誤字の指摘などもよければ。
部分部分に独自解釈があります。
登場人物紹介にキリトのイラスト追加しました。
流石原作主人公!
オニキス&アランを描く予定は無いですが(;´Д`Aおおう
今回からお気に入り登録の謝辞は省略させていただきますm(_ _)m
感想に対する返信は今後も続けます。
2023年1月14日
前日が13日の金曜日だったため、アランに付き合って家の中で大人しくしていたオニキスだったが、その鬱憤を晴らすべく、今日はいつも以上に活発だった。
――第5層迷宮区。馬頭の亜人型モンスター【グリーヴァ族】の巣窟だ。
俺達の眼前に、鉄製のプレートアーマーを着て、無骨な《長槍》を携えた――所謂ハヤグリーヴァと呼ばれる馬の怪物――《ステフグリーヴァ・ランサー》が迫る。
「僕が《威嚇》でタゲ取るから、オニキスとクラリスさんでアタック頼む!!」
「了解!!」
「解りましたっ!」
「ウォォォォォォォ!!」
盾を構えたアランが鬨の声を上げる。それによって《威嚇》が発動し、《ステフグリーヴァ・ランサー》のターゲットがアランに変更される。
「やぁ!!」
その隙を逃さず、クラリスがイエローのライトエフェクトに染まった槍で突進――そのまま鎧の隙間へ突き刺す。
《長槍》の十八番であるデバブ付き突進技《スタン・ドライブ》。
「ヒヒィィンッ!」
今の攻撃によって《槍騎兵》のターゲットがクラリスに移るが、《槍騎兵》は数秒のスタンを強いられる。
俺はクラリスに続き攻撃を仕掛ける。
「は……ぁぁあ!!」
右手に握る《ロックマチェーテ+5》の刀身が、レッドのライトエフェクトに染まり、飛び跳ね、踊るように《槍騎兵》の顔面……馬面を斬りつける。
1度、2度、3度。遂にHPゲージがレッドゾーンに突入するが、俺の攻撃はまだ終わらない。スタンもギリギリ継続している。
「――せいっ!!」
最後の縦斬りを渾身の力を込めて振り切る。
《短剣》4連撃技《ダンシング・エッジ》。
「ヒィィン……」
《槍騎兵》は細い断末魔を残して――ポリゴン片を撒き散らし、爆散。
眼の前にウィンドウが開き、アイテムはパーティー共通ストレージへ、経験値とコルは均等に分配されたことを知らせる。
「2人ともGJ」
アランの労いに、振り返る。
「お疲れ様です」
「お疲れ。クラリス、さっきの《スタン・ドライブ》良かったよ。予備動作、凄く速かったし」
「あ、ありがとうございます……えへへ」
クラリスはシンプルな褒め言葉に弱い。ここ1ヶ月と少しで学んだ知識だ。これで夕食まで機嫌が良ければ、今日も美味い飯が食えるだろう。
「――何だよ?」
「……別に」
アランが何か言いたげな顔だったが、まあ、いいだろう。――そんなことより。
「次、来るぞ!!」
鈍い光を放つ鉄製のブロードソードとバックラーを持った、《ロバストグリーヴァ・ソルジャー》が俺の視界に入った。
「奴は頭を兜で守ってるけど、その分チェインメイルの守りは薄い!突き技中心でよろしく!!《威嚇》いくよ!!」
アランの支持が飛ぶ。
「おう!!」
「了解です!」
「ウォォォォォォォ!!」
再び盾を構え、鬨の声を上げるアラン。
《剣士》がアランに斬りかかる。
しかし、《スタン・ドライブ》の冷却時間は長いので、先ほどと同じ戦法は使えない。
クラリスが槍を構え動く。
「はぁ!!」
穂先がインディゴのライトエフェクトに染まり、チェインメイルの隙間を縫って貫く。
《長槍》基本突き技《プリック》。
今のアタックによって《剣士》の攻撃がキャンセルされ、僅かに硬直を余儀なくされる。
「スイッチ!!」
俺は叫び、前に出る。
マチェーテを正眼に腕を引いて構え、一気に突き出す。
刀身がビリジアンのライトエフェクトに染まり、勢いそのまま――システムアシストによって加速し、突っ込む。
《短剣》基本突進技《スターブ》。
「ヒヒィィンッ!」
だが、《スターブ》は威力が弱い。《剣士》は殆どノックバックすることなく、攻撃態勢に入る。
《剣士》はブロードソードを大きく振り上げた。刀身が、《ライトブルー》に輝いている。
――あれは、《バーチカル》!!
だが、硬直してないのは俺も同じだ。
「う……ぉぉお!!」
逆手に持った《ロックマチェーテ+5》の刀身が《オレンジ》のライトエフェクトを噴き出し、半ば身体が勝手に動くが、意図的にその動きを更に加速させる。
「届けぇぇぇ!!」
――空中で2つの光芒が交錯し、弾け、爆発した。
「ヒヒィィンッ!?」
「くっ!!」
ソードスキルによるパリィに成功。
お互い大きく離された俺と《剣士》は硬直を余儀なくされる。――しかし、こちらは3人だ。
「スイッチ!!」
アランが前に出る。
盾を前に構え、右腕を引く。その動作で、右手に構えた長剣の刀身がイエローのライトエフェクトに染まったかと思うと、一気に長剣全体が十字型に光輝く。
アランが《剣士》に向かって走る
「せぁ!!」
縦に1回、横に1回、もう1度縦に斬りつける。
《片手直剣》3連撃技《フォトン・クロス》
「ヒヒィィンッ!!」
『バーン!!』
大きな断末魔と破砕音が鳴り、青い破片を撒き散らし、爆散。
ウィンドウが開く。
「アラン、グッチョブ!」
俺はアランの背中に向けて声をかける。
「ははは……そっちもね」
アランは振り返り、はにかんでそう言った。
お互いサムズアップ。
……何か照れくさいな。
「わあ!!」
クラリスが歓声を上げる。
もちろん、俺とアランのサムズアップに対してではない。
軽やかなファンファーレが鳴り響き、俺達のレベルが上がったことを知らせたのだ。
◆
迷宮区を昼過ぎに脱出した俺達は、最寄の町《アランヘル》へと昼食を食いに戻ってきていた。
宿として取っている、2層同様NPC経営の牧場に建つ家は、主街区である《クラベル》の近くなので結構遠い。
「さて、注文来る前にアイテム分配やっちまうか」
「アイテム分配って言っても、食材はクラリスさん、素材はオニキスに行っちゃうけどね」
「拗ねるなよ……」
「拗ねてないよ」
俺は5つあるスキルスロットを《短剣》、《鍛治》、《所持容量拡張》、《鍵開け》、そして《体術》で埋めている。
《所持容量拡張》はクラリスも同様取っているので、役割も含めてこういう分担の仕方になっていた。
「え~と……この《ナイトメイル》ってタンクのアランさん向けじゃないですか?」
クラリスの声に、俺もウィンドウに眼を落とす。
「ホントだな……詳細は《鑑定》スキル取ってないから解らないけど……でも、何でナイト?」
ナイトと言われると、ディアベルを思い出すが……2人とも口には出さないが同様だろう。
「――たぶん、馬だから《ナイト》なんじゃないかな?」
「ああ、チェスのナイトか」
なるほど。《騎士》のナイトってわけじゃないのか。
因みに今の俺達の服装は――俺がダメージを受ける可能性も少しは考慮した、黒のジャケットを羽織った完全布装備。そして左腰にマチェーテ。クラリスは赤いチュニックとスカートの上に金属系の最小限の防具を付け、背には槍。そしてアランは、若草色のチュニックの上にチェインメイルを重ね、マントを羽織った完全タンク装備で、左腰に長剣、背にはラウンドシールド。
「じゃあ、《ナイトメイル》はアランでいいとして――今晩のおかずになるであろう《クアダブリング・メアーの肉》について問いたい。……こいつをどう思う?」
「……2層の《トレブリング・カウの肉》の例から言って、雌のお肉の方が美味しいんじゃないか?つまりこの馬肉も……《クアダブリング・ホースの肉》より美味しい」
「でも、《トレブリング・オックスの肉》だって調理しだいで美味しかったですよね?1番美味しかったのは、煮込み料理でしたっけ?」
シェフのクラリスの意見が飛ぶ。《オックスの肉》は焼いただけだとスジばっていて噛んでも噛んでも噛み千切れなかったが、しっかり煮込むと美味かったのだ。
だが、今は関係ない。メアーは雌馬だ。
「「シェフに任せるよ」」
それが俺とアランの結論だった。
◇
――任されてしまったが、どうしようか。
時刻は19:09。夕食時だ。
でも……いくら料理が得意といっても、馬肉なんて調理したことない。
「……ん~」
頬を人差し指でかきつつ、ウィンドウを開く。
「シンプルに焼いてみようかな?」
そういうことで、包丁で肉を軽く叩いてバラバラにして、塩っぽい《シラスの粉》と、コショウっぽい《ショウカの実》をストレージから出して振りかける。
これで下味は完了。
続けてフライパンを取り出し、火にかける。現実なら油をひいて温める必要があるが、SAOの料理は簡略化されているのでこれで準備OKだ。
最後に下味をつけた馬肉をフライパンに入れて終了。後はタイマーが完成を知らせてくれる。
「主よ、感謝のうちにこの食事を終わります。あなたの慈しみを忘れず、全ての人の幸せを祈りながら」
アランさんは胸の前で十字を切りながら、『父と子、聖霊の御名によりて。……アーメン』と締めくくった。いつもの食事後のお祈りだ。
「ごちそうさま。……美味かったな、馬肉。ちゃんと下味ついてて」
「うん。あの赤ワインっぽいの使ったソースも美味しかったね」
「お粗末様でした……ありがとうございます。まあ、SAOの料理は簡単ですけどね」
でも、褒められて悪い気はしない。
「――これは現実でオフ会でもする時がきたら、クラリスには期待しちまうな」
「そうだね。きっと調味料が豊富な分、SAOより美味しいだろうね」
「え~?そんなに期待されても困りますよー」
それでも……そんな時がきたら良いなぁ。オフ会。現実で、この3人で。
「――んじゃ。リキュール開けますか!!」
そう言ってオニキスさんがストレージから取り出したのは、青い液体の入ったボトル。
固有名は《ブルー・リキュール》。やっぱり青もあったのだ。
『スポンッ』と音をたてて、コルクを飛ばし、ワイングラスに注いでいく。
わたし達はそれぞれグラスを持つ。
「それじゃ……レベル18に上がったことと、今日も生き残ったことを祝して――乾杯!!」
「「乾杯!!」」
『カチンッ』とグラスを合わせ、鳴らす。
『ごくん』
あ、美味しい。
「おー!!今度はオレンジっぽい風味があるなぁ……相変わらず甘いが」
「えー?甘い方が飲みやすくて良いじゃないですか」
「今度はブルー・キュラソーだね。原料はブランデーにオレンジの果皮、砂糖だよ。リキュールに分類されるお酒だ」
へぇ……ブランデーにオレンジかぁ。
「果汁とかは入ってないんですか?」
「原則的には果肉や果汁は入れないんだよ。この《ブルー・リキュール》も入ってないみたいだね」
わたし達はそれから数十分かけてボトルを空にすると、『おやすみ』のあいさつをして、寝室にしている部屋に入っていった。
◇
――今日は負けない。絶対に勝つ!!
「「最初はグー!じゃんけんほい!!」」
僕が出したのはチョキ、オニキスはパー。
「勝った!!」
「……くっそ……今夜は俺がソファーっすか」
僕達は就寝のあいさつをした後部屋に入ると、今日のベッドの主導権争いの為のじゃんけんをした。
もう1層でNPCの家の2階を借りるようになってから、ずっと続いている習慣だ。
基本的に僕らが借りる家の2階部分は2LDKであることが多い。もっと広い家なら3部屋以上あるんだろうが、今のところ、そんな物件に当たっていない。
当然ベッドも各部屋に1つしかないのだが……女の子をソファーで寝かせるわけにはいかないので、男2人でベッドをかけて毎夜争ってるというわけだ。
SAOではたとえ床で一晩明かしても、筋肉痛になったりしないが、気分と感覚の問題だ。
オニキスはぶつくさ言いながらも、ウィンドウを開いて装備を解除すると、部屋着に着替えた。
僕は金属系装備で重いから、家に入ったらすぐに着替えてる。
スタンドの灯りを消し、ベッドに潜る。……オニキスはソファーに転がる。
「んじゃ、おやすみ」
「おやすみ、オニキス。……良い夢を」
「嫌味か!!」
こうして、1日がまた終わった。
お気づきの方もいると思いますが、アランが使った技はアニメ2話でディアベルが使おうとした技です。名前と内容は俺が勝手に作りましたが(^_^;)
今回は戦闘描写を頑張ってみました!タイトル通り、連携重視です。今までソードスキルで1撃死が多かったですからね。
それと、舞台は第5層ということで、完全オリジナルです。
ハヤグリーヴァってのは馬頭のことですね。馬の頭に体は人の姿をした化け物です。
あと、ドロップアイテムの名称を投稿してる全話統一しました。○○の肉とか、××の牙、とかですね。
次回はボス戦?それとも8層?迷ってます。
でも、そろそろ集団戦も見たいですよね!(`・ω・´)