前回に続いて今回も投稿が遅くなってしまってすいません。
最近忙しい日が続いているため、3日に1度の投稿が厳しくなってきました。
ですが、これからもなるべく早く投稿しようと思っているのでよろしくお願いします!
さて、今回は奏夜にとある試練が訪れます。
その試練とは?そして、奏夜を待ち受けている者とは?
それでは、第41話をどうぞ!
ジンガや尊士に魔竜の眼を奪われてしまい、奏夜はそのことに対して責任を感じており、思い詰めていた。
それを引きずっていた奏夜は守るべき存在である穂乃果たちをも心配させてしまうという失態を犯していた。
そんな奏夜を気遣った穂乃果は奏夜を先に帰すことを提案し、奏夜はそれを受け入れる。
その道中に偶然亜理沙と雪穂の2人と会い、ひょんなことから映画を観に行くことになった。
映画を観た後、2人と別れた奏夜であったが、魔戒剣の浄化を忘れていた奏夜は番犬所へ向かうことにした。
「おや?奏夜、いったいどうしたのですか?」
今日は番犬所には来ないと思っていたロデルは、奏夜の訪問に驚いていた。
「はい。魔戒剣の浄化を忘れていまして……」
「なるほど、それは確かに大事なことですね」
ロデルが奏夜の訪問理由を理解したところで、奏夜は狼の像の前に立つと、魔戒剣を抜いた。
そして、狼の像の口の部分に魔戒剣を突き刺していた。
いつもならば、魔戒剣を抜いた瞬間に、ホラーを封印した短剣が現れるはずだったのだが……。
「……!?な、なんだ!?」
奏夜はそのまま狼の像の中に吸い込まれていってしまった。
「!?そ、奏夜!?」
奏夜が狼の像の中に吸い込まれたことにロデルは驚くのだが……。
「……そうか……。奏夜にもいよいよこの時が来たのですね……」
事情を理解したロデルは、しみじみと呟いていた。
※※※
奏夜が目を覚ますと、そこは番犬所ではなく、一面真っ白な空間にいた。
その空間はただ真っ白ではなく、あちらこちらに魔戒語で書かれた文章が浮かび上がっている。
「……ここは……いったい?」
奏夜はここがどこだかわからず、キョロキョロと周囲を見渡していた。
『なるほどな……。この間倒した素体ホラーでちょうど数を満たしたという訳か……』
事情を理解していない奏夜とは違い、キルバはどうやら何故奏夜がここにいるのかを理解しているみたいだった。
「なぁ、キルバ。数を満たしたって、いったいどういう……?」
キルバの言葉はかなりのヒントになっていたのだが、奏夜は未だに状況を飲み込めていなかった。
すると……。
『……よく来たな……。如月奏夜……』
「!?誰だ!」
奏夜のいる空間に謎の声が響き渡ると、奏夜は魔戒剣を取り出して、いつでも抜刀出来る状態にしておきながら周囲を警戒していた。
『ここは真魔界に続く内なる魔界だ。お前は、大いなる力を得る資格を得たのである』
「大いなる力?いったい何のことだ!」
奏夜は鋭い目付きで周囲を警戒していると、ガチャン!ガチャン!と金属音のような足音と共に何者かが奏夜の前に現れた。
その正体は……。
「……!?き、輝狼!?マジかよ……」
奏夜が受け継いだ称号であり、自らが戦いで身に纏う輝狼の鎧であった。
「!!数を満たす……。大いなる力……。ということはまさか……!」
ここで奏夜はようやく今置かれている状況を理解したようであった。
『どうやら察したようだな。これから何が行なわれるかを!』
奏夜が状況を理解したことを知った輝狼は、いきなり陽光剣を抜くと、奏夜に斬りかかってきた。
「ぐぅ……!!」
奏夜は魔戒剣を抜いて対応しようとしたが、それよりも輝狼の動きは早く、奏夜は輝狼の攻撃を受けてしまった。
その一撃に奏夜は表情を歪めており、痛みはあるのだが、実際に傷はついていなかった。
『……』
今のは小手調べだったのだろうが、奏夜の対応の遅さに輝狼は落胆を隠せないようであり、輝狼は陽光剣を鞘に納めていた。
『お前が封印したホラーは100体を越えた』
「!もしかして、修練場で倒した素体ホラーが100体目だったのか!」
奏夜はキルバの数を満たすという発言を思い出し、いつの間にか100体のホラーを封印したという事実に驚いていた。
『その証として、光覇(こうは)を召還する許しを与える』
「光覇?もしかしてそれが……」
『そうだ。それは魔界より生まれし大いなる力。その力が欲しくば私を倒すことだ。それが、お前に与えられた試練だ』
今これから行なわれることこそが、ホラーを100体封印した魔戒騎士に課せられる内なる影との試練であった。
その試練を乗り越えた魔戒騎士には魔導馬と呼ばれる新たな力を与えられ、それを得た魔戒騎士は名実共に一人前の魔戒騎士となったと言っても過言ではないだろう。
奏夜はそのような試練があることは統夜や大輝から聞いており、自分も早く魔導馬を得られる程の力を得たいと考えていた。
しかし……。
『……いや、今のお前では私を倒すことなど到底出来ないだろうな』
「なんだと……!?」
どうやら輝狼は奏夜のことを侮っているようであり、奏夜はその言葉が気に入らなかった。
『何故ならば私はお前の内なる影。お前のもっとも恐れる存在を具現化したもの。今の揺れているお前では私を倒すことなど出来ないだろう』
輝狼は、奏夜がジンガや尊士との敗戦を引きずって思い詰めていることを理解しており、それ故に今の奏夜では試練は乗り越えられないと判断していた。
「そんなの……やってみなければわかんないだろ!!」
そんな輝狼の言葉が気に入らなかった奏夜は、先ほど抜けなかった魔戒剣を抜いて、輝狼に向かっていった。
『愚かな……』
そんな奏夜に輝狼は呆れながらも迎撃体勢に入っており、奏夜の魔戒剣による一閃を軽々と受け止めていた。
「なっ……!?」
ここまで軽々と攻撃を受け止められるとは思っていなかったのか、奏夜は驚愕していた。
輝狼は反撃と言わんばかりに陽光剣を一閃して奏夜にダメージを与えると、蹴りを放って奏夜を吹き飛ばした。
「がぁっ!ぐぅぅ……!」
吹き飛ばされて倒れてしまった奏夜は、痛みで表情が歪みながらもゆっくりと立ち上がっていた。
『やはり貴様の力はその程度か……。今のままでは貴様は何も守れはしない。お前が支えているスクールアイドルとかいうくだらん存在もな』
輝狼は冷酷な言葉を送っており、その言葉を聞いた瞬間、奏夜の中で何かが切れてしまった。
「貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
輝狼の言葉に激昂した奏夜は、怒りのままに輝狼に向かっていった。
『この程度の挑発にすぐ乗る……。やはり愚か者だな!』
怒りに満ちた奏夜の攻撃は先ほどよりも単調なものであり、攻撃を受け止める前に刃の塊を放つと、奏夜はその一撃をまともに受けて吹き飛んでしまった。
「くっ……くそっ!」
奏夜は再び立ち上がると、魔戒剣を構えて輝狼を睨みつけていた。
『もう辞めておいた方がいい。これ以上は何度立ち向かってこようと時間の無駄だ。お前も無駄に痛みを味わいたくはないだろう?』
輝狼は今の奏夜に自分は倒せないと判断したからか、戦いをここで中断させようとしていた。
「なんだと……!?」
『奏夜。これは奴の言う通りにした方がいい。お前さんは試練が終わるまでいつでも相手をしてくれるのだろう?』
『無論だ。私はいつでもお前が来るのを待っている。今日のところは去るがよい!』
「……っ!くそっ……!!」
ジンガや尊士だけではなく、自分の内なる影にも手も足も出ず、奏夜は悔しさを滲ませながらその空間から脱出した。
奏夜の表情から最初の試練は失敗に終わったと察したロデルは奏夜に声をかけることはせず、奏夜はロデルに一礼をした後に番犬所を後にした。
この日は指令はないため、奏夜はそのまま家に帰ることにした。
※※※
翌日、この日もμ'sの練習はあったのだが、今日は神田明神集合ではなく、学校の部室に集合と穂乃果から事前に連絡があった。
そのため奏夜は、出来る範囲でエレメントの浄化を済ませると、学校へ向かい、そのまま部室に向かっていった。
奏夜がアイドル研究部の部室に到着し、中に入ると、既に穂乃果たちは集まっていた。
しかし、いつもの練習着ではなく、制服姿であった。
「あっ、そーくん!やっと来たね!」
「そーや君!遅いにゃ!」
「そうよ!レディを待たせるなってあれだけ言ってたじゃない!」
奏夜の姿を見るなり穂乃果の表情は明るくなり、凛とにこの2人は最後に来た奏夜に文句を言っていた。
「お前ら……練習はしないのか?」
練習着ではなく制服姿のため、奏夜は驚きながらこう訪ねていた。
「はい。午前中はのんびりと過ごして、練習は午後から行おうと思っていたのです」
「午後から?だったら午後から学校に集合でも良かったんじゃないのか?」
海未は何故自分たちが今練習着を着ていないのかを説明しており、そのことについて奏夜はさらに追求をしていた。
「それはね、奏夜と話をしたいと思ったからよ」
「?俺と話を?」
絵里が思いもよらぬ言葉を言っていたため、奏夜は面食らっていた。
「そうやで。だって奏夜君は帰ってきてから様子がおかしいんやもん。昨日も言ったやろ?そこら辺の話は聞かせてもらうって♪」
「そうよ。奏夜は魔戒騎士として仕事をしていたのでしょう?教えてちょうだい。何があったのかを」
希と真姫は、奏夜が何故思い詰めた表情をしていたのかを聞き出そうとしていた。
「いや……俺は……」
「奏夜君……。ダメ……かな?」
「!?」
花陽は頬を赤らめ、目をウルウルさせて、上目遣いと、男が弱い三拍子を使いこなして奏夜から話を聞き出そうとしていた。
色々と悩んでいる奏夜といえど、これは効果は抜群のようであり、ピクピクと眉を動かしていた。
さらに……。
「そーくん♪お願い♪」
さらにことりがまるで脳が溶けるように甘い声でこう言うと、奏夜は根負けしてしまったようであり……。
「……わかった。話すよ。合宿の後、何があったのかを……」
奏夜は修練場に向かうことは既に話していたので、そこで何があったのかを話すことにした。
修練場に到着し、本当に存在した魔竜の眼を守っていたこと。
しかし、ジンガと尊士が現れ、応戦するものの魔竜の眼を奪われてしまったこと。
自分があまりにも未熟なせいで、共に戦った統夜やリンドウに迷惑をかけてしまったことも語っていた。
「……そんなことがあったのですね……」
奏夜の話を最後まで聞いた海未は、しみじみと呟いていた。
「あなたが思い詰めてる理由はわかったけど、起こってしまったことは仕方ないじゃない。気持ちを切り替えなさい」
「そうね……。私の持ってたネックレスはまだ奏夜が持ってるし、その眼だって取り返すチャンスはあるんでしょう?だったら……」
「あぁ、それはわかってる。わかってるんだけどな……」
「そーくん……」
奏夜自体も頭ではわかってはいたのだが、そこまで割り切ることは出来なかったのであった。
『ま、奏夜が思い詰めてるのはその戦いの負けだけではないがな』
「え?どういうことですか?キルバ」
キルバの言葉に海未は首を傾げていた。
奏夜は余計なことを言おうとしているキルバに異議を唱えようとしたのだが、すでに手遅れであった。
そのため、奏夜は仕方なく内なる試練のことを話そうとしていた。
「……実はな、俺は今まで封印したホラーが100体になったんだよ」
「えっ!?そうなの!?凄い!!」
奏夜が100体ものホラーを封印したということを知り、穂乃果は驚いていた。
「それで、昨日番犬所に行った時に魔戒騎士としてとある試練を受けることになったんだよ」
『試練?』
奏夜の試練という言葉に、穂乃果たちは一斉に反応をしていた。
「自分の内なる影との試練なんだけど、この試練を乗り越えれば、今まで思い詰めてたことも解決出来そうだなと思ったんだよ……」
今奏夜が受けている内なる試練は魔戒騎士にとっては大きな試練であるため、この試練の突破は今の自分の問題を解決させるものであった。
しかし……。
『奏夜は目の前に現れた内なる陽光騎士に乱されたみたいだな。今の奏夜の状態を見透かされ、結果は論外だったって訳さ』
奏夜にとっては最悪な状況が重なってしまい、その結果が昨日の体たらくなのである。
「……」
そのことを充分に理解している奏夜は悔しさのあまり唇を噛んでいた。
「なるほど。その試練の試験官は奏夜君が身につけている鎧な訳やから、奏夜君自身と言っても過言じゃない訳なんやね」
『まぁ、そんなところだな』
「……俺はどうしてもこの試練を乗り越えなきゃいけないんだ……!!今のままじゃ……弱い魔戒騎士のままじゃいられないんだ!」
奏夜は自分が魔戒騎士として弱いと思ってはいるものの、それを認めようとはしなかった。
そのため、自分は強くなりたいと思っていたのである。
『……』
そんな穂乃果の本音を聞いた穂乃果以外の全員は言葉を失っていた。
一方穂乃果は、奏夜の言葉に何か思うところがあるようであり、うーんと考え事をしていた。
「?穂乃果?いったいどうしたのですか?」
「ねぇ、そーくん。そーくんはそこまでして強くならなきゃいけないのかなぁ?」
「……当たり前だろ?みんなを守るためには力が必要なんだ……」
穂乃果の疑問を聞いて奏夜は少しだけイラついたからか、不機嫌そうに答えていた。
「だってそーくんは今までだって私たちのことを守ってくれたよねぇ?誰が相手だって怖がることなく向かっていったじゃん。それって誰にでも出来ることじゃないよ?」
「だけど……俺は……」
穂乃果の言葉は一理あるのだが、奏夜はそれを受け入れることは出来なかった。
「……奏夜。私も武術を嗜んでいるため、穂乃果の言いたいことは理解しています。私はあなた程ではないですが、力を持っています。その力はなんのためにあるべきだと思いますか?」
「……そりゃあ、誰かを守るために……。って!!」
「そーくん、わかってるじゃん!」
海未の問いかけに奏夜は思ったことを答えると、その答えに奏夜はハッとしていた。
その答えを聞いたことりは歓喜の声をあげていた。
「そうです。力というのは相手を叩きのめすためにあるべきものではありません。力なき人を守るためにあるのです。それは、魔戒騎士であるあなたにも当てはまることではないですか?」
「それに、私は思うんだよね。強くあろうとすることよりも、弱いと認めることの方が難しいことだって」
「!!」
『ほぉ……』
海未や穂乃果の言葉を聞いて、奏夜はハッとしており、キルバは穂乃果の言葉に感心していた。
「私たちμ'sだってランキングは上がってるけど、今でも一人前だとは思ってないよ。だからこそ頑張らないといけないんだよ!」
「そうね。私たちだって自分のことを未熟だと認めているわ。それを認めているから、頑張れると思うのよ」
穂乃果は自分たちのことを例えとして話に出しており、それに絵里が賛同していた。
「ま、にこはアイドルとして才能に満ち溢れているからそんなことはいちいち考えないけどね」
「にこちゃんは単純なんだにゃ!!」
「なんですって!!」
「まぁまぁ、2人とも、落ち着いて……」
にこだけは何故か自信満々なのだが、凛の言葉にムッとしており、花陽が仲裁になっていた。
「まったく……。私なんかよりもあなたの方が相当面倒くさいわね。奏夜」
「せやね。真姫ちゃんやどこかの誰かさんよりも面倒かもね♪」
「ちょっと希。それは誰のことを言っているのかしら?」
希の言葉が何故か気に入らなかったからか、絵里はジト目で希のことを見ていた。
「さぁ♪誰やろうね♪」
「あなたねぇ……!」
希はとぼけており、絵里は呆れながら希を見ていた。
「……私たちが言いたいのは、そーくんは今のそーくんのままでいいってことだよ!!だからあなたは強くいられるんだよ?」
「!!」
奏夜は穂乃果の言葉を聞いて、どうやら吹っ切れたみたいだった。
(……そうか……。そういうことだったんだな……。俺は最初からわかっていた。いや、わかろうとしていなかったんだ。だから……)
奏夜は立ち直るきっかけをもらったことにより、穏やかな表情で笑みを浮かべていた。
「……みんな、ありがとな……。俺、おかげで目が覚めた気がするよ……」
自分に足りないものがなんなのか。自分が今何をすべきなのか。
全てを悟った奏夜は、先ほどとは打って変わって清々しい表情をしていた。
そんな奏夜の表情に安堵した穂乃果たちの表情は明るくなっていた。
「なぁ、みんな。頼みがあるんだが……」
「わかっているわ、奏夜。行ってきなさい」
皆まで言わなくても奏夜が言おうとしていることを穂乃果たちは理解しており、絵里はこのように言っていた。
「そうです。これはあなたにとって必要な時間です。今こそ自分の弱さと向き合ってきてください」
「そうやで。それが出来たなら、きっと奏夜君は試練を乗り越えられる!カードがなくてもわかるよ、それは」
「私たちはそーくんのことを応援してるよ!」
「うん!私も奏夜君のことを信じてる!」
「凛もそうだにゃ!そーや君!今度ラーメン奢る約束、忘れないでよね♪」
「そうね……。ラーメンだけじゃ物足りないかもしれないわ」
「うんうん!美味しいスイーツも奢りなさいよ!それくらいはしないと気が済まないわ!」
「アハハ……。俺の財布は持つだろうか……?」
どれだけのものを奢らなきゃいけないかわからないため、奏夜は苦笑いをしていた。
「そーくん、頑張ってね!」
「……あぁ!」
奏夜は先ほどとは打って変わって清々しい表情で返事をすると、部室を離れ、学校を後にして、番犬所へと向かった。
……再び試練を受けるために。
※※※
『……来たか、如月奏夜。思ったよりも早かったな』
内なる影との試練が行われる空間にはすでに輝狼が待っており、奏夜がここまで早く現れたことに驚いていた。
「まぁな……。さっそく始めようぜ!」
奏夜は自信に満ちた表情で魔戒剣を抜くと、輝狼を睨みつけていた。
『ほう……?どうやら多少は期待しても良いみたいだな……』
奏夜の表情の変化に気付いた輝狼は、陽光剣を構え、奏夜を迎え討つ体勢に入っていた。
奏夜は勢いよく輝狼に向かっていくのだが、輝狼は陽光剣を振るい、奏夜を返り討ちにしていた。
「くっ……!」
奏夜は陽光剣の一撃を受けて吹き飛んでしまうのだが、すぐに体勢を立て直していた。
『どうした?お前の力はそんなものなのか?』
「まぁまぁ、焦るなよ。まだ始まったばかりだぜ!」
『ふん!威勢の良い口を叩けるようにはなったみたいだな!』
奏夜は不敵な笑みを浮かべており、そんな軽口を叩く余裕がある奏夜に、輝狼は安堵していた。
奏夜は果敢に輝狼に向かっていくが、なかなか突破口を見出すことが出来ず、何度も輝狼に叩きのめされていた。
そんなことが20分続いていたのだが、奏夜の目は意思の強い目をしており、輝狼を倒すことをまだ諦めていなかった。
しかし……。
(やっぱり、一筋縄じゃいかないな……)
自分の攻撃が思うように輝狼に通らず、少しだけ焦りを見せていた。
しかし……。
(俺は絶対に諦めない!俺の今すべきことが見えているから!)
この時奏夜に一切の迷いはなく、ジッと輝狼のことを見据えていた。
(それにしても……。こんな単純なことを忘れていたなんてな……。俺ってやつは本当に馬鹿だよな……)
奏夜は大切なことを穂乃果たちのおかげで思い出しており、それがあまりに単純なことだったため、苦笑いをしていた。
(そのことに気付いた今、何があろうと俺は絶対に折れることはない)
単純ではあるが、大切なことに気付いた奏夜の目は、魔戒騎士としてあるべき目をしていた。
『……』
そんな奏夜の変化を感じていた輝狼は、奏夜を試すためにさらに攻撃を激しくしようとしていた。
奏夜は魔戒剣を構えて輝狼に向かっていくと、輝狼は先ほどよりも激しい攻撃を繰り出してきた。
そんな輝狼の攻撃をどうにかくぐり抜けた奏夜は、初めて懐に飛び込むことに成功し、魔戒剣を一閃した。
その一撃は輝狼の体をかすめるだけになってしまい、輝狼はすかさず陽光剣を振るって奏夜を吹き飛ばした。
「くっ……!惜しい……!もう一息だったのに!」
奏夜はもうちょっとで輝狼に一撃を与えることが出来たので、悔しそうにしていた。
(……決定的な一撃が踏み込めない。やっぱり俺はびびってるのか?)
奏夜は穂乃果たちのおかげで自分の中にいた負の感情を払拭出来たと思ったが、まだ目の前の相手を恐れていると思われていた。
しかし……。
(……それがどうした!そんな気持ちも振り切って、俺は進む!)
覚悟を決めた奏夜は輝狼に向かっていった。
輝狼は陽光剣を振るって刃の塊を放つのだが、奏夜はその一撃を受ける覚悟で向かっていき、刃の塊をかいくぐると、そのまま輝狼に魔戒剣を突き刺した。
奏夜は魔戒剣を引き抜くと、その一撃に全ての力を使っていたからか、その場で膝をついていた。
『……会得したようだな。如月奏夜』
「ハハ……。そう……なのかな?」
奏夜はゆっくりと立ち上がり、魔戒剣を鞘に納めるのだが、試練を乗り越えたという実感はないみたいだった。
『最初にも話したが、私はお前の内なる影だ。影を恐れれば影に飲み込まれる。しかし、お前は不安や恐怖を振り切って踏み込んできた。内なる影へと』
「あぁ、そうだな」
『お前は強敵たちとの敗北で自分を見失っていた。自分の弱さをわかっていながら、それを認めようとしなかったのだ』
「それを認めることが出来たのも、穂乃果たちのおかげだよ」
奏夜は穂乃果たちのおかげで、魔戒騎士としてあるべき姿を思い出すことが出来た。
『それを知ったお前ならこれから起こる様々な困難も切り裂くことが出来るだろう』
「あぁ!俺は何があっても守りし者としての本分を果たす!」
奏夜は内なる影との試練を乗り越えたことにより、魔戒騎士として大きく成長したのであった。
『進め!如月奏夜!これから何が起ころうとも、お前の黄金の刃で切り裂いていけ!』
「……あぁ!」
奏夜の力強い返事を聞いた輝狼は姿を消し、奏夜が試練を受けたこの空間は消滅していった。
内なる影との試練が終わり、奏夜は番犬所へと戻ってきた。
「……やりましたね、奏夜」
内なる影との試練の様子を見守っていたロデルは、奏夜の試練突破を祝福していた。
「ありがとうございます、ロデル様」
そんなロデルの言葉が嬉しかったからか、奏夜は深々とロデルに頭を下げていた。
「それに、いい顔つきになりましたね。昨日のあなたとは大違いだ」
「はい。穂乃果たちのおかげで俺は自分を取り戻すことが出来ました」
「そうそう。その意気です。あなたはμ'sのマネージャーでもあるんですから、そちらも頑張ってくださいよ!」
「はい!もちろんです!」
奏夜は再びロデルに一礼をすると、番犬所を後にした。
※※※
内なる影との試練を無事に乗り越えた奏夜は、秋葉原の街を歩いていた。
今日の指令は今の所はないため、街の見回りを行っていたのである。
奏夜が街を歩いていたその時だった。
「あっ、そーくん!」
穂乃果が奏夜の姿を発見したため声をかけると、奏夜に駆け寄っていた。
穂乃果だけではなく、他の8人も一緒だった。
「あっ、みんな……」
「奏夜がここにいるということは……」
「……あぁ。無事に試練は乗り越えたよ。みんなのおかげでな」
奏夜が穏やかな表情でこう答えると、穂乃果たちの表情はぱぁっと明るくなっていた。
「俺、今日ほどμ'sのマネージャーをやってて良かったって思った日はないよ。みんながいてくれたから、俺は……」
奏夜は穂乃果たちの顔を見てようやく試練を乗り越えたことを実感したようであった。
「そう言ってもらえると、私たちも嬉しいな♪」
奏夜の言葉からは素直に感謝の言葉が出ており、それが穂乃果たちには嬉しかった。
「それに、お礼をもらうのはまだ早いよ、そーくん♪」
「?というと?」
「そーや君♪ラーメンを奢るって約束、忘れてないよね♪」
「も、もちろんだよ……」
凛がニヤリとしながらこう奏夜に問いかけると、奏夜は苦笑いをしながら答えていた。
「ラーメンだけじゃないっていうのも、わかってるわよね?」
「も、もちろん……」
凛やにこの言葉の意味を理解した奏夜の表情が徐々に引きつってきていた。
「この先に、ラーメンが美味しいって評判のファミレスがあるのよねぇ♪」
「お、ええなぁ♪ファミレスなら色々食べられるしなぁ♪」
「そういう訳で、みんなでそのファミレスに行こうよ!」
凛のラーメンを奢れという話がここまで飛躍しているとは思っておらず、奏夜の表情はさらに引きつっていた。
(……これはいくらかかることやら……)
奏夜は財布を取り出すと、中にいくら入っているかを確認していた。
こうして奏夜たちはファミレスへと向かっていった。
ファミレスに入ると、穂乃果たちは遠慮なく自分の食べたいものを注文していた。
そして、その伝票を見た奏夜は、顔を真っ青にしていたのである。
※※※
「いやぁ、食べた食べた♪」
「最高に美味しかったにゃ♪」
ファミレスから出て、穂乃果と凛は満足そうな表情をしていた。
「……ったく……。遠慮なく頼みやがって……」
奏夜の財布が一気に軽くなってしまい、奏夜はこのように呟いていた。
「ごめんね?奏夜君。こんなに奢ってもらっちゃって……」
花陽だけは、奏夜に奢ってもらったことを申し訳なさそうにしていた。
「そこを心配してくれるとは……。やっぱり花陽は天使だよ」
「ふぇっ!?あ、あの……////」
奏夜の天使発言が恥ずかしかったからか、花陽は顔を真っ赤にしていた。
「そ、う、や?」
「なっ、なんだよ!」
そんな奏夜の発言が気に入らなかったからか、海未は奏夜を睨みつけていた。
このままではお仕置きをされてしまう。
奏夜の中の本能がそう叫んでおり……。
「それはともかく、今日は帰ろうぜ。もう遅い時間だろ?」
奏夜は必死に話を誤魔化そうとするが、本当に夜になっていたため、このようなことを言っていたのである。
「まぁ……確かにそうよね」
「せやなぁ。ホラーが出たら大変やしなぁ」
「……まぁ、そうですね……」
本当に遅い時間になっているということもあり、海未は奏夜への追求をやめており、そのことに奏夜は安堵していた。
奏夜たちはこのまま解散しようとしていたのだが……。
『奏夜!ホラーの気配だ!ここから近いぞ!』
キルバがホラーの気配を探知してしまっていたのである。
「……っ!わかった」
ホラーが出たとなれば捨て置けないため、奏夜はそのままホラー討伐へ向かおうとしていたのだが……。
「……そーくん。大丈夫なんだよね?」
「あぁ。今の俺にはもう迷いはない」
「危険なのは承知していますが、あなたの戦いを見守らせてください」
「わかった……。みんなに見て欲しい。俺の戦いを」
『やれやれ……。仕方ないな……』
ホラー討伐に穂乃果たちを連れて行くことにキルバは呆れながらも、奏夜はキルバのナビゲーションを頼りにホラー捜索を開始し、穂乃果たちはそれについていった。
移動することおよそ5分。奏夜たちがやってきたのは、人通りの少ない広めの道であった。
そんな道の真ん中に、あまりに不審な巨大な塊が置かれていた。
「ねぇ、そーくん。まさかとは思うけど、あれがホラー……なのかなぁ?」
「あぁ、恐らくな」
目の前の巨大な塊がホラーであると予想した奏夜は、魔戒剣を抜くといつホラーが襲いかかってきても対応できるようにしていた。
『……奏夜!来るぞ!』
キルバがこのように警告をすると、巨大な塊が変化し、まるで竜のような姿をしたホラーが現れた。
『奏夜。こいつはホラー、ドラグーン。こいつの体はかなり硬いぞ。油断するな!』
「わかった。みんなは下がっててくれ!」
奏夜の言葉に穂乃果たちは頷くと、安全な場所へと移動し、奏夜はドラグーンに向かっていった。
ドラグーンは尻尾による攻撃をかわした奏夜は、ドラグーンに魔戒剣の一撃を叩き込むのだが、皮膚が硬く傷をつけることは出来なかった。
「キシャアアア!!」
ドラグーンは咆哮をあげながら再び尻尾による攻撃を放つと、奏夜はその一撃を受けて吹き飛んでしまった。
「くっ……!」
奏夜はすぐに着地をして、体勢を立て直していた。
「そーくん!!」
「大丈夫だ!心配するな!」
穂乃果が心配そうな声をあげる中、奏夜は穂乃果を安心させるためにこのようなことを言っていた。
奏夜はダメージを与えることが難しいとわかっていながらもドラグーンに向かっていった。
「奏夜!無茶です!そのホラーの体は硬いのでしょう!?」
奏夜の行動が無謀と思ったからか、海未が心配そうな声をあげていた。
その心配は当たってしまい、ドラグーンは奏夜に向かってパンチを放つと、その一撃を受けた奏夜は吹き飛んでしまった。
「くっ……!」
奏夜はすぐに体勢を立て直すのだが、奏夜は強固な体を持つドラグーンが相手でも、諦めようとはしていなかった。
「そーくん!大丈夫!?」
「……大丈夫だ。俺は絶対に負けない。誰が相手だろうとな」
「だけど、あのホラーはかなり手強いんでしょう?」
奏夜はドラグーン相手に勝つつもりでいたのだが、絵里は不安げな声をあげていた。
しかし……。
※ここからのイメージBGM
「CR 牙狼 炎の刻印」より 「炎の意思」
「……俺はもう迷わない。これから色んな障害が俺たちを阻むだろう。だけど、何があろうと……」
奏夜は魔戒剣を力強く握りしめて語っていた。
「俺はμ'sのみんなを守る!守ってみせる!」
「そーくん……」
「奏夜……」
「ただホラーを倒すだけじゃない!守りし者として……」
今までの奏夜は穂乃果たちを守るために力を手に入れてホラーを討ち亡ぼすことが優先だと考えていた。
しかし、今の奏夜は、ホラーを倒すことも大事だが、大切なものを守り抜くことが最優先だと考えていた。
守りし者とした大切なことを思い出した奏夜を見て、穂乃果たちは穏やかな表情で笑みを浮かべていた。
『ほぉ……。奏夜の奴、ようやく気付いたか。鈍感な奴だぜ……』
奏夜が大切なことを思い出したことに対して、安堵していたのだが、思い出すのが遅かったからか、少しだけ呆れていた。
奏夜はこうするべきだということは頭ではわかっていたが、自分の弱さを認められず、力を求める姿勢がそれを忘れさせていたのである。
「グゥゥ……!」
奏夜が魔戒騎士としての決意を語る中、ドラグーンは業を煮やしたからか、奏夜に迫っていた。
「……貴様の陰我、俺が断ち切る!」
奏夜は接近してくるドラグーンに対してこのように宣言すると、魔戒剣を高く突き上げ、円を描いた。
その円の部分のみ空間が変化し、奏夜はそこから放たれる光に包まれた。
その直後にドラグーンが奏夜に向かって拳を放ってきたため、奏夜は自分の描いた円目掛けてジャンプをしてドラグーンの攻撃をかわした。
奏夜の体が自分の描いた円を通過すると、奏夜は黄金の鎧を身に纏っていた。
その勢いのままドラグーンに接近した奏夜は魔戒剣が変化した陽光剣の一撃を叩き込むが、ドラグーンの体に傷をつけることは出来なかった。
ドラグーンは反撃と言わんばかりに尻尾と拳による攻撃を繰り出し、奏夜を吹き飛ばした。
「そーくん!!」
「まさか、鎧を召還しても攻撃が届かないなんて……」
「あいつ、物凄く硬すぎだにゃ!」
鎧を召還してもなお、奏夜の攻撃は届いておらず、穂乃果、海未、凛の3人は焦りを見せていた。
しかし……。
「奏夜君はちっとも焦ってないんやね」
「まさかとは思うけど、奏夜はあいつを倒す作戦を思いついたのかしら?」
「それか、とっておきがあるのかもね?」
「とっておき?それっていったい……」
「まぁ、私たちは見守るしかないわ。奏夜の戦いを……」
「うん!そうだよ!」
奏夜は焦りを見せてはおらず、何か策があるものと思われたが、穂乃果たちは奏夜の戦いをジッと見守っていた。
「やっぱり陽光剣でもダメか……」
どうやら陽光剣の一撃が効かないのは、想定の範囲内のようであった。
「だったら、さっそく使わせてもらうぜ!俺の新しい力を!」
奏夜は内なる影との試練を乗り越えたことによって得た力をさっそく使おうとしていた。
それを阻止するためにドラグーンが接近する中、奏夜は陽光剣を振るって紋章のようなものを描いていた。
「そーくん!危ない!!」
ドラグーンが奏夜に迫っており、穂乃果が声をあげるのだが、奏夜は陽光剣を一閃した。
その一撃はドラグーンを吹き飛ばしていた。
「ギィィ……!?」
ドラグーンはすぐに体勢を立て直すと、奏夜を睨みつけていた。
その視線の先にいたのは……。
黄金の輝きを放つ馬に跨がる奏夜であった。
「!?き、金色の馬!?」
「まさか、この馬が奏夜の新しい力……ですか?」
「か、格好いいにゃ!」
「そうね……。馬に跨がる騎士……最高に格好いいわ!」
穂乃果と海未は奏夜が馬に乗っていることに驚いており、凛と絵里は、そんな雄々しき勇姿を見て、目を輝かせていた。
奏夜の跨がっているこの馬こそ、奏夜が内なる影との試練を乗り越えたことにより召還することが許された、魔導馬である光覇(こうは)である。
ホラーを100体封印した魔戒騎士は、内なる影との試練を乗り越えることで、魔導馬を召還する資格を得る。
自分の魔導馬を得ることこそ、一人前の魔戒騎士と言っても過言ではない。
もっとも、魔導馬を持っていなくても、実力のある魔戒騎士は多いのだが……。
奏夜の駆る光覇は、自分と同じ黄金の魔導馬であり、まるで一角獣のような角が頭部に存在している。
「……行くぞ、光覇!!」
奏夜の言葉に呼応するように光覇は「ヒヒーン!」と嘶いており、ドラグーンに向かっていった。
ドラグーンに接近した奏夜は陽光剣の一撃を放つのだが、やはり硬い体に傷をつけることは出来ず、光覇の強靭な脚によってドラグーンを吹き飛ばしていた。
『奏夜!陽光剣の一撃じゃ奴には傷をつけられないぞ!』
「わかってるさ!だったら!」
奏夜の声に呼応するように光覇が嘶くと、力強く前脚を地面に叩きつけていた。
『きゃあ!』
その衝撃はかなりのものであり、その余波によって穂乃果たちは吹き飛ばされそうになっていた。
光覇が前脚を地面に叩きつけると、奏夜の手にしていた陽光剣に変化が起こっていた。
その刀身が大きくなり、陽光剣が巨大な剣へとなったのである。
この剣は陽光斬邪剣(ようこうざんじゃけん)。魔導馬光覇の力によって陽光剣が変化した剣である。
その名の通り、邪を斬り裂く力を持った剣なのである。
陽光斬邪剣を構えた奏夜は、再びドラグーンへと向かっていった。
本能的に危機を感じ取ったドラグーンは、口から高温の炎を放っていた。
「そんな炎で……止められると思うな!!」
奏夜は陽光斬邪剣を振るうと、たったの一振りでドラグーンの炎を斬り裂いていった。
ドラグーンの炎では奏夜の歩みを止めることは出来ず、ドラグーンに接近した奏夜は陽光斬邪剣を一閃した。
陽光斬邪剣の刃は、強固なドラグーンの体を斬り裂くことが出来て、その体を真っ二つに斬り裂いた。
「ギャアァァァァァァァ!」
奏夜の一撃によって真っ二つに斬り裂かれたドラグーンは断末魔をあげており、その体は消滅していった。
ドラグーンが消滅したことを確認した奏夜は鎧を解除した。
奏夜は光覇に乗っているため、鎧を解除するのと同時に光覇の召還も解除され、奏夜は地面に着地をしていた。
そして魔戒剣を緑の鞘に納めると、魔戒剣を魔法衣の裏地にしまっていた。
その様子を見ていた穂乃果たちは奏夜に駆け寄っていた。
「そーくん、やったね♪」
「おう、ありがとな、ことり」
最初にことりが労いの言葉を送っており、奏夜は穏やかな表情で笑みを浮かべていた。
「奏夜。もしかして先ほどの馬が?」
「あぁ。さっきのは魔導馬光覇。俺が内なる影との試練を乗り越えたことで手に入れた力だ」
「凄かったにゃ!剣も大きくなっていたし!」
「あれも、光覇の力だよ」
海未と凛に、光覇のことを説明していた。
「力って……。奏夜、大丈夫なの?」
「確かに、ちょっと心配です……」
奏夜が新しい力を手に入れたことに対して、絵里と花陽は少しだけ心配していた、
「大丈夫だ。俺は何が大切なのかハッキリとわかったから……」
「ま、それなら安心ね」
「そうやな。ウチも奏夜君のことは信じてるで」
奏夜は力を手に入れても、魔戒騎士として大切なことは見失っておらず、そのことを知った真姫と希は安堵していた。
「ま、これからは今まで以上に頑張りなさいよ。あんたは私たちμ'sのマネージャーなんだからね」
「わかってるさ。それに、さっきの言葉を違えることはないさ。絶対にな」
「ま、そういうことならわかったわ」
にこもまた、奏夜の覚悟は聞いていたため、これ以上は何も言わなかった。
奏夜はふと穂乃果の方を見ると、穂乃果は穏やかな表情で笑みを浮かべていた。
「おかえり……そーくん♪」
「おう。ただいま、穂乃果」
穂乃果の言葉の意味を理解した奏夜は、穏やかな表情で返していた。
そんな奏夜に安堵し、他のメンバーも穏やかな表情をしていた。
こうして、奏夜は魔戒騎士として立ち直ることに成功し、この日は穂乃果たちを家まで送り届けてから帰路についた。
これから奏夜を待ち受けるものは多いのだが、奏夜はきっとこれを乗り越えるだろう。
守りし者として……。
……続く。
__次回予告__
『人間というのはこんなに騒がしいイベントが好きなんだな。俺には理解出来ないんだがな。次回、「夏祭」。これが夏の思い出ってやつか』
奏夜が無事に立ち直り、魔導馬光覇の力を得ました。
奏夜の魔導馬である光覇は、金色の銀牙(零の魔導馬)というイメージになっています。
今回の出来事により、奏夜は魔戒騎士として大きく成長したと思います。
ですが、尊士やジンガ相手にどこまで通用するのか?これからの奏夜にご期待ください!
さて、次回もまたオリジナル回となっています。
夏の定番である夏祭り回ですが、どのような夏祭りになるのか?
次回の投稿ですが、実はやりたいことがあるため、また投稿が遅くなるかもしれません。
その詳細は活動報告で書こうと思っているのでよろしくお願いします。
次回も出来るだけ早く投稿しようと思っているので、次回も楽しみにしていて下さい!