牙狼ライブ! 〜9人の女神と光の騎士〜   作:ナック・G

13 / 97
お待たせしました!第13話になります!

そういえば、今度発売になるモンハンXXが、牙狼とコラボするみたいですね。

まだFF14で牙狼装備をまだ手に入れてないのに……。

僕はモンハンはやってないですが、牙狼とコラボするなら買おうかな。ちょっと迷っています。

さて、前回奏夜が魔戒騎士であると知った花陽は、奏夜のことを怖がってしまいましたが、奏夜の誤解を解くことは出来るのか?

それでは、第13話をどうぞ!




第13話 「勇気」

穂乃果たち3人のグループであるμ'sの初ライブが終わり、およそ1週間が経った。

 

奏夜は後輩である花陽と共に生徒手帳を落としてしまった真姫の家に行き、それを届けたついでにスクールアイドルの勧誘も行っていた。

 

それは断られてしまったのだが、奏夜は花陽を連れて、穂乃果の家である穂むらを訪れる。

 

そこで、奏夜たちは自分の初ライブの映像を見つけてその映像をチェックしていた。

 

その動画を真剣な眼差しで見ていた花陽をスクールアイドルに勧誘するのだが、どうやら花陽は迷っているようであった。

 

じっくりと考えて答えを決めて欲しいということを伝えると、奏夜は花陽を家に贈りとどけるために花陽の家へと向かう。

 

その途中にホラー、シャドウハーブと遭遇してしまい、花陽は奏夜が魔戒騎士であることを知る。

 

花陽はそんな奏夜に恐怖を覚えてしまったため、スクールアイドルへの勧誘は絶望的に思われた。

 

その翌日、エレメントの浄化を早々に終わらせ、朝のトレーニングに参加した奏夜は、練習が終わったタイミングを見計らって、昨日の出来事を語り始めた。

 

「……!花陽ちゃんも知っちゃったんだね。そーくんが魔戒騎士ってことを……」

 

「しかも彼女に怖がられてしまったのですね……」

 

奏夜の報告を聞いた穂乃果たちは、事の重大さに驚きを隠せず、深刻そうな表情をしていた。

 

「……すまんな。花陽ちゃんをμ'sに誘おうっていう矢先に、こんなことになっちまって……」

 

花陽を守ることが出来たのは良かったが、この出来事を招いたのは自分のせいであると感じた奏夜は、申し訳なさそうに穂乃果たちに謝罪をした。

 

「……奏夜。あまり自分を責めてはいけませんよ」

 

「そうだよ!……ことりはあの子の気持ち、わからなくはないけど、そーくんはそーくんだもん!」

 

ことりも実は奏夜が魔戒騎士だと知った時、花陽のように少し怖いと思っていたのだが、奏夜の笑顔を見た瞬間に自分の知っている奏夜だと確信をしていたのである。

 

「だから、花陽ちゃんもきっとわかってくれるよ!」

 

「ことり……」

 

奏夜はことりの本音と励ましの言葉を聞くと、自然と気持ちが楽になっていた。

 

「ねぇ、そーくん。花陽ちゃんのことは穂乃果に任せてくれない?」

 

「それはこちらから頼みたいとは思うけど、何をするつもりなんだ?」

 

「いいからいいから♪」

 

穂乃果は花陽の件をどうにかしようと思っているようだが、何をしようとしてるのかはわからなかった。

 

「奏夜。あなたはμ'sのために一生懸命頑張ってくれています。ですから、たまには私たちのことも頼ってください」

 

「そうだよ、そーくん!私たち4人は仲間なんだから!」

 

「……そうだな……。わかった。花陽ちゃんのことはみんなに任せるよ」

 

自分はμ'sのために頑張らなくては。

 

そんな気持ちを抱きながら奏夜は頑張っていたのだが、頑張りすぎていることを穂乃果たちに見透かされていた。

 

だからこそ、今回は穂乃果たちの申し出を素直に受けようと奏夜は思ったのである。

 

この話が終わったところで、穂乃果たちは着替えを済ませ、一緒に学校へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

〜花陽 side〜

 

 

 

……こんにちは。小泉花陽です。

 

私は小さい頃からアイドルが大好きで、今も、音ノ木坂学院に誕生したスクールアイドル「μ's」に興味を持っています。

 

ですが、私は昨日信じられないものを目撃しました。

 

それは、この世のものとは思えない化け物で、どうやらホラーというそうです。

 

そして、μ'sのマネージャーである如月奏夜先輩が、その化け物と互角に戦っていたんです。

 

それは、魔戒騎士って言ってたかな?

 

私は如月先輩に命を救われたのに、怖くなって逃げてしまったのです。

 

……如月先輩は悪い人じゃない。

 

頭ではわかっていたけど、やっぱり怖かったんです。

 

あの人も、あの化け物と同じなんじゃないか?と1度思ってしまったら……。

 

あの後、あの化け物について調べてみましたが、まったくその情報はありませんでした。

 

似たような都市伝説ならいくつかのサイトに載ってましたけど……。

 

どうやら、私以外にもホラーとかいう化け物を見た人はいるみたいです。

 

その話は何故か広まってないようですけど……。

 

私だってこんな現実離れな話を広めるつもりはないけれど、ホラーとかいう怪物やあの鎧のことがただの都市伝説で終わってるのは、とても気がかりです。

 

……スクールアイドル。やってみたい気持ちはあるけど、如月先輩がいるなら、厳しいよね……。

 

だけど、如月先輩には謝りたいって気持ちはあるんだよね。正直怖いけど、私の命を救ってくれたのは事実だし……。

 

でも……。

 

私は如月先輩に救われた翌日になっても、そんなことを考えていました。

 

気が付けばもう2時間目も終わっちゃったし……。

 

私は休み時間もうじうじと考え事をしていたんだけど……。

 

「かーよちん!どうしたの?」

 

「あっ、凛ちゃん……」

 

「かよちん、今日は朝から元気がないよ?いったいどうしたんだにゃ?」

 

私ってば、ずっと浮かない顔をしてたんだね……。

 

凛ちゃんもすごく心配してくれてるんだけど……。

 

「大丈夫、何でもないよ」

 

昨日のことはさすがに話すわけにはいかないから、私はこう話をはぐらかすんだけど……。

 

「嘘!何でもないことはないよ!かよちん、何か悩みでも……。あっ!スクールアイドルをやりたいけど、どうしようか迷ってるんでしょ?」

 

「そ、それは……」

 

あのホラーとかいう化け物と会うまではそうだったけど、今は別のことで悩んでるんだよね……。

 

「やりたいならやりたいって言った方がいいよ!」

 

どうやら凛ちゃんは私がスクールアイドルを始めることを後押ししてくれるみたいだった。

 

でも……。私は……。

 

私は凛ちゃんにスクールアイドルの話を断ると伝えようとしたんだけど……。

 

「……小泉さん。お客さんが来てるよ」

 

「お客さん?」

 

……?誰だろう……。

 

私は教室の入り口のところを見ると、そこにいたのは……。

 

「……高坂先輩……」

 

この学校のスクールアイドル「μ's」のメンバーである高坂穂乃果先輩だった。

 

……あれ?高坂先輩1人なのかな?

 

私としてはちょっとだけホッとしたけど……。

 

とりあえず私は高坂先輩のもとへ向かうことにしました。

 

「ごめんね、花陽ちゃん。呼び出しちゃって……」

 

「あ、いえ……。あの、私に何かご用ですか?」

 

「うん。花陽ちゃんに話があってね。……あっ、でも、スクールアイドルのことじゃないからね!」

 

?スクールアイドルのことじゃなければ何だろう……?

 

「は、はい……。わかりました」

 

「ここじゃちょっとあれだから、花陽ちゃん、ついて来て」

 

高坂先輩はこう言いながら私を連れてどこかへ移動を始めた。

 

……いったいどこに行くんだろう……。

 

それに話って、まさかね……。

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

「……さて、ここなら大丈夫かな?」

 

私と高坂先輩は今、屋上に来ており、屋上には誰もいなかった。

 

……何で高坂先輩は人気のないところを選んだんだろう……。

 

「……あっ、あの……。高坂先輩、お話とはいったい?」

 

「あぁ、そんなに緊張しないで!話っていっても、そーくんのことだからさ」

 

「如月先輩のこと……ですか?」

 

「……そーくんから聞いたんだよね。花陽ちゃんがそーくんの秘密を知っちゃったって……」

 

「!?」

 

ひ、秘密って、あの化け物のこと……だよね?

 

ま、まさかとは思うけど……。

 

「……あ、あの……。もしかして、高坂先輩も……」

 

「うん。私も知ってるよ。そーくんが魔戒騎士だってことを。そして、そーくんがホラーと戦ってるってことを」

 

「!!」

 

やっぱり……。

 

高坂先輩もあの化け物に襲われたことがあって、如月先輩に助けられたってことだよね……。

 

「あぁ、でも勘違いしないでね!私は花陽ちゃんを非難するために話をしに来た訳じゃないの」

 

「……あの、高坂先輩。あなたは、如月先輩のことは怖くないんですか?あんな化け物と平然と戦えるあの人を……」

 

私はストレートな質問を高坂先輩にぶつけてみた。

 

すると……。

 

「……そりゃ、怖いって思うことはあるよ。ホラーみたいな化け物だってやっつけちゃうし、戦ってる時のそーくんはちょっとね……」

 

「……っ!?だったら何で如月先輩と一緒にいれるんですか?」

 

「……だって、そーくんはそーくんなんだもん」

 

「!?」

 

「そーくんが何をしていようとも、私たちμ'sのために頑張ってくれてることは事実だもん。それに……」

 

「それに?」

 

「そーくんは私だけじゃない。海未ちゃんやことりちゃんにとっても大切なお友達なんだよ!」

 

「!」

 

友達だから信じられる……。

 

なるほど、高坂先輩だけじゃない。他の2人も如月先輩の秘密を知っていて、大切な友達だからこそ信じることが出来るんだね。

 

……でも、私は……。

 

「花陽ちゃん。だから、あなたもそーくんのことを信じてほしいんだ。確かに、怖いかもしれないけど、あなただってそーくんがμ'sのマネージャーとして頑張ってるのは知ってるでしょ?」

 

「!」

 

確かに……そうだよね……。

 

あんなことをしている如月先輩だけど、μ'sのために一生懸命なのは決して嘘じゃない。

 

だからこそ、高坂先輩たちは如月先輩を信頼してるんだ。

 

そんなことを考えてたら、自然と如月先輩のことが怖くなくなっていた。

 

「……そうですよね。私、大事なことを忘れていたのかもしれません。だって、如月先輩いてこそのμ'sですもんね!」

 

「うんうん!その通りだよ!花陽ちゃん!」

 

今度如月先輩に会ったらちゃんと謝ろう。

 

私がそう決意していると……。

 

「……そーくん!花陽ちゃんはわかってくれたみたいだよ」

 

え?え?どういうこと?

 

高坂先輩がいきなり如月先輩を呼んだことに戸惑っていると、物陰から現れたのは……。

 

「……き、如月先輩!?」

 

なんと、如月先輩でした。

 

ということは、今までの話は全部聞かれていたってことかなぁ……。

 

「ごめんな、花陽ちゃん。盗み聞きするつもりはなかったんだけど、穂乃果がここにいろって言うもんでな……」

 

「あっ、いえ……」

 

事情はどうあれ、如月先輩がいるんだから謝らないと!

 

「あの、如月先輩……」

 

「うん」

 

「……ごめんなさい!如月先輩は全力で助けてくれたのに、私、如月先輩のことが怖くなっちゃって……」

 

……!い、言えた……。良かった……。

 

だけど、如月先輩はどんな反応をするのかなぁ?

 

「……気にするなよ。あんなものを見ちゃったら、誰だって怖がるもんさ」

 

如月先輩は特に気にする様子はなかった。

 

それはありがたいけど……。

 

「で、でも……!」

 

「そんなに気にするならさ、ほれ」

 

私の中では申し訳ない気持ちは消えてなかったのだが、如月先輩は優しい表情で手を差し伸べてくれた。

 

「……あ、あの……。これは?」

 

「握手だよ、握手。もう俺のことが怖くないなら出来るだろう?」

 

「……はい!」

 

私はゆっくりと自分の手を差し出すと、如月先輩と握手をした。

 

……如月先輩の手、暖かいな……。

 

そうだよね。確かに如月先輩は怖いけれど、決して悪い人なんかじゃないもんね!

 

こう考えるようになったら、自然と如月先輩のことは怖くなくなっていました。

 

「……ま、そういうことで、改めてスクールアイドルについてどうするか、考えてくれよな」

 

「は、はい」

 

そうだね……。今度はそこについて考えなくちゃ。

 

私がそんなことを思っていると……。

 

「……むー……!そーくん、いつまで手を握ってるの?」

 

「おっと、そうだったな」

 

そう言って如月先輩は慌てて私の手を離しました。

 

それにしても、何で高坂先輩は不機嫌そうなんだろう……?

 

「……そーくん、そんなに女の子と手を握りたかったんだね」

 

「おいおい、勘違いするなよ。俺はそういうつもりでやった訳じゃなくてだな……」

 

「海未ちゃんとことりちゃんにも報告して、後でお仕置きだね♪」

 

「ヤメロ!!そんなことしちゃいけない!!」

 

……如月先輩……。凄く必死になってる……。

 

そんなにお仕置きっていうのが嫌なのかな?

 

そんなことを考えてたら何だか急におかしくなって……。

 

「……クスッ……」

 

ついつい笑みをこぼしてしまいました。

 

「ちょっと花陽ちゃん!笑ってないで助けてくれよ!!」

 

如月先輩は私に助けを求めてきたけど……。知りません♪

 

「さて、教室に戻ろうか、そーくん。これから楽しいお仕置きが待ってるよ♪」

 

「ちょっ!おまっ!そこ引っ張るな!……だ、ダレカタスケテー!!」

 

チョットマッテテー!……じゃなくて!それは私の専売特許なのに!!

 

……コホン!それはともかくとして、如月先輩は高坂先輩に引きずられる形で教室へと戻っていきました。

 

とりあえず私も教室に戻ろうかな……。

 

私は教室に戻り、するとちょうど授業のチャイムが鳴ったので、授業を受け始めました。

 

 

 

 

 

 

〜三人称 side〜

 

 

 

 

 

 

穂乃果の活躍によって、花陽の奏夜に対する恐怖心を打ち消すことに成功した。

 

その証に奏夜は花陽と握手をしたのだが、どうやら穂乃果はそれが気に入らないようで、話が終わると奏夜を教室まで連行した。

 

そして、次の休み時間。ちょうど昼休みだったため、穂乃果は海未とことりに先ほどの出来事を報告する。

 

それを聞いた海未とことりは、奏夜にお仕置きすることに賛成したため、奏夜はお仕置きを受けるハメになってしまった。

 

どのようなお仕置きか……。今回もまた、これを読んでくれた人の想像に任せることにする(笑)

 

そんなこんなでお仕置きを受けて奏夜はボロボロになってしまったのだが、この日の放課後、さらなる不幸が奏夜を襲った。

 

奏夜はすぐ屋上に向かうつもりだったが、日直の仕事があるため遅れてしまった。

 

それだけならよかったのだが、日直の仕事が終わると、今度は担任である山田先生に雑用を押し付けられてしまい、それをこなしていた。

 

「ったく……。生徒を上手い具合にこき使いやがって……」

 

奏夜は、雑用を押し付けてきた山田先生にブツクサと文句を言っていた。

 

『ま、別にいいんじゃないか?昼休みにあんなお仕置きを受けた後だし、息抜きと思えばな』

 

「それはそうだけど、キルバ、その話はやめてくれ」

 

奏夜は昼休みに受けたお仕置きがよほど怖かったのか、顔を真っ青にしてブルブルと体を震わせていた。

 

『やれやれ……。魔戒騎士なのにその怯えようは情けないとしか言えないな』

 

「……だ、だってよ!マジで怖かったんだぜ!あれは」

 

『はいはい。奏夜、さっさと仕事を片付けて穂乃果たちと合流するぞ』

 

「わかってるって。遅くなってまた穂乃果たちにどやされたらたまらんからな」

 

奏夜はなるべく早く穂乃果たちと合流するために早急に雑用の仕事を終わらせていた。

 

そして、ようやく雑用の仕事を終わらせ、屋上に向かっていたのだが、中庭を移動していたその時である。

 

__♪あーあーあーあーあー

 

「……ん?何だ、今の声は?」

 

『どうやら近くみたいだな』

 

「……って、すぐそこじゃん!」

 

突如綺麗な声が聞こえてきたので、奏夜はその方を見ると、先程の声の主は花陽と真姫であった。

 

奏夜は拍手をしながらふたりのもとへ向かった。

 

「ヴェェ……」

 

「あっ、如月先輩」

 

真姫はいつものように独特な声をあげ、花陽は奏夜の名前を呼んでいた。

 

「な、何であんたがいるのよ!」

 

「いやぁ、たまたまこの道を通ったら綺麗な声がきこえたもんでね、それを聞かせてもらったってわけ」

 

「ふぇっ!?先輩、聞いてた……んですか?」

 

花陽は顔を真っ赤にしながらもじもじしていた。

 

「そんなに恥ずかしがることはないって。すごく良かったからさ、もっと自信わ持ちなよ」

 

「あっ、ありがとう……ございます……」

 

花陽は恥ずかしそうに俯いており、、真姫も同様に恥ずかしそうにしていた。

 

2人がここで何をしていたのか気になったので、奏夜が聞き出そうとしたその時だった。

 

「かーよーちーん!」

 

花陽の親友である星空凛がこっちに駆け寄ってきた。

 

「西木野さん?どうしてここに?」

 

「励ましてもらってたの」

 

「わっ、私は別に……」

 

(やれやれ、やっぱり素直じゃないなぁ)

 

《確かに。相変わらずのツンデレぶりだな》

 

奏夜とキルバは、いつものように素直になれず、ツンデレな態度をとる真姫に呆れていた。

 

「それに……」

 

凛ちゃんは奏夜を見つけたのか奏夜のことをジッと見ていた。

 

「よう、凛ちゃん」

 

「そーや先輩!こんにちはだにゃ!」

 

《……やっぱりあのお嬢ちゃんは猫っぽい喋りなのか……》

 

(アハハ…。猫みたいな口調は凛ちゃんの口癖なんだろ)

 

奏夜とキルバは、凛の口癖と思われる語尾に「にゃ」とつくことに苦笑いをしていた。

 

「あっ!ちょうど良かった!今日こそスクールアイドルをやりますって先輩に言わなきゃ!そーや先輩もちょうどいる訳だし♪」

 

「う、うん……」

 

やはり花陽はスクールアイドルをやりたいもののまだ迷ってるみたいだった……。

 

「そーや先輩!かよちんは本気でアイドルをやりたいんです!だから……」

 

「凛ちゃんが言いたいことはわかったけどさ、俺はマネージャーだから、俺じゃなくて穂乃果たちに直接言うべきだと思うんだよ。それに、こういうのは花陽ちゃんが自分で言わなきゃ。決心がつくまでは俺たちは待つつもりだからさ」

 

「そう……ですか……」

 

(うんうん、凛ちゃんもわかってくれたかな?)

 

素直な凛の返事に、理解してくれたのかな?と奏夜は思っていたのだが……。

 

「ところでそーや先輩。他の先輩たちはどこで練習してるんですか?」

 

「あぁ、屋上だよ」

 

「かよちん、屋上に行こう!先輩たちにアイドルやりますって言おう!」

 

「えっ?えっと…….」

 

「ちょっと待って。そんなに急かさない方がいいわ。如月先輩だって決心がつくまでは待つって言ってるんだし、もうちょっと自信をつけてからでも」

 

「何で西木野さんが凛とかよちんの話に 入ってくるの?」

 

「べ、別に歌うならそっちの方がいいって言ってるだけ」

 

(……あるぇ?なんか一触即発な感じがするぞ?)

 

《奏夜。仲裁するのはいいが、面倒事はごめんだからな。慎重に行けよ》

 

(わかってるって)

 

奏夜はこのようにキルバとテレパシーで会話をしながら、この少々険悪気味な雰囲気をどうにかしようと考えていた。

 

「かよちんはいつも迷ってばかりだからパッと決めてあげた方がいいの」

 

「そう?昨日話した感じだとそうは思えなかったけど」

 

「あ、あの……喧嘩は……」

 

花陽も必死に止めようとするが、凛と真姫は、自分の意思を主張するため、互いに睨み合っていた。

 

(やれやれ……。これじゃ花陽ちゃんがかわいそうだし、ここは俺の出番かな?)

 

ここで、話すタイミングを伺っていた奏夜は口を開くことにした。

 

「なぁ、凛ちゃん。迷うことってそんなに悪いことなのかな?」

 

俺がこう口を開くと3人の視線が俺に集中した。

 

「そーや先輩、何が言いたいんですか?」

 

「これはある人の受け売りなんだけどさ……。迷うのは悪い事じゃない。それだけ良い結果を求めている証拠だから……ってな。まぁ、迷いすぎるのも良いとは言えないけど、それも必要な時間だと俺は思うんだよね」

 

「そーや先輩の言いたいことはわかりますけど、やっぱり決める時はビシッと決めた方がいいと思うんです!」

 

「私はそうは思わないわ。今の如月先輩の話はその通りだなと思ったもの。なんでもかんでもビシッと決めるってのが全部彼女のためになるとは思えないわ」

 

(……あれ?俺余計なこと言ったかな?)

 

《……そうみたいだな。思いのほか、状況が悪化してるような気がするしな》

 

奏夜は凛をなだめるために言ったセリフが逆に裏目に出てしまった。

 

「かよちん、行こう!先輩たち帰っちゃうよ?」

 

業を煮やした凛は花陽の手を取り、そのまま屋上に向かおうとしたが、真姫が反対の手を取り、それを阻止した。

 

「待って!どうしてもって言うなら私が連れて行くわ。音楽に関しては私の方がアドバイス出来るし」

 

真姫は音楽の経験があるため、アドバイスが出来るというのは的を得た言葉だった。

 

「それに、μ`sの曲は私が作ったんだから!」

 

(アハハ……。結局それを言っちゃうのか……)

 

《ま、それは事実だし、別にいいんじゃないのか?》

 

「えっ、そうなの?」

 

真姫からの思いもよらぬ告白に、花陽は驚きを隠せなかった。

 

「あっ……。いや、えっと……」

 

(やれやれ、本当のことなんだから素直になればいいのに……)

 

奏夜は心の中でこう思ったのだが、これを言ってしまえば、面倒なことになりそうだったので、やめておいた。

 

「と、とにかく行くわよ!」

 

「待って!連れてくなら凛が!」

 

「私が!」

 

真姫と凛は花陽は、引っ張りながら屋上まで連れて行くのは自分だと主張し続けていた。

 

「誰か……ダレカタスケテー!」

 

花陽はこのように叫びながら、真姫と凛に引きずられる形で屋上へと向かっていった。

 

「チョットマッテテー!……じゃなくて!」

 

『……おい、奏夜。何なんだ?今の言葉は……』

 

「さぁな。だけど、このセリフを言わなきゃって使命感に急にかられてしまってな」

 

『何だよ、それ』

 

キルバは、奏夜の唐突な言葉に呆れていた。

 

花陽たちがそのまま屋上に向かったので奏夜は慌てて花陽たちを追いかけていった。

 

(それにしてもなんで今の言葉がスッと出てきたんだろうか……。わからん……)

 

奏夜は今になって、先ほど言っていた言葉が何故急に出てきたのか疑問に感じて、首を傾げていた。

 

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

凛と真姫は、花陽を引っ張ったまま屋上に向かっていた。

 

3人が屋上に着く前に奏夜は先回りをして先に屋上で練習をしている穂乃果たちと合流した。

 

「みんな、お待たせ」

 

「あーっ!そーくん遅いよぉ!どこ行ってたの?」

 

奏夜が遅れることは聞いていたものの、予想以上に遅かったことが気に入らず、穂乃果は膨れっ面になっていた。

 

「まぁまぁ、そう言わないでくれよ。もうすぐここにお客さんが来るんだからさ」

 

「「「お客さん?」」」

 

3人が首を傾げると、花陽たちが屋上にやって来た。

 

するとすぐに凛は、花陽がアイドルになりたいということを打ち明けた。

 

「つまり……メンバーになるってこと?」

 

「はい!かよちんはずっとずっとアイドルやってみたいって言ってたんです」

 

花陽は凛と真姫に、それぞれの腕を掴まれた状態になっていた。

 

「そんなことはどうでも良くて、この子はけっこう歌唱力あるんです」

 

「どうでもいいってどういうこと?」

 

「言葉通りの意味よ」

 

「わっ、私はまだ……。なんて言うか….…」

 

「もぉ、いつまで迷ってるの?絶対やった方がいいの!」

 

「それには賛成。やってみたいって気持ちがあるならやってみた方がいいわ」

 

どうやらやってみた方がいいってのは凛も真姫も同じ意見みたいだった。

 

「でっ、でも….…」

 

「さっきも言ったでしょ?声出すなんて簡単。あなただったら出来るわ!」

 

「凛は知ってるよ!かよちんはずっとアイドルになりたいって思ってたこと」

 

2人はようやく花陽を離したと思ったら、それぞれの思いを花陽にぶつけていた。

 

2人とも、それだけのことを応援してるということが伝わってきた。

 

「凛ちゃん……西木野さん….…」

 

「頑張って。凛がずっとついててあげるから」

 

「私も少しは応援してあげるって言ったでしょ?」

 

穂乃果たちはこのやり取りを微笑みながら見守っていた。

 

「えっと……私……小泉……」

 

花陽は上手く言葉を紡ぐことが出来なかったのだが……。

 

 

 

 

 

 

 

トン……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛と真姫の2人が、優しく、そして力強く花陽ちゃんの背中を押した。

 

2人の文字通りの後押しに、花陽は相当勇気づけられたと予想することが出来た。

 

花陽はここでようやく決心がついたのか、花陽の目が先程とは変わっていた。

 

「私、小泉花陽といいます!1年生で、背も小さくて、声も小さくて……人見知りで……得意なものはないです。でも、アイドルへの思いは誰にも負けないつもりです!だから……μ'sのメンバーにしてください!」

 

花陽は目に涙を浮かべながら自分の思いを打ち明け、メンバーにして欲しいと自分の言葉で伝えることが出来た。

 

「花陽ちゃん……。良く言った。頑張ったな……」

 

自分の意思でスクールアイドルになりたいことを伝えることが出来たのが嬉しかったのか、奏夜は穏やかな表情で笑みを浮かべていた。

 

「こちらこそ……。よろしく!」

 

穂乃果は花陽に手を差し出すと、花陽はしっかりと穂乃果の手を取った。

 

「……かよちん、偉いよぉ…….」

 

「何泣いてるのよ……」

 

「だって……。って、西木野さんも泣いてるの?」

 

花陽の決意の涙に、どうやら凛も真姫も、もらい泣きしてるようだ。

 

「だっ、誰が!泣いてなんかないわ!」

 

(やれやれ……。こんな時でも得意のツンデレかよ……)

 

真姫の強がる態度を見ていた奏夜は、やれやれと言いたげにため息をついていた。

 

「それで、2人は?2人はどうするの?」

 

ことりの言葉に凛と真姫はハッとしていた。

 

「「えっ?どうするって?」」

 

「まだまだメンバーは募集中ですよ」

 

そう言うと海未とことりはそれぞれ手を差し出していた。

 

「「いや、私は…」」

 

(やれやれ……。今度こそ俺の出番だな)

 

ここで凛と真姫の背中を押すために、奏夜は動くことにした。

 

「花陽ちゃんだって勇気を出して自分の気持ちに素直になったんだ。2人とも今くらいは自分の気持ちに素直になってもいいんじゃないか?」

 

奏夜はこう言って2人の背中を押した。

 

凛と真姫の2人は、ぱぁっと明るい表情になると、海未とことりの手を取った。

 

こうしてこの日、μ'sは6人になった。マネージャーである奏夜を入れたら7人なのだが……。

 

その光景を見ていた奏夜は、これからは穂乃果たちだけじゃなく、この3人も守っていこう。

 

こう決意を固めたのであった。

 

それは、μ'sのマネージャーとしてだけではなく、魔戒騎士として、守りし者として……。

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

翌日、この日はμ'sが6人になってから初めての練習日となった。

 

奏夜はいつものように神田明神に着くと、ちょうど凛と真姫が来ていた。

 

「おう、凛ちゃん、西木野さん。おはよう」

 

「あっ、そーや先輩、おはようだにゃ!」

 

「お、おはよう……」

 

凛は元気よく、真姫は少し恥ずかしそうに奏夜に挨拶をしていた。

 

挨拶を済ませたところで奏夜たちは階段を登り始めた。

 

「ふわぁぁ……。朝練って毎日こんなに早いのぉ?」

 

「このくらい当然よ」

 

「ま、確かに早いかもしれないけど、じきに慣れると思うよ」

 

「そういうものなのぉ?」

 

「まぁ、そういうもんなんじゃないの?」

 

奏夜たちは階段を登りきるとすでに誰か来ていた。

 

後ろを向いていたので、少々わかりにくかったが、どうやら花陽のようであった。

 

「かよちーん!」

 

このように凛は大きな声で花陽を呼んだため、花陽はこっちを向くのだが……。

 

「……おはよう♪」

 

「は、花陽……ちゃん!?眼鏡してないから思わずびっくりしちゃったよ」

 

花陽は眼鏡を外していたため、それを見ていた奏夜たちは驚きを隠せなかった。

 

「あっ、あれ?眼鏡は?」

 

「コンタクトにしてみたの。変…かな?」

 

「うぅん、すっごく可愛いよ!」

 

「へぇ、いいじゃない」

 

どうやら花陽は眼鏡からコンタクトに変えたようであり、それは凛や真姫にも好評だった。

 

「あっ、西木野さん」

 

真姫は何故か花陽に呼ばれた途端、顔を赤くして何か言いたそうにしていた。

 

「ねぇ……。眼鏡取ったついでに名前で呼んでよ」

 

「「え?」」

 

「私も名前で呼ぶから……。花陽、凛」

 

真姫は頬を赤らめて恥ずかしそうにしながらも、花陽と凛の名前を呼んでおり、呼ばれた2人はとても嬉しそうだった。

 

「……真姫ちゃん♪」

 

「真姫ちゃーん!真姫ちゃん真姫ちゃん真姫ちゃん!」

 

真姫に名前で呼ばれたのが嬉しかったのか、凛は真姫名前を連呼して、真姫に近付いていった。

 

「なっ、何よ!」

 

「真姫ちゃん、真姫ちゃん♪」

 

「う、うるさい!」

 

「照れてる照れてる♪」

 

凛は真姫に抱きつき、スキンシップを取っており、真姫は恥ずかしそうにしながらも満更でもなさそうだった。

 

だが、しかし……。

 

(……あれ?なんか俺、蚊帳の外じゃね?)

 

この状況に1人置いてけぼりになった奏夜は、ポツンと立ち尽くして寂しさを露わにしていた。

 

「……良かったな、西木野さん」

 

しかし、すぐに穏やかな表情で笑みを浮かべると、このように呟いていた。

 

真姫はどうやら、奏夜の言ったとある言葉が気に入らなかった。

 

それは……。

 

「……ねぇ、あんたは花陽と凛は名前で呼んでるのになんで私だけ苗字なの?」

 

花陽と凛は自然に下の名前で呼んでいたのだが、真姫だけはずっと苗字で呼んでいたため、真姫はそれが気に入らなかった。

 

「いや、何でと言われても、ずっとそう呼んでたし」

 

「私も名前で呼ぶから、あんたも名前で呼んでよね……。そ、奏夜……」

 

(やれやれ、先輩はつけないんだな。まぁ、いいけどさ)

 

真姫は恥ずかしそうに奏夜の名前を呼ぶのだが、先輩とかはつけず、普通に呼んでいた。

 

そのことに奏夜は少し呆れるのだが、すぐに気にしなくなった。

 

そして……。

 

「……改めてよろしくな、真姫」

 

「ヴェェ!?いきなり呼び捨て!?」

 

「それはお前もだろ?それとも真姫ちゃんの方がいいか?」

 

「い、いや。真姫でいいわ。あんたに真姫ちゃんって言われてもなんか気持ち悪いし」

 

「はいはい、わかったよ、真姫」

 

「……っ、ふん!」

 

真姫は呼び捨てで呼ばれるのが恥ずかしいのか、頬を赤らめながらそっぽを向いていた。

 

(やれやれ、ツンデレは相変わらずだな、真姫のやつ……)

 

奏夜がそんなことを思っていると……。

 

「あっ、あの…」

 

「ん、何?花陽ちゃん?」

 

今度は花陽が話しかけてきた。

 

「眼鏡を取ったついでじゃないですけど、私のことも呼び捨てで呼んで欲しいです」

 

「あっ、凛も呼び捨てがいいにゃ!」

 

「あぁ、わかったよ。改めてよろしくな、花陽、凛」

 

奏夜が2人を呼び捨てで呼ぶと、花陽と凛の顔がぱぁっと明るくなった。

 

「こちらこそよろしくお願いします。奏夜先輩♪」

 

「そーや先輩、よろしくだにゃ!」

 

こうして、奏夜は新しく加入した1年生組の3人も下の名前で呼ぶことになった。

 

メンバーも増え、これから練習も大変になると予想されるのだが、6人になったμ'sならきっと大丈夫。

 

奏夜はそう確信していた。

 

しばらくして穂乃果たちが合流したので、奏夜たちは練習を開始したのである。

 

……今よりも高みを目指して……。

 

 

 

 

 

 

 

……続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

__次回予告__

 

『人間という生き物は本当に脆いもんだな。このようにすぐ病気になってしまうとはな……。次回、「医術 前編」。まぁ、俺は病気などしたことはないがな』

 

 




花陽が奏夜に対する恐怖心を無くし、さらにμ'sのメンバーとなりました!

それだけではなく、凛と真姫もμ'sのメンバーとなり、μ'sは6人となりました。

ラブライブ!で「ダレカタスケテー!」と言えば、花陽ですが、奏夜も使っていましたね(笑)

実は前作である「牙狼×けいおん 白銀の刃」にて、主人公である統夜も度々使っていましたし(笑)

それにしても、奏夜が穂乃果たちのお仕置きを受けたのは2度目ですが、いったいどんなお仕置きを受けてるんでしょうね。

本文にも書きましたが、皆さんの想像にお任せします(笑)

さて、今回でラブライブ!4話の話は終わりましたが、次回は、4話と5話の間の話になります。

真姫が将来医者を目指しているため、医者にまつわるお話になります。

いったいどんなホラーが登場するのか?

それでは、次回をお楽しみに!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。