第64話になります!
スクフェスが5周年ということで、無料で11連が5日も出来ることに惹かれて復帰してしまいました(笑)
久々にやってみたけど、やっぱり下手になってた(笑)
まぁ、11連でURの穂乃果をゲット出来てそこは満足しましたが(^ ^)
さて、前回A-RISEのメンバーと邂逅した奏夜たちですが、ここからいったいどうなるのか。
それでは、第64話をどうぞ!
ラブライブ予選が近付き、奏夜たちはどこでライブを行うか決めかねていた。
そんな中、奏夜が良い案を思いついたのだが、奏夜たちはUTX高校を訪れる。
そこで、A-RISEの絶対的な人気を実感するのだが、そんな中、奏夜と穂乃果の前にA-RISEのリーダー、綺羅ツバサが現れる。
奏夜たちはツバサに導かれるようにUTX高校の中へと入り、改めて綺羅ツバサと邂逅する。
その後、優木あんじゅ、統堂英玲奈の2人も合流し、奏夜たちはUTX高校内のとある場所へ招かれる。
そこは、食堂のような場所なのだが、かなりの広さであり、さらにその奥にあるVIPルームのような場所だった。
「改めて、UTX高校へようこそ♪もう知ってるとは思うけど、私は綺羅ツバサよ」
「統堂英玲奈だ」
「優木あんじゅよ。よろしくね♪」
A-RISEの3人は、改めて自己紹介を行うのであった。
「ほ、本物のA-RISEに会えるなんて……!」
「感激です!」
アイドルが好きなにこと花陽は、サイン色紙のようなものを大事に抱えながらキラキラと目を輝かせるのであった。
実は、ここへ移動する前に、花陽とにこはA-RISEの3人からサインをもらっていたのである。
《ったく……。言ってしまえばここは敵地だと言うのに、花陽もにこもはしゃいでいるな……》
(まぁ、確かにそうだけどさ、そこまで構えなくてもいいと思うけどな)
A-RISEのサインをもらってはしゃぐ2人にキルバは呆れていたのだが、奏夜はそんなキルバをなだめるのであった。
「ゆっくりくつろいでね。ここはこの学校のカフェスペースだから。遠慮なく」
「は、はぁ……」
この場所に到着し、紅茶も出されたのだが、穂乃果たちは緊張のあまり、くつろげる状態ではなかった。
奏夜、剣斗、ララの3人はいつも通り振舞っているのだが……。
「あなたたちもスクールアイドルなのでしょう?しかも、同じ地区」
あんじゅは髪の先端をクルクルと回しながら話を切り出すのであった。
そんなあんじゅの言葉にハッとした奏夜たちは一斉にあんじゅの方を見る。
話を切り出したあんじゅは、不敵な笑みを浮かべていた。
「1度挨拶をしたいと思っていたのよ。高坂穂乃果さん」
「え?」
「下で見かけた時、すぐあなただとわかったわ。映像で見るより、本物の方が遥かに魅力的ね♪」
「人を惹きつける魅力……。カリスマ性とでも言えばいいのだろうか?9人いてもなお、より輝いている」
「は、はぁ……」
ツバサと英玲奈は穂乃果のことを絶賛しており、そのことに穂乃果はキョトンとしていた。
「私たちね、あなたたちのことをずっと注目していたの」
ツバサのこの言葉に、穂乃果たちは驚きを隠せずにいた。
スクールアイドルの頂点に立ったツバサが自分たちのことを気にかけてくれているなど、夢にも思わなかったからだ。
「実は、前のラブライブでも、1番のライバルになるんじゃないかって思ったのよ」
(まぁ、前のラブライブは出れなかったもんな……)
あんじゅのこの言葉に、奏夜は前回ラブライブの時のことを思い出していた。
この時期は色々なことがあり、ラブライブ出場に必要なランキング圏外になってしまったため、ラブライブの出場は出来なかったのである。
しかし、前回王者のA-RISEがここまで言ってくれるのは、奏夜にとっても喜ばしいことだった。
「へぇ、あの天下のA-RISEに注目されるとは光栄だな」
奏夜はツバサの言葉に驚きながらも、その言葉が嬉しかったからか、不敵な笑みを浮かべていた。
「ちょ、ちょっと奏夜!確かに嬉しいけど、そんなに強気な態度をしなくても」
絵里は不敵な態度を取っている奏夜をなだめるのであった。
「あら、そんなに謙遜することはないわ。だって、私はあなたも注目してるもの」
「え?」
「絢瀬絵里。ロシアでは常にバレエコンクールの上位だったと聞いている」
「そして西木野真姫は、作曲の才能が素晴らしく、園田海未の素直な詩ととてもマッチしている」
英玲奈とあんじゅは次々とμ'sのメンバーの評価を始めており、そのことに穂乃果たちは驚きと戸惑いを隠せなかった。
「星空凛のバネと運動神経は、スクールアイドルとして全国レベルだし、小泉花陽の歌声は個性の強いメンバーの歌に見事な調和を与えている」
《こいつら……。ずいぶんとμ'sのことを調べたんだな》
(まぁ、それこそが、俺たちを注目してたっていう何よりの証拠だろうな)
キルバと奏夜もまた、A-RISEの3人によるμ'sメンバーの評価に驚いていたが、思ったことをテレパシーで会話をしながらそれを聞いていた。
「牽引する穂乃果の対になる存在として、9人を包み込む包容力を持った東條希」
「アキバの元カリスマメイドや、アイドルには欠かせない小悪魔キャラもいるみたいだしね」
「あの……その……」
「はぅぅ……!にこが、小悪魔♪」
ことりは自らがカリスマメイドだったことがバレて恥ずかしそうにしており、にこはツバサから小悪魔キャラだと言ってもらい、嬉しそうにしていた。
「リーダーである高坂さんがこれだけ個性の強いメンバーをまとめられるのは凄いけど、それは、あなたたちの存在があってのことでしょうね」
ツバサはここでようやく奏夜、剣斗、ララのことを見るのであった。
「そこのあなたは最近μ'sの手伝いをしているのかしら?見たことはないけれど」
「そうね。私、音ノ木坂に転入したばかりだから」
ララはニーズヘッグ復活の鍵となる魔竜の眼を守るために音ノ木坂学院の転入生を名乗っているため、このように答えていた。
「そしてそこにいるのは、自らが持つ熱さと優しさで生徒を導いている、音ノ木坂のカリスマ教師である小津剣斗教諭ですね?あなたの評判はウチの学校にも轟いていますよ」
「ふむ……。そう言ってもらえるとはな。教師冥利に尽きるというものだな」
剣斗もまた、ニーズヘッグ復活の阻止という指令を受けて教師として音ノ木坂学院に潜り込んだのだが、普通の教師よりも教師らしいと生徒からの評判は高い。
その評価は、音ノ木坂学院だけではなく、このUTX高校にまで届いており、剣斗がこの学校に来て欲しいという声すらある状態なのだ。
剣斗はそんな話を聞き、満足そうにしていた。
「それよりも私たちはあなたに1番注目していたわ。……如月奏夜君」
「ん?俺をか?」
ツバサは今まで見せなかった真剣な表情で奏夜を見ると、奏夜はキョトンとしながら自分を指指していた。
「あなたは高坂さんにも負けない程のカリスマ性を持っているわ。それだけじゃない。あなたのマネージャーとしての智力と手腕。それがあったからこそ、μ'sはここまで飛躍することが出来たのだと思うわ」
「それに、星空凛を凌ぐほどの運動神経を持ち、その身体能力を活かしたダンスは圧巻そのもの……。あなたなら、良いスクールアイドルになれたかもしれないわね」
「ま、スクールアイドルは女性しかやってないし、俺は男だけど、そう言ってもらえるのは光栄だよ」
ツバサに続いてあんじゅは奏夜のダンスや運動神経について評価をしていた。
(まぁ、俺は魔戒騎士だし、運動神経については自信はあるしな)
奏夜は魔戒騎士として厳しい修行を積んできたため、運動神経が秀でているのは当然だと自分でも思っていた。
「その秀でた能力とカリスマ性があるからこそ、μ'sの輝きはより強みを増しているのだろう」
さらに英玲奈は奏夜をこのように評価していた。
「それに……」
ツバサはこのように前置きをすると、奏夜の顔をジッと見るのであった。
すると、ツバサは笑みを浮かべて、こう言い放つ。
「……あなたがまさか、都市伝説に出てたナイトさんだったとはね♪」
ツバサのこの一言により、その場の空気が一気に凍りつくのであった。
「ナイトっていうけど、一体なんのことなんだ?」
奏夜はこの時点で全ての事情を察していたのだが、あえて話を誤魔化そうとしていた。
「別に隠す必要はないわ。だって、私、見ちゃったもの。あなたが金色の鎧を着て、奇妙な怪物を倒すところを」
「!!?」
『えぇぇぇぇぇぇぇ!?』
ツバサはどうやら奏夜がホラーを斬る瞬間を見ていたようであり、これにはさすがの奏夜も驚きを隠せず、穂乃果たちも驚きの声をあげていた。
「ちょっと!そーくん!さっきから気になってたけど、一体どういうことなの!?」
奏夜が魔戒騎士であることを知っている穂乃果は、奏夜に詰め寄るのであった。
「まさか、あの時逃げたと思ったのに見てたのか……」
奏夜は昨日、ホラーを追い詰めた時、たまたまその場に居合わせていたツバサはそのまま逃げたと思っていた。
しかし、あの後、こっそりと奏夜の戦いを見ており、μ'sのマネージャーの如月奏夜が妙な怪物と戦っていることを知って驚く。
魔戒騎士とホラーの戦いは、ネットでは都市伝説としてあげられており、それを信じるものは極少数なのだが、ツバサはそれを信じざるを得なかったのである。
「それに、私たちさ、あなたが都市伝説に出てきた黄金の狼の騎士だって、知ってたのよね」
「!?それは、いったいどういうことなんだ?」
「確か……。西木野さんのお父さんの病院にファビアンとかいう医者が現れたことがあったでしょ?その時、私たち3人はたまたま見かけちゃったのよ。あなたが妙な化け物と戦ってるところを」
「!!?」
A-RISEの3人は、奏夜が魔戒騎士であることを前から知っており、その時の話を聞いた奏夜は目を大きく見開いて驚いていた。
「……あなたたちもその場にいた訳だし、奏夜君の秘密を知ってるんでしょう?」
ツバサのこの問いかけに、穂乃果たちは驚きながらも、無言で頷くのであった。
「……まぁ、安心して。私たちはあなたのことを誰かに話すつもりはないわ。あなたがμ'sのマネージャーとして頑張ってるのは本当のことだってわかるしね」
ツバサは奏夜が魔戒騎士としてだけではなく、μ'sのマネージャーとして、しっかりと動いていることを知っているため、奏夜の秘密を広めようとは思っていなかった。
(それは良かった……。そうじゃなかったら多少手荒な真似をしてでも記憶を消さないといけないし……)
《確かにその通りだな》
ツバサが秘密を広めようとはしていないことを知り、奏夜は安堵するのであった。
「あなたにそんな顔があるのはともかくとして、これまでのメンバーが揃っているチームはそうはいないわ。だから注目もしていたし、応援もしていた。そして何より……」
ツバサはこのように前置きをすると、再び真剣な表情を浮かべるのであった。
「……負けたくないと思ってる」
ツバサのこの一言に奏夜たちは驚きを隠せなかった。
μ'sに負けたくないということは、A-RISEの3人は明らかにμ'sの存在を意識しており、対等な存在であると告げているようなものであるからだ。
それを理解した奏夜は穏やかな表情で笑みを浮かべるのであった。
「みんなは驚いてるみたいだけど、光栄だね。だってA-RISEといえば、全国1位だろ?」
「それはもう過去の話よ」
「私たちはただ純数に今この時、1番お客さんを喜ばせる存在でありたい。ただ、それだけ」
「……ふっ、そうか」
A-RISEの3人は、ラブライブの覇者という過去の栄光など関係ないと思っており、新たに栄光を掴むための努力は惜しまないみたいだった。
そんなA-RISEの姿勢を垣間見た奏夜は、穏やかな表情で笑みを浮かべるのであった。
「μ'sの皆さん、お互い頑張りましょう。そして、私たちは負けませんから」
これは明らかな戦線布告である。
そんなA-RISEの戦線布告に、穂乃果たちは息を呑み、奏夜は平静を保って笑みを浮かべている。
対等な立場でA-RISEとぶつかることが出来る。
そのことが、奏夜にとっては何よりも嬉しかった。
戦線布告を終えたツバサは立ち上がり、あんじゅと英玲奈もそれに続くと、その場を離れようとしていた。
(このまま誰も何も言い返せないようなら、μ'sは所詮その程度のグループってことだ)
本当なら奏夜自身がA-RISEの3人を引き止めようと考えるのだが、それは穂乃果たちのためにならないと考え、あえて黙っていることにした。
(でも、大丈夫。穂乃果なら、きっと……)
奏夜は黙っていることに不安はなかった。
それは、すぐに証明されることになる。
「ちょっと待って下さい!」
穂乃果はすかさずA-RISEの3人を引き止めると、そのまま立ち上がるのであった。
そんな穂乃果に呼応するかのように他のメンバーも立ち上がり、奏夜たちも立ち上がる。
「……A-RISEの皆さん」
穂乃果は真剣な表情でツバサのことをジッと見つめており、それを見たツバサは、同じく真剣な表情で穂乃果のことを見ていた。
「……私たちも負けません!」
「っ!?」
「ふっ……。よく言ったな、穂乃果……」
穂乃果の発言は予想外だったからか、ツバサは驚きを隠せないようであり、そんなツバサの顔を見た奏夜は、穏やかな表情で笑みを浮かべていた。
以前は、前回王者のA-RISEとμ'sでは立場が違うのだが、今は対等な立場にある。
そのため、今は互いにラブライブ優勝を目指して切磋琢磨するライバルとも言える。
穂乃果の言葉はそれを感じさせるものであり、驚いていたツバサはすぐに笑みを浮かべるのであった。
「ふふ、やっぱり如月君もあなたも面白いわね♪」
「え?」
「……そんなに面白いのか?俺って……」
ツバサが急に笑みを浮かべたことに、穂乃果はキョトンとしており、奏夜は実感がないからか首を傾げるのであった。
「ねぇ、もし歌う場所が決まってないなら、うちの学校でライブをやらない?」
ツバサの提案は思いがけないものであり、奏夜たちは驚きを隠せなかった。
(……これは予想外だな。だけど、これは……)
《おい、奏夜。まさか、この話、受けるつもりじゃないだろうな?》
(紬さんの家のビルも良いとは思うけど、A-RISEと同じ舞台っていうのは、最大のアピールになると思うんだよ)
奏夜はこのツバサの提案に対した前向きな考えをしていた。
まだ紬に連絡を取っていないため、ここでOKを出しても問題はないからである。
「屋上にライブステージを作る予定なの。もし良かったら、ぜひ。1日考えてみて」
ツバサは奏夜たちに考える猶予を与えてくれたのだが……。
「……やります!」
『えぇ!?』
穂乃果はA-RISEと同じ舞台に立てるのが嬉しいと思ったからか、誰とも相談せず、ツバサの話を受け入れるのであった。
そのことに、他のメンバーは驚きを隠せない。
しかし……。
「ま、穂乃果ならそう言ってくれると思ったよ」
奏夜はこの展開を予想しており、苦笑いをするのであった。
こうして、ライブ場所も決まり、A-RISEの3人と別れた奏夜たちはそのままUTX高校を後にするのであった。
※※※
UTX高校を後にした奏夜たちは、そのまま解散となったため、奏夜、剣斗、ララの3人はそのまま番犬所へと向かうことになった。
そのまま奏夜は昨日ホラーを討滅したため、狼の像の口に魔戒剣を突き刺し、魔戒剣を浄化する。
そして、そのことによって現れた短剣を、ロデルの付き人の秘書官に渡すのであった。
「奏夜、すいませんでしたね。合宿から戻ってきて早々に指令とは」
「いえ 。俺としては、合宿行きを許可して頂けただけでも感謝していますので」
「ラブライブを目指しての合宿ですからね。μ'sを応援している私としては当然許可しますよ」
穂乃果たちがスクールアイドルを始める前からスクールアイドルにハマっていたロデルは、奏夜たちのことを応援しており、合宿などでこの街を離れるのもあっさりと容認していたのであった。
「ところで、ラブライブ予選は、会場ではない場所でもライブが出来ますが、どこでライブをするのか決めましたか?」
「あ〜……。実はですね……」
「?」
奏夜は少しだけバツが悪そうにしており、そのことにロデルは首を傾げていた。
奏夜は、先ほどA-RISEのメンバーと邂逅したことや、UTX高校内へ招かれたこと。
さらにはA-RISEと同じ舞台でライブをすることになったことを報告するのだが……。
「!?奏夜、それは本当ですか!?」
「は、はい……」
「まさか、ラブライブ前回王者のA-RISEと話をするとは、なんと羨ましい!」
「アハハ、相変わらずだな、ロデル様は」
「ロデル様って、にこや花陽に負けないレベルのアイドル好きなんだね……」
剣斗はアイドル好きなロデルの一面に苦笑いをしており、ララは初めて垣間見るロデルの一面に唖然としていた。
「それだけではなく、UTXでライブとは!私もここを抜け出してライブを見に行きたいくらいです!」
「ロデル様!それはいけません!あなたはこの番犬所の神官なのですから」
ロデルの発言を聞いた付き人の秘書官は、慌ててロデルを止めるのであった。
「1度くらいいいではないですか!あのイレスだって、何度も抜け出してるのでしょう?」
「イレス様はグレス様の娘である故、多少の無茶が通用したのです。お自分のお立場を考えて下さい!」
ロデルは負けじと桜ヶ丘にある紅の番犬所の神官、イレスの話を持ち出して反論しており、2人は激しい言い争いを行うのであった。
そんな2人のやり取りを、奏夜たちは苦笑いしながら見守るのであった。
そのやり取りが終わったところで、この日は指令がないため、奏夜たちはそのまま番犬所を後にするのであった。
※※※
そして、時間はあっという間に流れていき、ラブライブ予選当日を迎えた。
奏夜たちはライブを行うUTX高校に来ており、穂乃果たちメンバーは、控え室にて衣装への着替えや準備を行っていた。
その間、奏夜と剣斗はUTX高校の屋上にて待機をしていた。
2人が別行動をしているのは、2人が男だからである。
「……奏夜、いよいよだな」
「そうだな……。だけど、みんななら、A-RISEに負けないパフォーマンスをしてくれるさ。それよりも……」
「……奏夜?」
奏夜は屋上から見える景色を眺めながら憂いに満ちた表情をしていたため、剣斗は首を傾げていた。
「尊士を倒した後、ジンガが何も動きを見せないのが気になるんだ。あいつのことだから、魔竜の眼の行方を探るために何かしらの方法でこっちに接触を図ろうとしてるんじゃないかと思ってな」
「奏夜……」
奏夜の抱えている不安を知り、剣斗はジッと奏夜の顔を見るのであった。
「あいつの力は未知数だ。1度負けた俺が勝てるかどうか……」
奏夜は1度ジンガと戦ったことがあり、敗れたことがある。
あの時は奏夜の心が乱れていたとはいえ、その時のことを思い出した奏夜は大きな不安に襲われていた。
そんな奏夜を見た剣斗は、穏やかな表情で奏夜を見るのであった。
「……奏夜、大丈夫だ。私たちにそんな心配は無用だ」
「剣斗……」
「奏夜、お前は1人ではない。統夜やリンドウがいる。大輝やララだって」
剣斗は奏夜の不安を吹き飛ばすため、力強い言葉で奏夜を励まそうとしていた。
「そして何より……。盟友である私がいる!」
「!」
剣斗の言葉に、奏夜はハッとするのであった。
「私たちが力を合わせれば倒せない敵などいないさ。それが、どのようなホラーであろうとな」
「剣斗……」
自分のことを盟友だと思ってくれる者がいる。
今の奏夜には、これほど有り難く、頼もしいと思える存在はいなかった。
「それに、今日はラブライブ予選という大切な日だ。マネージャーであるお前がそんな顔をしていたら、みんなが不安になるだけだぞ?」
「……そうだったな……。剣斗、ありがとな」
「ふふ、私はお前の友として当然のことをしたまでさ」
剣斗の言葉によって不安な感情を吹き飛ばした奏夜は、心から剣斗に感謝していた。
すると……。
「あら、あなたたち、ここにいたのね」
奏夜と剣斗は声の聞こえた方に振り向くと、そこにはライブの衣装を着たA-RISEの3人がそこにいたのであった。
「A-RISEの3人か。そっちは準備は整ったみたいだな」
「まぁね。それよりも高坂さんがあなたのことを探していたわよ」
「うむ!どうやら穂乃果たちも準備は出来たみたいだな」
「ありがとな、教えてくれて」
奏夜はツバサに礼を言うと、そのまま屋上を後にしようとしたのだが……。
「……ねぇ、ちょっと待って!」
ツバサが奏夜たちのことを呼び止めたため、2人は足を止めて、ツバサを見る。
「?どうしたんだ?」
奏夜は何故引き止められたのかわからず、首を傾げていた。
「ねぇ、如月君……。いや、奏夜君。あなた、A-RISEのマネージャーにならないかしら?」
「……え?」
「ほほう……」
ツバサから来た意外な申し出に、奏夜は驚きを隠せず、剣斗はそのことに驚きながらも感嘆の声をあげていた。
「あなたはμ'sをあそこまでのグループに成長させた。あなたが私たちを導いてくれたら私たちは更なる高みに行くことが出来る」
ツバサはμ'sを立派なスクールアイドルグループに育て上げた奏夜の手腕を高く評価しているからこそ、奏夜をA-RISEのマネージャーにしたいと考えていたのである。
「だけど、お前たちの実力は誰もが認めるものだ。俺の力なんていらないと思うけどな」
A-RISEは名実ともに絶対王者に相応しい実力者であり、奏夜の力など必要ないと思われた。
しかし……。
「あら、そんなことはないわよ」
「前にも言ったはずだ。私たちはただ純数に今この時、1番お客さんを喜ばせる存在でありたい。ただ、それだけだと」
A-RISEの3人は、お客さんを喜ばせる存在であり続けるために、更なる高みを目指そうとしていたのである。
「……光栄だね。あのA-RISEの3人にそこまで言ってもらえて」
奏夜はA-RISEの3人が本気で自分をスカウトしようとしているのがわかり、それが光栄だと思った奏夜は笑みを浮かべていた。
「だったら……!」
「だけど、俺はその話は受けることは出来ない」
奏夜はA-RISEの3人からスカウトを受けた時からこの話を断るつもりであり、断られた3人は驚きを隠せなかった。
「ふっ、お前ならそう言うと思っていたぞ、奏夜」
剣斗は、奏夜がこのスカウトを受けるはずはないと予想していたため、笑みを浮かべていた。
「ど、どうして?」
「確かにA-RISEのマネージャーっていうのは誰でもなれるものでもないし、光栄だと思っている。だけど、俺には責任があるんだ。マネージャーとして、μ'sを遥かな高みに連れて行く責任が」
奏夜がμ'sのマネージャーになったのも、スクールアイドルを始めた穂乃果たちを支えて導いていくためであり、他のスクールアイドルのマネージャーになるつもりはないのである。
「……やっぱりダメだったか……」
驚きを隠せなかったツバサであったが、奏夜の答えを予想しており、ガクッと肩を落としていた、
「あなたが本気でウチのマネージャーになってくれたら心強かったのに……」
「でも、私たちは今まで3人で様々な困難を乗り越えてきたわ」
「だからこそ、私たちは絶対に負けない!」
A-RISEとしては、奏夜という優秀な逸材を得られなかったのは残念ではあるが、自分たちの力だけで最高のパフォーマンスを見せることを奏夜に宣言するのであった。
「望むところだ。μ'sはスクールアイドルとしてさらに飛躍している。そっちも楽しみにしててくれよな」
自分は直接パフォーマンスに参加する訳ではないが、強気な言葉をA-RISEの3人に送るのであった。
「ええ、楽しみにしているわ」
それだけ言い残すと、A-RISEの3人は屋上を後にするのであった。
「さてと……」
A-RISEのマネージャーという大きな話を断り、奏夜は大きく伸びをしていた。
そして……。
「……穂乃果、そこにいるんだろ?隠れる必要はないぞ」
奏夜は穂乃果が隠れていたことを見抜いており、奏夜の言葉を聞いた穂乃果はすぐに現れるのであった。
「あっ……。そーくん……」
「ったく……。こっそり覗き見とか、趣味が悪すぎるっての」
「でも……そーくん……」
穂乃果は、奏夜がA-RISEのマネージャーにスカウトされる一部始終を見ていたからか、バツが悪そうにしていた。
「気にすんな。何があっても俺が力を貸すのはμ'sだけ。それはお前らがスクールアイドルを始めた時から変わらんよ」
奏夜にとってμ'sの存在はかけがえのないものであり、他のスクールアイドルに協力するつもりは最初からないのである。
「そーくん……」
「出来ればさっきの話はみんなには内緒にしてくれよな。花陽やにこが知ったら何言われるかわからんしな。
「う、うん……」
「それよりも、みんなの準備は整ったのか?」
「うん。それでそーくんと小津先生を探してて……」
「わかった。それじゃあ、穂乃果。みんなのところに行くぞ」
「あ、うん……」
こうして奏夜と剣斗は、穂乃果と共に控え室へと向かい、これから行われるライブに備えるのであった。
ちょうど同じ頃……。
「……予想はしていたけど、本当に断られるとはね……」
A-RISEの3人は、屋上を後にすると、μ'sとは別に用意された控え室へと向かっていた。
「ねぇ、ツバサ。もっとグイグイ行けば上手く口説けそうだったけど、本当に良かったの?」
「それに、あの男は裏の顔があるだろう?それを上手く使えば、きっとマネージャーの話も……」
「まぁね。だけど、それじゃあダメなのよ」
あんじゅと英玲奈は、奏夜の説得にあっさりと引き下がったツバサに思うところがあるからか、このように進言するが、それには乗り気ではなかった。
「確かに英玲奈の言う通り、彼が都市伝説のナイトだってバラすって話せばマネージャーでも何でもやってくれそうだけど、私たちのやり方に反するし、そんなやり方で彼を従えても嬉しくはないわ」
「ま、お前ならそう言うと思っていたよ、ツバサ」
「それに、私たちは3人で様々な困難を乗り越えてきたでしょ?それはこれからも変わらないわ」
「そうね……。彼の力がなくたって、私たちは今までやってこれたんだもの。それはこれからも変わらないわね」
A-RISEの3人は、奏夜の魅力的な能力に惹かれ、彼をマネージャーにしようと画策したものの、奏夜の力がなくてもA-RISEは十分にやって来られていると判断したのであった。
だからこそ、奏夜をマネージャーにしようということは諦めたのだが……。
「……絶対に負けないわよ。μ's……」
奏夜がいるμ'sに対して、ツバサは大きな闘志を燃やすのであった。
そのため、ライブに向けてより奮い立った状態で控え室へ戻るのだった。
※※※
それから時間が経過し、ライブ開始の時間となった。
奏夜たちμ'sとツバサたちA-RISEのメンバーはそれぞれライブ会場である屋上へ集まっており、さらにはUTX高校の生徒らしき10数名がギャラリーとして屋上へ来ていた。
それ以外にも、UTX高校の入り口にある大型モニターの前には大勢のお客さんが集まっており、A-RISEのパフォーマンスを今か今かと心待ちにしていた。
ここにいる観客たちは、μ'sも同じ会場でパフォーマンスをすることは知っていたものの、目的はA-RISEであるため、あまりμ'sを注目していなかった。
今回のライブは先にA-RISEがライブを行い、その後、μ'sがライブを行うという流れになっている。
この場に来られなかったスクールアイドルのファンたちも、これから行われるライブを今か今かと心待ちにしていた。
穂乃果の妹である雪穂と、絵里の妹である亜理沙は、穂乃果の家である穂むらの居間にノートパソコンを持ち込んでその様子を眺めていた。
「あぅぅ……。お姉ちゃんたち、大丈夫かなぁ?」
A-RISEと同じ舞台でライブを行うため、亜理沙は不安になっていた。
「大丈夫だよ!だってお姉ちゃんたちには奏夜さんが付いてるんだもん!」
雪穂は、奏夜の存在がμ'sにとってかなり大きいものであることを理解しているため、不安はなかったのである。
「それに……」
雪穂は居間にかけられた穂乃果の練習着をジッと見つめるのであった。
その練習着は洗っても汚れが残っており、激しい練習を積み重ねてきたことを物語っていた。
それを見た亜理沙も不安はなくなり、雪穂と共にこれから行われるライブを見守るのであった。
そして、場所は離れてN女子大学の中にある軽音部の部室。
そこには、統夜と同じ桜ヶ丘高校の軽音部であった唯、律、澪、紬、梓の5人が集まっており、ノートパソコンを持ち込んで、これから行われるライブの様子を眺めるのであった。
「いよいよだね……」
「ああ。穂乃果たちがもう1回ラブライブに出ることは統夜から聞いてはいたけど……」
「大丈夫なんだろうか?」
「そうね……。前回優勝したA-RISEと同じステージでライブですものね……」
「私なら絶対無理だ……!」
唯たちは、奏夜たちがラブライブに出ることも、今回の予選はA-RISEと同じステージでライブをすることも事前に話を聞いていた。
澪は桜ヶ丘高校にいた時からかなりの恥ずかしがり屋であり、大学に入って多少は克服されたものの、その場でパフォーマンスをする穂乃果たちの心情を察して、顔が真っ青になっていた。
「そうだよなぁ。さすがのあたしも無理だわ」
律は澪をからかうことはせず、同意しており、同じように顔を真っ青にしていた。
すると……。
「大丈夫ですよ!穂乃果ちゃんたちならきっといつも通りのパフォーマンスができます!」
「「梓……」」
「梓ちゃん……」
「あずにゃん……」
梓は大舞台でライブをする心境を察して不安になっていた先輩たちを力強く励ますのだった。
「それに、μ'sのみんなには、奏夜くんがついてます!だからきっと……」
「……そうね。梓ちゃんの言う通りだわ」
「よっしゃあ!みんなで精一杯応援しようぜ!穂乃果たちがしっかりとパフォーマンスが出来るようにさ」
律のこの言葉に、4人は無言で頷き、真剣な表情でパソコンの画面を見つめるのであった。
そしてその頃、奏夜の先輩騎士である月影統夜は、秋葉原の街を歩いていた。
ニーズヘッグ復活を企んでいるジンガの拠点を探すためである。
しかし、この日もめぼしい成果を得ることは出来なかった。
「……そろそろ時間か」
そんな中、統夜はラブライブの予選開始時間が迫っていることを感じ取ると、ポケットからスマホを取り出し、穂乃果たちのライブを見るためにラブライブ専用サイトを開くのであった。
『おい、統夜。ジンガの拠点を探し出す仕事はどうしたんだ?』
統夜の相棒であるイルバは、統夜がいきなりスマホを取り出したため、声をかけるのであった。
「それも大事なことだけど、今は穂乃果たちのライブを見守りたいんだよ」
『そういえば今日だと言っていたな。しかし、あいつらは大丈夫なのか?』
「心配ない。穂乃果たちには奏夜がついてるんだ。あいつならきっと……」
統夜は、魔戒騎士の後輩である奏夜の実力を評価しており、マネージャーとしての実力も評価していた。
『……それはわかった。ところで統夜、今回のライブ、梓たちと見たいと思ってただろ?』
「そりゃそうさ。指令がなければみんなのところまで行ってたからな」
統夜は大事な指令があるから1人で行動していたが、それがなければ梓たちと一緒にライブを見守りたいと強く思っていた。
「だから残念だけど、近いうちにみんなのところには顔を出すさ」
『やれやれ……。お前さんは相変わらずだな』
統夜の本音を聞いたイルバは呆れており、統夜はそれをスルーしながらスマホの画面に集中するのであった。
その頃、翡翠の番犬所の神官であるロデルは番犬所の中でライブを見守っており、奏夜と同じ翡翠の番犬所の魔戒騎士である桐島大輝と天宮リンドウは、大輝行きつけのメイド喫茶にて、ライブを見守っていた。
多くの人がライブの様子を見守る中、いよいよラブライブ予選がスタートする。
何組ものグループがパフォーマンスを行い、UTX高校でライブを行うA-RISEとμ'sが順番にライブを行うことになった。
最初に、前回ラブライブを制したA-RISEのパフォーマンスが始まる。
A-RISEの3人は、ラブライブ前回王者の名に相応しいパフォーマンスを見せていた。
いや、見せつけていた。
パフォーマンスを通して、今の自分たちはこれだけのものを出せるんだぞと、奏夜たちに……いや、ラブライブに出場する全てのスクールアイドルに見せつけていたのである。
穂乃果たちは、生で見るA-RISEのライブに圧倒されるのであった。
(……参ったな……。これがA-RISEのライブか……。圧巻の一言に尽きるな……)
そして、奏夜もまた、A-RISEのパフォーマンスが相当なものであることを認めざるを得なかった。
《おいおい、奏夜。まさか、勝てないとか思ってないだろうな?》
(まさか……!確かにA-RISEは凄いさ。だけど、みんなだって……)
《ふっ、それならいい》
キルバは、奏夜がA-RISEのパフォーマンスを見て、怖気付くようであれば、喝を入れるところであったが、奏夜は怖気付くどころか、不敵な笑みを浮かべており、キルバの心配は杞憂に終わるのであった。
しかし、穂乃果たち9人はそうではなかった。
「……直で見るライブ……」
「全然違う……。やっぱり、A-RISEのライブには、私たち……」
「敵わない……!」
「認めざるを得ません……」
A-RISEの圧倒的なパフォーマンスを目の当たりにして、その戦意が今にも喪失しそうになっていた。
自分たちも今日のライブに向けて努力をしてきたが、A-RISEのパフォーマンスはそれを凌駕している。
普段弱気な態度を取る事があまりない希でさえ、不安を隠せない様子であった。
そして、絵里はかつて、A-RISEのパフォーマンスも素人同然だと思っていた時期もあったが、そう思っていた自分のことを心から恥じていた。
これだけのパフォーマンスを見せられるのは、決して素人ではない。
誰よりも努力を重ね、これだけのパフォーマンスを披露出来るほどになったということが理解出来るからである。
A-RISEの完璧と言えるパフォーマンスはあっという間に終了し、奏夜たち以外は大きな盛り上がりを見せていた。
ちなみに、この場に剣斗とララの姿はなかった。
μ'sのライブの前にやる事があり、それを成すために今は席を外していたのだ。
(……それにしても、予想はしてたが、やっぱりみんなの戦意は削がれそうだな……)
奏夜は、A-RISEのパフォーマンスを見た瞬間、みんなの戦意が削がれるのではないかと心配もしていたのだが、それが現実となってしまった。
(ここは俺の出番かな……)
奏夜は待ってましたと言わんばかりにフォローに入ろうとするのだが……。
「そんなことない!」
奏夜よりも早く、穂乃果がメンバーを励ますために言葉を紡ぐのであった。
穂乃果の言葉に、奏夜を含めた全員が穂乃果の方を見る。
「A-RISEが凄いのは当たり前だよ!せっかくのチャンスを無駄にしないよう、私たちも続こう!」
「やれやれ……。言いたいこと、ほとんど言われちまったよ……」
奏夜は自分が言いたかった台詞を取られてしまい、苦笑いをしていた。
「A-RISEが凄いのは俺も認めざるを得ない。だけど、お前らには俺がいる。剣斗やララだって。俺たちが支える限り、お前たちの心は折らせたりしない!」
穂乃果に続く形で紡がれる奏夜の言葉に、不安に支配されていたメンバーたちの心は晴れつつあった。
そして、穂乃果たちは円陣を組み、いつものようにピースの形をした手を前に出し、星を描いていた。
その円陣の中には、奏夜も入っていた。
「さっきそーくんも言ってたけど、やっぱりA-RISEは凄いよ!こんな凄い人とライブが出来るなんて。自分たちも思いっきり頑張ろう!」
「ああ、その意気だ!何も恐れることはない。お前らは今の自分たちに出来る最高のパフォーマンスを見せつけてやれ!A-RISEのメンバーだけじゃない。俺たちμ'sをA-RISEの前座だと思ってる奴らにも!」
μ'sもスクールアイドルとしてはそれなりに人気があるのだが、やはりA-RISEの人気には敵わず、UTX高校でライブをやると知ったファンたちは、μ'sの存在を所詮はA-RISEの前座だと見くびっていた。
だからこそ、ここでA-RISEに負けないパフォーマンスが出来れば、そんな人たちも黙らせることが出来る。
奏夜はそんな思いを込めて、穂乃果たちにエールを送るのであった。
「みんな、行くよ!μ's!ミュージック……」
μ'sの気持ちが1つになり、穂乃果がいつもの掛け声をしようとしたその時だった。
「穂乃果〜!!」
誰かが穂乃果を呼んだため、その声の方を見ると、ヒデコ、フミコ、ミカの3人を始めとした、音ノ木坂学院の生徒の有志が集まっていた。
さらにその場には、先ほどまで姿を見せなかった剣斗とララの姿もあった。
「みんな、どうして……」
「手伝いに来たよ!」
「小津先生やララちゃんが事前に声をかけてくれたんだよね。私たちの力がμ'sに力をくれるって!」
「私たちはμ'sを応援してるもん!これくらいは当然だよ!」
ミカ、フミコ、ヒデコの3人はここへ来た経緯を説明し、μ'sのために駆けつけてくれたことを語るのであった。
「小津先生……ララちゃん……」
自分たちのために剣斗とララが動いてくれたことを知り、穂乃果たちはそのことが何よりも嬉しかった。
「えへへ♪」
ララは満面の笑みを穂乃果たちに向けると、無邪気にピースを向けるのであった。
「うむ!私たちは奏夜と違って直接皆をを支えることは出来ない。私たちに出来るのはこれくらいだからな」
剣斗はアイドル研究部の顧問ではあるが、今まであまり顧問らしいことが出来ていないと感じており、それを気にしていた。
しかし、自分もμ'sのために何かをしたいと感じたため、μ'sを応援してくれている有志を集めたのであった。
剣斗は事前に音ノ木坂の生徒を中に入れるよう、UTX高校の職員に話を通しており、それがあったからこそ、ヒデコたちはスムーズにここまで来れたのである。
「さて、みんな!さっさと準備を始めるぞ!」
「うむ!A-RISEだけではない。他のみんなに見せつけてやるといい!μ'sが最高にイイ!スクールアイドルであることを!」
『はい!!』
剣斗の言葉に穂乃果たちは応え、奏夜たちはライブの準備を始めるのであった。
そして、μ'sのライブは始まる。
〜使用曲→ユメノトビラ〜
「……穂乃果たち、輝いてるね」
「うむ!みんなの努力が直接伝わってくる!イイ!とてもイイぞ!!」
穂乃果たちは、奏夜たちの存在があるからか、大きくリラックスすることが出来た結果、思いきりパフォーマンスを行う事が出来ていた。
そんな穂乃果たちのライブを見て、剣斗は興奮を隠せずにいた。
そんな剣斗の様子に、ララは苦笑いをしている。
穂乃果たちのライブに興奮しているのは剣斗だけではなく、ヒフミトリオの3人を始めとした、音ノ木坂の生徒の有志たちも興奮を隠せずにいた。
そして、A-RISEの3人は、μ'sの予想以上のパフォーマンスに驚きを隠せなかった。
「……まさか、ここまでのパフォーマンスを見せてくれるとはね……」
自分たちも全力のパフォーマンスを見せたのだが、μ'sはそれに匹敵するものを見せており、ツバサは驚きを隠せなかった。
「……如月奏夜……か」
ツバサは離れたところにいる奏夜の顔をジッと見ていた。
真剣な表情でライブを見守る奏夜の顔を見て、ツバサの頬は少し赤くなる。
「……ふふ、やっぱり欲しいわね。ウチのマネージャーに」
奏夜をA-RISEのマネージャーにすることは一度諦めたのだが、やはり諦めきれない様子のツバサであった。
そこには、パフォーマンスは抜きにしたある理由があってのことである。
ツバサに目を付けられているとは気付いていない奏夜は、穂乃果のパフォーマンスに見入っていた。
「……みんな、より一層成長したな……」
μ'sのパフォーマンスは、先ほど行われたA-RISEにも負けておらず、奏夜は、穂乃果たちの成長が何よりも嬉しかった。
(……俺はそんなみんなをこれからも守っていく……。守りし者として……)
奏夜は、穂乃果たちのパフォーマンスを見ながら、どんな障害が待ち受けようとも穂乃果たちを守る決意を固めるのであった。
こうして、穂乃果たちのライブは大成功で幕を閉じるのである。
ライブ終了後、ヒフミトリオを始めとした音ノ木坂学院の生徒たちは、穂乃果たちに駆け寄り、そのパフォーマンスを称賛するのであった。
「みんな!本当に最高のライブだったよ!」
「うむ!とても熱いものを見せてもらった!先ほどのライブ……とてもイイ!」
ララと剣斗も穂乃果たちのもとへ向かい、称賛の言葉を送っていた。
そして……。
「みんな、お疲れさん」
奏夜も穂乃果たちのもとへ向かい、労いの言葉を送っていた。
「そして、最高のライブだったぜ」
奏夜は簡単であるが称賛の言葉を送る。
穂乃果たちにとってそれがなにより嬉しい言葉であるため、その表情は自然と明るくなっていた。
すると……。
「μ'sの皆さん、今日はお疲れ様」
同じステージでライブを行ったA-RISEの3人が穂乃果たちのもとへやってくると、労いの言葉を送るのであった。
「あっ、ありがとうございます!」
「今のμ'sを見させてもらった。とても良いライブだったぞ」
「結果発表がどうなるか、今から楽しみね♪」
英玲奈はμ'sのパフォーマンスを称賛しており、あんじゅはこの先の展開を心待ちにしていた。
「……μ'sのライブ、なかなかのものだっただろ?」
「そうね。そこは素直に認めるわ」
μ'sに負けたくないと宣言したツバサは、μ'sの実力を認めざるを得なかった。
「それよりもね……」
ツバサはこのように前置きをすると、奏夜にゆっくりと近付くのである。
そして……。
チュッ……。
「んな!?////」
『えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?』
なんとツバサは奏夜の頬にキスをしており、そのことに奏夜は驚きながら顔を真っ赤にしていた。
そして、その場にいた穂乃果たちも驚きの声をあげる。
「……奏夜君♪また会いましょう♪それと、あなたをマネージャーにって言ったけど、まだ諦めてないからね♪」
『えぇ!?』
「ちょっ!おまっ!」
ツバサはペロッと舌を出し、小悪魔のような笑みを浮かべながらその場を離れるのであった。
それにあんじゅと英玲奈も続き、穂乃果たちはツバサの言葉に驚き、奏夜は焦りを見せていた。
すると……。
「ちょっと、奏夜君!これは一体どういうことなんですか!?」
「説明しなさいよ!マネージャーって何のことよ!?」
いの一番に花陽とにこが奏夜に詰め寄るのだが、その表情は鬼気迫るものだった。
「あ〜……。えっと……」
奏夜は必死に言い訳を考えるのであった。
「奏夜、あなたもしかして、あの綺羅ツバサさんまで口説いたのですか?」
「そーや君、相変わらず見境いないにゃあ!」
「さっきのキス、どういうことなのよ!?」
「そーくん、やっぱりことりのおやつにしよう。うん、そうしよう」
「奏夜君、これはきっちりとお仕置きが必要そうやね♪」
「奏夜、覚悟はいいわね?」
さらに穂乃果以外のメンバーが奏夜に詰め寄ってくる。
このままではお仕置きを受けてしまう。
そう本能的に感じ取った奏夜は、顔を真っ青にする。
そして……。
「ほ、穂乃果……!助けて……!」
奏夜は、自分がA-RISEにスカウトされたことを知っている穂乃果に助けを求めていた。
「そーくん♪」
穂乃果は穏やかな笑みを奏夜に向けるのであった。
「穂乃果……」
穂乃果は自分の味方になってくれる。
そう感じて安堵していたのだが……。
「……天誅、だよ♪」
「ヴェ!?ホノカザァン!?ナゼディス!?」
穂乃果もまた、奏夜にお仕置きをしようとしていたため、奏夜は驚きのあまり、滑舌がおかしいことになっていた。
「とりあえずここはUTX高校だし、ここから出たらお仕置きね♪」
「そーくん、覚悟してね♪」
穂乃果は、A-RISEのマネージャーに関しての話のみだったら奏夜を助けるつもりだったが、頬にキスまでされては、助ける気持ちはなくなってしまった。
「ホノカザァン!オンドゥルルラギッタンディスカ!?」
奏夜は焦りのあまり、さらに滑舌がおかしなことになっていた。
その後、穂乃果たちは、奏夜の首根っこを掴みながら、UTX高校を後にするのであった。
「ちくしょおぉぉぉぉぉ!あの野郎ぉぉぉぉぉ!!」
奏夜は、いきなり小悪魔的な態度を取って、余計なことをカミングアウトしたツバサに恨み節な感じで叫ぶのであった。
こうして、ラブライブの地区予選は終了したのだが、奏夜が穂乃果たちにお仕置きを受けるのは、また別の話である……。
……続く。
__次回予告__
『やれやれ。地区予選が終わったのはいいが、にこのやつの様子が変だな。面倒なことにならなければいいが。次回、「姉妹」。おお、これはこれは』
思ったより文字数が長くなってしまった……。
今回の話なのですが、前後編にしようか迷ったけど、このまま押し切ってしまいました。
それにしても、A-RISEにマネージャーとしてスカウトされるとは、奏夜はそれだけマネージャーとして有能なんですね。
そして、ツバサにもフラグが立ってしまった……。
奏夜がどんどんラノベの主人公のようになっていく(笑)
ここで2期の3話は終わりで、次回から4話の話になっていきます。
タイトルでも察することは出来ると思いますが、あのキャラが登場するかも?
それでは、次回をお楽しみに!