ハリーポッターと聖杯戦争 作:無職者
どの時代も歴史に残る大事件の前には、いつも預言者が現れる。
それは魔法界でも例に漏れない。
「まもなく、聖杯戦争の幕が上がり、二人の王が目覚めるだろう」
ある者は、誰を犠牲にしてでも世界を救う事を決めた。
ある者は、愛のために自分の命を捨てる覚悟を決めた。
ある者は、全てを失い愛を求めた。
ある者は、世界を怨み全てを憎んだ。
その日、一人の女性の予言が世界を大きく変える事になるのを、まだ誰も知らない。
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ホグワーツの校長室で二人の男が重い空気で話をしていた。
どちらも話をしたくない様で、刻々と時間だけが過ぎて行く。
何も、相手が嫌いという訳ではない。それどころか、二人は互いを最も信頼している程である。
つまるところ、二人の話題が、それほどまでに重いという事だろう。
しかし、変化があった。白ひげの老人が口を開いたのだ。
「ーーー前から予想はしておったが、予言までされれば間違い無いじゃろう........ヴォルデモートは、聖杯を使う気じゃ。今はまだ矢面に立てないといえ、予言から察するに近々体を手に入れるじゃろう。
それに、死喰い人達は既に行動を始めておる。......ハリーの護衛も一人やられてしまったしのぉ」
もう一人の男が溜息を吐きながら老人を鋭く見つめる。
顔色が悪く、大きな鉤鼻が目に付く。
髪は黒くねっとりとしており、肩まである真ん中分けで、瞳の色も黒で、重たげな漆黒のローブを纏っている男だった。
見るからに無愛想で陰気な男だったが、どこか憎めない印象を持った男であった。
「.....それで。我輩は何をすれば良いのですかな?」
男の声は静かだが、どこか人を惹きつける声だった。
ダンブルドアは軽く息を吐くと話し始めた。
「いや、実はのう。用があるのは君ではなく.......あの子なのじゃよ。確か、あの子も今年で10歳。四六時中ハリーの護衛をさせるならピッタシじゃろうて」
「しかし、護衛なら別の者でも良かったのでは?」
「そう思ったのじゃが、今は仕事が立て込んでいて送れそうにないようじゃ。それにあの子なら、たとえ敵が死喰い人でも負けんじゃろ?」
男は少し目を瞑り考えたが、この老人の言う通り、あの少年の力ならば死喰い人の一人二人に負ける事は無いだろう。それに、強力な死喰い人達は例のあの人を生き返らせる為に奮闘しているはずだ。優秀な死喰い人のいない今、ハリーを狙う死喰い人も大した者ではないだろう。
「わかりました.....今すぐ伝えてまいりましょう」
そう言うと、男はローブをはためかせて部屋を出た。
自分一人となった部屋の中で、ダンブルドアは小さく溜息を吐いた。これから、辛い運命が待ち受けているだろう少年と、自分に残された短い時間を嘆いて。