牙狼ライブ! 〜9人の女神と光の騎士〜   作:ナック・G

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お待たせしました!第21話になります!

突然ですが、皆さんはスクフェスをやってますか?

僕は最近久しぶりに再会しました。とは言っても下手ですけど。

それに、FF14もやってるので、ガッツリはやってないですけどね。

さて、今回からラブライブ!の第6話に突入します。

タイトルに「取材」となりますが、いったい奏夜たちはどのような取材を受けることになるのか?

それでは、第21話をどうぞ!




第21話 「取材」

μ'sのメンバーが7人になってから数日が経ち、奏夜たちは白銀騎士奏狼の称号を持つ月影統夜と、その仲間である唯たちと偶然遭遇した。

 

奏夜たちは偶然にもホラーと遭遇したのだが、そこに統夜たちが介入し、統夜が圧倒的な力を持ってホラーを討滅したのである。

 

その後、奏夜たちと統夜たちは、互いのことをより深く知るために、統夜たちの泊まるホテルでお茶会を行い、歓談を通して、互いのことをより深く知ることが出来た。

 

その翌日の昼休みのことである。

 

「……あの……えっと……」

 

穂乃果は今、困惑していた。

 

奏夜、海未、凛、希の4人が中庭に来ており、現在凛が穂乃果にビデオを向けている。

 

穂乃果は、自分に対してビデオが向けられていることに困惑しているのである。

 

「はーい、笑って〜」

 

このように凛が促すと、穂乃果は笑ってはいたのだが、明らかに苦笑いであった。

 

「はーい、決めポーズ!」

 

続けて凛がこのように話を振ると、穂乃果は一応ポーズを取り、続けて某陸上選手のようなポーズを取っていた。

 

「……はい、オッケー!次は海未先輩ね!」

 

どうやら穂乃果の撮影は終わったようであり、凛は続いて海未を撮影するために、少し離れたところにいる海未にカメラを向けていた。

 

そんなカメラにすぐ気付いた海未は……。

 

「……ちょっと待ってください!失礼ですよ!いきなり!」

 

カメラで撮られるのが嫌だからか、海未は頬を赤らめながら恥ずかしそうにしていた。

 

「ごめんごめん。実は生徒会で部活動紹介のビデオを作っててな。各部活動を取材してるところなんよ」

 

希の説明通り、今行われている撮影は、部活動紹介ビデオの撮影であり、本当に取材だということを物語るかのように希の手にはマイクが握られていた。

 

「最近スクールアイドルは流行っているんやし、μ'sにとっても悪い話やないと思うけどな」

 

「確かに……。μ'sのことを学校のみんなに知ってもらうチャンスではあるか」

 

「そ、それはそうですが!私は嫌です!カメラに映るなんて……!」

 

ステージに立つことも恥ずかしいと思っていた海未にとっては、カメラを向けられて取材を受けるというのはハードルが高いようだった。

 

「取材……。なんてアイドルな響き!」

 

どうやら穂乃果はやる気みたいであり、嬉しそうに笑みを浮かべていた。

 

「アイドルな響きって……。そんなことはないと思うけどな……」

 

穂乃果の言葉に少々疑問を抱いていた奏夜は、苦笑いをしていた。

 

「OKだよね、海未ちゃん?さっきもそーくんが言ってたけど、これ見た人がμ'sのことを覚えてくれるかもしれないし」

 

「俺としては断る理由はないと思うけどな」

 

「そ、奏夜まで……」

 

「それに、取材に協力したらカメラを貸してくれるって言うし」

 

「そしたら、PVとか作れるやろ?」

 

「PV?」

 

どうやら部活動紹介ビデオの撮影に協力してくれたら、PVなどに使うであろうカメラを貸してくれると希は提案してくれた。

 

しかし、PVと言われてピンと来なかったからか、穂乃果は首を傾げていた。

 

「そういえば、μ'sの動画ってまだ3人のものしかないし、俺もそこはどうにかしたいって思ってたんだよ」

 

奏夜は、μ'sのメンバーが増えた後も、動画を撮るということがなかったため、そこの問題をどうにかしたいとずっと考えていた。

 

「うぅ……。卑怯です!そう言われてしまっては私も断れないじゃないですか……」

 

海未もまた、新曲やPVについてはなんとかしたいと思っていたため、部活動紹介ビデオの話を断ることが出来なかった。

 

それが気に入らないのか、海未はぷぅっと頬を膨らませていた。

 

「やったぁ!それじゃあ、他のみんなにも声をかけてくるね!」

 

海未が部活動紹介ビデオの話を了承したところで、穂乃果は、他のメンバーに声をかけるために、中庭を後にした。

 

部活動紹介ビデオを作るという話だけはまとまったため、奏夜は希からビデオカメラを借りたところで、昼休みはもうじき終わるところだった。

 

穂乃果は、この場にいたメンバーに部活動紹介ビデオの話をした段階で昼休みが終わりそうになったため、実際の撮影は放課後に行うことにした。

 

しかし、この日の放課後は予定のあるメンバーが多く、撮影は翌日に持ち越されることになった。

 

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

 

そして翌日の放課後、アイドル研究部の部室には、奏夜たち2年生組と、希がいた。

 

昨日は全員での撮影はなかったが、どうやら昨日、部活動紹介に使えそうな映像をいくつか撮影したようであり、その映像のチェックを行っていた。

 

最初の映像をチェックすると、授業を受けている穂乃果の姿が映っていた。

 

穂乃果は朝の練習が早いということもあるため、授業中はよく居眠りをしており、先生に起こされるということがよくあった。

 

そんな映像が映し出されて、穂乃果は面白くなさそうな表情をしていた。

 

「……これが、スクールアイドルとはいえ、若干16歳。高坂穂乃果のありのままの姿である」

 

「ありのまま過ぎるよ!!」

 

希がこのようなナレーションを入れるのだが、間髪入れずに穂乃果が異議を唱えていた。

 

「よく撮れてるよ。ことり先輩♪」

 

どうやらこの映像を撮影したのはことりのようであり、凛はことりの撮影した映像を称賛していた。

 

「ありがとぉ♪こっそり撮影するの、すっごくドキドキしちゃった♪」

 

「こ、ことりちゃんが!?ひどいよぉ!!」

 

「……そういえば、こそこそやってるなとは思っていたが、そういうことか」

 

奏夜はことりが何かをしていることを勘付いており、それがハッキリしたところで苦笑いをしていた。

 

「普段からだらけてるからこうなるのです」

 

穂乃果が居眠りをして起こされるというのは、自業自得だと言いたげに、海未は呆れていた。

 

「これからはもっと真面目に授業を……」

 

海未は穂乃果に苦言を呈そうとするのだが……。

 

「さっすが海未ちゃん!」

 

どうやら、穂乃果たちは別の映像を見ているようだった。

 

その映像には、弓道部の練習を行っている海未の姿が映っていた。

 

綺麗なフォームで矢を放つ海未だったが、その後、鏡に映る自分を気にし始めていた。

 

しばらく鏡を見ていた海未だったが、海未は鏡に向かって笑顔の練習を始めていた。

 

まさかその様子を撮影されているとは知らなかった海未はカメラの映像を遮ると……。

 

「プライバシーの侵害です!」

 

海未は顔を真っ赤にして、ムキになっていた。

 

「……まさか、海未が笑顔の練習をしてるなんてなぁ」

 

「……」

 

奏夜が先ほどの映像を見て感心していたのだが、海未は何故かプルプルと肩を震わせていた。

 

そして……。

 

「ふん!」

 

「ゴッホぉ!?」

 

海未の鉄拳が飛ぶと、その一撃を受けた奏夜はその場でダウンしていた。

 

「き、如月くん!?大丈夫なん!?」

 

「大丈夫です。問題ありません」

 

「な、何でお前が答えるんだよ……」

 

奏夜はゆっくりと立ち上がりながらツッコミを入れていた。

 

「それじゃあ、次はことりちゃんのプライバシーを……」

 

そんな奏夜をスルーした穂乃果は、ことりの鞄の中身を見るために鞄を開けた。

 

すると……。

 

「……?なんだろ、これ……」

 

ことりの鞄の中に入っているある物が気になったのだが、ことりは素早い動きで鞄のチャックを閉めると、鞄を強奪して鞄を隠していた。

 

「アハハ……。何でもないのよ!」

 

「え?でも……」

 

「何でもないのよ。何でも!」

 

ことりは苦笑いをしながら、鞄の中身を必死に誤魔化していた。

 

穂乃果や奏夜がさらなる追求をしようとしていたのだが……。

 

バタバタと慌ただしい音が聞こえると、にこが部室に入ってきた。

 

「ぜぇ……ぜぇ……。しゅ、取材が来てるって本当なの?」

 

「もう来てますよ〜」

 

そう答えながら、凛はカメラをにこに見せていた。

 

カメラが回っているのを確認したにこは……。

 

「……にっこにっこに〜♪はーい!みんなの元気ににこにこに〜♡の矢澤にこです♪えっとぉ……好きな食べ物はぁ……」

 

にこはアイドルのキャラを剥き出しにして、カメラに必死にアピールをしていた。

 

その様子を、奏夜はジト目で見ており……。

 

「……チェンジで」

 

「ぬわぁんでよ!!」

 

奏夜のあまりに容赦のない発言に、にこは異議を唱えていた。

 

「そーや先輩がそう言いたくなるのもわかるよ!それに、今回撮るのは部活動の生徒の素顔に迫る!ってやつなんだって」

 

凛は、奏夜の発言に乗っかりながらも、今回撮影するビデオの趣旨を説明していた。

 

「……あー、そっちのパターンね。ちょっと待っててね」

 

そう言いながらにこは、自らのトレードマークともいえるツインテールを解くと、サラサラのストレートな黒髪を見せ付けていた。

 

奏夜はにこが何かをしようとしてるのか見ていたのだが……。

 

「……あ、統夜さんから電話だ」

 

「え、本当!?」

 

にこが何かをしているにも関わらず、統夜から電話が来たため、奏夜は部室を後にして、それを穂乃果たちは追いかけていた。

 

にこは先ほどとは違うキャラを演じていたのだが……。

 

「……って!いないし!!」

 

最後までやってようやく、奏夜たちがいなくなったことに気付いたようである。

 

にこは慌ててツインテールを結び直すと、そのまま奏夜たちがいるであろう中庭へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

奏夜は統夜から電話が来たため、電話に出て、歩きながら中庭へと向かっていた。

 

統夜の電話は、ちょうど今、唯たちと共に音ノ木坂学院に遊びに来たという内容であった。

 

そんな統夜たちを迎えに行くため、穂乃果たちを先に中庭へ向かわせた奏夜は、玄関へ行くと、統夜たちが校内に入るための手続きを整えようとしていた。

 

どうやら、奏夜とは別に統夜たちを出迎えている人物がいるようであり、その人物のおかげで、校内へ入る手続きは滞ることはなく、スムーズに終わったのであった。

 

統夜たちを出迎えた意外な人物に、奏夜は驚きを隠せなかった。

 

その人物とは……。

 

「……あら、奏夜君。来てくれたのね」

 

「り……理事長……?どうして……?」

 

ことりの母親である、この音ノ木坂学院の理事長が統夜たちの出迎えを行っていたため、奏夜は驚きを隠せなかった。

 

「私の父親が理事長と知り合いなの。それで、今日ここへ行くことを連絡したら、直々に出迎えをしてくれたのよ」

 

どうやら、紬と理事長は知り合いのようであり、そのツテのおかげで、スムーズに校内へと入ることが出来たみたいである。

 

「ウフフ、まさか、娘とも知り合いみたいで驚いたわ。私が琴吹さんと知り合いだということは、ことりも知らないでしょうね」

 

「そうかもしれませんね。ことりからそんな話は聞いたことありませんから」

 

「奏夜君。いつもことりと仲良くしてくれてありがとうね。これは、この学院の理事長としてではなく、ことりの母親としての言葉よ」

 

ことりが穂乃果や海未だけではなく、奏夜とも仲良くしていることを知っている理事長は、穏やかな表情で奏夜にお礼を言っていた。

 

「いえ……。俺にとっても、ことりは大切な友達ですから」

 

「これからもことりと仲良くしてあげてね」

 

「えぇ、もちろんです」

 

ことりは奏夜にとっては大切な友達であり、守りたい人間の1人である。

 

そのため、理事長の言葉を、奏夜が拒否する訳がなかった。

 

「……さて、奏夜君も来てくれた訳だし、案内は奏夜君に任せて、私は仕事に戻ります。構いませんね?」

 

「えぇ、もちろんです。お忙しいところ、ありがとうございました」

 

理事長という忙しい立場の中、わざわざ自分たちを出迎えてくれたことに、紬は礼を言っていた。

 

「それでは、ごゆっくり校内を見ていって下さい。……奏夜君、頼むわね」

 

「はい、お任せ下さい」

 

理事長は、統夜たちの案内を奏夜に託すと、統夜たちに一礼して、理事長室へと向かっていった。

 

「……それじゃあ、奏夜。案内を頼むな」

 

「任せてください。……ちょうど今、中庭にみんなが集まっているんです。今、アイドル研究部の紹介ビデオを撮影している真っ最中で……」

 

「へぇ、それは面白そうだな!」

 

「部活の紹介ビデオかぁ……。軽音部のビデオを撮った時のことを思い出すね、りっちゃん!」

 

「そうだな。……それに、ここへ来たのは絶妙なタイミングなのかもしれないな」

 

唯は、高校時代に撮影した軽音部の紹介ビデオのことを思い出しており、律は、良いタイミングでここに来れたことを喜んでいた。

 

「もし、私たちに何か出来ることがあれば協力させてね。力になるから」

 

「ありがとうございます。そういうことなら、ぜひお願いします」

 

こうして、奏夜は統夜たちにもビデオ撮影に協力してもらおうと考えながら、統夜たちを中庭へと案内した。

 

奏夜と統夜たちが中庭に到着すると、穂乃果たちは希の協力のもと、どうやら先に撮影を初めていたようであった。

 

「……よう、みんな。頑張ってるみたいだな」

 

「あっ、そーくん!それに……」

 

「よう、みんな!さっそく遊びに来たぞ!」

 

「あっ、統夜さん!皆さん!」

 

穂乃果たちは、統夜たちの存在を認識し、歓喜の声をあげていた。

 

希は、統夜とは面識はあるが、唯たちとは面識がなかったため、首を傾げていた。

 

「……あっ、東條先輩。統夜さんは会ったことあるんですよね?この人たちは、統夜さんと同じ軽音部の人たちです」

 

「「「「「よろしく〜!」」」」」

 

奏夜は唯たちのことを簡単に紹介するのだが、唯たちは、希に挨拶をしていた。

 

「あっ、どうも。東條希です。生徒会の副会長をしています」

 

そして、希も唯たちに挨拶を返し、唯たちは簡単に自己紹介を行っていた。

 

「……皆さんは大学生なんですよね。学校は大丈夫なんですか?」

 

自己紹介で唯たちが大学生であることを知った希は、もっともな疑問をぶつけていた。

 

「実は、みんなで休みを取って東京へ遊びに来たんだよ。μ'sとして頑張ってる穂乃果たちに会いたくてな」

 

「みんなの部活動紹介ビデオの撮影してる様子を見たら帰ろうかなって思ってるんだけどね」

 

唯たちは、音ノ木坂学院での用事を済ませたら、そのまま大学の寮に帰る予定だった。

 

「そうなんですね……。さっきまで撮影をやっていたんですよ」

 

そう言いながら穂乃果は、ビデオカメラを統夜たちに見せていた。

 

その内容は、メンバーの素顔に迫るというコンセプトらしいが、内容的にまとまりのあるものとは思えなかった。

 

『……トラナイデ!』

 

「……なるほどな……」

 

最後に見たのは、カメラを向けられて、このように言っている真姫であり、それを見た統夜は、このように呟いていた。

 

「よっしゃあ!あたしたちに任せておけ!悪いようにはしないからさ」

 

唯たちもこのビデオは見ており、コンセプトを理解したところで、律が撮影に協力しようと提案していた。

 

「え?いいんですか!?」

 

「もちろん!あたしたちだって、何か協力出来ることがあるなら手伝いたいと思ってたしな」

 

律も、穂乃果たちのことを応援しているため、高校時代のノウハウを活かして、手伝えることを手伝いたいと考えていた。

 

それは統夜も唯たちも同様であるため、律の言葉にウンウンと頷いていた。

 

「……悪いようにはしないから、安心してくれよな」

 

そう言いながら律は不敵な笑みを浮かべていた。

 

「何故だろう……。嫌な予感しかしないんだけど……」

 

律とは小学校からの付き合いである澪は、律が何かよからぬことを企んでいるのではと考えており、苦笑いをしていた。

 

「まぁ、俺たちだっているし、大丈夫だろ」

 

澪が不安そうにしている中、統夜は楽観的だった。

 

こうして、統夜たちも部活動紹介ビデオの撮影に加わると、撮影は統夜たちに任せる形となり、撮影が行われた。

 

「スクールアイドルといえば、やっぱり衣装だよな?統夜!今朝ホテルに送られてきたあれを使うぞ!」

 

「やれやれ……。本当にあれを使う気かよ?」

 

律の言葉に、統夜が呆れながら、統夜はキャリーバックを取り出した。

 

「それは……。キャリーバック……ですよね?」

 

「いったい何が入ってるのかなぁ?」

「楽しみだね♪」

海未は、統夜の取り出したキャリーバックをジッと眺めており、穂乃果とことりはその中身を楽しみにしていた。

 

「……何故かしら。嫌な予感しかしないのだけれど……」

 

「あら、奇遇ね。私も同じことを考えていたわ」

 

にこと真姫は、キャリーバックの中によからぬ物が入っているのではないかと思っており、苦笑いをしていた。

 

期待と不安が入り混じる中、統夜はキャリーバックを開けるのだが、その中身とは……。

 

「……こ、これって……」

 

「衣装……だよね?」

 

「それも、色々あるね……」

 

「……あれ?これって……」

 

「衣装は衣装だけど……」

 

「コスプレ……よね?」

 

「……こんなことだろうと思ったわ」

 

どうやらキャリーバックの中身は全て衣装ではあったものの、アイドルのものとは言えるものではなく、コスプレに使うようなものであると推測することが出来た。

 

そんな中、真姫はこの展開を予想していたため、呆れ気味だった。

 

「お、おい、律!穂乃果たちが困惑しているじゃないか!」

 

「何おう!様々な衣装を着こなしてこそのアイドルだろうが!それに、これは全部さわちゃんのお手製なんだぞ!」

 

「そこが問題なんだろうが……」

 

統夜たちの持ってきた衣装の全てが、とある人物のお手製であり、それを穂乃果たちに着せようと企んでいる律に、統夜は呆れていた。

 

「そういえばそのさわちゃんって人はこの前チラッと話してましたよね?」

 

「そうだった。その人は、山中さわ子っていうんだけど、俺たち軽音部の顧問で、衣装を作るのが好きなんだよ」

 

統夜は、この衣装を作った人物についての説明を改めて簡単に行っていた。

 

実は、奏夜たちとのお茶会が終わってすぐにさわ子から連絡があったのだが、どこからか統夜たちがμ'sを応援するために東京に来ているとさわ子は聞きつけていた。

 

さわ子もどうやらμ'sのファンのようであり、彼女たちに相応しい衣装を作っていたのである。

 

それを、今日の朝に、キャリーバックごとホテルへと送り付けて来たのであった。

 

「私たちはよくそれを着せられてな……」

 

当時のことを思い出していた澪は、顔を真っ青にしていた。

 

「……」

 

この衣装たちが、全て統夜たちの恩師が作ったものと知り、ことりは言葉を失っていた。

 

「……ことり?」

 

「ことりちゃん?どうしたの?」

 

そんな様子に、奏夜と穂乃果は声をかけるのだが……。

 

「この前も聞きましたけど、この衣装たちはどれも凄いです!とても勉強になります!」

 

μ'sの衣装を担当していることりにとって、これらの衣装は全て参考になるものであり、キラキラと目を輝かせていた。

 

「私、やっぱり山中先生に会ってみたいです!」

 

ことりは、さわ子に会って、衣装作りのことを教わりたいという思いがかなり強くなったようである。

 

「……それをさわちゃんが聞いたら、喜んで飛んで来そうだな……」

 

「それに、衣装作りというよりは、さわ子先生の着せ替え人形にさせられそうだがな……」

 

さわ子のことをよく知っている律や統夜はこのように推察をしながら苦笑いをしていた。

 

「……とりあえず、素顔に迫る感じなんだろ?そういうのを撮るのは俺たちは得意だよな」

 

「確かに……。軽音部の時だって、そんな感じのものでしたからね……」

 

統夜たちは軽音部でも似たようなビデオを作ったことがあるのだが、その時も素顔に迫るといった感じだった。

 

「とりあえず、俺たちに任せてくれ。普通にそれらしい撮影にするからさ」

 

「はい!ぜひ、お願いします!」

 

こうして、統夜が撮影の指揮をとることになり、アイドル研究部の紹介ビデオの撮影が開始された。

 

統夜は軽音部のビデオ撮影の時に用いたインタビュー方式でμ'sの紹介を行っており、メンバーを紹介しつつ、アイドル研究部の日常風景をしっかり撮影していた。

 

統夜の指示は的確なものであり、奏夜はそんな統夜に関心しながら撮影の様子を見守っていた。

 

その的確な指示のため、練習風景の撮影も含めて撮影はスムーズに行われ、撮影は終了した。

 

その撮影が終わると、唯たちは大学の寮に戻るべく東京を離れ、統夜はどうやら魔戒騎士としての仕事があるようであり、元老院へと向かっていった。

 

どうやら元老院の神官であるグレスからの呼び出しのようなのだが、どのような内容なのかは、統夜も知らないみたいだった。

 

そんな統夜を見送り、奏夜、穂乃果、凛、希の4人は、穂乃果の家である和菓子屋「穂むら」を訪れていた。

 

どうやら他のメンバーは用事があるようであり、希を含めたこのメンバーとなったのである。

 

「そういうことはもっと早く言ってよ!」

 

現在は穂乃果の母親が接客をしており、部活動紹介ビデオの取材をしたいと説明すると、化粧を直すために店の奥へと引っ込んでしまった。

 

「生徒会の人だよ?家族にちょっと話を聞きたいってだけだから、そんなに張り切らなくても……」

 

「そういう訳にはいかないの!」

 

穂乃果の母親は、ちょっとでもビデオ写りを良くするために、入念に化粧直しを行っていた。

 

「化粧したって、どうせ同じ……」

 

「フン!」

 

「あ痛っ!!」

 

穂乃果が最後まで言い切る前に穂乃果の母親が箱ティッシュを穂乃果目がけて投げつけていた。

 

穂乃果の母親はもう少し時間がかかりそうなので、先に穂乃果の妹である雪穂の取材をしようとしたのだが、その前に、奏夜と穂乃果は厨房へ向かっていた。

 

穂乃果の父親にもインタビューをしようと考えていたからである。

 

「お父さ〜ん!ちょっといい?ちょっと話を聞きたいんだけど……」

 

そう言いながら、穂乃果はビデオカメラを穂乃果の父親に見せていた。

 

撮影というのが嫌なのか、穂乃果の父親は、後ろを向いたまま、手を振っていた。

 

穂乃果の父親はあまり喋るタイプの人間ではないため、穂乃果はこれ以上は何を言っても無駄だと判断していた。

 

「……やっぱりダメか。そーくん、行こっか」

 

「そうだな……。それじゃあ、おやっさん。また来ますね」

 

奏夜は穂乃果の家によく出入りしているため、穂乃果の家族とも仲良くなったのである。

 

穂乃果の父親も例外ではなく、奏夜は穂乃果の父親を、「おやっさん」と呼んで慕っていたのである。

 

「……」

 

奏夜と穂乃果が厨房を出ようとしたのだが、穂乃果の父親が、奏夜のことをジッと見ていた。

 

「?どうしました?おやっさん」

 

穂乃果の父親はしばらく奏夜のことを見ると、何も言わずにまだ未完成の和菓子を指差していた。

 

どうやら穂乃果の父親は、奏夜に「手伝え」と言っているようだった。

 

「ちょっとお父さん!そーくんはそのために来たんじゃないのに!」

 

「……別に構わないよ、穂乃果」

 

「だってそーくん!」

 

「後は雪穂に話を聞くんだろ?それなら俺はいなくても大丈夫だから、行ってこいよ」

 

「……まぁ、そーくんが良いならいいんだけど……」

 

奏夜は穂乃果の父親を手伝うようになり、穂乃果は店に戻って希や凜と合流しようとしたのだが……。

 

「……あら、奏夜君。手伝ってくれるの?助かるわぁ!」

 

厨房に用事があるのか、穂乃果の母親がやって来て、このようなことを言っていた。

 

「いえ。俺は高坂家の皆さんには日頃から世話になってますから。これくらいは」

 

奏夜は今の家に越してきてから、穂乃果の両親にはよく世話になっていた。

 

何かと食事をご馳走してくれたり、お店の手伝いをお願いしたりと、まるで息子のように可愛がってくれたのであった。

 

そうしているうちに、奏夜は和菓子の作り方を覚えていき、今回のように和菓子作りの手伝いを頼まれることも時々ではあるがあったのである。

 

「それにしても、奏夜君は和菓子作りの飲み込みが早いから助かるわぁ。奏夜君が穂乃果か雪穂の婿になってくれればこの穂むらは安泰なんだけど……。ねぇ、お父さん」

 

どうやら穂乃果の母親は、奏夜が本当の家族になってくれることを望んでいるようであり、穂乃果の父親も、無言でウンウンと頷いていた。

 

穂乃果の両親は、奏夜の両親がいないことを知っているため、なおさらこのようなことを言っているのである。

 

「ちょっ!?お母さん!何言ってるの!?」

 

穂乃果の母親の言葉が恥ずかしかったからか、穂乃果の顔が真っ赤になっていた。

 

「ウフフ、そんなに照れなくてもいいのに、ねぇ」

 

「と、とりあえず!俺は着替えてきますね!」

 

奏夜も穂乃果の母親の言葉が恥ずかしくなったからか、逃げるように着替えに向かっていった。

 

「わ、私も行くからね!」

 

穂乃果も、逃げるように店へと戻っていった。

 

「……まったく……。本当に初々しいわねぇ。あの2人……」

 

奏夜と穂乃果。互いの想いを察している穂乃果の母親は、このように呟いていた。

 

こうして穂乃果は店の方へと戻って希や凜と合流するのだが、顔が赤くなっていることを追求されていた。

 

それを何とか誤魔化した穂乃果は、2階に上がり、雪穂にインタビューを試みたのだが、それどころではなかった。

 

その後、穂乃果たちは穂乃果の部屋でまったりとしていた。

 

その頃、着替えを終えた奏夜は穂乃果の父親を手伝って和菓子作りを行っていた。

 

奏夜は今の家に越してきてから、穂むらでよく和菓子を食べるようになり、和菓子の美味しさに目覚めてしまった。

 

それから度々和菓子作りの手伝いをするようになったのだが、奏夜は手先が器用だからか、作れる和菓子の数も増えていき、そのクオリティは常連客にも好評だった。

 

そのため、奏夜の存在は穂むらの常連客にも認知されるようになり、先ほど穂乃果の母親が言っていたことも言われることは時々あった。

 

……高坂家の人間で、奏夜が魔戒騎士であることは、穂乃果しか知らないので、そこだけは幸いと言えるところである。

 

現在も、奏夜は和菓子作りを行っており、ちょうど店に出す和菓子が完成したところである。

 

「……おやっさん。こんな感じで大丈夫ですか?」

 

奏夜は完成した和菓子を穂乃果の父親に見せたのだが、穂乃果の父親は何も言わずにグッと右手の親指を立てていた。

 

言葉を発しなくても、奏夜の作った和菓子を評価していることは理解出来た。

 

その後も奏夜は1時間程和菓子作りを手伝い、厨房を離れたのだが、その時は既に希と凛は帰っていた。

 

穂乃果は、奏夜の働きを労い、和菓子とお茶を奏夜にご馳走しようとしていた。

 

奏夜は番犬所に顔を出そうと考えていたが、ひと休みをしたいと思っていたため、穂乃果と一緒に和菓子を食べながらまったりとしていた。

 

奏夜が和菓子作りを手伝っている頃、穂乃果は希に「何で穂乃果がμ'sのリーダーなのか?」という疑問を投げかけられていた。

 

その質問に、穂乃果はキョトンとしていたのだが、そんな希の疑問が、後に波紋を引き起こすことになる。

 

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

 

 

奏夜が和菓子作りに勤しんでいた頃、奏夜の先輩騎士である月影統夜は、元老院を訪れていた。

 

元老院の神官であるグレス直々の呼び出しなのだが、そこ内容までは知らされていなかった。

 

「……よく来てくれましたね、統夜。あなたの活躍は娘であるイレスからよく聞いていますよ」

 

統夜の所属する紅の番犬所の神官であるイレスは、なんと元老院の神官であるグレスの娘であった。

 

イレスは親の七光りで紅の番犬所の神官になった訳ではなく、神官として相応しい資質を持っているため、神官になれたのである。

 

「いえ……。イレス様には返しても返し切れない程の恩がありますから……。そんなイレス様のために働くのは当然のことです」

 

「なるほど……。私はあなたを元老院付きに推薦してきましたが、 それを断ったのはそれも理由の1つみたいですね」

 

統夜は若輩ながらも魔戒騎士としてかなりの力を身につけており、元老院行きの推薦を何度かもらっているのだが、それを断っている。

 

イレスに対して恩があるのも理由の1つではあるが、1番の理由は、自分の大好きな桜ヶ丘の街を守っていきたいという思いがあるからこそである。

 

「それで、グレス様。あなた程の人が私を呼ぶということは、仕事ですか?」

 

「えぇ。その通りです。……翡翠の番犬所の管轄で、不穏な動きがあります」

 

「不穏な動き……ですか?」

 

「えぇ。もしかしたら、あなたが討伐した、グォルブと同じくらいの力を持つホラーが目覚めるかもしれません」

 

「!?そんな……まさか……」

 

統夜は、グレスの言葉が信じられず、驚きを隠せなかった。

 

グレスの言っていたグォルブというのは、桜ヶ丘某所で封印されていた、メシアの腕と呼ばれた強大なホラーである。

 

そんなグォルブだが、暗黒騎士に堕ちた魔戒騎士であるディオスによって封印が解かれてしまった。

 

統夜は、黄金騎士牙狼の称号を持つ冴島鋼牙や、銀牙騎士絶狼の称号を持つ、涼邑零たちの協力もあって、どうにかグォルブを討滅することが出来たのであった。

 

「詳しいことはまだわかりません。……統夜、あなたは翡翠の番犬所の管轄内にてその不穏な動きを調査し、突き止め次第、それを阻止するのです」

 

「……わかりました。お任せ下さい!」

 

こうして、統夜は翡翠の番犬所の管轄にて起きそうになっている不穏な動きについての調査を始めることになった。

 

このことは、これから翡翠の番犬所の管轄内にて起こる、壮絶な戦いの序章だということを、統夜だけではなく、奏夜も知る由はなかった……。

 

 

 

 

 

 

 

……続く。

 

 

 

 

 

 

 

__次回予告__

 

『なるほど、グループのリーダーにセンターか……。確かにそれは決めなきゃいけない大切なことだよな……。次回、「中央 前編」。そして現れる、謎の魔戒騎士!』

 




今回も統夜たちが登場しました。

今回をもって、しばらくは、牙狼×ラブライブ!×けいおん!の構図はなくなると思います。

今回、奏夜が理事長と話をする場面がありましたが、まさか、理事長とムギが知り合いとは……。

何気に理事長こと親鳥は初登場だったかとしれませんね。

そして、穂乃果の両親も。

奏夜は穂乃果の父親を、「おやっさん」と呼んでいましたが、おやっさんとはまるで昭和ライダーに出てくるあの人のような呼び方ですよね。

今回、穂乃果の母親が意味深なことを言っていましたが、これは、穂乃果がヒロインになるフラグですかね?どうなるのか、ご期待ください!

そして、今回ようやく話が動き出しました。

今回の黒幕も、近々登場するかもしれませんので、そこもご期待ください!

次回は前後編で、センター争奪戦が始まります。

そして、予告にあった謎の魔戒騎士とは新キャラなのか?

そこも踏まえて次回をお楽しみに!

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