さて、今回からラブライブ!の第4話の話に突入します。
初ライブを終えた奏夜たちは、これからどのような活動をしていくのか?
それでは、第11話をどうぞ!
完敗からのスタートとなってしまった初ライブから1週間が経ち、奏夜たちは今もスクールアイドルとしての活動を続けていた。
現在は休み時間であり、奏夜たちは今なせかアルパカ小屋にいた。
それはなぜかというと……。
「ふわぁ……。ぼえぇ……」
ことりは頬を赤らめながらアルパカに夢中になってるからである。
「ことりちゃんここ最近毎日来るよね」
「急にハマったみたいです」
穂乃果と海未の言う通りことりは最近アルパカにハマってしまい、毎日のようにここへ来ている。
「おい、ことり。そろそろチラシ配りに行くぞ」
「あとちょっと~♪」
奏夜はことりを説得しようとするのだが、ことりはまだここを動きたくないらしい。
「もぉ……」
「5人集めて部として認めてもらわなくては、ちゃんとした部活は出来ないのです」
海未の言う通り奏夜たちはあと最低でも1人部員を獲得しなくてはならない。
そうしなければ、ちゃんとした部活として認められず、思うように活動が出来ないからである。
「う~ん。そうだよねぇ♪」
ことりもそこは理解しているが、やはりアルパカに夢中になっている。
「可愛い……かな?」
穂乃果は、アルパカが可愛いということが疑問なのか、アルパカ小屋にいる2匹のアルパカを見て、首を傾げていた。
(確かに……ことりが見惚れている白アルパカならともかくあの茶色のアルパカはちょっと怖いような……)
《……俺は別に可愛いとも怖いとも思わんがな》
奏夜とキルバがテレパシーでアルパカについて話をしていると、茶色のアルパカが威嚇なのか偶然なのか鳴き声をあげてこっちを見ていた。
「「「うっ!」」」
茶色のアルパカの迫力が予想以上だったため、ことり以外の3人はたじろいでいた。
「えぇ?可愛いと思うけどなぁ♪首の辺りとかフサフサしてて♪」
ことりはそう言うと白アルパカの首を撫でていた。
「ほわぁ……幸せぇ♪」
(何故だろう…。ほっこりしていることりを見てるとこっちまで幸せになるな……)
ことりは本気でアルパカを可愛いと思っており、奏夜はそんなことりの姿を見て少し癒されていた。
「こ、ことりちゃんダメだよ!」
「あっ、危ないですよ」
「大丈夫だよ。…ふわぁ!」
「……っ!!」
白いアルパカを可愛がっていたことりは不意にアルパカに舐められてしまい、尻餅をついてしまった。
そんなことりを見た奏夜は、驚きからか目を見開いたと思うと、何故か「ぐぬぬ……」と悔しそうにしていた。
《……奏夜。もしかして、あのアルパカが羨ましいとか思ってないだろうな?》
(……!?な、ナニヲイッテルノカナー)
《……図星だな》
キルバの指摘通り、奏夜はことりの頬を舐めた白いアルパカに少しだけ嫉妬していたのである。
奏夜は慌てて誤魔化そうとしていたが、キルバはそんなことなどお見通しであった。
「こ、ことりちゃん!」
「ど、どうすれば……。はっ、こ、ここはひとつ弓で!」
「構うことはないぞ、海未。やっちまえ!」
「ダメだよ!そーくんまで何言ってるの!?」
すると茶色のアルパカが奏夜たちの言葉に反応したのか威嚇とも言えそうな鳴き声を発していた。
「ほら、2人が変なこと言うから!」
「こいつ……。やってくれるじゃねぇか……。アルパカの陰我、俺が……」
『ど阿呆。アルパカ相手に何言ってるんだよ』
「そーくん!魔戒剣はダメだって!!」
茶色のアルパカに威嚇された奏夜は咄嗟に魔戒剣を取り出そうとしたのだが、キルバに呆れられ、穂乃果は必死に奏夜を止めていた。
穂乃果が奏夜を制止していると体操着を着た女の子が茶色のアルパカの前に立つと茶色のアルパカを撫で始めた。
「……ハッ!俺ってば一体何を……」
「もぉ、やっと元に戻ったの?」
穂乃果がジト目で奏夜のことを見ていた。
奏夜はアルパカへの嫉妬のあまり大きくキャラが崩壊してしまい、先ほどようやく正気に戻ったようである。
「大丈夫、ことりちゃん?」
「うん、嫌われちゃったかなぁ?」
「あっ、平気です。楽しくて遊んでただけだと思うから…」
茶色のアルパカを撫でてなだめていたのは、前回の初ライブにも来てくれた小泉花陽だった。
「あっ、お水……」
花陽はアルパカの飼育委員であり、アルパカの水を交換していた。
「アルパカ使いだねぇ♪」
「あっ、私、飼育委員なので……」
「ふーん……。……おぉ!」
穂乃果は、このタイミングでようやく花陽の存在に気付いたのであった。
「ライブに来てくれた花陽ちゃんじゃない!」
「えっと……あっ、いえ……」
「あぁ!駆けつけてくれた1年生の!」
「あっ、はい……」
花陽は恥ずかしいのか頬を赤らめて俯いていた。
「ねぇ、あなた!」
「はっ、はい!」
「アイドルやってみませんか?」
「穂乃果ちゃん、いきなり過ぎ」
(こんなこといきなり言われちゃ誰だって戸惑うよな……)
穂乃果は唐突に花陽をスクールアイドルに勧誘しており、そんな穂乃果を見て、奏夜は苦笑いをしていた。
「君は光っている!大丈夫、悪いようにはしないから!」
「いやいやいや……。明らかに怪しいだろ、それじゃあ!」
「確かに……。何かすごい悪人に見えますね……」
穂乃果の明らかに怪しい勧誘の仕方に、奏夜だけではなく海未も呆れていた。
「でも、少しくらい強引に頑張らないと」
「穂乃果の言うことももっともだけど、それじゃあ誰も入れないだろ?それに、花陽ちゃん困ってるし」
「あっ、いえ……。あっ、私なんかよりも、西木野さんの方が……」
「え?ごめん、もう一回言ってもらってもいい?」
花陽はどうにか聞き取れるか聞き取れないかといった感じの小さな声で呟いていたので、穂乃果は花陽の言葉を聞き取ることが出来なかった。
「西木野さんがいいと思います……。歌が、上手なんです……」
花陽がスクールアイドルにと推薦したのは、穂乃果たちμ'sの曲を作曲してくれた西木野真姫だった。
「そうだよね!私も大好きなんだ!あの子の歌声♪」
「だったらスカウトに行けばいいじゃないですか」
「言ったよ!でも絶対嫌だって」
「おいおい、いつの間に聞いてたんだよ……」
奏夜たちも知らない間に穂乃果は真姫にスクールアイドルにならないかと勧誘しており、そんな穂乃果の行動力に奏夜たちは驚いていた。
結果的には断られてしまったのだか……。
「あっ、すいません……。私、余計なことを……」
「そんなこと思ってないって。だから気にするなよ」
「そーくんの言う通りだよ♪ありがとね、花陽ちゃん♪」
花陽ちゃんは穂乃果の真っ直ぐさに惹かれつつあった。
その時だった。
「かよちーん!早くしないと体育遅れちゃうよぉ!」
アルパカ小屋の近くに現れた凛が花陽のことを呼んでいた。
花陽がジャージ姿でアルパカ小屋にて自分の仕事を行ってたのも、次の授業が体育であるからである。
「あっ、失礼します……」
花陽は奏夜たちにペコリと一礼すると凛と一緒にグラウンドの方へと消えていった。
「私たちも戻りましょうか」
「そうだね」
花陽たちが体育館へ向かっていくのを見送った奏夜たちは教室に戻ることにした。
※※※
そして放課後。奏夜はμ'sのメンバー募集のポスターの補充のためポスターの置き場に向かっていた。
こういった仕事は、練習をしなければいけない穂乃果たちにはなるべくさせないようにしており、マネージャーである奏夜が率先して動いていた。
しかし、絵のデッサンには自信がないため、ポスター作りなどは穂乃果たちに協力してもらっているのだが……。
ポスターを補充するため、ポスター置き場に着くと、既に置かれているポスターをじっと見つめてる人がいた。
その正体は真姫であり、もしかしたらスクールアイドルに興味があるのでは?と疑ってしまうほどであった。
奏夜は声かけようかなとも考えたが、得意のツンデレが返ってくると予想したため、ここは様子を見ることにした。
真姫は周囲を気にするとチラシを一枚手に取ってそそくさとその場を立ち去っていったのである。
その時、真姫は何かを落としてしまったようであり、奏夜はその落し物を拾おうとしたその時だった。
「あっ、あれ?如月先輩?」
「よう、花陽ちゃん。いたんだな」
奏夜と同じくこっそりと真姫の様子を伺っていた花陽は、奏夜の姿を見かけて声をかけていた。
「あのっ、如月先輩。あれって……」
「あぁ、やっぱり西木野さんの生徒手帳だよな……」
「花陽ちゃん、西木野さんと同じクラスだろ?明日でもいいから届けてもらってもいいかな?」
「あっ、あのっ…。今から西木野さんの家に行って、これを届けようと思うんですけど……」
どうやら花陽は、明日ではなく、今から真姫の家に行こうとしているようである。
「……もし良かったら、一緒についてきてもらえませんか?」
花陽は、頬を赤らめながら上目遣いという状態で、奏夜にお願いをしていた。
まさか自分に白羽の矢が立つとは思っておらず、奏夜は驚いており、さらに花陽のつい守ってあげたくなるような表情に奏夜は頬を赤らめてドキッとしていた。
「……まぁ、西木野さんを改めてスクールアイドルに勧誘したいって考えてたし、俺で良ければお供するよ」
「あの、すみません……。わがままを言ってしまって……」
「気にしなくてもいいよ。可愛い後輩の頼みなんだからこれくらいはさ♪」
「か、可愛い!?////」
奏夜の言葉を真に受けた花陽は、顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた。
「ちょっと待っててくれな。先にやらなきゃいけないことがあるからさ」
奏夜は忘れずにチラシの補充を行い、その間に花陽は真姫の生徒手帳を拾った。
「さて、仕事は終わったけど、穂乃果たちにも言っておかないとな……」
「そうですよね……」
このまま出発してしまっても良いとは思ったのだが、穂乃果たちに黙って出るのも忍びないと思って奏夜は穂乃果たちを探そうとしていたその時だった。
「あっ、そーくん!まだここにいたんだ!」
穂乃果が奏夜を発見してこっちに駆け寄ってきた。
この瞬間、探す手間が省けたと、奏夜は安堵していたのである。
「あれ、花陽ちゃんも一緒だったんだ!それで、どうしたの?」
「あぁ、穂乃果。ちょうど良かったよ。実は……」
奏夜は真姫の生徒手帳を拾ったのでそれを今から届けに行くと穂乃果に伝えた。
「そのついでじゃないけどさ、俺からも西木野さんをμ'sにスカウトしてみるよ」
奏夜は生徒手帳を届けるだけではなく、真姫の家で行おうと考えている目的も、穂乃果に伝えていた。
「そっかぁ……。わかった、海未ちゃんとことりちゃんにはそう伝えておくね」
「悪いな、穂乃果。俺は俺でμ'sのために頑張るからさ」
「うんっ!」
奏夜の「μ'sのため」という言葉に満足したのか穂乃果は奏夜にバイバイと告げると、その場を立ち去った。
穂乃果を見送った後、奏夜と花陽は改めて西木野さんの家に向かった。
※※※
「如月先輩。ひとつ聞いてもいいですか?」
真姫の家に向かう途中、花陽がこう話を切り出してきた。
「……ん?何?」
「如月先輩はどうしてスクールアイドルのお手伝いをしているんですか?」
この質問が来るとは思っていなかったからか、奏夜はどう答えるべきか少しだけ考えていた。
「穂乃果たちがμ'sを結成したのはな、この学校の廃校を阻止したいからなんだよ」
「廃校を……ですか?」
「あぁ。もちろんそれが過酷な道だってのは百も承知さ。A-RISEまでとは言わないけど人気が出ないと生徒なんて増えないからな。穂乃果たちは本気でこの学校を無くしたくないって思ってるんだ。その本気の覚悟に心打たれたから俺は何があっても3人を支えるって決めたんだ」
「すごいですね……。如月先輩は……」
「そんなことはないさ。俺はただのマネージャーとして3人を支えてるだけであって、スクールアイドルとして実際努力してるのは穂乃果たちなんだ。だけど、そう言ってもらえると嬉しいな♪」
「あっ……その……///」
奏夜は優しい表情で微笑んでおり、そんな奏夜を見てドキッとしたのか、花陽は顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた。
奏夜たちはしばらく歩き続けると、真姫の家に到着したのだが……。
「ほ、ほえぇ……」
「すっごいな……」
真姫の家はかなりの豪邸であり、ここまで大きな家を見る機会はなかったため、奏夜と花陽は驚きを隠せずにいた。
奏夜がインターホンを押すと「はい」と女の人の声が聞こえてきた。
「あの、真姫さんと同じ学校に通ってる如月奏夜と」
「真姫さんと同じクラスの小泉……です」
2人がこう名乗るとドアが開き、真姫と似た雰囲気を出している赤髪の女性が出迎えてくれた。
(この人……西木野さんのお姉さんかな)
女性はとてもおしとやかな感じを出していたため、奏夜はこの女性は真姫の姉なのでは?と勘ぐっていた。
奏夜と花陽はそのままリビングに通されたが、あまりの広さに2人揃って驚いていた。
奏夜は周囲を見回すとメダルやらトロフィーやらが飾ってあった。
これらはピアノのコンクールなどで真姫が獲得したものではないかと予想することが出来た。
「ちょっと待っててね。あの子、病院の方に顔を出してるところだから」
「「病院?」」
まさかの病院というキーワードに、奏夜と花陽は揃って驚きの声をあげていた。
「あぁ、家は病院を経営していて、あの子が継ぐことになってるの」
真姫の父親は病院を経営しており、真姫は医者を志しているのである。
「そう……なんですか?」
「よかったわ。高校に入ってから友達1人遊びに来ないからあの子こと、ちょっと心配してて」
(……ん?あの子……?まさかな……)
この女性が真姫のことをあの子と言っていることに奏夜は引っかかっていた。
このままこの疑問を残しておくのはモヤモヤしてしまうので、奏夜が女性にあることを確認しようとしたのだが……。
「あら、帰ってきたみたいね」
突然ガチャっと扉の開く音が聞こえてきたのだが、どうやら真姫が帰ってきたようである。
「ただいま~。ママ、誰か来てるの?」
(えっ?ま、ママ!?ってことはこの人は……)
《あぁ。あのお嬢ちゃんの母親ってことだろうな》
(……)
真姫の母親はとても若いという印象だったので、奏夜は驚きを隠せず、目を大きく見開いていた。
そして、リビングに顔を出した真姫は、まさかの訪問者に、驚きを隠せずにいた。
「こ、こんにちは……」
「西木野さん、急にごめんな」
「お茶淹れて来るわね♪」
真姫の母親は真姫に友達が出来たと思っているからか、嬉しそうにリビングからいなくなった。
「ご、ごめんなさい。急に……」
「別に大丈夫よ。小泉さんはともかくとして如月先輩は何か用なんですか?」
同級生である花陽はともかく、何故奏夜がいるのかわからず、訝しげな目で奏夜を見ていた。
「ったく……。ずいぶんなご挨拶だな。俺たちは西木野さんの落し物を届けに来ただけだよ」
「落し物?」
真姫が奏夜の言葉に首を傾げていると、花陽がポケットから真姫の生徒手帳を取り出した。
「これ……落ちてたから……」
花陽ちゃんは西木野さんに生徒手帳を渡した。
「な、何であなたが?」
「ご、ごめんなさい……」
「何で謝るのよ……。あっ、ありがとう……」
(へぇ……。俺や穂乃果たちの前じゃ素直じゃないのに珍しく素直だな….)
花陽の前では真姫は何故か素直であり、そんな真姫を奏夜は穏やか表情で微笑みながら真姫を見ていた。
「……如月先輩、何か言いたげですね」
「いや、別に。ただ珍しく素直だなって思っただけだよ」
「!うっ、うるさいわね!」
奏夜の言葉に恥ずかしくなったからか、いつもの真姫に戻ってしまい、プイっと奏夜にそっぽを向いていた。
「西木野さん……。μ`sのポスター。見てた……よね……?」
「はあ?何のこと?」
ここで、花陽はずっと気になっていた話題を切り出したのだが、まさかの花陽の問いかけに真姫は少しばかり慌てていた。
「とぼけることもないだろ?生徒手帳だってμ`sのポスターが置いてある辺りに落ちてたんだし」
「ちっ、違うの!」
真姫は弁解しようと立ち上がるがテーブルに脛を打ってしまい、バランスを崩してしまった。
そのまま椅子と一緒に後ろに倒れてしまった。
「だっ、大丈夫?」
「へ、平気よ。全く、変なこと言うから……」
「……!?」
奏夜は真姫が倒れた拍子に彼女のスカートの中の桃源郷が一瞬見てしまい、顔を真っ赤にしながら慌てて目をそらしていた。
「如月先輩?なんで目をそらしてるんですか?」
「!?///ま、まさか……!!」
真姫は椅子とともに元に戻ったのだが、顔を赤らめながら俺のことを睨みつけていた。
「み……見たの……!?」
「あ……いや……その……一瞬……な。だけど、慌てて目はそらしたんだぞ!」
奏夜は必死に言い訳をしようとするのだが、あっさりとスカートの中の桃源郷を見てしまったことをバラしてしまった。
奏夜に見られてしまったと知った真姫の怒りのボルテージがどんどんと上がってきて……。
……ブォン!!
「……チバァ!?」
真姫は近くに置いてあったクッションを奏夜目掛けて投げつけると、それは奏夜の顔面にクリーンヒットし、奏夜は椅子と共にダウンしてしまった。
「き、如月先輩!?大丈夫ですか!?」
まさかの展開に、花陽は驚きながら奏夜の心配をしていた。
「し……シンジラレナイ!!一体何をしてるのよ!この変態!!」
真姫は顔を真っ赤にしながら、怒りを奏夜にぶつけていた。
「痛てて……。見ちまったことは謝るけどさ、あれは事故だろう?」
奏夜はこのように弁解しながら、椅子と共に立ち上がっていた。
《やれやれ……。いつぞやの海未の時もそうだったが、お前さんはどうしてここまでラッキースケベが多いんだ?》
(おいおい、ラッキースケベって……)
キルバは奏夜のこの状況をラッキースケベと一蹴して呆れており、奏夜はそれを認めたくないのか、ジト目でキルバに視線を移していた。
「……ふっ……ふふふふ……!」
事の一部始終を見ていた花陽は急におかしくなってしまったのか、笑い出していた。
「もぉ……!ワラワナイ!!」
急に笑い出している花陽が気に入らなかったのか、ムキになって花陽に向かってこう反論していた。
花陽も真姫も落ち着くまでしばらく時間がかかってしまい、花陽は笑っており、真姫はそんな花陽や奏夜に怒っていた。
真姫と花陽が落ち着いたところで奏夜は真姫に1番話したかったけど話を切り出そうとしたが、その前に花陽が奏夜のしようとしていた話を切り出した。
「……私が?スクールアイドルに?」
「うん。私、放課後いつも音楽室の近くを通ってたの。西木野さんの歌、聞きたくて」
「私の?」
「うん、ずっと聞いていたいくらい……好きで……だから……」
(なるほど。花陽ちゃんが西木野さんを薦めたのはそんな理由があったのか)
花陽は真姫のことを推薦していた理由がハッキリとわかり、奏夜は納得していた。
そんな花陽の言葉を受け止めた真姫であったのだが……。
「……私ね。大学は医学部って決まってるの」
(そういえばこの病院を継ぐって西木野さんのお母さんが言ってたっけ)
《そうだとしたら医学部に行く必要があるな》
「だから、私の音楽はもう終わってるってわけ」
真姫はこう言うが、どこか寂しそうな目をしていた。
奏夜はその目を見た瞬間、自分の気持ちに嘘をついてるなとすぐにわかった。
「……西木野さん、嘘つくのはやめなよ」
「はぁ?何が言いたいの?」
「西木野さん、本当は音楽続けたいんだろ?顔にそう書いてあるよ」
「っ!だから私は…」
「もちろん医学部のことは否定するつもりはない。むしろすごいと思う。だけどさ、それって自分のやりたい事を切り捨ててまでやりたい事なのか?」
「そっ、それは……」
「本気でそう思ってるなら俺は全力で応援するよ。だけどさ、せっかく高校に通ってるんだ。勉強しながらも好きなことしたってバチは当たらないと思うけどな」
奏夜は真姫にピアノを続けて欲しいという思いがあるからか、このようなことを真姫に伝えていた。
「それに、俺だって西木野さんのピアノと歌は好きだからさ。どんな形であれ西木野さんには音楽を続けて欲しいって思ってるんだよ」
「……」
奏夜の言葉が届いたのかはわからないが、真姫は少しの間黙っていた。
「それより小泉さん。あなた、アイドルやりたいんでしょ?」
そして真姫は話を切り替えるために花陽ちゃんにこう話を切り出した。
「え?」
「この前のライブの時、夢中になって見てたじゃない」
「え?西木野さんもいたんだ」
「えっ、いや…。私はたまたま通りかかっただけで…」
(嘘つけ。あの時間の講堂とかピンポイントでたまたま通りがかるとかあり得ないだろ)
奏夜は心の中でこう思っていたのだが、言ってしまえば面倒なことになりそうだったため、口をつぐんでいた。
「やりたいならやればいいじゃない?目の前にマネージャーがいる訳だし」
「まぁ、俺としても花陽ちゃんが入ってくれると嬉しいけどな」
「そしたら……。少しは応援……してあげるから……」
「……ありがとう」
ここで話は終わったため、奏夜と花陽は真姫の家を後にした。
2人と話してみて、奏夜は花陽も真姫も自分の気持ちに素直になれていないと感じていた。
これは時間が解決してくれると奏夜は思っていたため、ジタバタしても始まらないと感じていた。
奏夜は花陽と真姫が素直になるまで待つことにして、改めて勧誘をしようと考えていたのであった。
……続く。
__次回予告__
『あの大人しいお嬢ちゃんはかなり迷っているみたいだな……。おい、奏夜。いったいどうするつもりなんだ?次回、「花連」。ここからが正念場ってやつだな』
第4話冒頭のアルパカと戯れることりは可愛いですね。
奏夜もそう感じていましたが、アルパカと戯れることりを見てると、なんかほっこりして癒されますよね。
そして、今回は花陽のメイン回となりました。
奏夜は真姫を勧誘するために花陽と共に真姫の家を訪れますが、再び奏夜のラッキースケベが(笑)
そして、奏夜の悲鳴がまるでヒャッハーのようになってる(笑)
さて、次回は本格的に花陽を勧誘しようと動き始めます。
スクールアイドルに憧れている花陽は、μ'sに入ることを決意するのか?
それでは、次回をお楽しみに!