その時はレベル制限装置が作動し、高いレベルのポケモンのレベルは上限に収まる事となる。
カスミちゃんが順当に決勝トーナメントに上がったらしい。アンズちゃんは予選で、シンオウのデンジ君に最後敗れたとのこと。
清々しい朝の中で彼はその様な報告を受けた。此処一週間で久々の四時間睡眠である。枕が恋しくなるぜ。
最近は各地域、地方の若手が伸びて来ていて、カントーにも足を伸ばしてくる様になって頼もしいことこの上なく、嘗てオーキド、キクコ両人が築き上げ轟かせて来た"カントー勢一強"の時代は徐々に終焉に向かいつつある今日この頃である。
時代は進み、発見、登録されていくポケモンは増え、なお今もこの瞬間に発見が進むとされるこの世界、話題を攫っていく人物が生まれる事は色々な面で世界、特に地域に良い影響を与える。老若男女問わず衣食住を基礎として開発や学問等の各方面で発見、開発発明を繰り返し進歩して行き、地域ごとに世界へ名を轟かせる人材が出て来ている。
その筆頭がバトルにおける強者に違いないだろう。色々な地方が凌ぎを削りシナジーを起こし合う。共生共鳴の関係の構築である。その中で今回大会において初戦から勝ち抜き、光を放つカスミの存在は水タイプのエキスパートとして世界に名を轟かせ、カントーに大きな影響を与えるであろう。
激闘の予選から数日たった頃、ケンゾーはまた変わらず書類漬けの生活を繰り返していた。
遂に決勝トーナメントの組み合わせが先日の夜に発表されたのである。昨日は興奮の嵐が吹き荒れたと行っても過言ではない。毎回50パーセントは超えてくるテレビの視聴率自体も今回は60パーセントを超えたというからその興奮度も尚更であろう。この視聴率からも、この世界のポケモンバトルに対する熱とポケモンとの関係性の深さが窺い知れるのである。同時にポケtubeも5000万人を超えたらしい。
ワンブロック目のくじ引きからカントーは熱を帯びた。決勝トーナメントの1戦目の組み合わせはハナダのカスミ、ナナシマのカンナの組み合わせとなった。
元水タイプにおける四天王とその後継者とも言える存在。氷のカンナとして近年は名を轟かせているカンナだが、数年前まではカンナは水タイプのプロフェッショナルとして名を馳せて来た。
タイプ判別の進歩の影響から、確立した氷タイプの女王として一世を風靡した彼女だが、同様に水の覇者とも言えるのである。そこに新星として名高く、幼くしてジムリーダー迄に上り詰めたカスミが当たったもんだから視聴者の興奮度合いは言うまでにない。最初っから頂点である。
新旧の水のプロフェッショナル二人の戦いは公式戦で初めての組み合わせである。それは期待せずにはいられまい。他方で意図せずともカンナさんの出身であるナナシマの威信をかけたバトルともなる。四天王という一つの頂にある存在にかかるプレッシャーは相当なものであろう。
「あ、ミクリさんじゃん。」と決勝トーナメントについての特番を見ながら業務を進めていたケンゾーもようやく書類を横にずらしてパーティの分の朝食を用意し、全員でテレビを見つつ暫しの休息を取りながら明日の試合についての思うところを話し合うのは彼らなりのスキンシップである。
それからも、特番と書類仕事は続いていった。
他にも組み合わせとしては、シバとチョウジのヤナギの試合も見ものである事を記しておこうと思う。余り表舞台に立たない事で有名のチョウジジムのヤナギさんが何の因果か、今大会に志願し勝ち上がって来ている。タイプの相性的だけを見てしまうとヤナギさんの方が圧倒的に不利であるが、あのケラケラ笑いながら悪戯をかましてくる小悪魔的なデリバードが滅茶苦茶な強さを誇る事をパーティはジョウトのみならずカントーの上位トレーナーなら誰しもが知るところである。
因みにヤナギさんと数多く戦った事のある多くの歴戦のトレーナーがあのデリバードに何回も苦渋を飲まされている為、嫌な顔をしながらヤナギの方の勝ちを望んでいたりする。世代間の仲間意識とでもいうのだろうか。オーキド博士やキクコさんもその一人である。
そこをシバさんがどう立ち回るかが見ものである。あの人なら真っ向勝負一本だろうか。やはり。サーナイトさんもシバファン?弟子?の1人として応援しがいがあるらしい。
その他にもアンズちゃんに打ち勝って来たシンオウのデンジ君しかり、コガネのアカネちゃんも上に駒を進めているらしい。楽しみである。しっかし、ミルタンクの転がるは悪夢である。間違いない。
試合について考えていると、知らず知らずのうちにワクワクして来てニヤけてしまう。興奮するのも良いが、自重せねば。と、皆を見るとどいつもこいつもウズウズしていたので外に出しておいた。彼らならお互いで発散し合うであろう。寧ろ庭が心配である。揃いも揃って大技ぶっ放すのが大好きなのは主人の性格からくるものなのか。
「……ヘイ、ケンサン、オゲンキですカー!」
昼になり、ぷらぷらと試合の組み合わせについて考えながら会場内を歩いていると、不意に声をかけられた。声のした方を向くと、モスグリーンを基調とした迷彩柄に身を包んだ男が立っている。
「――おー、マチスさんですか」
マチス-クレ。元々海外空軍の少佐であり、現カントー、クチバジムジムリーダーを務める男である。外人の気質というのもあるのか、かなり気さくな正確な人で、自分よりも早くから協会に関わって来た先輩という関係性で、リーグ、大会における警備隊長を受けていただいていることもあり、お互い良く話す間柄である。
マチスは早々にには目の前の青年に対して「ユーも出たらいいじゃないカー」と言っていた。それもそのはずである。朝一番からお庭大騒動を引き起こしてるトレーナーである。のんびりとした風貌からは中々想像し難いが、彼は目の前の男に自身は二度と負けを喫している。
バレちゃいましたか。たはは。と言うがアレだけガンガンやっていたらバレるのも当然である。一応サーナイトさんにはリフレクターバリアー共々貼ってもらってはいたので周りには被害はゼロですよ。庭は荒野と化しましたが。
ただ結論は、運営ですので、という一言である。そりゃぁ出たいですよ。本音としては。ただ毎回出てるばかりでは成り立たないというのが泣き所ですかね。という回答には、マチスも同意せざる得ない。総じてポケモントレーナーって奴はポケモンバトルをしたがるもんである。そうして談笑しながら進む。
今年はサントアンヌ号の長期停泊の時期とも重なり、サントアンヌ杯の開催もあるので、その調整もまた難儀である。
ポケモン預かりシステムにおける第一人者、別名ハナダの鬼才とも言われるソネザキ博士、通称マサキが開発を進めているプログラムの調整が難航しているらしい。船内におけるポケモンの持ち込みと転送対応を解決出来るか頼んだのであるが、中々の難題であったようで、マサキが現在も格闘しているらしく会いに来て欲しいとの事である。自身は門外漢であり何とも言えないがマサキに言わせると技術の進歩は執念こそが全てであるとのことだ。中々に難儀なものである。
いつの間に出てきたのか、マチスさんのエレキブルとうちのリザードンは世間話でもしてるのか2人でケラケラ笑っていた。相変わらず友達多いね君は。というか、なんか音楽流してるし何してんのさ2人で。
プロフィール
マチス-クレ
現クチバジムジムリーダー
ポケモン協会所属:警備課:警備隊長
元軍人:役職少佐
※奥さんは滅茶苦茶美人さん。