ウォーシップガンナー艦これ 超艦隊の軌跡   作:タオモン3

2 / 3
久しぶりの投稿ですね。
一月の下旬だといったな……すいませんインフルにかかりました。
そしてなんとPCがおじゃんしましたww
原稿データぶっ飛んだので復元するのにちとかかりました……はい、いいわけですね。


最終海戦

ここは北極海。

氷と雪が支配するこの絶海では人類の存亡かけた艦隊戦行われていた。

 

「凰華轟沈! ジークフリート大破炎上! 戦闘継続は不可能とのことです艦長!!」

 

通信士の報告に艦長と呼ばれた男は、霧で炎上し海中に没していく僚艦を見つめ拳を静かに強く握りしめ、鋭い眼光を霧向こうの相手に向けた。

それは艦と言えばいいのだろうか……双胴戦艦の艦形が近いがそれとはまったく異なったシルエットをしていた。

一言でいえば……化け物だった。

高出力のレールガン、光学兵器を多数搭載されていた。

その艦の名は究極超兵器フィンブルヴィンテル。

ウィルキア帝国軍皇帝ヴァイセンベルガ―が研究していた超兵器資料にごく僅かに記録されていただけにすぎい謎多き艦。

すべての超兵器のマザーシップとも記録には記されていた。

 

――グオン……グオン……

不気味な機関音を上げながらフィンブルヴィンテルは霧の中に消えていった。まるで今までの戦いがなかったかのように悠然とした趣だ。

 

「……っくそ! 我々は眼中になしか化け物!」

 

ライナルト・シュルツは声を荒げ、艦橋のガラスを殴るが、内心はホッとしていた。

副長だけでなく、艦橋にいた全員がだ。

霧向こうでは薄赤い光が煌めいていた。

後方からの航空機の光と音が静寂の艦橋内に響いた。

 

「出雲とバルバロッサからの航空攻撃の効果はどうだ?」

 

ナギ副長の問いに通信士は暗い表情で答えた。

 

「究極超兵器速力変わらず……出雲艦載機残存九機、バルバロッサの部隊は……全機ロストしました」

「損失9割?!」

 

呆気にとられた。空母出雲、バルバロッサの搭載機はジェットエンジン搭載型の最新機。それが大した効果も与えずに9割が落とされた。出鱈目にもほどがある。

 

「……ジークフリートの状況は?」

「弾薬庫に誘爆起き、手が付けられない状況とのことです」

「通信士、ジークフリートに通信を繋げることは?」

「すこし待ってください――繋ぎましたそちらに回線をまわします」

「こちらは旗艦アマテラス艦長シュルツだ。ジークフリード艦長聞こえるか?」

『――こ――――ジ――――か――――う――――』

 

声が途切れ途切れに耳に入る。

ノイズがひどい。

ライナルトは叫んだ。

 

「聞こえるか、ヴェルナー艦長! ヴェルナーッ!!」

『―――ほん―――か―――は――――これ―ま――で―――です――あとは――』

 

――ブッツン。

通信が途絶えた刹那、轟轟とした爆音が大気を震わせ艦橋を揺らした。

 

「ジークフリード……爆沈しました」

 

ライナルトは顔を伏せ小さく肩を震わせた。

ライナルトの艦隊――ウィルキア特別遊撃艦隊は戦艦三隻、空母二隻、潜水艦一隻と艦隊とは名ばかりの艦数ではあるが、そのすべてが最新の機関、機器、兵装に換装され単艦で出撃し戦局を打開する、まさに一騎当千ならぬ一艦当千と呼ばれて過言ではない。

しかし現実は僚艦轟沈、航空戦力は壊滅した。

ライナルトにとって恩師と友を失ったいま彼の心は大きく揺らいでいた。

――だが、

 

「出雲は艦載機が帰還後、ジークフリートの生存者を回収、バルバロッサと共に戦域より離脱させろ。航空戦力のない空母など的も同然だ」

 

その双眸は力強く生気は失われていなかった。

 

「りょ、了解――こちらは旗艦アマテラスより出雲。貴艦は艦載機帰還後、ジークフリートの生存者を回収しバルバロッサと共に戦域より離脱せよ――繰り返す……」

 

そうだ。嘆くのは今じゃない。今この時ではない。

今はただ目の前の災厄を海に沈めることを――自分の責務を全うしろ。

――そうだろヴェルナー――そうでしょう筑波教官。

そうだろ――エル。

 

「通信士、本艦と敵艦はどれくらい距離がある?」

「はい、南方におよそ700000……徐々に離れていきます」

 

そうか、と呟きライナルトは帽子を被りなおす。

そして、

 

「これより本艦は、単艦で究極超兵器フィンブルヴィンテル撃滅に向かう!!」

 

艦橋にいた誰もが息をのんだ。

艦隊は事実上壊滅。単艦の戦闘力差はだれが見ても歴然だった。

ライナルトは立ち上がり、無線機で艦内放送を開いた。

 

「総員に告げる、今から我々は単艦での究極超兵器撃滅に向かう」

 

一息置き、

 

「諸君らも知っての通り、我が艦隊は壊滅した。しかし、あれはすべてを食らい、破滅させるために生まれてきた、いわば兵器の中の兵器だ。ようやく訪れた平和な時代が到来するというのに、あんな物に世界を破滅させてなるものか!」

 

そうだ、やっと掴みかけたものを。多くの人たちの犠牲得て見えてきたものを。

 

「だから、我々は戦わねばならない。たとえ神の与えた破滅の運命が相手だろうと未来への可能性が残されている限り……そのために……済まないが、諸君の命、私に預けてくれ!!」

「……艦長…………わかりました。こうなれば地獄の果てまでお供します!」

「ああ、わたしも!」

「小官も!」

『こちら射撃指揮所……退艦するような臆病者はここにはおりません!』

『機関室。俺らも付いていきます、どこまでも!』

「……済まない。決して諸君らを無駄死にさせたりしない――総員、出撃準備! これより本艦はフィンブルヴィンテル撃滅に向かう!          機関始動! 超兵器機関出力最大ッ!!」

「超兵器機関出力最大、機関部との連動を開始!」

 

対超兵器戦艦アマテラス、その艦内に超兵器機関を備え、機関または防御重力場、電磁防壁に干渉しその能力を飛躍的に跳躍させることができる。

 

「総員何かに掴まれ、揺れるぞ!」

 

艦内が大きく左右に揺れた。艦長席から振り落とされないようにライナルトは足に力を入れ、肘掛けを握りしめた。

超兵器機関を機関部と連動させることで高速戦艦ヴィルベルヴィンと並みの速力を得たアマテラスはフィンブルヴィンテルの追尾を開始した。

そしてその高速航行をもってフィンブルヴィンテルを射程に捉えた。

 

「敵艦との距離、約30000!」

「一、二番主砲、弾種徹甲弾斉射用意!」

『弾種徹甲弾、装填――完了!』

 

アマテラスの主砲は61㎝45口径三連装砲。

それは超兵器級艦が展開する重力場に対抗するためにアマテラスに搭載された巨砲である。

 

「――撃てぇえええ!!」

 

――ズドドドオオオオン!!

 

強大な爆音と爆炎を放ち、巨大な砲身が咆哮した。

 

「着弾、今――敵艦に命中! ですが、損傷なし!」

「第二斉射、撃てぇええ!!」

 

再び巨砲が咆哮する。

アマテラスの主砲は自動装填システムと呼ばれるものがある。

これは効率かつ安定に砲弾を装填することができる。

その時間、僅か20秒足らず。

 

「敵艦転進、本艦を正面に捉えるようです」

「よし、超兵器機関と機関との接続解除、超重力電磁障壁を展開せよ」

「了解、機関接続を重力電磁障壁に移行します」

 

船体を強大な重力電磁障壁が包み込む。

直後、第一主砲が爆発した。

レールガン――電磁力で弾丸を高速発射することができ、その射程、威力共に絶大、撃墜することは不可能。

続くように展開された障壁へ強力な砲弾が叩きつけられ、障壁を貫通した砲弾が船体を襲う。

 

「全員無事か?!」

 

激しい砲撃が収まり、ライナルトは艦橋内を見渡した。

 

「な、なんとか……全員無事です艦長!」

「そうか、各所被害報告を知らせッ!」

 

艦橋内のクルーの無事を確認したライナルトは立ち上がり叫んだ。

 

「障壁を貫通した砲弾が第一主砲及び左舷に直撃! 第一主砲大破! 第二主砲は被害なし! 左舷甲板は被害ですが第一、第二速射砲、第二から第五のSIWSが大破! 機関に損傷はなく、全速航行、戦闘に問題はありません』

「敵艦は?」

「超兵器機関のノイズのため正確な位置は割り出せませんが、発信源と砲撃方向からは本艦から方位3―6―8に約38000――対空レーダーに感あり! 速度から対艦ミサイルと推定! 数は12! 到達まで約120秒!!」

 

――――敵は……兵器は待ってはくれない。

 

「取り舵一杯最大船速!! チャフグレネード発射後、右舷PAM、速射砲及びSIWSで対空防御開始!!」

「バウスラスター起動!! 取り舵一杯!!」

 

船首サイドスクリューを始動、アマテラスはその巨大な船体を高速で左方に移動後、船尾に備わっている筒状の発射管から人の頭ほどの砲弾が打ち上げられ、弾けた。

砲弾の中からは金属片が散りばめられた。この金属片が接近してくる誘導兵器を妨害するのだ。

射程距離に入った、PAMは皮切りに速射砲、SIWSが迎撃を開始する――――しかし、高速で接近してきたミサイルは、距離6000で、突如その数を増やした。敵の発射したのはただミサイルでなく多弾頭ミサイルだった。

 

「ミサイルが分裂?! 敵弾約60に増加!!」

 

通信士の悲鳴じみた声が上がった。

 

「くそっ! 対空防御!!」

 

ライナルトの指示の直後に再び艦橋に揺れ襲う。敵の対多弾頭ミサイルが迎撃の網を破り殺到した。小型の弾頭だが威力は通常のミサイル並み、それが休みなく一方向にダメージが集中すればいくら超重力電磁障壁でも防ぐごとはできない。飽和攻撃を受けることで障壁の磁場が歪み――消失した。

 

「超重力電磁障壁消失! 敵ミサイル、近接防御を突破し――きゃぁぁあああっ!!」

 

大きな爆音と揺れが艦橋内を襲う。

障壁をなくしたアマテラスの横腹に次々と小型ミサイルが命中。

防衛兵器を破壊され船体内で火災が発生。

船体から黒煙が立ち上る。

 

「多弾頭ミサイル複数が直撃。右舷速射砲及びSIWS被害甚大!!」

「くそっ……チャフグレネードを撃ち続けろ。障壁のエネルギーを右舷に集中!! ダメージコントロール急げ!!」 

「了解っ!」

「被害報告――装甲を貫通したミサイルが内部で爆発、炎上!! 火災防御開始します!!」

「射撃指揮所、VLS対艦ミサイル一番から九番連続発射用意!!」

『了解、VLS一番から九番、弾頭対艦装填――――完了!!』

「目標、フィンブルヴィンテル全弾発射開始!!」

 

アマテラス船尾にあるVLSハッチが開閉され、垂直にミサイルは打ち上げられた。

対艦ミサイルは山なりに高度を下げ、水面ぎりぎりでフィンブルヴィンテルに直進する。

――グオン……グオン……

異形の船体にある球体が目玉のように動き、赤色のエネルギー弾を斉射した。

数基がその高度な迎撃能力に撃ち落とされたが、フィンブルヴィンテルにミサイルは直撃した……が、爆炎を切り裂き無傷の船体を晒す。

ミサイルは直撃の瞬間、蒼白のシールド――強力な重力電磁障壁張られ防がれたのだ。

 

『こちら観測班、ミサイルは敵船に命中……ですが障壁に防がれました』

「二、三主砲右舷へ旋回――斉射、撃って!!」

 

主砲、61㎝45口径三連装砲が轟音を発し砲身が火を噴く。

強大な威力の砲弾はフィンブルヴィンテルの障壁に撃ち込まれつが、本体の損傷はない。

だが、これでいい。

 

「敵船、本艦に向け接近してきます艦長!」

 

ナギ副長の報告にライナルトは頷く。

そうだ、こっちだ。お前の相手は俺たちだ。

 

「本艦の全兵装使用制限を解除、全艦総力戦用意!」

『射撃指揮所、全兵装使用制限を解除了解!』

『こちら機関室、超兵器機関のリミッター解除を具申します艦長!』

「なに?!」

 

機関室からの通信をライナルトは即座に決断することができなかった。

アマテラスに搭載されている超兵器機関は通常の超兵器機関に比べ小型ではあるが、リミッターは存在する。

それは超兵器機関に掛けられている枷を外すことで本来の性能を発揮することができる一方、艦の制御を奪われる可能性がある。

それは即ち、暴走現象と呼ばれるものなのだ。

……だがしかし、相手は兵器のなかの兵器。

並みのやり方では撃沈できない。

――それでいいのか? 兵器を倒すためにこちらも兵器にならなければならないのか?

 

『……艦長……このまま敵艦と総力戦をしたとして勝てる見込みはありません。なら、機関のリミッターを外し――』

「――機関長、君の言う通りだ……あれをここで沈めなければ本艦以上に被害は世界規模になるだろう……しかし……」

 

バルト海で起きたレーザー戦艦の暴走現象がライナルトの脳裏をよぎった。無線を通して艦内から聞こえる悲痛な叫び。異様なまでの殺気を放ち、純粋な兵器になり周辺を破壊するだけの畏怖の象徴。

いくら機関が小さいとはいえ、暴走を起こさないという保証はない。

 

「…………」

「艦長……信じましょう、この艦を……アマテラスをっ!」

「ナギ少佐……わかった、わたしも信じよう」

 

苦渋の決断の末、ライナルトは信じることにした。

頼むぞアマテラスっ!

 

「機関室――超兵器機関のリミッターを解除! 機関出力最大だ!!」

『了解っ!!』

「全艦に通達、現刻をもって超兵器機関の枷を外す。機関員はリミッターを解除後は機関室より退避するよう」

『機関室了解しました!』

「信じるぞアマテラス、リミッター解除!」

『解除!』

 

機関員はリミッターを外した。

だが、アマテラスは突然機関を停止した。

ライナルトの額にいやな汗が流れた。

 

『こちら射撃指揮所! 射撃システムが操作不能です!!』

「なんだとっ?!」

「艦長機関停止、操作ができません」

 

……やはり駄目なのか、アマテラスっ!

絶望に追い打ちを駆けるように通信士が叫んだ。

 

「対空レーダーに感あり! 対艦ミサイル、数12直撃します!!」

「……っく!」

 

ここまでか。ライナルトは静かに目を伏せた。

多弾頭ミサイルは分裂し、直撃しかけたその時、

 

――グォォオオオオオオンッ!!

 

超兵器機関が唸りを上げ、金色の光を放つ。

光は機関室だけでなく、船体全体から溢れ出でた。

 

――ッズドドドドドオオオオン!!!!

 

多弾頭ミサイルは甲板に直撃寸前に炸裂した。

……いや、見えない壁に衝突したのだ。

 

「これは……どうなっている?!」

 

ライナルトは困惑した。甲板から見える光はレーザー戦艦時と同じだが、そこには不気味さも畏怖の念さえもない。

逆にまるで神々しとまで感じられた。

 

「……嘘……超重力電磁障壁エネルギー回復、いえ、上限値を超え尚も増幅していきます……ですが以前と機関、射撃システム操作不能です」

「……どうしてだ」

 

その時、

 

「――――こ―――ら――は」

 

艦内スピカ―が鳴り響き、機械音声が流れた。

 

「こち――は―――総員、退艦せよ」

 

ノイズ交じりの音声はだんだんと鮮明になっていく。

 

「繰り返す、総員、本艦搭載機により速やかに退艦せよ。これは決定事項である」

「貴様は……何者だ……」

「私はアマテラス……総員、直ちに本艦より退艦せよ」

 

まさか、そんなことが。

艦内の誰もが言葉を失った。

 

「貴方たちはよく戦ってくれました。ここから先は私が……対超兵器戦艦アマテラスが引き受けます。ライナルト・シュルツ艦長、貴方は生存している船員をまとめ、本艦艦載機にて空母出雲に行ってください。ご安心を既に連絡はしてあります」

 

アマテラスには艦載機Ⅴ-22オスプレイが数機搭載されている。

しかし、この状況下での離陸など到底成功はしない。

そして何より、ライナルト自身がこの現象を疑っていた。

 

「貴方たちの退艦は私が全力をもって支援します。だから、どうか信じてください」

「ここで降りろというのか? ふざけるな!」

「議論している余地はありません、どうか信じてくださいライナルト・シュルツ艦長……ご裁可を」

「……艦長」

「…………わかった、遺憾ながら総員、退艦準備。本艦搭載機に向かえ!」

「はい……了解しました艦長!」

 

ライナルトは艦長席を立ちあがり、

 

「アマテラス……一ついいかな?」

「なんでしょうか、ライナルト・シュルツ艦長」

「……ありがとう、お前と戦えて誇りに思う」

 

ライナルトに続くように艦橋内の船員は敬礼し、退室を果たした。

 

「…………こちらこそ…………艦長」

 

――貴方達の世界に幸多からんことを。

 

この後、船員が退艦したアマテラスとフィンブルヴィンテルの戦闘はまさに熾烈を極めた。

その戦闘をライナルトは空母出雲の艦橋にて、静かに観戦するしかなかった。

そして、巨大な光と爆音、衝撃が両艦を地球上から消滅させた。

後に北極海最終海戦と呼ばれる。

この出来事以降、地上に超兵器が観測されることはなかった。

 




この作品の設定は一週目の世界で筑波、ヴェルナー、ブラウンの結合ルートと思ってください。都合により反物質砲は使いませんでした……ぶっちゃけあれやられるとね
はじめての艦隊戦描写ですがいかがでしょうか?
なかなか難しいですが……精進します。
本編は一様二話からです。
感想誤字脱字報告、なんでも待ってます!!

追伸、始めの戦艦名と火器管制室を射撃指揮所に変更
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。