牙狼ライブ! 〜9人の女神と光の騎士〜   作:ナック・G

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お待たせしました!第31話になります!

最近、僕の住んでいる地域でもようやく「FF14 光のお父さん」が放送されるようになりました。

FF14をやってなくても面白いと感じると思いましたし、やってたら尚更面白いと感じると思います。

余計にFF14から離れられない……(笑)

それはともかくとして、今回の話から新章に突入します。

タイトルは、「激動の学園祭編」になっています。

この章から牙狼サイドの話も大きく進めていくため、このようなタイトルをつけさせてもらいました。

そして今回はラブライブ!の第9話に突入します。

タイトルが給仕ということは、メイドさん。

メイドさんと言えば……?

それでは、第31話をどうぞ!




激動の学園祭編
第31話 「給仕」


オープンキャンパスが終わり、1週間が経過していた。

 

この頃にはオープンキャンパスの結果も出始めており、あちらこちらでオープンキャンパスが好評だったという噂を耳にするようになっていた。

 

「……それにしても、どこもかしこもオープンキャンパスの話で持ち切りだな……」

 

奏夜は、あちらこちらでオープンキャンパスの話をしている人たちの話を聞き流しながらこのように呟いていた。

 

《まぁ、オープンキャンパスは成功と言っても過言ではないからな。そんな噂が出るのも納得だろう》

 

(確かにそうだな。それに、俺たちにとってビッグニュースも飛び込んできたしな)

 

《あいつらも既に知ってるだろうが、その話を聞いたら喜ぶだろうな》

 

奏夜はμ'sのマネージャーとして、あるニュースを仕入れていたのだが、それは既に穂乃果たちも知っているだろうと思われた。

 

奏夜とキルバはテレパシーでこのような会話をしながらアイドル研究部の部室に入った。

 

「ういっす。来たぞ〜」

 

奏夜が部室の中に入ると、既に穂乃果、海未、ことり、凛、花陽の5人が来ていた。

 

「あっ、そーくん!聞いてよ!ビッグニュースだよ!ビッグニュース!!」

 

奏夜の姿を見かけた穂乃果は、興奮冷めやらぬ感じで奏夜に詰め寄っていた。

 

「落ち着けって。ニュースってのはオープンキャンパスが成功したってことだろ?」

 

「そうです!オープンキャンパスのアンケートの結果により、廃校の決定はもう少し様子を見てからになったそうなんです!」

 

「オープンキャンパスに来てくれた中学生の子たちがこの学校に興味を持ってくれた証拠だよな」

 

奏夜はオープンキャンパスの成功のニュースを改めて聞き、笑みを浮かべていた。

 

「ふっふ〜ん♪ニュースはこれだけじゃないんだよ?」

 

穂乃果は何故かドヤ顔でこう言うと、この部屋にあるもう1つのドアのドアノブに手をかけていた。

 

そして、穂乃果が扉を開けると、部室よりやや広めな教室に続いていた。

 

「じゃじゃーん!部室が広くなりました!!」

 

この部屋は元々空き教室だったのだが、μ'sの活躍が認められ、この部屋も部室として使用して良いと許可が下りたのである。

 

「これなら雨が降って屋上が使えなくてもここで練習出来るしな」

 

奏夜はこのニュースも既に知っていたのだが、それを言うと穂乃果が膨れっ面になりそうだったため、あえて黙っていたのである。

 

「うん!本当に良かったよねぇ!」

 

穂乃果は広くなった部室をクルクルと回りながら上機嫌になっていた。

 

すると……。

 

「……安心している場合じゃないわよ」

 

絵里が広い方の部室に顔を出すと、浮かれている穂乃果を注意していた。

 

「あっ、絵里先輩」

 

『絵里の言う通りだ。オープンキャンパスの成功などたいしたことではない。むしろここから生徒がたくさん集まらなければお前らの努力は無駄になってしまうということになる』

 

「そうならないためにも頑張らなきゃいけないのよ」

 

「はい……。ごめんなさい」

 

穂乃果はここでようやくオープンキャンパスの成功に浮かれている場合ではないことを思い知ったのだった。

 

絵里とキルバが奏夜たちの気を引き締めることを言っていたその時、何故か海未がいきなり泣き出していた。

 

「な、何泣いてるのよ……」

 

「泣いてなんかいません!嬉しいんです!キルバはともかくとして、まともなことを言ってくれる人がやっと入って来てくれました!」

 

海未は泣きながらも何故か嬉しそうに言っており、絵里のことを改めて歓迎するような発言をしていた。

 

「……それじゃあ凛たちがまともじゃないみたいじゃん!」

 

「……確かにそうだよな……」

 

海未の言葉は絵里以外の人間はまともではないと捉えることが出来るため、奏夜は苦笑いをしていた。

 

『それに、俺はともかくとはどういうことだよ……』

 

海未はキルバのことをスルーしていたのだが、どうやらキルバはそれが気に入らなかったようである。

 

「まぁ、それはともかく、練習を始めようか」

 

そうこうしているうちに希もやって来て、残りはにこと真姫だけのため、練習を始めようとしていた。

 

しかし……。

 

「……あ、ごめんなさい……。私、用事で……。だから、今日はこれで!」

 

ことりは用事があると宣言すると、逃げるように部室を後にしていた。

 

「?ことりの奴、なんか様子が変だよな……」

 

『確かにな。俺たちに隠れてこそこそ何かをやってることは間違いなさそうだ』

 

先ほどのことりの様子がおかしいということは誰の目にも明らかであり、奏夜は首を傾げていた。

 

そんなことりのことが気にならない訳ではない穂乃果たちであったが、それを忘れてしまうくらいに気になることがあった。

 

それは……。

 

「ねぇねぇ!見て見て!50位だよ!?50位!」

 

穂乃果たちはパソコンでスクールアイドルのサイトをチェックしていたのだが、前回のオープンキャンパスの反響が大きいからかランキングが50位にまで上昇していた。

 

「夢みたいです!」

 

この結果に、花陽は興奮しているようだった。

 

「本当に凄いわね!」

 

「絵里先輩が加わったおかげで女性ファンもついたみたいです」

 

「え?」

 

「確かに……。絵里先輩は背が高いし、足も長くて美人だし……。何より大人っぽい!さすがは3年生!」

 

「やっ、やめてよ////」

 

どうやら穂乃果のベタ褒めが恥ずかしくなったのか、絵里は頬を赤らめていた。

 

その時、たまたま部室に入ってきたにこも真姫も現れ、にこが絵里の横に並んでいた。

 

それをジッと見ていた奏夜は……。

 

(……確かに絵里先輩は大人っぽい雰囲気を出してるよな。それに比べて……)

 

奏夜は絵里とにこを見比べており、2人の体型の差に奏夜は可哀想なものを見る目をしていた。

 

そのことに気付いたにこは……。

 

「ちょっ!?そんな目で私を見るんじゃないわよ!」

 

奏夜に馬鹿にされていると感じていたにこは、偶然近くに置いてあった分厚い辞書を奏夜に投げつけていた。

 

「ふっ、甘いな!」

 

いつもいつも攻撃を食らう奏夜ではなく、今回はにこの投げつけた辞書をドッジボールの感覚でキャッチしていた。

 

「!?受け止めたにゃ!」

 

「ふふん。魔戒騎士の俺にそんなものを当てようなんざ、10年早……」

 

10年早い。そう言い切ろうとしたのだが、その前ににこが奏夜に接近していた。

 

そして……。

 

「ふんす!」

 

「いもぉ!?」

 

にこは奏夜に強烈なボディーブローをお見舞いし、それを受けた奏夜はその場でダウンしていた。

 

「奏夜……。油断したんですね……」

 

奏夜がにこのボディーブローを受けたのは、奏夜の油断から来たものと海未は予想しており、海未は苦笑いをしていた。

 

「ふん!」

 

自分の体型を馬鹿にされたにこは、ぷぅっと頬を膨らませながらそっぽを向いていた。

 

「そ、奏夜!!大丈夫なの!?」

 

いきなり奏夜がボディーブローを受けたのを見た絵里は、奏夜を心配そうに見ていた。

 

「エリチ。心配いらんよ。奏夜君にとってはこれが日常茶飯事やから」

 

「に、日常茶飯事って……」

 

こんなことが良くあるのかと思っていた絵里の表情は引きつっていた。

 

「ちょっ、ちょっと……。勝手に日常茶飯事にしないで下さいよ……」

 

奏夜はゆっくりと立ち上がりながら、希の言葉に異議を唱えていた。

 

「おぉ、もう立ち上がったんや。さすがは魔戒騎士。体は丈夫に出来てるなぁ」

 

希は、奏夜の体の丈夫さに改めて感心していた。

 

「そんなことはともかくとして、エリチはたまにおっちょこちょいなところもあるんよ。この前なんておもちゃのチョコを本物のチョコと間違えて食べそうになったり」

 

「そ、そんなことって……」

 

「ちょっ、ちょっと!希!////」

 

先ほどの日常茶飯事の話を流された奏夜は唖然としており、絵里は思いがけないことをバラされて顔を真っ赤にしていた。

 

『それにしても、絵里のやつはずいぶんと丸くなった気がするな。奏夜と衝突していたのが嘘みたいだぞ』

 

今の絵里は当時は絶対に見せなかった表情をしているため、そのことにキルバは驚いていた。

 

「確かに。あの頃の絵里先輩は本当に無理してたんだな。きっと、今の絵里先輩がありのままの絵里先輩なんだよ、きっと」

 

奏夜は、絵里がμ'sに加入したことにより、無理をする必要がなくなり、ありのままの姿に戻ることが出来たのだろうと予想していた。

 

「でも、本当に綺麗だよねぇ……。よし、ダイエットだ!」

 

「もう聞き飽きたにゃ!」

 

「確かに……。する気もないくせによく言うよ……」

 

穂乃果は何かがある度にダイエット宣言をしていたため、そんな穂乃果に凛と奏夜はげんなりとしていた。

 

「むぅぅ……!今度こそは本当に本当なんだからね!」

 

自分の発言にげんなりとしている凛と奏夜が気に入らないからか、穂乃果はぷぅっと頬を膨らませていた。

 

「だけど、ここからが大変よ。上に行けば行くほどファンはたくさん出来るんだから」

 

真姫は、スクールアイドルとして、これからは今まで以上に気を引き締めなければならないことを伝えていた。

 

「そうね……。確かに、短期間で順位を上げるためには、何か思い切った手が必要ね……」

 

「思い切った手か……」

 

現在μ'sのランキングは50位。

 

ラブライブ出場のためにはランキングを20位以上にならなければならない。

 

しかし、トップ20になろうとするならば、生半可な方法では上手くいかないだろう。

 

今以上にμ'sの存在を知ってもらうため、斬新かつ大胆な策を立てる必要があった。

 

奏夜はその方法を真剣に考えていたのだが……。

 

『……奏夜。考え事しているところ悪いが、番犬所から呼び出しだぞ』

 

「……もしかして、指令か?」

 

『さぁな。それは行ってみないとわからんな』

 

「そうだよな……。みんな、悪いけど、俺は番犬所に行かなきゃいけないから、帰らせてもらうな」

 

指令があるかどうかはまだわからないものの、番犬所から呼び出されたため、奏夜は番犬所へと向かうことになった。

 

「……奏夜……。また、あのホラーとかいう怪物と戦いに行くの?」

 

「まぁ、本当に指令だったらそうなりますかね」

 

「……」

 

絵里は、奏夜と尊士との戦いを思い出していたからか、不安そうな表情をしていた。

 

「……大丈夫ですよ。俺はどんなホラーが相手だろうと負けません。俺を信じて下さい」

 

奏夜は、不安がる絵里を安心させるために力強い言葉を送っていた。

 

「……わかったわ。奏夜、信じてるからね」

 

「はい」

 

「そーくん。気を付けてね」

 

「あぁ。それじゃあ、行ってくるな」

 

こうして奏夜はアイドル研究部の部室を後にすると、そのまま番犬所へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

 

 

「……おっ、来ましたね、奏夜」

 

奏夜が翡翠の番犬所に到着すると、ロデルは奏夜の到着を待っていた。

 

番犬所には奏夜だけではなく、大輝にリンドウ。さらには統夜も顔を出していた。

 

「と、統夜さん!?来てたんですか?」

 

「まぁな。とりあえずロデル様の話を聞いてくれ」

 

何故統夜が翡翠の番犬所にいるのか。ロデルが直接説明することになっていた。

 

「今日みんなに集まってもらったのは他でもありません。統夜から報告を受けた魔竜ホラー、ニーズヘッグについてです」

 

「……統夜から話は聞いたが、どうやら事態は深刻なようだな」

 

「えぇ。統夜の報告によると、ニーズヘッグを蘇らそうとしているのは、ジンガと名乗る男のようです」

 

「確か、ニーズヘッグを蘇らせるために魔竜の眼と、この魔竜の牙を狙っているんですよね?」

 

奏夜は魔法衣の裏地から絵里に受け取ったネックレス……魔竜の牙を取り出して見せていた。

 

「そのようです。ジンガと名乗る男の野望を阻止し、ニーズヘッグの復活を阻止するのです。ちなみにこれは元老院からの依頼でもあり、他のホラー討伐よりも最優先事項となっています」

 

ジンガの野望を阻止することこそ、元老院から下された指令であり、この場にいる全員の協力で当たるべき仕事であった。

 

「だが、この仕事はそう簡単にはいかないぞ」

 

「そうですね。ジンガと名乗る男の部下である尊士という男は、奏夜を圧倒しました。ですから、ジンガと名乗る男の実力は未知数です」

 

「ま、やるしかないだろう。ニーズヘッグが復活したらかなりやばいことになるんだろう?」

 

「リンドウの言う通りだ。これ以上、奴らの好きにさせてたまるかよ……!」

 

統夜は本気でニーズヘッグの復活を阻止したいと考えているようであり、その瞳からは覚悟を感じ取ることが出来た。

 

「ですから、元老院から応援の魔戒騎士を派遣を申請しました。いつになるかはわかりませんが、応援の魔戒騎士が来たら協力して事に当たって下さい」

 

「え?統夜さんも一緒なのに、応援……ですか?」

 

「統夜は元老院ではなく、紅の番犬所付きの魔戒騎士ですからね。彼とは別に正式な元老院付きの魔戒騎士の応援が必要だろうと私が判断したのです」

 

統夜が元老院付きの魔戒騎士であるならば、統夜だけを派遣すれば良い話なのだが、元老院からの応援も必要だろうとロデルは判断したため、応援を要請する事にしたのだった。

 

「まぁ、やばい敵が相手なんだ。味方は1人でも多い方がいいよな」

 

「確かにな。そこは俺も思っていた」

 

「そういうことです。統夜、あなたにはジンガと尊士。両名の追跡と調査。さらには奴らが狙っている魔竜の眼の捜索をお願いします」

 

「……わかりました。この仕事は元老院からも与えられた仕事です。確実にこなしてみせます」

 

統夜はジンガと尊士に遭遇後、元老院にも事の顛末を報告したのだが、そこでもジンガと尊士の調査や、魔竜の眼の捜索を依頼されていたのであった。

 

「頼みましたよ、統夜。後の皆さんはこれまで通りホラー討伐に当たって下さい。今日は指令はありませんが」

 

奏夜たちは翡翠の番犬所付きの魔戒騎士として、いつも通り仕事をするように申し伝えがあった。

 

「……この件に関しては何かわかりましたらすぐに情報を共有したいと思いますので、よろしくお願いしますね」

 

「「わかりました!」」

 

「「了解した」」

 

奏夜たちはロデルに一礼すると、そのまま番犬所を後にした。

 

本来ならばここでそれぞれ解散となり、街の見回りに向かうところなのだが……。

 

「……なぁ、お前ら。この後、時間あるか?」

 

大輝はこのようなことを言っており、奏夜、リンドウ、統夜の3人は足を止めていた。

 

「……?どうしました?大輝さん」

 

「お前さんからそんなことを言うのは珍しいじゃないか。一体どうしたんだ?」

 

大輝が唐突に話を切り出してきたことに奏夜は驚いており、リンドウは興味津々な感じで話を聞こうとしていた。

 

「……実は最近、時々ではあるが、メイド喫茶に行くようになったんだ」

 

「!?だ、大輝さんが……ですか!?」

 

「ほぉ……」

 

大輝からのまさかの告白に、奏夜は驚愕しており、リンドウは意外な事実にニヤニヤしていた。

 

「アハハ……。もしかして大輝さん、あの時のことがきっかけで……」

 

どうやら統夜は、大輝がメイド喫茶にハマったきっかけを知っているようであり、苦笑いをしていた。

 

何故、統夜は大輝がメイド喫茶にハマったきっかけを知っているのか?

 

(詳しくは「牙狼×けいおん 白銀の刃」 UA30000記念作品「日常」を参照してください!) ←宣伝 乙w

 

「それでな、俺の行きつけの店に最近伝説のメイドと呼ばれた「ミナリンスキー」なるメイドがいるみたいなんだ。最近騎士の仕事が忙しくてメイド喫茶に行けてないし、たまには行きたいと思っててな」

 

どうやら大輝はミナリンスキーというメイドに会いたいらしいため、メイド喫茶に行きたいようである。

 

「ミナリンスキー?どこかで聞いたことがあるような……」

 

『そういえば、にこが部室に飾ってたサイン色紙を書いたのがそんな名前じゃなかったか?』

 

「そうだそうだ。本物かどうかは謎だけど、サイン色紙が置いてあったんだよな」

 

アイドル研究部の部室に飾ってあったサインを書いたのが大輝の話していたミナリンスキーなのだが、ネットで仕入れたもののため、本物かどうかは謎であった。

 

「これからだって例の事件が絡んできてより忙しくなるだろ?だから、行っておこうと思ってるのだが、お前らも一緒に行かないか?」

 

大輝はどうやら奏夜たちと一緒にミナリンスキーがいると思われるメイド喫茶に行きたいみたいだった。

 

そんな大輝の提案を聞いた奏夜たちは……。

 

「……わかりました。大輝さんが一緒に行きたいと言うならご一緒します」

 

「俺も行こう。なんだか面白そうだしな」

 

「俺もいいですよ。例の調査をするのもメイド喫茶に行ってからでも遅くはないですし」

 

理由はそれぞれなのだが、大輝の提案を二つ返事で承認していた。

 

「……すまないな。それじゃあ、行こうか」

 

こうして奏夜たちはメイド喫茶に行くことになり、大輝の先導でメイド喫茶へと向かっていた。

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

 

 

大輝の行きつけのメイド喫茶は、秋葉原某所にあった。

 

この場所は秋葉原の中でもメイド喫茶やゲームセンター、さらにアニメショップやアイドル専門店などサブカルチャーに突出したエリアであった。

 

この辺にはメイドの格好をした女性や、アニメなどのコスプレをしている人もいたため、魔法衣を着た奏夜たちが歩いていても特に目立つことはなかった。

 

大輝は慣れた感じでメイド喫茶の中に入っていき、奏夜たちはその後を追って店の中に入っていった。

 

「「……お帰りなさいませ!ご主人様!」」

 

メイド喫茶の中に入るなり、近くにいた2名のメイドが挨拶をしていた。

 

「おう。帰ったぞ!」

 

「大P!久しぶり!!最近全然お店に来てくれないから心配してたよぉ〜!」

 

「悪い悪い。仕事の方が忙しかったからな」

 

「大P!本当に待ってたよぉ〜!」

 

「アッハッハ!だいぶ待たせちまったみたいだな!」

 

大輝はどうやらこの店の常連になっているようであり、出迎えをしてくれた2人のメイドは大輝に歩み寄り、親しげに話をしていた。

 

そして大輝も、奏夜たちには見せたことのない表情をしながら、メイドにデレデレしていた。

 

「「……ま、真面目で厳格な大輝さんのイメージが……」」

 

奏夜にしてみても、統夜にしてみても、大輝が先輩騎士であることに変わりはなく、そんな大輝の別の一面に唖然としていた。

 

「ほぉ、大輝の奴、こんな一面があるとはな」

 

リンドウは大輝の知られざる一面を見てもそこまで驚くことはなく、むしろ面白がっていた。

 

「ねぇねぇ、大P!みんな大Pと似た格好をしてるけど、同僚さんなの?」

 

「ま、そんなところだな」

 

さすがの大輝も自分が魔戒騎士であることは明かしてはいないようで、奏夜たちのことは同僚と説明していた。

 

「ちょうど良かった!今凄く人気のある子がいるんだ。今来ると思うから、大Pやみんなにも紹介するね!」

 

メイドの1人が言っていたのは恐らくは先ほど大輝が話していたミナリンスキーと呼ばれているメイドであると思われた。

 

このような話をしている内に1人のメイドが奏夜たちの来客に気付いてこちらにやって来たのだが……。

 

「お帰りなさいませ!ご主人様……さ……ま……」

 

そのメイドは笑顔で奏夜たちを出迎えたのだが、奏夜の顔を見るなり固まってしまっていた。

 

どうやらそれは奏夜も同様であり、メイドの顔を見た瞬間ポカンとしてしまっていた。

 

その理由は……。

 

「そ……そーくん!?」

 

「こ、ことり!?」

 

奏夜たちの前に現れたメイドの正体がなんとことりだったからである。

 

驚いていたのは奏夜だけではなく、統夜も驚いていた。

 

「お、お前がどうしてここに?」

 

「あれぇ?ミナリンスキーちゃん。この人たちの知り合いなの?」

 

「だとしたら凄いね!だって、ミナリンスキーちゃんは伝説のメイドって呼ばれているんだもん!」

 

「あ、あぅぅ……」

 

どうやら伝説のメイドと呼ばれたミナリンスキーの正体こそが、ことりであり、ことりはそのことを知られたくはなかったようであった。

 

だからことりはバツが悪そうにしていたのだが、奏夜は最近ことりがみんなに内緒で何かをしていると察していたため、そのことに納得していた。

 

「とりあえず、こちらへどうぞ!ご主人様!」

 

立ち話をする訳にもいかなかったため、2名のメイドは奏夜たちを席まで案内してくれた。

 

奏夜と統夜の2人はことりと話をするために席を用意してもらい、リンドウと大輝は本来の目的を楽しむことにしていた。

 

「……あ、あのね、そーくん!私がここでバイトしてることはみんなには……」

 

どうやらことりはここでバイトをしていることを口外されたくないみたいだった。

 

「……どうしてだ?遅かれ早かれバレそうなものだけどな」

 

「それに、ことりが伝説のメイドだなんて、みんなが知ったら驚くと思うけどな」

 

奏夜と統夜は、わざわざ隠し立てするようなことではないのでは?と思っていたため、ここまでことりが必死なことに首を傾げていた。

 

「だって……」

 

ことりは俯きながらこう呟き、答えようとはしなかった。

 

ことりはことりなりに悩み、何かしらの事情があってここで働いているのだろう。

 

奏夜と統夜はこのように判断することが出来たのであった。

 

「……わかったよ。みんなにバレるまではこのことは秘密にしておくよ」

 

「本当!?」

 

「嘘はつかないって。本当だよ」

 

奏夜は穏やかな表情で笑みを浮かべながらこう答えていた。

 

「俺も黙っておくよ。一応唯たちにも内緒にしておくな。あいつらがバラす可能性もあるし」

 

「統夜さん……。ありがとうございます!」

 

統夜もまた、ことりの秘密を黙っておくことを約束し、ことりはそんな統夜にお礼を言っていた。

 

「ま、そういうことだ。ことり、せっかくだから接客をしてくれないか?」

 

「そうだな……。伝説のメイド、ミナリンスキー。その手並みを拝見するのもまた一興か」

 

「かしこまりました!」

 

ことりは席を立つと、接客の準備を始めて、すぐさまこちらへ戻ってきた。

 

「お待たせいたしました。こちら、メニューになります」

 

「「は、はい……」」

 

ことりはメニュー表を持ってきたのだが、奏夜と統夜は、呆然としながらもメニューを受け取っていた。

 

「ただ今、お冷やをお持ち致します」

 

ことりは100点満点の接客スマイルをしながら一礼をすると1度離れて、水を持ってきてくれた。

 

奏夜と統夜はせっかくだからとオムライスを注文した。

 

注文を受けたことりは厨房へと移動し、注文の内容を伝えていた。

 

オムライスが来るまでの間、奏夜と統夜は別の席にいる大輝とリンドウの様子を見ていた。

 

すると、リンドウは煙草を吸いながらご満悦といった感じであり、大輝に至っては、可愛いメイドを前にデレデレしていた。

 

今回、大輝の知られざる一面を垣間見た奏夜と統夜は引きつった笑顔で苦笑いをしていた。

 

そんな中、注文していたオムライスが運ばれ、ことりがケチャップを使ってイラストを描く。

 

そのイラストはとても可愛らしいイラストであり、奏夜と統夜は思わず携帯を取り出すとイラストが描かれたオムライスの写真を撮っていた。

 

「こ、これが、伝説のメイド……」

 

「ミナリンスキー……」

 

奏夜と統夜は、伝説のメイドと呼ばれたことりの接客に、思わず心を奪われそうになっていた。

 

一通りの接客を終えたことりは、大輝とリンドウの接客を行うためにそちらへと向かっていった。

 

「……何ていうか……。危なかったな。思わず俺までメイド喫茶にハマりそうになっちゃったよ」

 

「統夜さんもですか?実は俺もです……」

 

どうやら奏夜と統夜はことりの接客が良すぎたからか、メイド喫茶にハマりそうになっていたのである。

 

その後ことりは大輝とリンドウの接客も行っていたのだが、その2人も、思わずことりの接客に夢中になりそうになっていた。

 

こうして、奏夜たちはメイド喫茶を心ゆくまで堪能したところでメイド喫茶を後にした。

 

奏夜、大輝、リンドウの3人は別れて街の見回りを行うことになり、統夜はメイド喫茶で別れると、ジンガや尊士についての調査を行うためにどこかへと向かっていった。

 

ことりが穂乃果たちには内緒でメイド喫茶でバイトをしている訳なのだが、何故ことりはメイド喫茶でバイトをしているのか?

 

それは、これから明らかになっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

……続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

__次回予告__

 

『ことりの奴がメイドをやっていることにも驚きだが、そんなことを思っていたとはな……。次回、「小鳥」。産毛の小鳥は空に羽ばたけるのか?』

 




大輝キャラ崩壊(笑)

今作では出番の少ない大輝ですが、意外な一面が明らかになったと思います。

前作である「牙狼×けいおん 白銀の刃」を読んでいる人なら驚くとは思いますが、今作のみ読んでいる方も、大輝はこんな感じのキャラなんだなと言ったことがわかったかと思います。

そして、奏夜だけじゃなくて統夜までもがことりに夢中になりかけて……(笑)

ことりは奏夜に口止めをしていましたが、次回、一体どうなってしまうのか?

それでは、次回をお楽しみに!

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