない。
思い当たる人物が脳裏を過ぎった瞬間、また重い溜息が出そうになったが、グッと堪えた。
こうして生きていられたのも恐らく彼のおかげなのだから、溜息を吐くなど流石に礼がなさすぎる。そして暫くしていると予想通り、あの男が入室してきた。
「ようやくお目覚めか。具合はどうだ、エミヤシロウ」
「言峰……綺礼……やはりお前か」
エミヤの前に現れたのは、言峰綺礼。まだ20にも至らない若者ながら、精気すら感じられない虚ろな
とはいえ、元いた世界ほど人格破綻しているわけでもなく、何か企むほどの危険性はない。
彼とはかつて管理局で働き始めていた駆け出しの新人であった己と幾度も戦場を共にしてきた間柄だ。今では聖王教会の元を離れ、しがないの料理店を営んでいる一般人だが、恐らくクロノか艦長辺りが寄越したのだろう。
エミヤシロウの特殊な魔術回路に熟知しているこの男は、どの名医よりも的確な治療を行えるのだから。
「久しくする治療だったが、大方上手くいったと思ったのだが」
「ああ、相変わらず見事なものだ。ここまで完璧な魔術回路の修復は、お前にしかできんだろう……恩にきる」
「それは良かった。私もお前に死んでもらうのは困るからな。それに、エミヤシロウや時空管理局に恩を売るのも吝かではない。後でキチンと支払ってもらう」
「分かっている……他にも重傷者が何人かいたはずだが、彼らも診てくれたのか?」
「いや、あのシャマルという騎士が既に受け持っていた。皆、峠を越えたようだ。なかなか良い腕を持つ医者を抱えるようになったな、アースラは」
その言葉を聞いてほっとしたエミヤは、自然と力んでいた身体から力を抜いた。
「一応言っておく。お前の命を救ったのは私だが、私が駆けつけるまでお前の命を紡いでいたのはクロノだ。後からクロノにも礼は言っておけ」
「……ああ。必ず」
相棒には迷惑をかけてばかりだ。
クロノがいなければ、幾度死んでいたか分からない件は山ほどあった。
今回もその例に漏れず、クロノの手によって助けられた。
本当に頼れる相棒だ。自分には勿体無いと思えるほど。
「ただ、まったく問題がないわけではない。それなりの代償は免れなかったぞ」
言峰綺礼は無表情で一枚の紙をエミヤに渡した。
「…………」
その渡された紙を一通り目を通して、軽い溜息が口から洩れるのを自覚する。
「簡潔に言えば……寿命がすり減ったのか」
「あれほど破損した回路を治す為には、生命の治癒力を前借するしかなかった。許せ」
「いや、言峰が謝るのは筋違いだ。これはオレの過失。気にすることはない」
あの場、あの瞬間、己が持ち得る最善の手段がアレしかなかった。
無茶を押し通さなければ、今こうして息をすることもできずに土に還っていたいただろう。
ゆえにこの結果は避けようもないものだ。甘んじて受け入れる。むしろこの程度の代償で済んで幸運だったと思うべきだろう。
その言葉に言峰は呆れながら頷いた
「エミヤシロウ。貴様には、まだ言わなければならないことがある」
「………なんだ」
「その体は正直言ってボロボロだ。回路は治せたものの、肉体の破損もなかなかのもだった。一命を取り留めるだけの治療はしたにはしたが、早期復帰は難しいだろう」
それは困る。
できるだけ早くあの事件を解決しなくてはならないのに、このままベッドの上で寝てはいられない。
特にあの怪物の対処は誰よりも自分が熟知しているのだ。エミヤシロウが率先して任務に赴かなければ解決から遠ざかる。
「だが、私なら二日程度で現場に復帰させることもできる。無論―――」
「代償はつきもの……だろう。わかっている。本来なら満足に動くこともままならん状態を、僅か数日で治すというんだ。ズルするからには、ただでは通れない」
「その通りだ。まぁ、理解しているだろうが、また寿命を減らすことになる。ほんの僅かだが、それでも命の灯を弱める行為だ」
「頼む。今は時間が惜しい。海鳴市……人が住む足元にあんなものが潜んでいると知ったからには、止まることはできない」
「………そうか。ならば期待に応えよう」
白野から授かったこの命を粗末に扱うつもりはない。
これは必要なことなのだと、エミヤは自身に言い聞かせた。
「話は以上だ。では今からエミヤシロウの意識が戻ったことを皆に知らせてくるとしよう」
言峰は踵を返して部屋から出ていこうとする……が、扉の前で立ち止まって、振り返ることなく
「あと私は暫くココに留まることになった」
「………は?」
いきなりの爆弾発言を投下した。
「リンディ・ハラオウンに話を持ちかけられたのだ。この案件が収まるまで、このアースラで臨時局員として働いてくれないか…と」
臨時局員。かつてなのはとユーノに任務に協力してもらう際にも与えられた肩書。
ようは正規の時空管理局員ではない一般人が任務に参加する為の処置的な役割。
「エミヤシロウの魔術回路を修復できるのは私だけだ。此方もお前が無茶するたびに呼び出されても困る。その上、戦力も著しく削がれた今の状況では、戦力となり得る人材を一人でも多く確保したいのだろう。無論、報酬も弾んでくれる」
「………協力してくれるのか、言峰」
もう彼は聖王教会の騎士ではない。何より今はしがないの飲食店を受け持つ身である。たとえ頼まれても此方の面倒事に介入することはないと思っていた。
「戦場に呼び出されるに相応しい見返りを約束されたものでな。しかもアースラの食堂と厨房を借り受け、私の店の料理を出すことまで許可されている。宣伝も兼ねられるというもの」
宣伝……なるほど。
あのこの世のものとは思えぬ激辛料理を時空管理局で宣伝することが主な目的か。
たかが一個小隊なアースラだが、その知名度はかのゼスト隊に勝るとも劣らない。そんな部隊が悶絶し、喰った飯となればそれ相応の効果は挙げられるだろう。特に激辛好きの局員は黙ってはいまい。怖いもの見たさで関わってくる人間も少なくはないだろう。
「まさかクラウディアも?」
「当然だ。あの娘に留守番など勤まるまい」
「これはまた、心強い援軍がきてきれたものだ……助かる」
理由はなんであれ、この夫婦が支援してくれるのならこれほど頼もしいものはない。
一戦を退いた人間を再び戦場に呼び戻すことに対して罪悪感は無くもないが、今の任務はそんな拘りを持っていられるほど生易しいものではないのだ。
猫の手も借りたいこの状況、甘んじて彼らの手を借りることとしよう。
どうせ負担はリンディ艦長が背負うのだし。
「今は魔導騎士ですらない、しがないの飲食店の店長だ。あまり期待はしてくれるなよ」
そう言って綺礼は病室から退出した。
……あまり期待はするなとはよく言ったものだ。
聖王教会を抜けた今でも、鍛錬を欠かさず行っている言峰だ。戦闘者としての感もそうそう鈍るものではない。
何より、アルフの襲撃にも粛々と対応した男が不抜けているわけもないのだから。
◆
息が荒れる。心臓の動悸が早い。目頭には少しばかり涙が貯まっている状態で、少女は走る。
長かった。心配した。
彼が意識を途絶えてはや三日。その三日間、ずっと心配で心配で仕方がなかった。
だってそうだろう。
あの肉体から突き出る聖剣魔剣を見て、安心していられるほど図太くはない。
悪夢だ。悪夢と言わずしてあの光景を何と例える。
少女はその脚に無意識のうちに魔術強化を施した。あまり広くないアースラの艦内を
「な、なん―――ッ!?」
突然派手に開かれた扉に彼は驚き、身構える時間もなく、その少女―――フェイト・T・ハラオウンはその青年の腹に突進する。
この時、この瞬間、青年ことエミヤシロウは完全に油断していた。
療養中の身であり、肉体もまともに動かない。だがここはアースラの病室だ。敵が現れるわけもなく、危険というわけでもない。
そこで精神統一を行い、自身の肉体に後遺症などがないか再度チェックを行っていた。
そんな中でのこの襲撃紛いの突撃。回避することも、受けることもできない。元より身体が動かないので、どちらにせよ対処など不可能だ。
まさに不意打ちのなかの不意打ち。心構えも足りぬ状態で、弾丸と化したフェイトの突進を彼はモロに喰らったのだ。
如何に百戦錬磨と名高いエミヤであっても、平然とできるわけがない。
「シロウ、シロウシロウシロウ!良かった、本当によかった………!!」
ぐりぐりと頭を渠を再度抉るが如き勢いで擦り付けてくるフェイト。
もし彼女に尻尾があったなら元気な大型犬のように振り回しているだろう。
肉体が限界を超えて痛めつけられていた今のエミヤには、とても荷が重い。
「フェ……フェイト…………ぁ…」
致命的な痛みが延々とエミヤを襲い、遂に視界が暗転した。
ある意味、これほど馬鹿げた意識の失い方は過去に例はなかったと後のエミヤは語る。
…………
………
……
…
「この忙しい時に何をやってるんだ君達は?」
「ごめんなさい……」
「なんでオレまで……」
騒々しい病室の様子を見に来たクロノは呆れた顔で縮こまるフェイトとエミヤを見下ろす。
何故かエミヤまで呆れられているのはご愛嬌。
「フェイト。喜ぶのも分かるが、ここは病室だ。ちゃんと静かにするように」
「はい………」
「エミヤも、狂喜乱舞したフェイトの襲撃には備えとくべきだったな」
「冗談を言わないでくれ。これは流石に対処できたもんじゃないぞ」
軽いジョークかつ理不尽なことをのたまうクロノである。
「……クロノ」
「ん?」
「シロウは、いつ退院できるの?」
クロノはその言葉に、一瞬……ほんの一瞬だけ、暗い影を落としているように見えた。
だけどそんなのは勘違いだと思えるほど、クロノは明るくこう言ったのだ。
「ああ、それはもう心配ない。早くて二日後には退院できるだろうさ」
「そんなに早く!?」
「凄いだろう?この前配属された男は性格と舌に難があるものの、腕利きの医師だからね」
高町なのは、エミヤシロウと同じく地球出身者である言峰綺礼。
彼はかつてエミヤ、クロノと肩を並べて任務をこなした盟友と聞く。
なるほど。それほどの男がこのアースラに来てくれたとなると、数日で全快できる回復の早さにも頷ける。
「よかったぁ」
フェイトは素直に喜んだ。
何も知らず、純粋に。
「……エミヤ。これからのことなんだが」
喜ぶフェイトに何故か心を痛むような顔をして、クロノはこれからの話をエミヤに振った。
それに気づいたエミヤはその振りに応える。
「隊員の一人があの異界で一枚のカードを回収している。今専門の技師に調査を任せているところだが、恐らくアレの核たるものなんだろう。まるでレリックのような魔力の塊が観測されている上に、そのカードに『Rider』という文字が刻まれていたそうだ」
「ライダー……やはりアレは」
「十中八九、お前がかつて僕に教えてくれた存在と見て間違いないだろう」
「となると……あと六体は確実に残っているな……丁度、今存在する異界の数も六つか」
あまりにも残酷な現実だ。
あの激闘で終わりではない。始まったばかりに過ぎないのだから。
「しかしやるしかないだろうよ。なに、闇の書事件と比べると分かりやすくていい。ただ単純に、あの霊脈を蝕む怪物を退治するだけの話だ」
「シロウ………」
「ははっ。お前なりの前向きな捉え方か。
だがどうする?アレの正体は……この世界に、歴史に名を刻んだ
英雄。
あの黒い騎士の正体は、英雄なのだとクロノは決定づけていた。
かつてエミヤがクロノに語った英霊という存在。そして奴が持っていた宝具。
あの宝具が何よりもの証拠。
エミヤが常日頃から扱っている武具。あれは全て贋作だ。そのオリジナルにあたるものが、あの怪物が持っていた複数の武器。
あらゆる状況を一変できるだけの力を有し、歴史で語られた力の結晶。絶大な神秘と共に奇跡を起こすこの世ならざる唯一のアイテム。
あんなものを所有しているのは、この地球の英雄しかいない。
「アレを一番よく知っているのはお前だ。その傷が癒えたのちに、任務に参加する皆に改めて、できる限りの情報を伝えてくれ」
「任された」
エミヤはは軽く首を縦に振った。
そして彼はフェイトの目をじっと見つめて、いつもとは違う冷たい雰囲気を醸し出す。
「フェイト。これは闇の書事件と同等と言ってもいい危険な任務になる。とはいえ、もうお前達は時空管理局局員だ。それもアースラの貴重な戦力と言っていい。危険だからといって、遠ざけることはできん」
その言葉にフェイトは力強く頷いた。
既に多くの任務に当たり、様々な経験をしてきた。それでもまだ経験が豊富な局員とは言えない、半人前だ。
そんな自分でも、力になれる。戦力として数えられ、あまつさえ期待も寄せられている。
ならば応えなければならない。エミヤの期待に。彼が見込んでくれている己の力に。
何より今回の任務が如何に危険と言えども退くわけにはいかない。
たとえ敵が畏怖すべき存在であったとしても。心から恐れる存在であったとしてもだ。
「私は、あの海鳴市で多くの人達に支えてもらいました。あれだけ焦がれていた友達もできて、優しく接してくれる人もいて………色んなことを何も知らな私に教えてくれた」
あの地でフェイト・T・ハラオウンは友ができた。
学校に行き、皆と話し、遊び、学んできた。
ボランティアを通じてあの地に住む人々と関わりを持ち、様々な体験をさせてもらった。
大事な場所だ。守るべき、故郷なのだ、あの場所は。
それが今、危機に晒されているのならどうして退けることができようか。
自分は無力ではない。解決する力になれる。今こそお世話になった人達に恩返しをするべき時。
「あの海鳴市は私の第二の故郷です。その故郷の問題を解決する力になれるのなら、私は全力を持って挑みたい」
あまりにも迷いなく、そして力強く言い放ったフェイトの言葉にエミヤは改めて目の前の少女の芯の強さに感嘆する。
これが……これが、未だに成人にも達していない少女の決意。まだ高校生でもない、年端もいかぬ子供の熱意だ。
前々から分かっていた。彼女は、確かに至らないところはあれど精神的に早熟している。そして胸には熱く実直な魂が宿っている。
新たな時代を担う若者だと断言できる。彼女は、これから先多くの人々の笑顔を守るだろう。
「僕達も負けられないな、エミヤ」
「――ああ」
ならば、先達たる自分達も負けてはいられない。次世代の彼女らを失わせないように。彼女たちの力となれるように、情けない姿は晒せない。
執務官と三等陸尉は互いの顔を見合わせてそう心に刻み込んだ。
・ようやく……ようやく2016年初の更新ができたァ………!!