牙狼ライブ! 〜9人の女神と光の騎士〜   作:ナック・G

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大変長らくお待たせしました!第62話になります。

3月中にもう1話投稿したかったけど、4月になってしまいました(>_<)

色々と忙しいのもありますが、執筆のモチベーションが下がってしまいまして……(>_<)

なので、ガッツリペースが落ちて投稿が遅くなってしまいました(>_<)

ですが、今後のネタは考えているので、時間はかかっても投稿はしていきますし、完結もさせたいと思っているので、よろしくお願いします。

さて、今回は班分けによる曲作りがスタートします。

なので、場面がコロコロ変わるので多少読みにくいかもですが、ご了承ください。

もっと文章力が欲しい……。

そ、それはともかくとして、第62話をどうぞ!





第62話 「班分」

奏夜たちは、ラブライブ予選に出場するため、新曲を作らなければいけなくなった。

 

本来ならば真姫の別荘を借りて行う予定だったのだが、真姫の父親の都合で使えないことがわかり、その代わりに、剣斗の別荘を使って合宿を行うことになった。

 

当日になり、奏夜たちは剣斗の別荘に到着したのだが、とある問題に直面する。

 

海未、ことり、真姫の3人がいつも以上のプレッシャーに襲われた結果、スランプとなってしまったのだ。

 

曲作りをこの3人に一任していたことに奏夜は責任を感じながら、全員で曲作りを行うことがララから提案される。

 

さらに、作詞班、作曲班、衣装班の3つに分かれて、別行動をとる事になったのであった。

 

 

 

 

作曲を担当することになった真姫、絵里、にこ、ララの4人は、別荘から程近い場所を陣取り、そこへテントを立てるのであった。

 

「……って!どうして別荘があるのに外でテントを張らなきゃならないのよ!」

 

テントを張った場所が別荘から近いこともあるからか、にこは異議を唱えるのであった。

 

「少しは距離を取らないと三班に分けた意味がないでしょ?ちょうど別荘にテントもあったしね」

 

ここに張ったテントは、誰かが持参したものではなく、この別荘に置いてあるものであった。

 

それなりのサイズのテントが3つあったため、1班に1つずつテントがあたり、別行動をするのに役立てることにしたのである。

 

「こんなんで本当に作曲なんて出来るのぉ!?」

 

「大丈夫だよ。みんなで協力するんだから、きっとなんとかなるわ」

 

「そうね、ララの言う通りだわ」

 

「それに、私はどうせ後でピアノのところに戻るしね」

 

にこはこのようなテントで曲作りが出来るか不安になっていたが、そんな気持ちをララが吹き飛ばしていた。

 

「ふふ、それじゃあ食事でも作りましょうか。真姫が少しでも集中できるように」

 

「あっ、私も手伝うよ!こう見えても料理は得意なんだから!」

 

「仕方ないわねぇ……」

 

絵里は食事作りを提案すると、そのまま準備を始めようとしており、それにララとにこが続くのであった。

 

こうして作曲班は、それぞれ動き始めるのであった。

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

 

その頃、奏夜、穂乃果、ことり、花陽の4人の衣装班は、川のほとりに陣取っていた。

 

奏夜が手際よくテントを張ると、テントの中でことりは黙々と衣装のアイディアとなるデッサンを描いているのであった。

 

そんな中、花陽は衣装作りの参考になるものがないかを探しに、周囲を散策しに行くのであった。

 

「さてと……。俺はこれからどうするかな?」

 

奏夜はそう呟きながらも、何故か楽しそうに自前の釣り道具を取り出し、釣りの準備を始めるのであった。

 

『ったく、お前は……。釣りをする気満々じゃないか……』

 

奏夜は明らかに趣味である釣りを楽しもうとしており、それを察したキルバは呆れ果てるのであった。

 

「べっ、別にただ釣りがしたいだけじゃないぞ!衣装作りのアイディアなんて思いつかないし、せめて夕飯の魚を釣り上げようと思ってだな!」

 

自分の目論見を見抜かれた奏夜は必死に弁解をするのであった。

 

『よく言うぜ。ここにテントを張ったのだって、釣りをしたいからだろう?』

 

これ以上弁解しても意味がないと判断したからか、奏夜は素直に頷くのであった。

 

『ったく……。お前ってやつは……』

 

「べ、別にいいだろ!どのみち別荘から離れなきゃだし、川沿いなら雰囲気もいいし!」

 

『開き直るなよな……』

 

奏夜は毅然とした態度で開き直るのだが、キルバはそんな奏夜に呆れていた。

 

「どっちにしても俺に出来ることはないし、剣斗が話してた大物を狙うのもありかと思ってな」

 

奏夜は釣り道具の準備を整えると、不敵な笑みを浮かべていた。

 

三班に分かれて行動する前、奏夜の趣味が釣りだと知っている剣斗がここら辺の川に生息する大物の魚の情報を奏夜に与えていたのであった。

 

「豪快な魚を釣り上げれば何か衣装のヒントになるかもって思ってな」

 

『いや、それはないだろ……』

 

奏夜のめちゃくちゃな理論に、キルバは呆れていた。

 

「そういう訳で……」

 

奏夜はテントから少しだけ離れたところに移動すると、釣竿を振り下ろし、釣りを開始するのであった。

 

ちなみに奏夜はルアーを使用しているのだが、このルアーは自前のルアーであり、釣具店で購入したそれなりに高価なルアーであった。

 

こうして、奏夜は本格的に釣りを開始するのであった。

 

奏夜は剣斗から話を聞いていた大物を狙っていたのだが、釣れるのは小ぶりの魚ばかりであり、大物がいる気配は感じ取れなかった。

 

「むむ……!」

 

奏夜は思うような釣果をあげられていないからか、釣り糸を垂らしながらしかめっ面になっていた。

 

『奏夜。今日はそれなりに釣れてる方じゃないか。何故そこまでしかめっ面になる必要がある?』

 

釣りをする時の釣果はその時により、全く魚が釣れない日があることもある。

 

今回は小ぶりの魚がそれなりに釣れているため、釣果はそれほど悪いとは言いがたい。

 

そんな状況を不満がっている奏夜がキルバには理解出来なかった。

 

「だってよぉ!その釣り場1の大物を釣り上げないと、釣り冥利に尽きないだろ?」

 

『はいはい。そういうことか』

 

奏夜は数より質を求めており、それを理解したキルバは、ジト目で奏夜のことを見ていた。

 

奏夜が垂らしている釣り糸とにらめっこをしていると……。

 

「……あ、奏夜君。ここにいたんだね」

 

奏夜が釣りを始める前にどこかへ散策をしていた花陽が奏夜の姿を見かけてひょこっと顔を出すのであった。

 

「ああ。俺はことりに良いアイディアを出してもらうために環境作りをするので精一杯だからな。だからこそ趣味の釣りをさせてもらってるんだよ」

 

『いよいよ包み隠さずぶっちゃけやがったな……』

 

奏夜は一切悪びれることなく本音を吐露しており、そのことにキルバは呆れていた。

 

「アハハ……。そうなんだ……」

 

そうとわかった花陽は苦笑いをするのであった。

 

「それで、花陽はどこに行ってたんだ?」

 

「あ、うん。ことりちゃんの衣装作りの参考になるものがないか散策してたらお花畑を見つけたんだ。それでね……」

 

花陽はこのように前置きをすると、小さなカゴいっぱいに、白い花を摘んでおり、それを奏夜に見せていた。

 

「へぇ、綺麗な花じゃないか!よくこんなに集められたな」

 

「そ、そうかな……。////だけど、私も綺麗だなって思って、衣装に使えないかなって思ったから摘んできたの」

 

奏夜は花を多く摘んできた花陽に感心しており、花陽は気恥ずかしいからか頬を赤らめていた。

 

「さっそくことりに見せてやれよ。きっと喜んでくれると思うぜ!」

 

「うん!さっそくことりちゃんに見せてくるね!」

 

花陽は奏夜に満面の笑みを見せると、そのままことりがいるテントの方へ向かっていった。

 

そんな花陽の笑顔を見て、奏夜はドキッとしたからか、頬を赤らめるのであった。

 

「……なんで俺、こんなにドキッとしてるんだ……?」

 

奏夜は未だにドキドキが治らず、見慣れたはずの花陽の笑顔でどうしてこうなったのかが疑問であった。

 

(やれやれ……。あの月影統夜なみにフラグを積み立てていくな、奏夜のやつ……)

 

キルバは、今の奏夜に思うところがあるからか、声には出すことなく呆れているのであった。

 

「と、とにかく!大物を釣り上げないと!穂乃果たちとの合流はそれからだ!」

 

奏夜は気持ちを切り替えて、自分の目的を果たそうとしていた。

 

「……それよりも、海未たちの班だけど、山の方に向かって行ってたよな」

 

『そういえばそうだったな』

 

奏夜は剣斗から大物の話を聞いた後に、海未たちが山の方へ向かっていくのを目撃していたのであった。

 

『あの4人は本気で登山でもするつもりか?嫌な予感しかしないんだが……』

 

「そうだとしても、剣斗が一緒なんだから大丈夫だろ」

 

『……だといいがな』

 

奏夜は剣斗のことを信用しているため、そこまで心配はしていなかったが、キルバは過剰に心配するのであった。

 

そんなキルバの憂いなど意に返さず、奏夜は釣り糸とにらめっこをするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

 

 

キルバが心配していた海未たちは現在……。

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「凛!手を離してはいけません!死にますよ!」

どうやら海未たちは本当に登山を行っており、現在は難所である崖を越えようとしていた。

 

先導する海未が凛の手を取り、希と剣斗は下から凛を支えるのであった。

 

「なんでこんな目に遭わなきゃいけないんだにゃあ!!」

 

凛はべそをかきながら、この現状を嘆くのであった。

 

「ファイトが足りんよ!」

 

「うむ!凛!熱いパッションがあればこのような崖など造作でもないぞ!」

 

「言ってることがめちゃくちゃだにゃあ!!」

 

凛はこのような状況でも、剣斗の言葉にツッコミを入れるのであった。

 

そして、どうにか崖を越え、山頂へ続く道が見えてきたのだが……。

 

「……残念やけど、雲がかかってきたね……」

 

「うむ!これ以上進むのは危険だろう」

 

剣斗たちは山頂が目視出来るポイントに到着したのだが、雲がかかっており、天候の変化の可能性があったため、剣斗はこれ以上進むことを良しとはしなかった。

 

「そんな……!ここまで来たのに……!」

 

海未はその事実に顔を真っ青にしており、悔しそうにするのであった。

 

そんな中、凛は登山が乗り気ではなかったからか、グスグスとベソをかくのであった。

 

「ひどいにゃ!凛はこんなところ全然来たくなかったのに!」

 

そして凛は涙目で海未に抗議をするのだが……。

 

「仕方ありません……。ここで天候の回復を待って、翌日アタックをかけます。山頂アタックです!」

 

海未は凛の話をスルーするだけではなく、山頂にたどり着きたい思いからか、翌日に山頂に向かうことを提案するのであった。

 

「まだ行くのぉ!?」

 

「当然です!何をしにここへ来たと思ってるんですか?」

 

「作詞に来たはずにゃあ!」

 

ここへ来た目的を問われた凛は真っ当な答えを返すのだが、その答えに海未はハッとするのであった。

 

「まさか忘れてたのぉ!?」

 

「そんなことはありません!成し遂げたという達成感が創作の源になると思いまして……」

 

海未は本当に忘れていたからか、必死に弁解をしようとしていた。

 

すると……。

 

「……海未。今日はここまでにしておいた方がいい」

 

「そうやね。ウチも小津先生と同じこと思ってたわ」

 

「ですが……!」

 

剣斗と希が登山の中止を提案すると、海未は異議を唱えようとしていた。

 

「海未。山にチャレンジしようとするその勇気はとてもイイと思う。だが、途中で諦めるということも勇気がいることだとは思わないか?」

 

「……」

 

「海未ちゃん。そういうことや。だから下山の準備を始めるよ。晩ご飯はラーメンにしよう」

 

「本当!?」

 

ようやく下山出来るということと、大好物のラーメンが食べられるということもあり、凛の表情はぱぁっと明るくなっていた。

 

「下に食べられる草がいっぱい生えてたよ。手伝って」

 

「うむ!たしかにいっぱいあったな。手伝うとしよう」

 

希と剣斗は、食事の時に使える野草を採取するために移動を開始するのであった。

 

「希も小津先生もそんなことまで詳しいんですね……」

 

「なんか謎にゃあ」

 

希と剣斗は野草のことも詳しいようであり、そんな2人に海未と凛は首を傾げるのであった。

 

こうして、海未たちは頂上へ向かう登山を断念し、下山しようとしていたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、テントの近くにある川で奏夜は釣りを行っていたのだが、目当ての大物は釣ることが出来なかった。

 

奏夜はことりたちの様子も気になったため、釣り上げた魚を全て逃すと、そこで釣りを終えるのであった。

 

釣り道具を片付け、奏夜はそのままテントに向かうのであった。

 

「みんな、作業の方は順調か?」

 

このように声をかけながら、奏夜はテントの中に入っていくのだが……。

 

「「「すぅ……すぅ……すぅ……」」」

 

そこで奏夜が目にしたのは、すやすやと寝息をたてながらうたた寝をしている穂乃果、ことり、花陽の姿であった。

 

「なっ……!こ、これは……!」

 

『ったく……。真面目に作業をしてるかと思えば、のんきな奴らだな』

 

奏夜はこの光景に驚いており、キルバはこの光景に呆れるのであった。

 

(……それにしても、何故だろう……。この3人の寝顔を見てたら、凄く心が和むというか、癒されるというか……。なんとも言えない気持ちになるんだが……)

 

奏夜は穂乃果たちの寝顔をジッと見ていたのだが、頬を赤らめながら、なんとも言えない気持ちを抱くのであった。

 

『……おい、奏夜。言っておくが、寝てるからってこいつらを襲うなよ。色々と面倒なことになるからな』

 

「襲わないっての!」

 

キルバの放った唐突な言葉を、奏夜はすぐに否定するのだが……。

 

「ん……」

 

奏夜の声が大きかったからか、ことりが一瞬だけ反応するのであった。

 

「っと、いけないいけない」

 

穂乃果たちを起こすのは申し訳ないと思っていたからか、ことりが起きなかったことに奏夜は安堵するのであった。

 

『奏夜、あまり大きな声をあげたらこいつらが起きるぞ。気を付けろよな』

 

「わかってるって」

 

キルバは大声を出した奏夜にクギを刺すのだが、奏夜はそこを理解しているようであった。

 

「……やれやれ。仕方ないな……」

 

すやすやと眠る穂乃果たちを見て、穏やかな表情で笑みを浮かべるのであった。

 

そして、奏夜はそのままテントを出るのであった。

 

『奏夜、これからどうするつもりだ?』

 

「3人とも寝てるしな。だったら、食事の準備でもしておこうと思ってな」

 

どうやら奏夜はこれから夕食を作ろうとしているみたいだった。

 

『奏夜、食事を作るのはいいが、食材はどうする?魚は全部逃しただろう?』

 

「大丈夫だ。1回別荘に戻って、厨房にある食材を分けてもらおうと思ってな。剣斗の許可はもらってるし」

 

『なるほどな。それなら問題はないか』

 

こうして、奏夜は1度別荘へ戻り、厨房にて食材を調達しに行くのであった。

 

厨房には食材が揃っており、奏夜はどれをもらうか悩んでいたのだが、今日の献立を決めた奏夜は、次々と食材を調達するのであった。

 

そして、先ほどのテントに戻ってくると、夕食の支度を始めて、穂乃果たちが起きてくるのを待つのであった。

 

奏夜が夕食を作り終えるか終えないかのタイミングで、穂乃果たちは目を覚ますのである。

 

そして、たちこめる美味しそうな匂いにつられてテントを出ると、奏夜が料理を作っていたのであった。

 

「ったく……。ようやくお目覚めか」

 

言葉だけを聞けば呆れているようだが、奏夜は穏やかな表情で笑みを浮かべていた。

 

「エヘヘ……。居心地が良くて、つい……」

 

いの1番に眠ってしまった穂乃果は、照れ隠しに笑っていた。

 

「それよりもそーくん、この料理って、全部そーくんが?」

 

「まあな。今の俺に出来る事と言えばこれくらいだしな」

 

「奏夜君、ごめんね。これだけの料理を1人で作らせちゃって……」

 

ことりは並んでいる料理が奏夜1人で作ったことに驚いており、花陽は、そのことが申し訳ないと思っていた。

 

「気にするなって。ほら、もうすぐ全部終わるから、こっち来て座るといいよ」

 

「あっ、うん……」

 

奏夜が最後の仕上げをしている間に、穂乃果たちは奏夜が用意した椅子に座るのであった。

 

その後、穂乃果たちは奏夜が作った料理に舌鼓を打つのであった。

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

 

奏夜たちが食事を取っている頃、ララたち作曲班も夕食を取っていたのであった。

 

食事が終わった頃には夜になっており、ララたち4人はテントの近くに焚き火を用意し、4人は焚き火を囲うように座っていた。

 

「……ねぇ、真姫。作曲の方は順調なの?」

 

三班に分かれて行動するようになってから、ララたち3人は、真姫の作曲の進捗状況を聞かなかったのだが、ララはここで聞いてみることにしたのであった。

 

「正直言っていまひとつね。イメージはなんとなくあるんだけど、なかなかまとまらなくて……」

 

「……そうなんだ」

 

真姫から作曲の進捗状況を聞いたララは、どこからか1本の横笛を取り出すのであった。

 

「……?ララ、その笛は?」

 

「参考になるかはわからないけどさ。聞いてみてよ」

 

いきなり横笛を取り出したことに真姫は首を傾げるのだが、そんなことなどお構いなしでララは横笛でとある曲を奏でるのであった。

 

 

 

 

※曲のモデル→Dragon Song(FF14 蒼天のイシュガルドより)

 

 

 

 

「綺麗な曲……」

 

「ええ……」

 

「そうね……」

 

真姫、絵里、にこの3人は、ララが奏でる笛の音に聞き入っていたのであった。

 

「……ふぅ、どうだった?」

 

「ねぇ、ララ。今の曲は?」

 

「とても綺麗な曲だったわよ」

 

真姫は先ほどの曲について問いかけており、絵里は素直に曲の感想を述べていた。

 

「ありがと。さっきの曲は私の里に伝わる鎮魂の曲よ。私の里の周辺でもホラーとの戦いはあるし、戦いで命を落とした魔戒騎士や魔戒法師の魂を鎮めるためにって伝えられた曲なの」

 

「魂を鎮める曲……」

 

「とてもいい曲だったわよ」

 

にこは穏やかな表情で笑みを浮かべながら素直に感想を述べるのであった。

 

「……ねぇ、真姫。間違ってたら謝るけどさ、卒業する3年生のためにって考えてない?」

 

「っ!?」

 

ララから飛び交ってきた言葉は図星だったからか、真姫は息を飲むのであった。

 

「まったく……。そんなことじゃないかと思ったわよ」

 

どうやらにこもまた、真姫がスランプに陥った原因を察していたようであった。

 

「3年生のためにいい曲を作って、3年生のために勝ちたい……。それじゃダメだと思うのよ」

 

「ララの言う通りよ。曲はいつだって、みんなのためじゃないと」

 

「そうね……。気遣いは嬉しいけれど、みんなの想いが込もった曲じゃないと意味がないもの」

 

「私が伝えたいのはそういうことだよ」

 

「みんなのための曲……」

 

ララだけではなく、にこと絵里の言葉も聞き、真姫の肩の荷は降りたようであり、少しだけ穏やかな表情をしていた。

 

「……みんな、ありがと……」

 

そして、真姫は頬を赤らめながら素直に礼を言うのであった。

 

「あれあれ?珍しいわね♪真姫が素直に礼を言うなんて♪」

 

「う、うるさいわね!」

 

にこはニヤニヤしながら真姫をからかっており、真姫はムキになって反論するのであった。

 

そんな2人の様子を、ララと絵里はクスクスと笑いながら見守っているのであった。

 

「……あ、そうだ。ララ、あなたのいた里についての話を聞かせて欲しいの」

 

「別に構わないけど、面白い話はないよ」

 

「そこは気にしてないわ。私が聞きたいって思ってるんだもの」

 

「ええ、わかったわ」

 

「あ、その前にちょっとだけ待ってて!」

 

周囲をキョロキョロと見渡しながら何故か不安げになっている絵里は、慌ててテントに戻ると、テントの中に設置しているランタンに灯りを灯すのであった。

 

そのことにより、絵里が暗いのが苦手とわかったからか、絵里以外の3人は笑みを浮かべるのであった。

 

こうして、ララは真姫たちに自分のいた蒼哭の里についての話をするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその頃、下山の準備をしつつある程度のところまで降りてきた剣斗たちは、テントを設置し、夕食を済ませるのであった。

 

「……綺麗な星だにゃ♪」

 

夕食を終えた後、凛、海未、希の3人はテントの入り口で寝転がりながら星を眺めており、剣斗は少し離れたところで座りながら星を眺めていた。

 

「うむ!私もこのように綺麗な星を見るのは久しぶりだよ。このような絶景を拝められるとは、とてもイイぞ!」

 

剣斗は、星空を眺めながら、興奮冷めやらぬ感じで語るのであった。

 

「……ところで海未。作詞の方はどうにかなりそうか?」

 

剣斗は星空を眺めながら、作詞の進捗状況を問いかけるのであった。

 

「……正直なところ、思うように進んでません……。気にしないようにはしていますが、やはり、色んな思いが頭をよぎってしまいまして……」

 

「海未ちゃん……」

 

海未は、スランプの原因を自覚はしているものの、それを乗り越えることは出来ていなかった。

 

「ふむ……。海未、今から作ろうとしている曲に限った話ではないが、μ'sの曲は誰のためにあるべきだと思う?」

 

「それはもちろん!μ's全員のために決まっているではないですか!」

 

「ふふ……。わかっているではないか」

「小津先生……」

 

「こんな言葉を送っても気休めにもならんとは思うが、あえて言わせてもらおう」

剣斗は穏やかな表情で笑みを浮かべながら前置きをしており、ゆっくりと語り始めた。

 

「……何も気負うことはなく、自分の感じたものをそのまま形にするといい。そうは言っても、迷ったり、立ち止まったりもするだろう。だからこそ、私や奏夜。それにララがいるのだ」

 

剣斗は教師としてでも魔戒騎士としてでもなく、1人の男として、言葉を紡いでいくのであった。

 

「そんな時は私たちが皆を支え、道を示していこう。迷って立ち止まったとしても、誰かが背中を押してくれる。道とはそうして切り開いていくものなのだよ」

 

「……流石は小津先生やな。ウチは何も言うことがなくなってしまったわ」

 

希は、色々と迷っている海未を励まそうとしていたものの、良いところを全て剣斗に持っていかれてしまい、苦笑いをするのであった。

 

「小津先生、凄いにゃあ!」

 

「……小津先生、ありがとうございます。先生の言葉で、少しは気が楽になりました」

 

「うむ!それは良かった!あとは自分の思ったものをそのまま形にするといい。大丈夫だ、きっと出来るさ。とびきりにイイ曲がな」

 

「はい!」

 

剣斗の励ましの言葉により、海未は不安な気持ちを吹き飛ばし、曲作りへの意欲をさらに高めるのであった。

 

海未は自分の頭の中のイメージをまとめるためにジッと星空を眺めており、剣斗たちもまた、星空を眺めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

 

そしてその頃、川のほとりでテントを張っていた奏夜たちもまた、夕食を済ませると、星空を眺めていた。

「なんか……綺麗だね……」

 

「うん!空気も澄んでるし、なんか癒されるよね♪」

 

都会から離れた山の麓であるため、空気は澄んでおり、満天の星空はより輝きが綺麗に感じる事が出来た。

 

そのことに、花陽とことりは満足そうであった。

 

「なんか、また寝ちゃいそうだねぇ」

 

「おいおい……。さっきまで散々寝てただろうが……」

 

どうやら穂乃果はまた寝ようとしており、そのことに奏夜は呆れていた。

 

「それにしても、他のみんなは作業は進んでいるのかなぁ?」

 

そんな中、花陽は自分たち以外の班の動向が気になるからか、このように呟いていた。

 

「大丈夫だよ!だって、私たち9人だけじゃなくて、そーくんたち3人もいるんだから!」

 

すると、すかさず穂乃果が自信満々に答えるのであった。

 

「そうだな。俺もそう思うよ」

 

そんな穂乃果の言葉に、奏夜は穏やかな表情で笑みを浮かべながらそれを肯定するのであった。

 

「俺はさ、こんなことをしなくたって、曲作りはなんとかなるだろうって思ってたんだ」

 

「そーくん……」

 

「俺たちは、今までだって色んな問題にぶつかりながらもそれを乗り越えてきたんだ。みんなで力を合わせてな。だからこそ、曲作りだってきっとなんとかなるって思ったんだよ」

 

奏夜は新曲作りが必要になると聞いても、そこまで驚いたり焦ったりすることはなかったのだが、それはμ'sのことを信じているからこそなのである。

 

「ま、今回みたいに班分けをして作業をするのも新鮮でいいなと思ったよ。迷ったり悩んだりしたって構わない。だって、俺たちは1人じゃないんだからさ」

 

「そうだよ!だからこそ、新曲だって、きっとなんとかなるよ!」

 

奏夜の言葉を穂乃果は全面的に受け入れており、力強く奏夜の言葉を肯定するのであった。

 

「……ありがとう、そーくん。なんか、そんな話を聞いたら、本当になんとかなりそうな気がしてきたよ♪」

 

「……そっか。それなら良かったよ」

 

ことりは奏夜の自信に満ちた態度を見て、今まで抱えていた不安な気持ちを一気に吹き飛ばす事が出来たのであった。

 

こうしてことりもまた、スランプから抜け出せそうな予感を感じながら、奏夜たちと共にしばらくの間、星を眺めるのであった。

 

その後、穂乃果、ことり、花陽の3人は、ここの近くに露天風呂があると聞くと、そこへ向かうことになり、その間、奏夜は別行動をとることにした。

 

奏夜は先ほどまでいた川のほとりから離れた場所へ移動すると、そこで星を眺めていた。

 

「……みんながいるからなんとかなる……か」

 

奏夜は先ほどことりたちと話した内容を思い出すと、穏やかな表情で笑みを浮かべるのであった。

 

『おい、奏夜。いったいどうしたんだ?』

 

「なぁ、キルバ。俺たちはジンガを倒してニーズヘッグの復活を阻止しなきゃいけないけど、きっと勝てるよな?」

 

『おいおい、いきなり何を聞くかと思えば……』

 

奏夜はことりたちのことを励ましたばかりではあるものの、魔戒騎士としての不安を口にしており、そのことにキルバは呆れるのであった。

 

『ま、まだまだ未熟なお前1人の力ではどうにもならんだろう。だが、お前には仲間がいる。そうだろう?』

 

「……そうだな……。みんなと力を合わせれば、きっとジンガを倒せる……!俺は絶対に勝ってみせるさ。そして、ラブライブに出るみんなの行く末を見守るんだ」

 

『ま、やらなきゃいけないことがあるんだ。だからこそ、生きてそれを実現させないとな』

 

「……ああ!」

 

奏夜は星空を眺めながら、改めて迫り来る脅威を払っていこうと強く誓うのであった。

 

そう誓うことでスイッチが入ってしまったからか、奏夜は魔戒剣を抜くと、その場で素振りを行い、鍛錬を始めるのであった。

 

2時間ほど鍛錬を行った奏夜は、今日泊まる予定のテントに戻る前に別荘の様子を見ることにしたのであった。

 

奏夜たちはバラバラになって行動をしているため、誰もいなくてもおかしくはなかったのだが、誰かいるみたいであり、明かりがついているのが確認された。

 

それからまもなくして、ピアノの音が聞こえるのであった。

 

「……真姫、どうやら見えたみたいだな……」

 

真姫はスランプを乗り越えて作曲を行っていると推測されるため、それを知った奏夜は笑みを浮かべるのであった。

 

それからしばらくすると、ことりと海未が別荘の入り口に現れると、そのまま別荘の中へと入っていくのであった。

 

「……どうやら、曲作りの方はなんとかなるみたいだな……」

 

『……ああ、そうみたいだな』

 

「これから忙しくなるな……」

 

『奏夜、お前も覚悟をしておかないとな』

 

「わかってるって」

 

真姫、ことり、海未の3人が別荘で作業をしているのを見届けた奏夜は、そのままその場を後にして、川のほとりへ戻るのであった。

 

奏夜が戻ると、穂乃果と花陽はすでに寝ていると思われたため、奏夜はテントの中へは入らず、テントの近くに別荘から持ってきた足を伸ばせるキャンプ用の長椅子をテントの近くに設置すると、そこに座り、足を伸ばした。

 

奏夜は魔法衣を布団代わりにして、そのまま眠りにつくのであった。

 

翌日、真姫、海未、ことり以外の全員は自然と集まっていた。

 

奏夜は事情を知っているのだが、3人がいなくなっていると気付いたからである。

 

事情を知っている奏夜は他のメンバーを連れて別荘へ向かうのであった。

 

そのまま別荘の中へ入り、ピアノが置いてあるリビングに入るのだが、そこで奏夜たちが見たのは、すやすやと眠りについている真姫、海未、ことりの3人の姿であった。

 

3人は班分けを行い、それぞれ行動することによって何かを掴んだからか、自然と別荘に集まって、作業を行っていたのだ。

 

3人は夜通しで作業を行い、どうにか曲を完成させることが出来たのであった。

 

その証拠に、歌詞と衣装。そして、楽譜全てが揃っていたからである。

 

それを見た奏夜たちの表情はぱぁっと明るくなっていた。

 

「さて……。これから忙しくなるぞ……」

 

奏夜は穏やかな表情でこのように呟くと、タオルケットを用意すると、それを3人にかけて3人をそのまま休ませることにしたのであった。

 

それに穂乃果たちは反対せず、3人が起きるまでは各自休憩を取ることになった。

 

その後、奏夜たちはラブライブ出場へ向けて練習を開始するのであった。

 

この日はみっちり練習を行い、翌日に東京へと帰るのである。

 

ここから、更なる波乱が待ち受けていることを、奏夜たちは知る由もなかった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__次回予告__

 

『ラブライブの予選ではあのA-RISEが最大の壁になるな。さて、これからどうなることやら……。次回、「王者」。スクールアイドルの覇者、ここに降臨!!』

 

 

 




今回はラブライブの本編寄りの話になりましたが、剣斗やララの存在を際立たせてみました。

だからか、穂乃果は本編で言ってた台詞を剣斗に取られちゃいましたし(笑)

そして今回、ララが笛による演奏をしていましたが、笛は烈花が使っていた笛と同じ物というイメージで書いています。

曲は、FF14蒼天のイシュガルドで使われたDragon songをモデルにしていますが、この曲、蒼天のイシュガルドの世界観に合っててかなり神曲なのです。

蒼天のイシュガルドも、牙狼ライブのこの章も「竜」にまつわる話になっていると思いますし。

それにしても、あの3ユニットの中では、「Printemps」を推してる僕としては、すやすやと眠る3人を眺められた奏夜が羨ましいのです(笑)

寝顔を見てるだけで癒しの効果が半端ない気がする(笑)

さて、次回はお待たせしました!奏夜たちがあのグループと初邂逅します。

あのグループはいったい奏夜たちとどのように絡んでいくのか?

次回の投稿も遅くなるかもですが、なるべく早めに投稿したいと思っているので、次回を楽しみにしていて下さい!

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