僕が今夢中になっているFF14が新生してから4周年になりました。
ゲーム内でも新生を祝うイベントがあったり、新生祝いの14時間生放送があったりと大いに盛り上がりを見せています。
今は妖怪ウオッチともコラボしてますしね。
それも楽しみつつ、これからもFF14を楽しみたいと思います。
さて、今回はμ'sを再生させるために奏夜が動き始めます。
奏夜はいったいどのような行動を取るのか?
それでは、第51話をどうぞ!
穂乃果がスクールアイドルを辞めることを決意してしまったため、μ'sはバラバラになってしまった。
そんな中、奏夜はまず最初に穂乃果の問題を解決させるために動き出そうとしていた。
しかし、奏夜は自ら動こうとはしておらず、成果らしい成果はないまま数日が経過してしまった。
この日の放課後、奏夜は早々に学校を後にすると、町の見回りを兼ねてエレメントの浄化を行っていた。
「……はぁっ!!」
奏夜は秋葉原某所にあるオブジェに来ており、そこから飛び出してきた邪気を魔戒剣の一閃によって斬り裂いていた。
「さてと……」
邪気を斬り裂いたことを確認した奏夜は魔戒剣を緑の鞘に納めていた。
『おい、奏夜。あれから数日が経ったが、何故お前は騎士の使命ばかりで何も動こうとはしないんだ?』
キルバはずっと気になっていた疑問を奏夜にぶつけていた。
キルバの言う通り、奏夜はこの数日、魔戒騎士の仕事に専念しており、μ'sのために何かする気配は微塵も感じられなかった。
「焦るなよ、キルバ。俺は既に手を打ってあるんだ。事を成すってことは、何もあちこち動き回ることだけが全てじゃないだろ?」
『確かにそうだが……』
「それに、希じゃないけど、星は動き出したみたいだぜ?ほら」
奏夜はとある方向を見ると、偶然にもヒフミトリオと行動を共にしている穂乃果の姿を発見した。
すぐにヒフミトリオや穂乃果とすれ違うのだが、穂乃果は気まずそうな雰囲気を出して奏夜と目を合わせようとはしていなかった。
しかし、ヒフミトリオの3人は同時に奏夜とアイコンタクトを取り、奏夜に「後は任せてよ」と伝えようとしていた。
そんなヒフミトリオの意思を汲んだ奏夜は、無言で頷き、その場を後にしていた。
『なるほどな。と言いたいところだが、それがどうしたって言うんだ?あいつら、単純に遊びに行くように見えるのだが』
「確かにな。まぁ、問題はないさ。あの3人ならきっと穂乃果のやる気を取り戻してくれる。俺はそう信じている」
奏夜はμ's結成当初から協力してくれているヒフミトリオの3人だからこそ、奏夜は信頼してある事を頼んだのである。
『お前の考えてることはよくわからんからこそ、俺はお前に任せることにするぞ。それがμ'sのためなのだろう?』
「そういうことだ。ところでキルバ、他に浄化しなきゃいけないオブジェはあるのか?」
『いや。大輝とリンドウがほぼ終わらせていたからな。もう浄化しなきゃいけない場所はないぞ』
現在は時間も時間であるため、今日のエレメントの浄化はほぼ終わっており、まだ終わってないところを奏夜が浄化したのである。
「了解。それじゃあ、町の見回りを行うとしますか」
こうしてエレメントの浄化を終えた奏夜は、そのまま町の見回りを行うことにしたのであった。
※※※
奏夜がヒフミトリオの3人や穂乃果とばったり会う1時間前、そのヒフミトリオの3人は、学校の正門前にいた。
ヒフミトリオの3人は、奏夜に頼まれたあることを実行しようとしていたのだが、その前に穂乃果が早々に帰ってしまったため、なかなかそれを実行に移せなかったのであった。
「それにしても、μ'sが休止してから数日が経つけど、何だか今まで以上に気まずい空気が流れてるよね……」
不意にフミコが口を開くのだが、奏夜たちの関係がギクシャクしているせいでクラスの中は気まずい空気が溢れていた。
「今まであんなにべったりだったのにこうも離れてたらねぇ……」
「そうだよねぇ。ことりちゃんは留学準備で最近学校に来てないし……」
ヒデコの指摘通り、奏夜たち4人は休み時間になると常に一緒だったのだが、最近はクラス内で話をすることもなかった。
さらに、μ'sが活動休止した翌日あたりから、ことりは留学準備のために学校を休んでいたのであった。
「よし、奏夜君にも頼まれた訳だし、こういう時こそ私たちが頑張らないとね!」
ヒフミトリオの3人は自分たちだからこそ頼めると前置きをされた上で、とあることを奏夜に頼まれていた。
その頼みを聞くために、ヒデコは気合を入れていた。
すると、学校の入り口から穂乃果が姿を現していた。
どうやら今から帰るみたいだった。
それを見ていたヒフミトリオの3人は穂乃果に近付いていった。
「ほ〜のかっ、たまには一緒に帰らない?」
ヒデコはいつもと変わらない朗らかな声で穂乃果のことを誘っていた。
「うん、いいよ」
穂乃果はそれも良いと考えていたからか、ヒデコの提案をすぐに受け入れていた。
「穂乃果はこれからは放課後空くでしょ?だってスクールアイドルを辞めたんだし」
「ちょ、ちょっと!言い過ぎだよ!」
ヒデコの言葉には棘があったため、慌ててミカが宥めていた。
「気にすることないよ。だって穂乃果は学校を守るために頑張ったんだよ?」
「そうだけど……」
ヒデコの言葉はその通りであるのだが、ミカは釈然としていなかった。
「学校を守るためにスクールアイドルを始めて、その目的が達成されたから辞めた。何も気にすることないじゃない」
「う、うん……そうだよね……」
ことりの留学や奏夜への失言があったというのもあるが、穂乃果がスクールアイドルを辞めた1番の理由がそこであるため、穂乃果は苦笑いをしていた。
そして、こう答えることで、スクールアイドルを辞めたことを正当化し、これで良かったと自分に言い聞かせていた。
「それに、学校のみんなは穂乃果たちに感謝をしてるんだよ!」
「うんうん!」
「μ'sを見てウチの学校を知ったって人もたくさんいたみたいだし!」
ヒデコの言葉にはフミコが同意しており、ミカがμ'sの知名度が高くなっていることを語っていた。
「……ありがとう……」
穂乃果は笑みを浮かべるのだが、心の中に迷いがあるからか、心の底から笑ってはいなかった。
「ほら、穂乃果ちゃんと帰るのは久しぶりなんだから、早く行こっ!」
ミカは穂乃果の手を取ると、そのまま穂乃果の手を引いて移動し、ヒデコとフミコもその後をついていった。
穂乃果がヒフミトリオの3人と一緒に帰っている頃、海未は弓道部の練習に参加していた。
μ'sが一時的に活動休止すると決まってから、海未はスクールアイドル活動から離れて、弓道部の活動に専念していた。
ことりが海外へ留学し、それが引き金となり、穂乃果がスクールアイドルを辞めてしまう。
そのため、幼い頃からずっと一緒だった3人は大きくすれ違ってしまった。
そのため、海未は気持ちを落ち着かせたいがためにスクールアイドルを離れたのであった。
「……」
海未は矢を射るために精神を集中させるために弓を引くのだが、心ここにあらずだからか、完全に集中出来ずにいた。
そのため、狙いが若干ではあるがずれてしまい、矢は真ん中からは外れてしまった。
とは言ってもほぼ真ん中には命中していたのだが……。
「最近凄く頑張ってるね!」
「はい!大会が近いですから」
海未は弓道部の大会に出場するために練習を頑張っていた。
そんな海未の頑張りを、弓道部の先輩は称賛していた。
「それにしても、スクールアイドルはもういいの?」
「……」
海未がずっとスクールアイドルとして頑張っていたことを知っていた弓道部の先輩がこのような素朴な疑問を投げかけるのは自然なことであった。
しかし、海未はその質問に答えることが出来なかった。
それは、海未の中にまだスクールアイドルとしての未練が残っていることが予想される。
先輩の質問に答えることなく、海未は再び矢を射ろうとしていた。
海未はなかなか集中することが出来ない状況下で、どうにか弓道部の練習を行っていたのであった。
それと同じ頃、絵里と希は、生徒会室で生徒会の仕事を行っていた。
「……奏夜君のことはもちろん信じてるけど、本当にこれで良かったんやろうか?」
生徒会の仕事をしながら、希は浮かない表情を浮かべていた。
「そんなの、当たり前じゃない。今のこの状況を何とかしてくれるのは奏夜だけだと思うわ。それに……」
「それに?」
「9人いないとμ'sじゃないって言ったのは希でしょ?」
「それはそうやけど……」
確かに希はμ'sは9人いてこそであると言っているため、これ以上は何も言えなかった。
「それに、ことりの留学や穂乃果のことがなくたって、いつかはこの問題にぶつかることになっていたわ」
絵里は遅かれ早かれμ'sに大きな問題がぶつかるだろうと予想をしていた。
「1年だけど学校が存続されて、私たちは何を目標に頑張ればいいのか、考えなきゃいけない時が来たのよ」
穂乃果がスクールアイドルを辞めたと言ったのはことりが留学するという事実があったからかもしれないが、学校が存続され、大きな目標が無くなってしまったことが大きいのではないかと絵里は予想していた。
「……確かにそうやな」
「でも、大丈夫よ。私たちがどれだけ大きな困難が待ち受けようとも、奏夜が私たちを支えて、導いてくれるから……」
奏夜はμ'sがどれだけ困難にぶつかろうとも、μ'sのことを信じて支えてくれた。
それだけではなく、自分たちをここまでの高みまで導いてくれた。
そんな奏夜の活躍を理解しているからこそ、絵里は奏夜のことを心から信じていたのであった。
「確かにそうやね。奏夜君は9人の女神であるμ'sのことを守ってくれる騎士やからね」
「ふふ、そうね。だからこそ、大丈夫よ。奏夜ならきっと……」
そんな奏夜であるからこそ、今自分たちが抱えているこの問題を解決してくれる。
絵里はこのような確信を持っていたのであった。
「さぁ、私たちは今出来ることをやってしまいましょう!」
「そうやね」
こうして絵里と希は奏夜のことを信じながら生徒会の仕事に集中するのであった。
※※※
ヒフミトリオのと一緒に帰ることになった穂乃果は、普通の女子高生らしく寄り道をしていた。
話をしながら街を歩いたり、秋葉原で人気のクレープ屋に寄り、美味しいクレープに舌鼓を打ったりしていた。
そんな4人がばったり奏夜とすれ違ったのは、クレープ屋に立ち寄った直後であった。
「……まさか、あんなところで奏夜君と会うなんてねぇ」
奏夜とすれ違ってすぐにフミコがこのように呟いていた。
「穂乃果。そんなに気まずそうにしなくてもいいのに」
「だって……」
先ほども奏夜を見て穂乃果は気まずそうにしていたため、ヒデコがなだめるのだが、穂乃果は俯いていた。
「そういえばさ、奏夜君って前から後輩先輩問わず人気があったけど、μ'sのマネージャーをやるようになってさらに人気になったよね」
「え!?そうなの!?」
穂乃果は奏夜が学内で人気者であることを知り、驚きを隠せずにいた。
「それに、奏夜君って時々何を考えてるかわからない時があるでしょ?普段の明るい奏夜君とその奏夜君とのギャップがあるから人気なんだよ」
「なるほど……」
このように解説をするフミコの説明は的を得ているところがあった。
奏夜が魔戒騎士であることを知っているのはμ'sの9人と剣斗だけであり、他の人たちは奏夜が魔戒騎士であることを知らない。
それ故に、奏夜の言動が時々ミステリアスに感じられる時があり、奇しくもそれが学内での奏夜の人気に繋がっているみたいだった。
「でも、μ'sのメンバーと奏夜君の絆は深いから、全員がなかなか告白までいけないのもまた事実なのよねぇ」
ヒデコの指摘通り、奏夜たちは先輩禁止を行ってからその絆がより一層深まり、他者が介入しにくい状況になっていた。
「メンバーの誰かと付き合ってるんじゃないかって噂が出ているくらいだもんね」
奏夜たちの仲はとても良好だったため、このような噂が流れるのも自然なことであった。
「ねぇねぇ、穂乃果ちゃん。奏夜君って本当に彼女がいないのかなぁ?」
「うっ、うん。そうだと思う。彼女がいるなんて話、聞いたことないし」
穂乃果は実際に奏夜に彼女がいるという話を聞いたことはなかったため、ミカの質問に正直に答えていた。
「……だったら、奏夜君に告白してみようかなぁ」
「え!?」
ミカの口から出た衝撃の発言に、穂乃果は驚愕していた。
「いやぁ、私ね、初めてクラスが一緒になった時から、奏夜君のこといいなぁって思ってたんだよねぇ……」
どうやらミカは奏夜に一目惚れをしているようであり、その告白が恥ずかしかったからか、頬を赤らめていた。
ヒデコとフミコはその話を知っているからか、そこまで驚いてはいなかった。
「でも、ミカって子供っぽいところがあるし、奏夜君は振り向いてくれないと思うけどな」
「むー……!!これから色々大きくなるんだもん!」
ヒデコがニヤニヤしながらミカのことをからかうと、ミカはぷぅっと頬を膨らませていた。
そんなやり取りの後、ヒフミトリオの3人は笑い合っていたのだが、穂乃果だけは俯いていた。
「……そんなの……やだよ……」
穂乃果は誰にも聞こえないくらい小さな声でこのように呟いていた。
すると……。
「……なんてね。確かに奏夜君のことは気になってるけど、憧れてるくらいが丁度いいって思ってるんだよね」
そんな穂乃果の心情を知っていたのか知らなかったのか、ミカはこのようなことを言っていた。
「……そうなんだ」
そんなミカの言葉を受けて、穂乃果は安堵したからか胸を撫で下ろしていた。
しかし……。
(……あれ?何で私、ホッとしてるんだろう……)
穂乃果は、何故自分がここまだ安堵しているのか疑問を抱いていた。
自分は確かに奏夜のことは好きだったが、μ'sがこのようなことになってしまい、奏夜が自分に振り向くことはないと思ったからである。
「ほらほら、奏夜君のことはともかくとして、ゲーセンでも寄ろうよ!」
「お、いいね!」
フミコはここで話題を切り替えると、ヒデコはとても乗り気であった。
「ほら、穂乃果ちゃん、行こっ!」
「うん!」
こうして穂乃果たち4人は近くにあるゲームセンターへと向かっていった。
スクールアイドルを辞めたことを後悔していないと自分に言い聞かせていた穂乃果であったが、この時から迷いが生じており、気持ちが大きく揺れていたのであった。
ゲームセンターに到着した穂乃果はそんな気持ちを振り切るためにクレーンゲームなど、ゲームに夢中になっていた。
そんな中、ヒフミトリオの3人はとあるゲームのところに移動していた。
「あっ……」
穂乃果もそのゲームのところに移動しており、そのゲームの筐体を見て反応していた。
そのゲームは、足を使ってリズミカルに矢印を踏んでいくダンスゲームであった。
「ねぇねぇ!次はこれをやろうよ!」
「いいねぇ!やろうやろう!」
ヒデコの提案にフミコはノリノリであり、最初にヒデコとフミコの2人がプレイすることになった。
ミカはキラキラと目を輝かせながら2人のことを応援しており、穂乃果は呆然としながらダンスゲームの様子を眺めていた。
そして、流れていた曲が終了すると、ダンス対決はヒデコに軍配が上がった。
「へへーん♪どう?」
「うぅ……。参った……」
ヒデコはダンス対決に勝利して誇らしげになっており、フミコは悔しそうにしながらも負けを認めていた。
2人のダンス対決は終わり、今度は穂乃果とミカの出番となった。
「穂乃果ちゃん、負けないよ!」
「あっ、うん……」
ミカと穂乃果はそれぞれお金を投入すると、慣れた感じで曲を選んでいた。
そして、選んだ曲が再生されたのだが……。
「……!!?」
ゲーム画面を見た瞬間、穂乃果の脳裏にはスクールアイドルとして努力していた日々がまるで走馬灯のように浮かび上がっていた。
スクールアイドルとしての穂乃果の努力は本物であり、穂乃果はスクールアイドルに対して、学校存続の手段以上の気持ちを持っていた。
どうやら穂乃果は、この一瞬で大切な何かを思い出したみたいだった。
そのため、すでに出てきている矢印に気付くことが出来なかった。
「穂乃果!始まってるよ?」
「!」
ヒデコに言われてようやく我に返ったのか、穂乃果は慌ててステップを踏み始めていた。
穂乃果がやってる難易度は「エクストラ」と難しい難易度なのだが、スクールアイドルとして努力をしてきた穂乃果は難なくステップを踏んでいた。
「おぉ!凄い凄い!」
「いい感じ!」
穂乃果の無駄のないステップに、ヒデコとフミコは感嘆の声をあげていた。
ステップを踏んでいる時の穂乃果はまるでステージの上にいるかのように明るい表情をしていた。
最初に思い切りミスはしたものの、最後の最後までミスはなく終えることが出来た。
対決したミカも頑張ってはいたのだが、ほぼノーミスの穂乃果には及ばず、バテていた。
「ふぅ……。スッキリした♪」
穂乃果は思い切り体を動かせたからか、満足そうな表情をしていた。
「凄い……!いつの間に練習してたの?」
「え?いや、全然……」
ヒデコは穂乃果のダンスを見て驚きを隠せなかった。
穂乃果がスクールアイドルを離れたことはわかっていたことなのだが、先ほどの動きはそれを感じさせないものだった。
「スタートでミスしてなければ凄いスコアだったんじゃない?」
「やっぱりずっとダンスを練習してきただけあるねぇ……」
フミコは穂乃果のスコアを賞賛しており、ヒデコは改めて穂乃果が今まで努力してきたことを実感していた。
「……」
穂乃果はジッと画面を見つめていたのだが、そこには「AAA」と表情されていた。
その画面を見た時、初めてμ'sがスクールアイドルのランキングに載ることが出来た時のことを思い出していた。
この時、穂乃果の心は大きく動いていたのであった。
こうして、ダンスゲームが終わった頃には夕方になっており、今日は解散することになった。
「穂乃果、じゃあね!」
「うん!今日はありがとう!バイバイ!」
「「「バイバイ!」」」
こうして穂乃果はヒフミトリオの3人と別れたのだが、穂乃果はしばらくの間その場に立ち尽くしていた。
(……そうか……。そうだったんだ……。やっぱり……私は……)
この時には穂乃果の気持ちは固まっており、穂乃果はとあることを決意したのであった。
こうして、決意を固めた穂乃果はそのまま帰路についたのであった。
※※※
翌日、奏夜はいつものようにエレメントの浄化をある程度終えてから学校へ登校した。
教室に入ると最初にヒフミトリオの3人と目が合ったのだが、奏夜たちは何かを話すことはせず、アイコンタクトでコミュニケーションを取っていた。
奏夜はヒフミトリオの3人が動いてくれたことを理解しており、この些細なやり取りだけでヒフミトリオの3人に感謝していた。
ことりは今日も学校に来ておらず、穂乃果は相変わらず奏夜や海未のところに行って話をすることはなかった。
しかし、この日の昼休み。そのような状況に変化が訪れる。
昼休みになり、奏夜がコンビニで買ってきたパンを食べるために移動しようとしたその時だった。
「……そーくん」
今まで奏夜を遠ざけていた穂乃果が奏夜に話しかけてきたのである。
突然の出来事にヒフミトリオの3人や海未は当然驚いていたが、それだけではなく、クラスメイトたちも同様に驚いていた。
「……穂乃果か。どうしたんだ?」
奏夜は気まずそうな雰囲気は一切出さず、いつも通り穂乃果に接するよう心がけていた。
「……ちょっといい?そーくんに話したいことがあるの」
「ああ、構わないぞ。だが、ご覧の通り俺はどっかでパンを食いに行こうと考えてる。屋上でもいいか?」
「うん。私もその方がいいって思ってた」
「それじゃあ、行こうぜ。穂乃果もパンを持っていけよ。話しながら食おうぜ」
「あ、うん……」
穂乃果は急いで自分の鞄から昼食であるパンを取り出すと、奏夜と一緒に教室を後にして、屋上へと向かった。
その途中、校内にある自販機でジュースを購入してから屋上へと向かうのだが、自販機を離れた直後に絵里と希の2人とすれ違った。
穂乃果はμ'sを辞めた手前、気まずそうにしていたのだが、奏夜は一切言葉を発することはしなかった。
その代わり、2人に対してウインクをして、そのまま屋上へと向かっていった。
奏夜が動き出す。
先ほどのウインクを見ただけで、希と絵里はそれを理解していた。
そのため2人は奏夜が動き始めたことをμ'sメンバーと剣斗に伝達していた。
μ'sメンバーは奏夜が動き出したことを知るとようやく奏夜が動きを見せたのかと安堵しており、剣斗に至っては興奮を隠せずにいた。
μ'sのメンバーも剣斗も、奏夜に大きく期待していることなど知る由もなく、奏夜と穂乃果は屋上へとたどり着いた。
「……それで?どうしたんだ、穂乃果?改まって話だなんて……」
「……うん……。あのね……」
穂乃果はどうにか話を切り出そうとするのだが、いざ奏夜を目の前にするとなかなか話を切り出せなかった。
「私、気付いたことがあるの」
しかし、勇気を振り絞り、どうにか口を開いていた。
「気付いたこと?」
奏夜は穂乃果の言葉をおうむ返しのように繰り返していた。
「私ね、この学校を救うためにスクールアイドルを始めたけど、やっているうちに私は歌うことや踊ることが好きなんだなってわかったの」
「……」
穂乃果が大事なことを思い出し、奏夜は心の中では大きくガッツポーズをしていたのだが、それを表に出すことはしなかった。
そのため、ジッと穂乃果の話を聞いていた。
「学校を救いたいって気持ちはあったし、実際に学校も救えた。だけど、私はこれからも多くの人に歌を届けたい。そう思ったの!だから……!」
穂乃果はここで1度深呼吸をしてから再び口を開いた。
「……私、スクールアイドルを辞めたくない!スクールアイドルを続けたいの!」
「……」
穂乃果の本当の気持ちを知り、奏夜は心の中で大きく喜んでいたのだが、それを表に出すことはしなかった。
それだけではなく、奏夜は予想外の言葉を穂乃果に投げかけたのであった。
「……勝手だな。やったって意味はないと言ってスクールアイドルを辞めたくせに。すぐにスクールアイドルをやっぱり続けたい?そんなこと、通る訳がないだろ」
「……え?」
奏夜は自分の復帰を歓迎してくれると穂乃果は思っていたため、奏夜のまさかの言葉に驚いていた。
《おい、奏夜!何故そこで穂乃果を拒絶するんだ!》
キルバは奏夜の真意を理解していないため、思わずテレパシーを使って異議を唱えていた。
(黙っててくれないか?俺には俺の考えがあるんだ)
どうやら奏夜には何か考えがあるみたいであり、キルバの異議をシャットアウトしていた。
「それに、どんだけ練習したってA-RISEには追い付けないんだろ?そう言って辞めていった奴を再び入れることを俺は認めない」
奏夜は鋭い目付きで穂乃果を睨みつけながらこう言い放っていた。
「あ、あれは……!今思えば馬鹿なこと言っちゃったなって思ってる!だけど、私は本気でスクールアイドルを頑張りたいって思ってるの!」
「口ではそんなこと、いくらでも言える。お前がμ'sのことを裏切ったことに変わりはない。そんなんでのこのこと戻ってこられると本気で思っているのか?」
奏夜はぐうの音も出ない程に穂乃果を説き伏せようとしていた。
これは本気でそう思っている訳ではなく、穂乃果の覚悟が本物かどうか確かめるため、あえて悪役を演じていたのである。
生半可な覚悟であれば何も反論は出来ないが、穂乃果ならきっと自分の気持ちを伝えて反論する事が出来る。
奏夜はこのように信じているからこそ、あえてこのような回りくどい手段に出たのだ。
「……自分勝手なことを言ってるのはわかってる!今更謝ったって、許されないことをしたこともわかってる!でも!」
穂乃果は正論による厳しい口撃をしている奏夜に決して怯むことはなく、自分の思いを伝えようとしていた。
「私、本気でスクールアイドルを頑張りたいの!誰のためでもない!私がそうしたいから!だから……もう一度、私をμ'sに……入れて欲しいの……!」
穂乃果は心の底からスクールアイドルを続けたいようであり、自分の思いを伝えた穂乃果の瞳からは涙が溢れていた。
「グスッ……ヒック……。そーくん……穂乃果のこと……信じてよぉ……!!」
最後の最後はまるで子供のように泣きじゃくり、奏夜を説得していた。
「うっ……!」
奏夜はまさか穂乃果がここまで泣き出すとは思っていなかったからか、たじろいでしまった。
『……おい、奏夜。ここまでだ。流石に穂乃果がいい加減な気持ちでスクールアイドルを続けたいと言っている訳ではないだろう?』
穂乃果が泣き出したことを見かねて、キルバがこのように口出しをしていた。
「わ、わかってるよ!」
キルバの言っていることは奏夜はわかっていることであり、奏夜は泣いている穂乃果をなだめることにした。
「……穂乃果」
奏夜は穏やかな表情で笑みを浮かべると、優しく穂乃果の肩に手を置いていた。
「ふぇっ……?そーくん?」
「穂乃果。意地悪なことを言ってすまなかったな。俺は、穂乃果の覚悟がどれだけなのか確かめたかっただけなんだよ」
奏夜は穂乃果に自分の真意を語ると、申し訳なさそうにしていた。
「そーくん……。それじゃあ……」
奏夜の真意を理解した穂乃果は泣き止むのだが、やはり瞳には涙が浮かんでいた。
「ああ。俺はお前の復帰を歓迎するぜ。だけど、俺がさっき言った事実は覆ることはない。だけど、1からやり直すことが出来る」
「そーくん……」
先ほど奏夜は穂乃果に厳しいことを言ったのだが、それは全て事実であり、それは決して覆らない。
しかし、それを後悔するのではなく、それを受け止めてやり直すことは出来る。
奏夜が穂乃果に伝えたかったのはこのことなのである。
「だからやり直そうぜ!俺も力を貸すからさ」
「うん……!」
穂乃果は涙を流しながら満面の笑みを浮かべており、そんな穂乃果を見た奏夜はドキッとしてしまい、頬を赤らめていた。
「さて、話は終わりだろ?そろそろ飯にしようぜ」
「うん!」
こうして穂乃果は再びμ'sに戻る決意を固め、奏夜と穂乃果は一緒に昼食をとることになった。
穂乃果は先ほどまでのような暗い顔はしておらず、奏夜の前ではいつもの穂乃果に戻ったみたいだった。
(良かった……。どうにかなったみたいだな。ヒフミトリオの3人に穂乃果の息抜きをお願いして正解だったみたいだな)
奏夜がヒフミトリオに頼んだこととは、偶然を装って穂乃果と一緒に帰ってもらい、息抜きをしてもらうことだった。
一緒に帰るということは、必ずどこかに寄り道をするだろうとそこまで読んでのことであった。
ヒフミトリオの3人がどこに立ち寄り、どのような方法で穂乃果を励ましたかは、奏夜は知らなかったが、穂乃果を焚き付けることに成功したことは事実である。
そのため、奏夜はヒフミトリオの3人に心から感謝をしていた。
そのため、今度何かお礼をしよう。
そんなことも考えていた。
(さて、穂乃果のことは何とかなったけど、次はことりの問題をなんとかしないとな……)
穂乃果がμ'sに戻りたいと決意をしてくれたおかげで、問題を1つ解決させた奏夜であったが、まだことりの問題が残っていた。
《おい、奏夜。ことりは留学するんだろう?俺たちがどうこう出来る問題ではないと思うがな》
(わかってるさ。だけど、ことりと穂乃果を仲直りさせなきゃいけない。このままさよならは悲し過ぎるからな。それに……)
《それに?》
(穂乃果だったら、ことりの留学をなかったことに出来る。何故かわからないけどそんな気がするんだよ)
奏夜の言葉は全く根拠のないものであり、それを聞いたキルバは呆れ果てていた。
《やれやれ……。その根拠のない自信はいったいどこから来るのやら……》
奏夜の言っていることは絵空事のようであるため、キルバはそのことを言おうとしたのだが、奏夜は本気でそう信じたいと思っているみたいだったのであえて口をつぐんでいた。
こうして、穂乃果の問題を無事解決させた奏夜だったが、ことりの問題がまだ残っているため、それを何とかしたいと思っていた。
穂乃果がμ'sに戻り、μ'sは少しだけ再生された。
本当のμ'sの再生はこれから始まるのであった……。
……続く。
__次回予告__
『穂乃果が無事にμ'sに戻って安心したが、ことりの問題はいったいどうするつもりなんだ?次回、「気持」。ことり、お前はいったいどうしたいんだ?』
穂乃果がμ'sに戻る決意を固めました。
原作を見てても思ったけど、ヒフミトリオの3人の功績はかなり大きいですよね。
あの3人がいなかったらμ'sが再生することはなかったでしょうし。
穂乃果がどのように復帰するかを描くのはラブライブのSSの見どころだとは思いますが、僕はこんな感じにさせてもらいました。
あえて最初は厳しいことを言ったのが奏夜らしいと思います。
さて、次回からはさらに話が進んでいきます。
一期の話が終わるのはもうすぐですが、終わりの方で牙狼要素を出していきたいと思います。
最近はラブライブ要素が強めだったので。
それでは、次回をお楽しみに!