はいふりっ! 今日の晴風クッキング!   作:プレリュード

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第3話 水雷長は夜番!

 

 こんにちは、伊良子美甘です! いえ、正確に言うならこんばんはです。

 

 だって、もう太陽も落ちて夜なんですから。でもすぐに寝るわけにはいきません。明日の朝ごはんの仕込みをしなくちゃいけないんです。いま!? って思うかもしれないけどクルー全員ぶんの朝ごはんを短い時間で用意するのは大変なんですよ?

 お味噌汁の油揚げを短冊切りにしておいたり、おつけものをひとくちサイズに切ってから小分けにしたりとか、やることはいっぱいです。

 

「あとはご飯がすぐに炊けるようにお水だけ張って、と」

 

 これでご飯の準備は完了。あとは私の頭を悩ませているものをどうするか決めるだけです。

 

「お米がちょこっと残っちゃったんだよね………」

 

 冷めたご飯がお茶碗ひとつぶんないくらい残ってしまっているんです。明日の朝に温めなおして、一緒に炊きたてご飯にまぜこんでしまいましょうか。

 

「うー、さむさむ。やっほー、みかん」

 

「あれ? メイちゃん?」

 

 これはなんともめずらしいお客さんです。こんな夜にどうしたんでしょう?

 

「いやー、今日は夜の見張りシフトなんだせどさ。なんか小腹へっちゃって……」

 

 たはは、とメイちゃんが頭を搔く。でもすこし気持ちはわかるんです。こうやって夜に起きてると変にお腹が空いちゃうことって結構あるんです。

 

「お腹が空いたまま見張りは辛いよね」

 

「そうなんだよー。でさ、こそっと何か作ってくれない?」

 

 お願い! っとメイちゃんが手を合わせてお願いします。片目だけつぶっていたずらっぽくペロッと舌を出して笑います。うーん、何でしょう。こうお願いされちゃうと悪い気はしません。つい何か協力してあげたくなっちゃいます。

 

「えーっと……あっ!」

 

「おっ! 何かある?」

 

 ぴったりなものがありました。ちょうどご飯が残っちゃったままだからこれを使っちゃいましょう。

 

「ちょっと待ってて!」

 

「あ、私も手伝う!」

 

「じゃあお願いしようかな」

 

「ちなみになに作るの?」

 

「ミルクリゾット。牛乳は大丈夫?」

 

「もっちろん!」

 

「じゃあ作ろっか」

 

【ミルクリゾット】

・ご飯 茶碗一杯ぶん

・牛乳 150cc

・水 150cc

・ベーコン 1枚

・玉ねぎ 適量

・コンソメ(チキン、もしくはビーフ) ひとかけら

・ピザチーズ(なければとろけるチーズ) ひとつかみ

・塩 少々

・粗挽き黒胡椒 少々

 

「材料はこれだけ!」

 

「少ないんだね」

 

「そうなんだよ。しかもたいてい冷蔵庫にあるものばっかりだからね」

 

 とにかく作っていきましょう。まずはベーコンを短冊切りに。そしたら玉ねぎを半分にしたら繊維にそって縦にスライス。玉ねぎの量はお好みでどうぞ。

 

「っーーーー! 玉ねぎが目にしみるぅーーーー!」

 

「あはは。こればっかりは仕方ないよ」

 

 うろ覚えですけど、たしか玉ねぎの成分が気化して粘膜を刺激するとか。いちおうゴーグルも効果はあるみたいですけど、顔にある粘膜って鼻もあるから単品じゃあんまり意味がないらしいです。

 そして仮にも乙女が鼻栓とゴーグル姿はちょっと……

 

「っし! 切れたよ!」

 

「じゃあ次はお鍋を用意してチーズとお塩、粗挽き胡椒をのぞいてぜーんぶ入れちゃいましょう!」

 

「え、いいの?」

 

「うん。ぜんぶ入れたらあとは弱火で沸騰しないように気をつけながらコンソメを溶かしていくの」

 

 ちなみにピーマンやエリンギ、マッシュルームとかを入れても合いますよ。あとベーコンがなければハムで代用しても大丈夫です。ただし、ベーコンやハムは入れすぎると、くどくなるから気をつけてくださいね。

 

「コンソメが溶けきったらピザチーズを加えてお塩で味を整えたらお皿に盛って、粗挽き黒胡椒を上からかけて完成!」

 

「うそ、早っ!」

 

「時間をかけずに作れるし、あったまれるからこれから見張りならぴったりだと思って」

 

 ただ牛乳は苦手な人にはあまりおすすめできないメニューです。もし誰かに作ってあげるときはその人が牛乳が苦手ではないかどうかを確認してからにしてくださいね。

 

「あー、あったまるぅ……」

 

 気に入ってもらえたようでよかったです。ただひとつ問題をあげるとしたらお夜食としては胃もたれしやすいことです。あとどうしてもチーズや牛乳を使う以上はカロリーが高くなっちゃうんです……

 いいもん。ちゃんとカロリーコントロールできてるもん。最近は体重計に乗ってないけど……

 

「みかん大丈夫?」

 

「だ、大丈夫……うん、大丈夫……」

 

 私の悩みなんてどこ吹く風でスプーンをメイちゃんが進めます。

 

 チーズを入れることでとろみがつき、一緒に入れたベーコンや玉ねぎからうまみが出てくれくれる。スプーンですくって口に運べば、コンソメと具材の出汁が滲み出たミルクにやわらかくなったお米がやさしく口に広がる。玉ねぎの甘み、ベーコンの塩っけ。たったこれだけでも十分だ。最後に仕上げとしてかけた粗挽き黒胡椒がアクセントになって飽きさせる事がない。

 

 暖かい牛乳は体を芯から温めてくれるし、具材によっては栄養バランスも取れます。忙しい朝にもいいし、少し物足りない時に作るのもいいと思いますよ。

 

「ふぃー、ごちそうさま」

 

「はい、お粗末さまでしたっ」

 

 満面の笑みでメイちゃんがお腹をさすります。

 

「うわ、やば! もう時間じゃん!」

 

「片付けとかは私がやっておくから行って。遅れると副長が怖いよ?」

 

「ごめん、みかん! 今度なにかで返すから!」

 

 たたたっ、とメイちゃんが走って行ってしまいました。そんなに慌てて転ばないといいけど大丈夫でしょうか。

 

「まあ、いいか。ちょこっとだけ残ってたご飯もなんとかできたし」

 

 さて、私も明日が早いしそろそろ寝ましょうか。あんまり夜更かしすると朝ごはんの準備に寝坊しちゃいます。

 

 





雪、寒いですよね。そんな夜にどうぞ。みたいなメニューです。はい、そんなこんなで3話は西崎芽衣ことメイちゃんに登場してもらいました。なんかみかんちゃんが、この子に敬語を使うイメージがわかなかったので口調を崩してみましたが、いかがでしたでしょうか。

ちなみに、レシピに関しまして今さらではありますが、もし実際に作ってみよう!って思ってくださったのならば、味付けの濃さは個人の好みによって変わるものなので調味料は少しずつ入れてくださいね。いきなりたくさん入れるとあとから調節がきかなくなりますから。
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