牙狼ライブ! 〜9人の女神と光の騎士〜   作:ナック・G

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お待たせしました!第35話になります!

FF14の話になりますが、昨日、2ジョブ目として育てていた忍者のレベルがマックスになりました。

これで、絶狼の鎧を装備出来る!

主人公の名前を統夜の名前にしているので、統夜、牙狼に次いで絶狼の鎧を身に纏うというすごい展開になりました。

次は、キバ装備を目指して頑張ろうと思います。

もちろん、こっちの執筆も頑張りますが……(笑)

さて、今回は前回に続いて合宿回となっております。

真姫の別荘で、いったいどのような合宿が行われるのか?

それでは、第35話をどうぞ!






第35話 「先輩」

夏休みに突入し、奏夜たちはより良い練習を行うために合宿を行うことになった。

 

合宿を行うには色々と問題があったが、それを1つずつ解決していった。

 

まず予算の問題は、真姫が家の人間に相談し、別荘を使わせてもらえることになったので、解決することが出来た。

 

続けては奏夜が合宿に参加出来るかどうかの問題である。

 

魔戒騎士の仕事が忙しくなると思われた奏夜は、翡翠の番犬所の神官であるロデルに相談するのだが、ロデルは奏夜の合宿行きを即了承していた。

 

そのため、この問題もあっさり解決となり、合宿が行えることになったのである。

 

合宿当日を迎え、奏夜たちは東京駅から別荘へ向かっていったのだが、合宿を行うにあたって、絵里から1つの指令が言い渡された。

 

それは、「先輩禁止」である。

 

スクールアイドルグループ、「μ's」のメンバーとして、先輩後輩の垣根を取り除くことが目的となっている。

 

こうして奏夜たちは合宿が行われる真姫の別荘へとたどり着いた。

 

「凄いよ、真姫ちゃん!」

 

「このお家、すっごく大きいにゃあ!!」

 

「確かにな。近くにあったあの建物より小さいとか言ってたけど、全然そんなことないじゃないか!」

 

真姫の別荘を見て、穂乃果、凛、奏夜の3人は驚いていた。

 

奏夜がある建物と比較してこのようなことを言っていたのだが、ここへ来る前に奏夜たちは別の大きな建物を見つけていたのだが、その建物のことは真姫にもわからないみたいだった。

 

「そう?これくらい普通でしょ?」

 

(おいおい、これを普通と言うとか、金持ち半端ねぇな……)

 

これだけ大きい建物を普通と言ってしまう真姫の感覚に、奏夜は呆れていた。

 

「……ぐぬぬ……」

 

そんな中、真姫の別荘を見て、にこは何故か悔しそうにしていた。

 

「……にこ、何でそんなに悔しそうにしてるんだ?」

 

「べ、別に!あんたには関係ないでしょ?」

 

「さいですか……」

 

にこは慌ててツンツンしながら答えていたのだが、奏夜はにこの言葉を聞いたら、それ以上の追求はやめておいた。

 

その後、奏夜たちは別荘の中に入り、荷物を置くと、別荘の中を見て回ることになった。

 

「……おぉ、これはこれは……」

 

「すごーい!」

 

まず最初に見たのは個室なのだが、そこを見ていた奏夜、穂乃果、海未、凛の4人は驚いていた。

 

「穂乃果、こことーった!!」

 

穂乃果はフカフカのベッドにダイブして、くつろいでいた。

 

「フカフカぁ♪それにすっごく広いよ!」

 

穂乃果は、フカフカのベッドにご満悦のようであった。

 

「凛はここ!海未先輩も早く取った方がいいよ!……あっ」

 

凛もまた自分の場所を確保するのだが、海未にこう勧める時にもついいつもの癖で「海未先輩」と呼んでしまっていた。

 

「……やり直しですね」

 

そんな凛に海未はクスリと笑みを浮かべながらやり直しを要求していた。

 

「うっ、うん!海未ちゃん……穂乃果ちゃん……」

 

凛は海未だけではなく、穂乃果の名前も呼んだのだが、反応はなかった。

 

「……すぅ……すぅ……」

 

何故なら、この短い期間で眠ってしまっているからである。

 

「寝るの早っ!」

 

穂乃果がかなりのスピードで寝てしまったことに対して、奏夜はツッコミを入れていた。

 

「……こんなところで寝るんじゃないっつうの!」

 

奏夜は軽い力で穂乃果にチョップをして穂乃果を叩き起こしてから、違う場所へと移動していた。

 

続いて移動したのは厨房であった。

 

「……ふーん……。なかなか凄いな……」

 

奏夜は広い厨房に、豊富な食材を見て、驚きと興味を示していた。

 

奏夜が厨房をキョロキョロと見回していると……。

 

「あっ、そーくん!」

 

先に厨房を見ていたことりが奏夜を発見して、声をかけてきた。

 

ことりの他には真姫とにこも一緒だった。

 

「おう、ことり。ここにいたんだな」

 

「ねぇねぇ、そーくん!凄いよ!真姫ちゃんのお家には料理人がいるんだって!」

 

「ふーん、料理人ねぇ……。そりゃ、確かに凄いよな」

 

「別に……。そんなに驚くことじゃないと思うけど」

 

「いやいや……。家に料理人とか普通の家にはいないから!」

 

「そういうもんなの?」

 

どうやら真姫は、家に料理人がいるのは普通のことだと思っていたらしい。

 

「へ、へぇ……。ま、真姫ちゃんの家もそうだったんだ〜。にこの家にも専属の料理人がいるのよねぇ。だ、だからにこは、料理をしたことがないのよ」

 

「にこ……あからさまな嘘をつくなよ……」

 

にこは強がってこのような嘘をついており、そのことに奏夜は呆れていた。

 

「へぇ、にこ先輩もそうなんだねぇ」

 

「って、ことり!真に受けるなよ!そして、にこのこと先輩って呼んでるぞ」

 

「あっ!」

 

奏夜の二重のツッコミに、ことりはどうやらハッとしていたようであった。

 

「……やり直しね」

 

「うん。ごめんね、にこちゃん」

 

「よろしい」

 

にこは穏やかな表情で笑みを浮かべていた。

 

こうして厨房を見て回った奏夜たちは厨房を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

 

 

奏夜たちは別荘内を一通り見て回ると、練習着に着替えて、外に集まった。

 

練習を始める前に、海未が合宿の練習メニューを考えていたようだからである。

 

「……これが、合宿での練習メニューになります!」

 

海未の作った練習メニューを見て、奏夜以外の全員がギョッとしていた。

 

ランニング10キロや筋トレ20セットにダンスレッスンなど、かなりハードな練習メニューとなっていたからである。

 

「凄い……こんなにびっしり?」

 

ことりは海未のメニューに驚愕する中、何故か水着を着ている穂乃果、凛、にこの3人は面白くなさそうであった。

 

「……っていうか、海は?」

 

「?私ですが?」

 

「おいおい。それ、素で言っているのかよ……」

 

海未の天然とも言える発言に、奏夜は少しばかり呆れていた。

 

「そうじゃなくて!海だよ!海水浴だよ!」

 

「おいおい、遊びに来たんじゃないんだぞ……」

 

「奏夜の言う通りです!それに、海で泳ぐのなら……」

 

海未は練習メニューのある部分を指差すと、そこには「遠泳 10キロ」と書かれていた。

 

「えっ……遠泳……!?10キロ!?」

 

「さらにその後ランニング10キロ!?」

 

あまりにハードな練習メニューに、穂乃果とにこの顔は真っ青になっていた。

 

「最近、基礎体力をつける練習が減っています。せっかくの合宿ですし、ここでみっちりとやっておいた方がいいかと!」

 

どうやら海未は1人やる気みたいであり、そのやる気が空回りしつつあった。

 

「そ、それは重要だけど……。みんな持つかしら?」

 

さすがの絵里もこのメニューには引いているようであり、そんな絵里の言葉に穂乃果、凛、にこの3人は期待を込めてウンウンと頷いていた。

 

「大丈夫です!熱いハートがあれば!」

 

「アハハ……。熱いハートって……」

 

海未があまりにもやる気満々なため、奏夜は苦笑いをしていた。

 

「奏夜!あなたはどう思いますか?この練習メニューは」

 

「うーん……。そうだなぁ……」

 

奏夜は練習メニューを見て、少し考え込んでいた。

 

すると……。

 

「……魔戒騎士の俺から言わせてもらえればぬるすぎるな。せめてこれの3倍……いや、5倍はこなさないと」

 

『!!?』

 

奏夜はさらっととんでもないことを言っており、そんな奏夜に海未を含む全員が驚愕していた。

 

さすがの海未も、これの5倍をこなすのは無理だと思っていたからである。

 

「……まぁ、魔戒騎士としての視点を無しにしても、これの2倍くらいはやった方がいいんじゃないのか?」

 

奏夜はそれでも今の2倍は練習をこなした方がいいと言っていた。

 

「……だ、ダメだこいつ……。早くなんとかしないと……」

 

海未以上に奏夜の発言がとんでもないため、にこはドン引きしていた。

 

このままでは地獄のような練習メニューをこなすことになってしまう。

 

そうならないために穂乃果、凛、にこの3人がとった行動は……。

 

「……あー!!海未ちゃん!あれは何にゃ?」

 

「?何もありませんが……」

 

凛が海未の視線をそらしたその時であった。

 

「今だ!!」

 

「行っくよ〜!」

 

「行っくにゃぁ!!」

 

一瞬の隙をついた穂乃果とにこが海の方へと向かっていき、それに呼応して、ことり、花陽、凛もまた、海へと向かっていった。

 

「あ、あなたたち!ちょっと!!」

 

「……まぁ、仕方ないわね」

 

「え?いいんですか?絵里先輩……」

 

「……って、違うだろ?海未」

 

「あっ……」

 

海未は思わずいつものように絵里のことを先輩とつけて呼んでいたのだが、そのことに気付いたようだった。

 

「そうそう♪禁止って言ったでしょ?」

 

「すみません……絵里」

 

「μ'sはこれまで、部活の側面が強かったから、こんな風に遊んで、先輩後輩の垣根を取るのも、重要なことよ」

 

「うんうん。俺もそこは大事だと思うぞ」

 

「絵里……奏夜……」

 

絵里の言葉に奏夜が賛同しており、海未もそんな絵里の言葉に「うーん」と考え込んでいた。

 

その時であった。

 

「おーい!海未ちゃん!絵里ちゃん!!」

 

こう言って2人を呼んでいたのは花陽であった。

 

「へぇ、花陽のやつ、先輩禁止が板についてきたみたいだな」

 

そんな花陽を見て、奏夜はウンウンと頷いていた。

 

「は〜い!……さぁ、海未。私たちも行くわよ♪」

 

「は、はい!」

 

こうして奏夜たちは練習を後回しにして、海で遊ぶこととなった。

 

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

穂乃果、凛、にこ以外の3人が水着に着替えると、楽しそうに海へと向かっていった。

 

「やれやれ……」

 

奏夜もまた、茶色いトランクス型の海パンをはいて、白いパーカーを羽織っていた。

 

万が一に備え、魔法衣も持ってきており、奏夜は魔法衣を抱えながら海へと向かっていった。

 

『おい、奏夜。本当にいいのか?好き勝手に遊ばせておいて』

 

「いいんだよ。さっきも絵里が言ってたろ?先輩後輩の垣根を取るのも大事だって。それに……」

 

『それに?』

 

「こうやって9人揃って遊ぶことってそうあることじゃないだろ?これもまた、μ'sの絆を深めるのに大事なことなんだよ」

 

『……ま、それならそれで良いのだがな』

 

キルバも納得したところで、奏夜は海に向かっていった。

 

『……おい、奏夜。もし海で遊ぶなら俺は置いていけよ。海水を浴びて俺の体が錆びるのだけは避けたいからな』

 

「ソウルメタルで出来てるお前が海水如きで錆びたりはしないだろうが……」

 

奏夜の言う通りキルバの体はソウルメタルで出来ており、海水を浴びたくらいでは錆びたりしないのだが、キルバは海水を浴びたくないようであった。

 

奏夜はパラソルの下に敷いてあったレジャーシートに腰を下ろすと、海で遊ぶ穂乃果たちを眺めていた。

 

「……なぁ、キルバ」

 

『?どうした、奏夜』

 

「俺たちは海に来ているってことはみんな水着を着て遊んでいるということだよな?」

 

『何当たり前なことを言っているんだよ』

 

「俺の目の前にはμ'sの名前に相応しい9人の女神の水着姿……。なんだか、かなり贅沢なことだよな……」

 

奏夜は今、海で遊ぶ穂乃果たちを見ていたのだが、バシャバシャと互いに水をかけ合っていた。

 

さらにはことりが水鉄砲を使って凛やにこに攻撃をしてご満悦になっていた。

 

希はその様子をビデオカメラに収めており、これは眼福と言っても言い過ぎではない光景であった。

 

『……ったく……。お前はかなりの変態だよ、奏夜……』

 

「……キルバ。何か言ったか?」

 

『いいや、何も言ってないぞ』

 

「?」

 

キルバの呟きを奏夜は聞き取れなかったみたいであり、奏夜は首を傾げていた。

 

すると、全員の輪に入ろうとしないで、1人ビーチチェアで本を読んでいる真姫の姿を発見した。

 

「ったく……。あいつは……」

 

そんな真姫を見かねた奏夜はゆっくりと立ち上がると、真姫の方へと向かっていった。

 

「……真姫。みんなと遊ばなくてもいいのか?」

 

「……別に。私はそんな気分じゃないだけよ」

 

真姫は淡々と答えると、奏夜の方に視線を向けることなく本を読んでいた。

 

「ったく……。お前も素直じゃないよな。あの輪に入ればみんな受け入れてくれるだろうに」

 

「うっ、うるさいわね!別にいいでしょ?」

 

みんなの輪に入ればみんなは受け入れてくれる。

 

そんなことは真姫もわかってはいたのだが、素直になれないみたいであり、真姫はついこのようにツンツンした態度を取ってしまっていた。

 

「……そんなに壁を作る必要はないと思うけどな。真姫だって本当はみんなと一緒に遊びたいんだろ?」

 

「うっ……」

 

どうやら奏夜の言葉は図星のようであり、真姫は言葉を詰まらせていた。

 

「そういった奏夜こそ、私なんかに構ってないでみんなのところに行けばいいのに」

 

「いーや。そうはいかんな。俺はμ'sのマネージャーとして、お前1人を蚊帳の外にする訳にもいかんからな」

 

「はぁ?あんた、何を言って……」

 

どうやら奏夜は真姫が動かない限りは動くつもりはないようであり、奏夜の言葉に真姫は困惑していた。

 

すると……。

 

「おーい!そーくん!真姫ちゃん!!」

 

「そんなところにいないで、一緒に遊ぶにゃあ!!」

 

ビーチチェアにいる奏夜と真姫を発見した穂乃果と凛が、2人を呼んでいた。

 

「おう!今行く!……さてと……」

 

奏夜は羽織っていたパーカーを脱ぐと、魔法衣と一緒に空いているビーチチェアに置いていた。

 

「あっ……////」

 

真姫は、奏夜の鍛えられた肉体を見て、少しだけ恥ずかしくなったからか、頬を赤らめていた。

 

奏夜は魔戒騎士のため、かなり鍛えられているのだが、ムキムキという訳ではなく、理想的な細マッチョな体型であった。

 

「……ほら、真姫。俺たちも行くぞ」

 

「えっ?ちょ、ちょっと!奏夜!!」

 

奏夜は半ば強引に真姫の手を引くと、そのまま真姫を連れて穂乃果たちの輪の中に入っていった。

 

『おい、奏夜!俺は置いていけと言っただろう!?』

 

「ダメだ。キルバ、お前だってμ'sのメンバーみたいなものなんだからな」

 

「そうだよ!どうせならキー君も一緒じゃないと!」

 

『おい、穂乃果!俺をそんな変なあだ名で呼ぶな!』

 

キルバは、穂乃果やことりに「キー君」と呼ばれており、そう呼ばれるのが気に入らないようである。

 

そんなキルバをスルーしつつ、穂乃果は海の中に入ってきた奏夜や真姫に海水をバシャバシャとかけていた。

 

「やっ……やったわね!」

 

「真姫、反撃行くぞ!」

 

「わかってるわよ!」

 

奏夜と真姫は、反撃と言わんばかりに海水を穂乃果と凛に海水をバシャバシャとかけて、互いに応酬が行われていた。

 

『や、やめろ!だから俺は海水は……。ブクブクブク……』

 

奏夜が水をバシャバシャする度にキルバは海水の中に叩きつけられることになり、キルバは苦しそうにしていた。

 

「アハハ!」

 

「楽しいにゃあ♪」

 

「このぉ!お返しよ!」

 

どうやら水をかけられたことにより、真姫にもスイッチが入ったようであり、穂乃果や凛と水の掛け合いを楽しんでいた。

 

「……ウンウン。それで良いんだよ……」

 

ムキになりながらも楽しく遊ぶ真姫を見て、奏夜は穏やかな表情で笑みを浮かべていた。

 

『俺は全然良くないがな……』

 

先ほどから海水の洗礼を受けたキルバは、フラフラになっていた。

 

奏夜が穂乃果たちを見守っていると……。

 

「……奏夜君♪ボケっとしててええんかな?」

 

希がニヤニヤしながらこう言うと、ことりの水鉄砲が奏夜に向いていた。

 

「こ、ことり……。は、話せばわかる!」

 

奏夜はどうにか水鉄砲の一撃を受けないように交渉をするのだが……。

 

「……問答無用♪」

 

ことりは満面の笑みを浮かべながら奏夜に向かって水鉄砲を放った。

 

「アブぅっ!!」

 

ことりの水鉄砲を顔面に受けた奏夜はその場でダウンしてしまった。

 

奏夜はすぐに起き上がるのだが、ことりと希はそんな奏夜を見て大笑いしていた。

 

「……ハラショー♪」

 

そして絵里も、全員が楽しそうに遊んでいるのを見て、嬉しそうにしていた。

 

その後は全員でスイカ割りをしたり、海で泳いだり、砂で何かを作ったりと楽しんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

 

夕方まで思い切り遊んだ奏夜たちは、別荘の中に戻り、着替えを済ませると、練習は行わずリビングでのんびりしていた。

 

すると……。

 

「……買い出し?」

 

「うん。だけど、ここからスーパーが遠いんだって」

 

夕食を食べるためには食料を調達するために買い出しに行かなければならないのだが、この別荘からスーパーまではかなりの距離があるみたいだった。

 

「……だったら私が行くわ」

 

すると、真姫がスーパーまで買い出しに行くことを告げていた。

 

「私以外に店の場所は知らないでしょ?」

 

真姫がこう言う通り、他のメンバーはこの辺りの地理には詳しくないため、買い出しには真姫が行かざるを得ない状況であった。

 

そんな中……。

 

「だったらウチもお供するわ」

 

買い出しに、希が同行することを申し出ていた。

 

「え?」

 

希が積極的に買い出しに同行しようと言うとは思わなかったからか、真姫は困惑していた。

 

「たまにはええやろ?こんな組み合わせも」

 

希が買い出しに同行するのは何か狙いがあるみたいであった。

 

「……俺も行くよ。荷物持ちは出来るし、暴漢がいないとも限らないしな」

 

奏夜は、荷物持ちと2人の護衛という名目で買い出しに同行することにした。

 

こうして、奏夜、真姫、希の3人は離れたところにあるスーパーにて買い出しを行い、残りのメンバーは留守番することになった。

 

「……おぉ、夕日が綺麗やね!」

 

「確かにな。ここまで綺麗な夕日を見たのは久しぶりだよ」

 

希と奏夜は、海から顔を出す夕日に見とれていたのだが、真姫だけは浮かない表情をしていた。

 

そんな中……。

 

「……ねぇ」

 

と、真姫は奏夜と希に呼びかけていた。

 

「どういうつもりなの?」

 

「?どうって?」

 

「あんたたちは、何で私に構うの?」

 

希はともかくとして、奏夜はこの合宿中、やたらと真姫を気にする様子があるため、真姫はそれが気に入らないようだった。

 

「別に。真姫ちゃんは面倒なタイプやなぁって思っただけや」

 

「そうそう。海で遊んだ時だってそうだったが、真姫は本当はみんなともっと仲良くなりたいんだろ?だけど素直になることが出来ない」

 

「……わっ、私は……」

 

「まっ、俺はそんな面倒なタイプの奴についつい世話を焼くおせっかいなのかもしれないな」

 

「確かに、それは言えてるかも。海で遊んでた時の奏夜君と真姫ちゃんがまさにそんな感じやし♪」

 

希はどうやら海での奏夜と真姫のやり取りを見ていたようであり、ニヤニヤしやがらこのようなことを言っていた。

 

「それに、さすがはμ'sのマネージャーやな。みんなのことをよく見てるし、みんなを孤立もさせたりしないせぇへんもんな」

 

「当たり前だろ?μ'sは9人いてこそなんだ。誰1人と孤立させたくなくてな」

 

「……そういうところがおせっかいなのよ。あんたは」

 

「アハハ……。そこは否定出来ないな……」

 

奏夜の思いを、真姫はおせっかいとばっさり切り捨ててしまい、奏夜はそんな真姫の言葉に苦笑いをしていた。

 

「まぁまぁ。真姫ちゃんはそうやって素直になれないやろ?そういったところが似てるんよ。誰かさんに」

 

「あぁ、なるほどな」

 

希は真姫のように自分の気持ちに素直になれない知り合いがおり、奏夜はその人物に心当たりがあった。

 

「……放っとけないのよ。そういうタイプの人は……」

 

いつもはおどけた仕草の多い希であったが、落ち着いた口調で、真剣に答えていた。

 

「……何よそれ」

 

「ま、たまには無茶をしてみるのもええんやない?合宿やしね♪」

 

「そうそう。希の言う通りだ。俺に頼らずとも、積極的に行ってみればいいんだよ」

 

「……だから何言ってんのよ!」

 

「まぁまぁ。早いところスーパーに向かおうぜ!」

 

こうして奏夜はどこにスーパーがあるのかわからないのに先行していった。

 

「あっ、奏夜!待ちなさい!あんたはスーパーの場所はわからないでしょ!?」

 

「クスクス、奏夜君ってば元気やねぇ」

 

真姫と希は、どこにスーパーがあるのかわからずに先行している奏夜を追いかけていった。

 

どうにかスーパーに到着した奏夜たちは、夕食に使う食材やおやつなどを買い込み、レジで精算を済ませると、そのまま店の外に出ようとしたのだが……。

 

「……あれ?奏夜君たちだ!」

 

誰かに声をかけられたため、奏夜たちは声の方を振り向くと、そこには唯が立っていた。

 

唯だけではなく、統夜と紬も一緒であり、さらには見たことのない黒いベリーショートの髪型で、少しだけ気の強そうな女性も一緒だった。

 

「み、皆さん!?どうしてここに?」

 

奏夜は統夜たちとこんなところで会うとは思わなかったからか、驚きを隠せなかった。

 

「軽音部の合宿だよぉ!ムギちゃんの別荘でやってるんだぁ♪」

 

驚きながらこう問いかける奏夜に、唯はほんわかとした笑顔で答えていた。

 

「奏夜君たちももしかして合宿で来たの?」

 

「えぇ。真姫の別荘を使わせてもらって合宿をやっています」

 

紬の問いかけに、奏夜はこう答えていた。

 

「すごぉい!!真姫ちゃんのお家もお金持ちなんだねぇ!」

 

「べっ、別に……。これくらいは普通ですよ……」

 

「クスクス、真姫ちゃん、やっぱり素直やないなぁ」

 

「うっ、うるさいわね!」

 

唯に褒められたことに対して真姫は素直になれない感じで答えるが、それを希に見透かされてしまい、真姫はムキになっていた。

 

そんな2人の様子を、奏夜、統夜、唯、紬の4人が笑みを浮かべながら見守っていた。

 

「……あんたら2人ってあのμ'sのメンバーだろ?確か、西木野真姫と、東條希」

 

「えっ、えぇ……。そうですけど……」

 

「やっぱりそうなんだな!私もμ'sのファンなんだよ!こんなところで会えるなんて嬉しいぞ!」

 

「あっ、アハハ……」

 

統夜たちと一緒にいるベリーショートの女性は、どうやらμ'sのファンみたいであり、真姫や希と出会ったことに目をキラキラと輝かせていた。

 

「あの……。あなたは?」

 

「おっと、自己紹介が遅れたね。私は和田晶(わだあきら)。バンドは違うけど、こいつらとは同じ軽音部に入っているんだよ」

 

ベリーショートの女性……和田晶は、奏夜たちに自己紹介をしていた。

 

「よっ、よろしくお願いします」

 

奏夜が代表して、晶に挨拶を返していた。

 

「あんたは確かμ'sのマネージャーで、統夜の弟分だろ?確か、名前は如月奏夜」

 

「はい、そうです。それにしても、晶さんは俺たちのことを随分と知っているみたいですね」

 

「まぁ、あんたらのことは統夜や唯たちからよく聞いていたからな。μ'sのメンバーと知り合いだっていうのは疑ってたけど、まさか本当に知り合いとはな……」

 

晶は奏夜たちのことの話をよく聞いていたのだが、統夜や唯たちがμ'sのメンバーと知り合いということは信じていなかったのだが、真実を知って驚いていた。

 

「ま、そういう訳だ。お前らはこれから戻って夕食か?」

 

「えぇ。みんな待ってますしね」

 

「だったら、みんなもムギちゃんの別荘においでよ!みんなでご飯を食べたら美味しいよ♪」

 

唯は奏夜たちも紬の別荘に招待しようとしていたのだが……。

 

「おいおい、こいつらを困らせるなよ。こいつらだって私たちだって今日のメニューは決まってんだろ?」

 

「むぅぅ……。確かにそうだけどさ……」

 

晶がこのように唯をなだめていたのだが、唯はぷぅっと頬を膨らませていた。

 

「なぁ、奏夜。そっちの合宿はどれくらい行うんだ?」

 

「はい。今日から2泊3日です」

 

奏夜たちの合宿は初日2日目と練習を行い、最終日に帰るといった内容となっていた。

 

……初日に遊ぶのは予定外だったのだが……。

 

「俺たちも2泊3日なんだ。今日はそれぞれでご飯を食べて、明日はムギの別荘で一緒にバーベキューでもしないか?そしたら楽しいだろ?」

 

「わかりました。帰ったらみんなにも相談しておきます」

 

「頼むな。……あと、奏夜。今日の夜、何時でもいいから時間を作れないか?」

 

「えぇ。構いませんけど」

 

「例の件で話があるんだ。適当な時間にそっちの別荘に顔を出すな。場所は既に調べてあるから」

 

「!?わ、わかりました」

 

奏夜は、統夜がいつの間にか真姫の別荘の場所を調べていたのかと驚いていたが、統夜がこちらに顔を出すことには了承していた。

 

「それじゃあ、みんなによろしくね!それじゃあねぇ!」

 

こうして話を終えた統夜たちは先に自分たちの合宿先である紬の別荘へと向かっていった。

 

「……俺たちも戻るか」

 

「そうね」

 

「せやな。みんなも待っとるしな」

 

それから間もなくして、奏夜たち3人も、穂乃果たちが待つ真姫の別荘へと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

 

 

奏夜、希、真姫の3人がスーパーから戻ると、奏夜はスーパーで統夜たちとバッタリ出会ったことを話した。

 

統夜たちも軽音部の合宿でここへ来ており、もし可能であれば明日にでも合同でバーベキューをしないかという提案をしていたことを穂乃果たちに伝えた。

 

そんな統夜たちの提案に穂乃果は乗っかり、他の全員の了承も得たところで、奏夜たちは翌日の練習終了後、真姫の別荘の近くにある紬の別荘に顔を出すことになった。

 

穂乃果がその旨を唯に電話で伝えており、その間に、今日の夕食を作ることになった。

 

今回料理を担当することになったのは、自ら率先してやると言っていた奏夜であり、にこも手伝うことになった。

 

「にこ、メインのカレーは俺が作るから、サラダをお願いしてもいいか?」

 

「まったく……。しょうがないわねぇ」

 

そう言いながら奏夜とにこは料理を作り始めたのだが……。

 

 

 

 

 

 

トントントントントントン!!

 

 

 

 

 

 

厨房内に、軽快なリズムで野菜を切る音が聞こえてきた。

 

「す、凄い!」

 

「にこも奏夜も、無駄のない動きです!」

 

2人の見事な包丁捌きに、穂乃果と海未は驚いていた。

 

奏夜は実は料理が得意であり、休みの日で時間がある時には少しばかり凝った料理を作ったりもしていた。

 

奏夜とは中学3年生からの付き合いである2年生組は奏夜がそれなりに料理が出来ることは知っていたものの、ここまで料理上手だとは思わなかったため、余計に驚いていたのである。

 

そんな奏夜に負けじとにこはサラダを作っており、その盛り付けも完璧だった。

 

そして奏夜は現在カレーを煮込んでおり、あとはルーを入れて混ぜれば完成だった。

 

奏夜はその手順通りにルーを入れて煮込んでいたのだが、奏夜は隠し味としてインスタントコーヒーの粉末を少量入れて、ケチャップと中濃ソースも入れていた。

 

隠し味を入れた後、しっかりと混ぜてカレーを煮込んだ奏夜は、小皿を取り出してカレーの味見を行った。

 

「……ん、こんなもんかな?」

 

どうやら良い感じにカレーが仕上がったようである。

 

「みんな!カレーが出来たぞ!今から盛り付けをしていくからな」

 

「やったぁ!ご飯だ!」

 

「そーや君のカレーだにゃあ!」

 

ご飯が出来たとわかると、穂乃果と凛のテンションが上がっていた。

 

そんな2人に苦笑いをしながら奏夜は盛り付けを行っていたのだが……。

 

「あっ、あのっ!奏夜君!」

 

花陽がこのように奏夜のことを呼ぶため、奏夜はその方を向いたのだが、花陽は何故か大きめの茶碗とカレー皿を持参していた。

 

「?花陽、どうしたんだ?」

 

「私のご飯なんだけど……。自分でついでもいいかな?」

 

「別に構わないけど、もしかして、ご飯とルーを別々にしたいのか?」

 

「はっ、はい!だけど、あまり気にしないで下さい////」

 

花陽はどうやらご飯とルーを分けたいらしく、そう言いながら自分の盛り付けを始めたのだが、花陽は茶碗に山盛りのご飯をよそっており、それはまるで漫画に出てくるご飯のボリュームだった。

 

そんな漫画盛りのご飯に奏夜はギョッとしており、花陽は恥ずかしそうにしながらもその場を離れていった。

 

そして全てのカレーを盛り付けた奏夜はそれをダイニングに運ぶと、それぞれの前に並べていった。

 

先ほどの山盛りご飯とカレー皿に盛られたルーを花陽の前に置くと、花陽は嬉しさからか目をキラキラと輝かせていた。

 

「は、花陽……。何でご飯とルーが別々なの?」

 

「気にしないで下さい!」

 

そう言いながら、花陽はキラキラと輝く白いご飯をジッと見つめていた。

 

こうして食事は始まり、奏夜たちはカレーやサラダをそれぞれ食べ始めていた。

 

すると……。

 

「……凄い、美味しいわ……!」

 

「うんうん!よく出来てるやん!」

 

「へぇ、奏夜って意外と料理上手なのね」

 

奏夜の作ったカレーを食べた絵里、希、真姫の3人は、口々に感想を言っていた。

 

「意外は余計だよ!だけど、料理は好きなんだよ。騎士の仕事が忙しいからたまにしか出来ないけどさ」

 

「それにしてもここまで美味しいカレーを作れるのは凄いにゃ!」

 

「そうだよね!そーくんならきっと良いお嫁さんに……」

 

「冗談でもその発言はやめてくれよ……」

 

穂乃果の本気か冗談かわからない発言に、奏夜は呆れていた。

 

「それにしても、にこのサラダも上手いよな」

 

奏夜はにこの作ったサラダを頬張り、感想を言っていた。

 

「ふっふ〜ん♪」

 

にこは自分の料理を褒められ、スプーンを持ってドヤ顔をしていた。

 

「あれ?でも、料理はしたことがないって言ってなかったっけ?」

 

「え!?」

 

ことりに痛いところを突かれたからか、にこの顔は真っ青になっていた。

 

「言ってたわ。確か、専属の料理人がいるとか」

 

さらに真姫も、先ほど聞いた話を持ち出しており、にこはさらに追い詰められていた。

 

すると、にこは何故かスプーンを足のところまで下げると、苦しそうな素振りをしていた。

 

「いや〜ん♪にこ、こんなに重い物持てなぁい!」

 

(イラっ☆)

 

にこは何故かぶりっ子のような素振りをしており、奏夜はそれに苛立っていた。

 

「……にこ、それはあまりに痛いし、苦しいぞ……」

 

そんな奏夜は呆れ気味にこう呟いていたのだが……。

 

「うっ、うるさいわね!今時のアイドルは、料理の1つや2つ出来て当然なのよ!」

 

「ひ、開き直りやがった……」

 

にこの清々しいほどの開き直りに、奏夜の表情は引きつっていた。

 

こうして、夕食の時間を楽しく過ごし、夕食後は完全にまったりムードになっていた。

 

夕食後、穂乃果はすぐに近くのソファに寝転がり、ダラダラとしていた。

 

「穂乃果。食べてすぐに寝てしまったら牛になってしまいますよ?」

 

食後すぐに寝転がる穂乃果を見た海未は、このように穂乃果をなだめていた。

 

「むぅぅ……。海未ちゃんもお母さんみたいなことを言わないでよぉ!」

 

そんな海未の言葉に、穂乃果はぷぅっと頬を膨らませていた。

 

「ねぇねぇ、これからみんなで花火でもしようよ!」

 

まったりムードな中、凛がこのようなことを提案していた。

 

「いーえ。練習が先です」

 

そんな凛の意見を却下した海未は、これから練習することを提案していた。

 

「え!?い、今から!?」

 

「当然です。今日のお昼はこれだけ遊んだのですから」

 

海未は、昼にたくさん遊んだことは予定外だったため、ここで練習をすることで練習予定の修正を行おうとしていた。

 

「で、でも……。みんなもうそんな雰囲気じゃないっていうか……。特に穂乃果ちゃんは……」

 

ことりは今から練習は気乗りではないことを代表して伝えると、ソファで寝そべる穂乃果に視線を移していた。

 

すると……。

 

「雪穂ぉ、お茶まだぁ?」

 

と、このようなことを言いながらダラダラしていた。

 

「おいおい、自宅かよ……」

 

穂乃果のあまりのだらけっぷりに奏夜は呆れ果てていた。

 

「……私は後片付けが終わったら、寝るわね」

 

どうやら真姫も練習には気乗りしないようなのだが、まだ洗っていない食器等を片付けたら、そのまま寝ようとしていた。

 

そんな真姫の言葉を聞いた凛は少しだけ寂しそうな表情を浮かべていた。

 

「えっ……?真姫ちゃんも一緒に花火をするにゃあ!」

 

「いーえ。練習が先です!」

 

「かよちんはどう思う?」

 

練習か花火か。海未と凛が互いに一歩も引かない中、凛は花陽に意見を求めていた。

 

すると……。

 

「……わっ、私はお風呂に……」

 

「だ、第3の意見を出してどうするのよ……」

 

花陽はここで違う意見を出しており、にこは呆れていた。

 

「……どちらにせよ、こんな状態で練習しても意味ないだろうし、今日のところは寝た方がいいんじゃないのか。」

 

「っ!そ、奏夜!ですが!」

 

「ウチも奏夜君に賛成や♪今日は寝るとして、練習は明日の早朝に行うっていうならどうや?」

 

奏夜が今日は練習を行わないという意見に、希が全面的に賛成をしていた。

 

「……まぁ、確かにその方が効率は良さそうですよね……」

 

朝早くに練習を始めるならということで、海未は納得したようだった。

 

「それに、明日の夕方は紬さんの別荘でバーベキューだろ?花火はその時にやったらもっと楽しいんじゃないか?」

 

「なるほど……。確かにその方が面白いと思うにゃ!」

 

花火がしたいという凛もまた、奏夜の提案に納得したようであった。

 

「とりあえずみんなは風呂に入ってくるだろ?洗い物は俺がやっとくから、行ってきてくれ。どうせみんなが風呂に入ってる時はやることがないんだ」

 

これからの予定を決めた奏夜は、穂乃果たちを風呂に行かせるように誘導していた。

 

奏夜だけ男であるため、一緒に風呂に入る訳にはいかないため、奏夜はその間暇になる。

 

その暇な時間を使って洗い物を済まそうと考えていたのだが……。

 

「ダメよ、そんな不公平は。気持ちは嬉しいけど、料理も作ってくれたのに、洗い物まで押し付けるわけにはいかないわ」

 

絵里は奏夜が1人でなんでもしようとしていることに反対していた。

 

奏夜1人の負担が大きいため、それが後ろめたいと思っていたからである。

 

「別に俺は不公平だとは思ってないんだが……」

 

「奏夜は黙ってて!」

 

「……はい」

 

奏夜は絵里の言っていた不公平という言葉に異議を唱えようとしたが、このようにピシャリと言いくるめられてしまい、口をつぐんでいた。

 

「みんな!自分の食器は自分で片付けて!お風呂に入るのはそれからよ!」

 

ここで絵里は、3年生かつ生徒会長らしく、奏夜たちに指示を出していた。

 

そんな絵里の言葉に奏夜たちは口々に「は〜い」と言っており、自分の食器は各自で洗い始めていた。

 

「……なんか、悪いな、絵里」

 

「何言ってるのよ。あなたは何でもかんでも1人でやり過ぎなのよ。自分で出来ることは自分でやらないとね」

 

「そうだな……」

 

「その分じっくるとお風呂に入らせてもらうけど、奏夜はその間ゆっくりしてなさい。だって最近はゆっくり休めていないでしょう?」

 

絵里は、奏夜が魔戒騎士として忙しく過ごしていることを知っており、そんな奏夜のことを気遣っていた。

 

「……その気持ち、ありがたく受け取っておこうかな」

 

奏夜はそんな絵里の気持ちが嬉しく、ありがたくその申し出を受けていた。

 

「……あっ、だからと言って私たちのお風呂を覗くのはダメだからね!」

 

「それはしないって。俺は変態じゃないんだから……」

 

「『え?』」

 

自分は変態じゃない。

 

奏夜はこう宣言するのだが、そんな奏夜の言葉に、絵里とキルバは疑っており、ジト目で奏夜を見ていた。

 

「な、なんだよ!そのリアクションは!」

 

そんな絵里とキルバのリアクションが気に入らないのか、奏夜は異議を唱えようとしていた。

 

「まぁまぁ♪それじゃあ、私も自分の食器を洗ってくるわね♪」

 

絵里はまるで小悪魔のような笑みを浮かべると、逃げるように洗い物へと向かっていった。

 

「ったく……」

 

未だに絵里やキルバの言葉に釈然としていない奏夜は、ポリポリと頭をかきながら、洗い物をしている穂乃果たちを見ていた。

 

こうしてこの日の夕食は終わったのだが、合宿初日の夜は、まだ始まったばかりであった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

……続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__次回予告__

 

『やれやれ……。合宿だからってはしゃぎ過ぎだろ……。ま、楽しいのは何よりだがな。次回、「交流」。こいつらの合宿はまだ終わらない!』

 

 




奏夜、9人の水着姿を独り占めする(笑)

まさにその様は楽園だけど、奏夜の変態な部分が顔を出しましたね(笑)

まぁ、奏夜も高校生の男子なので、これは仕方ないかもですが。

さらに、奏夜が料理上手だということも明らかになりました。

ちなみに奏夜がカレーにコーヒーやケチャップ、中濃ソースと入れていましたが、これは自分がカレーを作る時に隠し味として入れているものです。

これ入れるとなかなかいい感じになるんですよね。

当然、入れ過ぎ注意ですが。

そして、「けいおん college」から和田晶というキャラが登場しました。

大学生になった唯たちが出会った、違うバンドを組んでいる軽音部の女性です。

統夜たちも合宿であるため、登場させてみました。

次回、統夜たちと交流はあるのか?

そして、この後の合宿はいったいどうなっていくのか?

それでは、次回をお楽しみに!

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