牙狼ライブ! 〜9人の女神と光の騎士〜   作:ナック・G

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お待たせしました!番外編になります!

11月に喋るザルバが届きました!

目の前でザルバが喋るのはやはりイイですね。買って良かったと思ってます。

さて、タイトルが堅陣ということで、あのキャラが登場します。

そのキャラとは一体……?

それでは、番外編をどうぞ!




番外編③ 「堅陣 前編」

翼と邪美の2人が指令を受けて秋葉原を訪れ、元魔戒法師だったホラーを討滅した数日後、奏夜は東京を離れ、桜ヶ丘という街に来ていた。

 

この桜ヶ丘は、奏夜の先輩騎士である月影統夜の故郷であり、この街を管轄としているのが「紅の番犬所」と呼ばれる番犬所である。

 

「桜ヶ丘に来るのは久しぶりだけど、変わってないなぁ……」

 

奏夜はしみじみと呟きながら、桜ヶ丘の街を歩いていた。

 

奏夜は魔戒騎士になったばかりの頃から、度々桜ヶ丘を訪れており、とある指令を受けている先輩騎士である統夜の援護に赴いたこともあった。

 

そのため、奏夜にとっては思い入れの強い街となっているのである。

 

「さて、まずは番犬所に挨拶をしないとな……」

 

『そうだな。それが最優先だろう』

 

キルバも賛同したところで、奏夜は紅の番犬所へと向かっていった。

 

そもそも、何故奏夜が桜ヶ丘を訪れることになったのか?

 

それは、翼と邪美による特訓の終了後まで遡る……。

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

 

翼と邪美による厳しい特訓を乗り越えた奏夜は、2人と別れると、そのまま番犬所へと向かった。

 

ロデルからの呼び出しがあったからである。

 

「来ましたね、奏夜。……って、随分とボロボロですね」

 

奏夜は既にボロボロだったため、それを見たロデルは苦笑いをしていた。

 

「え、ええ……。翼さんと邪美さんの特訓が思った以上に容赦がなかったので……」

 

奏夜は何故ここまでボロボロなのかを説明していた。

 

「なるほど……。ですが、あの2人にそこまで鍛えてもらうのはあなたにとってはプラスになったのではないですか?」

 

「そうですね。そのおかげで、俺はまた強くなれたと思います」

 

修行は容赦なかったものの、それによって奏夜は自身の成長を実感していたのであった。

 

「ふふ、頼もしいですね、奏夜。そんなあなたに、行ってもらいたいところがあります」

 

「行ってもらいたいところ……。もしかして、指令ですか?」

 

奏夜の問いかけに、ロデルは無言で頷いていた。

 

「奏夜、今週末に桜ヶ丘に行ってもらいます」

 

「桜ヶ丘って、統夜さんたちがいる紅の番犬所の管轄ですよね?」

 

「ええ。そこの神官であるイレスからの要請なのです」

 

「イレス様が……ですか?」

 

「最近、桜ヶ丘郊外に強大な力を持つホラーが現れたそうなんです。並の魔戒騎士や魔戒法師ではまったく歯が立たない程の……」

 

事態の深刻さに、奏夜は険しい表情になっていた。

 

「どうやらそのホラーは強い相手を求めているようであり、現れてからそれなりに経ちますが、人的被害はありません」

「そうなんですか……?」

 

「黒崎戒人と、楠神幸人の両名ならば討滅は可能ですが、奏夜の成長のために是非にとイレスが勧めてくれたのです」

 

どうやら、紅の番犬所の神官であるイレスは、奏夜の成長を促すために、奏夜に応援を要請したのであった。

 

奏夜は、イレスがそこまで自分のことを評価してくれてることが嬉しかった。

 

そのため……。

 

「わかりました!俺じゃ戒人さんや幸人さんの足を引っ張るかもしれませんが、この指令、引き受けます!」

 

「そうですか!黒崎戒人や楠神幸人と共に戦い、魔戒騎士として大きく成長して帰ってきて下さいね」

 

「はい!これからやらなきゃいけないこともありますし、もっと強くなってみせます!」

 

奏夜は、桜ヶ丘にいる先輩騎士と共に戦うことで、魔戒騎士としてさらに成長することを誓っていた。

 

「頼みましたよ、奏夜」

 

「わかりました!」

 

この日は指令がないため、奏夜は番犬所を後にした。

 

その後、穂乃果たちに数日後に何日か桜ヶ丘へ行くことを伝えると、穂乃果たちはとても羨ましがっていた。

 

しかし、魔戒騎士の仕事であるとわかると、穂乃果たちは奏夜の身を案じながらも奏夜のことを応援していた。

 

こうして穂乃果たちにも無事に伝えることが出来た奏夜は桜ヶ丘に行くことになったのであった。

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

 

そして現在、奏夜は桜ヶ丘を管轄にしている紅の番犬所を訪れていた。

 

奏夜は何度かこの番犬所を訪れたことがあるのだが、ここへ来るのはかなり久しぶりであった。

 

「……おや、来ましたね、奏夜」

 

神官の間で奏夜を待っていたのは、番犬所の神官とは思えないほどの若い容姿で、美しさと知性を併せ持つような黒髪長髪の女性であった。

 

「は、はい。イレス様。ご無沙汰しています」

 

奏夜は、少しだけ緊張した面持ちでイレスに一礼をしていた。

 

「ふふ、そんなに緊張しなくても良いのですよ?」

 

奏夜が緊張しているのがバレバレだったからか、イレスは穏やかな笑みを浮かべていた。

 

「それはそうと、良く来てくれましたね、奏夜」

 

「いえ……。こちらこそ、魔戒騎士として大きく成長するチャンスを与えて頂き、とても感謝しています」

 

「それは当然のことです。魔戒騎士は人を守るために鍛錬を欠かせてはいけません。今回討伐してもらいたいホラーは、かなりの手練れですので、ピッタリかなと思ったのです」

 

「そうだったんですね……」

 

『それで、そのホラーとはいったいどんなやつなんだ?』

 

手練れのホラーとは聞いたものの、ピンと来なかったからか、キルバはこのように問いかけていた。

 

「それはですね……」

 

「それは俺たちが説明するよ」

 

イレスがホラーについて説明する前に、黒いコートを着た2人の男が現れた。

 

そのコートの形は若干異なるが、2人とも黒髪であり、1人は眼鏡をかけていた。

 

「奏夜……。久しぶりだな」

 

「戒人さん!それに幸人さんも!お久しぶりです!」

 

眼鏡をかけていない男性……。黒崎戒人が親しげに奏夜に声をかけており、奏夜は明るい表情になっていた。

 

「奏夜、統夜から話は聞いている。どうやら以前会った時よりも強くなったみたいだな」

 

「いえ……。俺なんてまだまだですよ……」

 

「そこまで卑下する必要はない。お前が魔戒騎士として強くなってるのは佇まいを見ればわかる」

 

そして、眼鏡をかけた男性が、このように奏夜に声をかけていた。

 

眼鏡をかけていない男性は、黒崎戒人。堅陣騎士ガイアの称号を持つ魔戒騎士であり、奏夜の先輩騎士である統夜の親友であり、ライバルである。

 

そして、眼鏡をかけている男性は、楠神幸人。天弓騎士牙射(ガイ)の称号を持つ魔戒騎士であり、その名の通り、弓術によってホラーを射る魔戒騎士である。

 

「クスッ……。幸人も随分と丸くなりましたねぇ。ここに来たばかりはあれほどツンツンしてたのに、噓みたいです」

 

イレスは、この番犬所に配属されたばかりの頃の幸人のことを思い出し、笑みを浮かべていた。

 

幸人の家は、「楠神流」という、早撃ちの連射を得意とする弓術を扱う家系であり、魔戒騎士としては由緒ある家柄である。

 

そんな家柄の生まれ故にプライドは高く、紅の番犬所に配属されたばかりの頃は、軽音部の人間に魔戒騎士の秘密を話した統夜と、それを受け入れている戒人のことを認めていなかった。

 

彼らは幾度となく衝突したのだが、何度も衝突をする度に互いを理解していったのであった。

 

そして、統夜、戒人、幸人の3人は、とあるホラーを共に討伐したことがきっかけで、盟友となるのであった。

 

「い、イレス様!意地の悪いことを言うのはやめて頂きたい!俺だって、あの頃とは違うのだから」

 

幸人は、かつての話をしているイレスのことを必死に止めていた。

 

「クスッ、ごめんなさい……。さて、戒人、幸人。奏夜にホラーの説明を」

 

「おっと、そうだったな」

 

奏夜たちは久しぶりの再会で話を途切れさせてしまったので、戒人は改めてホラーの話をすることにした。

 

「そのホラーは、強い者を求めているホラーみたいで、今のところ一般人の被害はないみたいなんだ」

 

『ほぉ、そいつは珍しいホラーだな。現れてそれなりに経つんだろう?なのに人的被害がないとはな……』

 

討伐対象であるホラーによる人的被害はないとわかると、キルバは驚きを隠せなかった。

 

ホラーは陰我あるオブジェをゲームに出現し、人間を餌として食らう。

 

時々捕食対象が同族であるホラーである者もいるのだが、そんなホラーでも時折人間を食らうことはある。

 

ホラーによる人的被害がないことは、それだけ驚きがあることなのだ。

 

「しかし、まったく餌を食べていない訳ではないみたいだ。奴は自分が強いと認めた者を捕食の対象としているみたいなんだ」

 

「現に、そのホラーの調査を行っていたベテランの法師と連絡が途絶えました。恐らくはホラーに……」

 

どうやら、戒人や幸人が指令を受ける前にとある魔戒法師がそのホラーと接触したみたいだが、その法師は捕食されたものと推測された。

 

「そのホラーは、人馬ホラー「ロフォカレ」。その力は使徒ホラーに匹敵するものと言われている」

 

『ロフォカレだと!?』

 

戒人がホラーの名前を聞くと、キルバは驚愕していた。

 

「?キルバ、知ってるのか?」

 

『ああ。人馬ホラー、ロフォカレ……。確かに奴ならば使徒ホラー並の力はあるし、強い奴と戦うことが好きな、物好きなホラーでもある』

 

「それだけ実力のあるホラーなのか……」

 

『やれやれ……。ロフォカレが相手となると、奏夜には荷が重すぎるんじゃないか?』

 

ロフォカレが強大な力を持つホラーであることを知っているキルバは、奏夜では倒すのは難しいと思っていた。

 

「そんなことはないさ。奏夜は魔戒騎士として成長している。それに、俺たちが協力すれば倒せないホラーなどいないさ」

 

何を根拠に言っているかはわからないが、戒人は自信に満ちた表情でこのように宣言していた。

 

『その根拠はどこから来てるのか理解出来んがな……』

 

『ホッホッホ!奏夜も魔戒騎士として成長してるのじゃろう?ちょっとは奏夜を信じてみたらどうじゃ?』

 

突如戒人の腕の方から声が聞こえてきた。

 

今口を開いたのは、魔導輪トルバ。戒人の相棒である腕輪の形をした魔導輪で、老人のような声をしている。

 

『ま、あの尊士を倒したんだ。確かにいつもの奏夜とは違うといえば違うか』

 

キルバは、奏夜の成長を素直には認めていなかったが、冷静に考えると成長していることは明白だったため、そこは認めざるを得なかった。

 

「ロフォカレの力は測れんが、戒人の言う通り、俺たちが協力すれば討滅は可能だろう」

 

幸人もまた、奏夜のことを認めているからか、このような分析をしていた。

 

「幸人さん……」

 

奏夜は、幸人が自分のことを認めてくれていることを感じ取っており、そのことに喜びを噛み締めていた。

 

奏夜が初めて幸人と出会った時は、奏夜が未熟だったため、幸人は相手にもしていなかった。

 

それどころか、とあるホラーを協力して倒すという指令を受けた時には、奏夜を捨て駒にさえしようとしており、統夜や戒人と激しく反発したのであった。

 

しかし、何度か共に戦うことにより、くだらないプライドに囚われなくなった幸人は、奏夜のことを見下すことはなくなっていた。

 

「ええ。統夜もいれば、より確実にロフォカレを討滅出来ますが、統夜は例のホラーを追っているため忙しいでしょうし……」

 

「……」

 

イレスのいう例のホラーというのは、ジンガが蘇らせようとしているニーズヘッグのことであり、それを感じ取った表情は険しい表情をしていた。

 

統夜は現在、元老院からの指令で、魔竜ホラーであるニーズヘッグ復活を阻止するために動いている。

 

魔竜の牙と、魔竜の眼の1つはジンガが持っており、統夜は未だにどこにあるか判明していないもう1つの魔竜の眼を探していた。

 

統夜は未だに元老院の魔戒騎士ではなく、この紅の番犬所の魔戒騎士なのだが、この指令が終わったら、そのまま元老院付きの魔戒騎士になるのではないか?という噂が流れている。

 

「そのホラーって確か、翡翠の番犬所の管轄で復活しようとしているんだったな」

 

「それを復活させようとしてるホラーもまた、かなりの手練れみたいだな」

 

「ええ……。俺も一度は敗れ、命を落としかけました……」

 

奏夜は、学園祭前日にジンガと戦った時のことを思い出し、深刻そうな表情をしていた。

 

「そうか……」

 

「統夜も手を焼いているみたいだし、かなりの手練れなのは間違いなさそうだ」

 

幸人と戒人は、統夜からジンガの話も聞いているため、その力がかなりのものであることは感じ取っていた。

 

「奏夜も大変だとは思いますが、まずは目下のホラーに集中しましょう」

 

「はい、わかっています」

 

奏夜も今はロフォカレのことに専念しなければならないのはわかっているため、素早く気持ちを切り替えていた。

 

「奏夜、奴は夜になると、桜ヶ丘の町外れにある遺跡のようなところに身を潜めている。一度解散し、後ほどそこで落ち合おう」

 

「わかりました」

 

「頼みましたよ、戒人、幸人、奏夜」

 

「「「はい!」」」

 

こうして、人馬ホラーと呼ばれるロフォカレ討滅の指令を受けた奏夜は、一度番犬所を後にした。

 

奏夜は夜になり、戒人や幸人と合流するまで、桜ヶ丘の街を見て歩くことにした。

 

先輩騎士である統夜が青春時代を過ごしたこの街をじっくりと見て歩きたいと考えていたからである。

 

そんな奏夜が最初に訪れたのは、統夜もよく通っていた桜ヶ丘の商店街であった。

 

桜ヶ丘の街はそれなりに発展しているため、この商店街には様々な店が軒を連ねており、カラオケ店やファストフード店など、学生が足を運びやすい施設も多い。

 

そのため、学生の姿もちらほらと確認されたのであった。

 

「……あの制服、統夜さんも着ていたんだよな……」

 

奏夜が統夜と初めて出会った時は、統夜は高校3年生であり、制服を着た統夜の姿は何度も見てきた。

 

(あの人は、今の俺みたいに、高校に通いながら、守りし者として、使命を果たしてきたんだよな……。俺は、なれるんだろうか?統夜さんみたいに、揺るぎのない強さを持った魔戒騎士に……)

 

奏夜は、かつての統夜と自分の姿を重ね合わせると、統夜のような魔戒騎士になれるか?という疑問を抱き、不安げな表情を浮かべていた。

 

《ったく……。お前は……》

 

そんな奏夜に呆れているキルバは、奏夜に苦言を呈そうとするのだが……。

 

「……あれ?もしかして、奏夜くん……?」

 

「え?」

 

奏夜はいきなり声をかけられるとは思っていなかったため、驚いていた。

 

声の方を向くと、そこに立っていたのは、絵里のように綺麗な金色の長髪に、青い瞳の少女と、おかっぱのように短めの黒髪で、眼鏡をかけた少女だった。

 

「!もしかして……。菫と直なのか?」

 

奏夜はこの2人に見覚えがあるみたいで、驚きを隠せずにいた。

 

「うん!そうだよ!久しぶりだね!」

 

「奏夜、元気にしてたの?」

 

「まぁな。2人も元気そうじゃないか」

 

この2人は知り合いだからか、奏夜は親しげに話しをしていた。

 

金髪の少女は斎藤菫(さいとうすみれ)で、黒髪の少女が奥田直(おくだなお)。

 

2人とも桜ヶ丘高校に通う高校2年生であり、軽音部に所属している。

 

3年生が卒業し、部員は菫と直だけになったのだが、必死な勧誘の甲斐もあって、新入部員を3人獲得し、部として存続させることが出来たのであった。

 

ちなみに、琴吹家に仕える執事の名前も斎藤なのだが、菫は彼の娘である。

 

そのため……。

 

「ねぇ、ここに来たってことはもしかしてホラー絡みなの?」

 

直に聞かれないよう、菫は奏夜に耳打ちをして問いかけていた。

 

「ま、そんなところだな」

 

奏夜もまた、耳打ちでこのように返していた。

 

菫は1度だけホラーに襲われたことがあり、統夜に救われたことがある。

 

その時は何も知らなかったが、彼女の父親を通してホラーや魔戒騎士のことを知るようになり、統夜が魔戒騎士と知って驚いたこともあった。

 

さらに、奏夜が魔戒騎士だと知ったのは初めて会った時であり、菫は奏夜の魔法衣を見て、彼が魔戒騎士だと察したのであった。

 

「……ねぇ、今、何を話してたの?」

 

「な、なんでもないよ!なんでも!」

 

「ふーん……」

 

先ほどの耳打ちの内容を直は問いかけており、菫は慌てて誤魔化していた。

 

それ以上の追求はしなかったが、直はジト目になっていた。

 

「それよりさ!奏夜君はあのμ'sのマネージャーをしてるんだったよね?お姉ちゃんから聞いてるよ!」

 

菫の言う姉とは、統夜にとってかけがえのない仲間の1人である琴吹紬のことである。

 

菫の父親は、琴吹家に仕えているため、その関係もあってか、紬と菫はまるで姉妹のように育ったのである。

 

今は、琴吹家と斎藤家の関係を知っているため、そこまで馴れ馴れしい態度は取れないものの、時々紬のことをお姉ちゃんと言ってしまうことがあるみたいだった。

 

「お姉ちゃん?ああ、紬さんから聞いたんだな」

 

奏夜もそのことは理解しているからか、あっさりと答えていた。

 

「スクールアイドルはウチでも人気だけど、μ'sの人気は凄いよね」

 

「うんうん!ウチの学校でもスクールアイドルを始めたいって子が出てきてるみたいだしね」

 

「そうなのか……」

 

スクールアイドルは全国区であることは奏夜も理解をしていたが、桜ヶ丘でもここまで反響があるとは思わなかったため、嬉しい気持ちになっていた。

 

「だけど、みんな話してたよね。何でμ'sは一時的に活動を休止したんだろう?って……」

 

「ランキングも上がってたのに、勿体無いねって話もしてたよね」

 

「……」

 

μ'sは今でも人気はあるものの、1度は活動休止した事実は消えるものではないため、そのことを考えていた奏夜の表情は険しくなっていた。

 

「あっ、ごめんなさい……。奏夜君も奏夜君できっと大変だったんだもんね……」

 

奏夜が険しい表情をしているのを見た菫は、申し訳なさそうに奏夜に謝罪していた。

 

「いいんだ。今となっちゃμ'sはまたスタートしたんだ。俺はマネージャーとして、あいつらを導いてやるさ」

 

「うん。私たちも期待してる」

 

菫だけではなく、直もまたμ'sに期待しているからか、穏やかな表情で微笑んでいた。

 

「ねぇ、奏夜君。私たちこれからハンバーガーを食べに行くんだけど、時間があるなら一緒にどう?」

 

「構わないよ。夜までは時間はあるし、お前らとたまに話をするのも悪くはないからな」

 

菫からの誘いを奏夜は快く受け入れており、菫と直の表情はぱぁっと明るくなっていた。

 

「ちょうど良かった。実はμ'sをイメージした曲を4曲も作ってみたの。私たちは演奏しない曲だし、良ければ使って欲しい」

 

直は軽音部では作詞と作曲を担当しており、今の軽音部の曲はほぼ全て直が作っている。

 

曲を作るのがもはや趣味になっているみたいであり、このような曲を作ったりもしているみたいだった。

 

直はライブの時はPAを担当しており、臨場感のあるライブにするために工夫をしたりしているのだ。

 

ちなみに、菫はドラムを担当しており、現在ギターとベースは1年生が担当している。

 

こうして、奏夜は、菫と直の2人と共にファストフード店へ向かうことになった。

 

ファストフード店で、奏夜は菫たちの近況も聞いていた。

 

菫と直のいるバンドは「わかばガールズ」というバンド名であり、去年は統夜の彼女である梓が部長を務めていた。

 

梓たち3年生が卒業すると、このバンド名を譲り受け、今でもこのバンド名で活動しているみたいだった。

 

そして最近は、学園祭で行われたライブをどうにか成功させたとのことであった。

 

かつては統夜もいた軽音部の今を聞くことが出来て、奏夜はとても満足そうにしていた。

 

そして、直は自らが作った曲を奏夜に聞かせていた。

 

μ'sのイメージに合っていると直は豪語しており、奏夜はその曲が気に入ったみたいであった。

 

そのため奏夜は直からその曲の音源をもらい、μ'sの曲として使えないか穂乃果たちに相談してみることにしたのであった。

 

こうして、ファストフード店で良い息抜きを行えた奏夜は、そのまま菫や直と別れて、戒人や幸人との合流ポイントへ向かうのであった。

 

人馬ホラーと呼ばれた、ロフォカレを倒すために……。

 

 

 

 

 

 

 

……後編に続く。

 

 




今回はいつもと比べたら短めですが、ここまでにさせてもらいました。

次回は戦闘メイン回となるので。

奏夜が訪れたのは、前作である「牙狼×けいおん 白銀の刃」の舞台となった桜ヶ丘になっています。

そのため、けいおんの続編である「けいおん! high school」に登場した斎藤菫と奥田直も登場しました。

誰?と思った方は、ぜひ漫画版をご覧ください。

「けいおん! high school」もかなり面白いので。

そして、今回名前だけ登場したロフォカレというホラーですが、モデルが存在します。

FF14に最近追加されたダンジョンである「失われた都 ラバナスタ」というところに現れるボスの1人である「人馬王ロフォカレ」がモデルになっています。

このロフォカレは、牙狼シリーズでお馴染みの雨宮監督がデザインを考えたのです。

見た目も格好いい強敵ですが、今回はホラーとして登場となります。

そのロフォカレと、どんな戦いを繰り広げるのか?

それでは、次回の後編をお楽しみに!

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