銀色の瞳に、白に近い淡色の髪持つ女性。世間一般には、クレイアモアと呼ばれる半人半妖の戦士。
ここは、それらの戦士の本拠地でもあるスタフ。大陸の極東に位置する。
そんな中、戦士に任命されたが、すぐにナンバーを与えられるず待機されていた一人の少女がいた。
少女は特別であった……。本来、半人半妖化した際に、髪や肌の色素がある程度残る者がいる。
少女は色付きと呼ばれる出来損ないであったのだ。
しかし、色付きは慣習に従い、試験をクリアすると一般の戦士と同様にナンバーが与えられる。
そして、ナンバーが与えられるまでの短い期間だが、他の戦士から戦い方を学ぶ機会がある。
クラリス。北の戦乱と呼ばれる覚醒者と戦士の壮絶な戦いから7年。色付きの戦士となった少女の名である。
「ら、ラエストっていう戦士を知っていますか?」
「一体どこで聞いたのかしら?」
スパルタに近い実践形式の訓練。
クラリスは日暮れまで、耐えきりその場に倒れながらも訓練の相手をしてくれた、ヴェネスに聞いたのであった。
No.21 ヴェネス。ラエストとは違い、白金に近い髪を持つ一般的な戦士である。個が強い戦士の中では、比較的穏やかな性格らしく、クラリスの相手を嫌な顔をせずに相手をしていた。
また、博識でクラリスの質問にも全て答え、良い教師役になっている。
「そんなこと気にしてる場合?」
「い、いえ、その気になったので」
ヴェネスは笑顔を浮かべ返答すると、クラリスは目線を合わせずにたじろぐ。
「黒服の誰かが言ったのかしら。答えをイエスよ。聞きたい?」
クラリスは小さく頷いた。ヴェネスは軽く考えるそぶりを見せ、口を開いたのだ。
「色付きは、本来なら生まれた瞬間に処分される存在だったとされるの。しかし、慣習に従い、試験を合格できればナンバーが与えられる。何故か知ってるかしら?」
「ひ、人手不足だったとか?」
「今はそうね。でも、それは正解じゃないわ」
「ラエストが関係するんですか? その戦士が」
「私もあまり知らないわ。本当に昔の話みたいだから。終わりのラエスト……初めて生まれた色付きの戦士の名。そして、最終的にはNo.47からNo.10代までいったとされる」
No.47。それは、最下位を表すナンバーである。そこから、30近くナンバーを上げて二つ名まで付けられた戦士は数を数えるほどしかいないだろう。
「わ、私でもなれるでしょうか」
「それは、貴方次第よ……少しだけ話を戻すと、ラエストは妖気感知能力が優れていたらしい。また、彼女の後に生まれた色付きの戦士も同様に、妖気感知能力だけは優れていた。あなたもそうだと思うわ。色付きの戦士は、妖気に敏感になる性質があり、そのため妖気感知能力が比較的高くなる。そう、組織は考えたみたい。ようするに、一種の実験なのよ。貴方みたいな色付きの戦士が生かされるのは……って私は思ってるわ」
ヴェネスは言い終わると、大剣を背中に回しその場を立ち去ろうとする。
「これで、訓練は終わりよ。死にたくないなら、動きなさい、感じなさい。そうしなければ、すぐ死にわ」
「ま、待ってください……」
ヴェネスは背中を向けながら、クラリスに最後に声を掛けた。
クラリスは起き上がろうとしたが、体に力が入らない。
「あ、ありがとうございました」
クラリスの最後に感謝の言葉を伝えた。
次会うときは、ナンバーを与えられた戦士になっているだろう。
無事に会えることができたらだが。
次回、終わりのラエスト