はいふりっ! 今日の晴風クッキング!   作:プレリュード

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今日はバレンタイン、そしてみかんちゃんの誕生日です! というわけで個人的に書きたかったミーみかです! このふたりいいよね! いっしょに話してるシーン少なかったけど個人的にはすっごい好きです。

そしていまさらではありますが、この作品はキュムラス先生の『ハイスクール・フリート・プラスワン・アンド・アザー』(https://novel.syosetu.org/86154/)とVirgil先生の『ハイスクール・フリート-No one knows the cluster amaryllis-』(https://novel.syosetu.org/99887/)と世界観を共有させていただいております。
ですが世界観の共有であって、別時空の出来事と捉えて読んでいただけると幸いです。御二方の作品、共に息をのむような展開(いわゆるシリアス)で自分も楽しませていただいております。

さて、長々と続けすぎました。それでは誕生日回です。


第4話 留学生(?)とバレンタイン!

 こんにちは、伊良子美甘です!

 今日は何の日か知ってますか? そう、2月14日はバレンタインデーです!

 

 女の子が気持ちを伝えるためにチョコレートを作って贈る。日本では主にこっちが主体ですけど、西洋では同性でも贈り合うものらしいです。日頃の感謝を伝えるためとか。

 

 そんなわけで私は晴風のみんなにチョコを作ってみようと思っています。とりあえず材料を用意して……っと。

 

「ミカンはおるかー?」

 

「あれ、ミーナさん? いらっしゃい。どうしたの?」

 

 あんまり食堂には来ないお客さんです。でもよくお話するから仲はいいんですよ。気さくに話しかけてくれるからお話するのは楽しいです。

 でも急にどうしたんでしょうか。つまみ食いをしに来たとは思えないですし。

 

「いやの、チョコを作ろうと思ったんじゃが作り方がわからん。じゃから教えてくれんか?」

 

 なるほど、そういうことでしたか。ならばこの伊良子美甘、全身全霊でお手伝いをしちゃいますっ!

 

「料理をした経験とかはある?」

 

「ほとんどないのう」

 

「うーん、じゃあ私もチョコを作るつもりだったし、いっしょに作ろっか」

 

 そうとなれば善は急げです。さっそく作っていきましょう!

 

【市販の板チョコで作る! 生チョコ】

材料(2cm×2cmが約70個)

・板チョコ 5~8枚(メーカーはどこでもOK)

・生クリーム 200CC

・ココアパウダー 適量

 

「材料はこれだけかな」

 

「これだけで生チョコなんてもんができるのか?」

 

「だいじょうぶ、だいじょうぶ。まずは生クリームをお鍋で火にかけて、沸騰しないように気をつけながら温めて」

 

「お、おう。沸騰しちゃいかんのか?」

 

「うん。お鍋のふちが泡立ちはじめたら火を止めて」

 

「了解じゃ」

 

 この間に私は板チョコレートを小さく割っておきます。割ったチョコレートはボウルに入れておきましょう。

 

「ミカン、これでいいんじゃな?」

 

「うん、そんな感じ。火を止めたら割ったチョコを入れたボウルに注ぎ込んで」

 

 そしたら生クリームの熱でチョコレートを溶かしていきましょう。木ベラで練るようにまんべんなくまぜてくださいね。

 

「ミカン、なかなか溶けんぞ……」

 

「あー、そういうときはチョコレートを入れたボウルよりも大きいボウルにお湯を入れて、湯煎しながら溶かすといいんだよ。ちょっと待ってて。ポットのお湯を使うから」

 

 湯煎をしながら混ぜ続けます。ミーナさんもいっしょうけんめいにまぜてくれてます。けど、鼻の頭に溶けたチョコが付いちゃってますよ?

 

「なんじゃ、ミカン?」

 

「ううん、なんでもないっ。ほら、はやくまぜないと固まっちゃうよ?」

 

「おお、そうじゃな」

 

 ぽん、と手を打ってからミーナさんがまた混ぜ始めます。うんうん、その調子。そのまま生クリームとチョコレートが馴染んで、なめらかになるまでひたすら混ぜていってください。

 

「こんなもんでどうじゃ!」

 

「うん、バッチリ! じゃあ次はラップ、もしくはクッキングシートを敷いたバットかトレー、ないならタッパーに生クリームとチョコレートを馴染ませたものを2cmくらいに流し込んで」

 

「おう! これでいいのかのう?」

 

「そうそう! そしたら冷蔵庫にいれて、2時間くらい冷やすから、しばらく待たなきゃね」

 

 あくまでも冷やす時間は目安であって、正確な時間じゃないから様子を見て時間は調節してくださいね。冷やしすぎちゃうと硬くなりすぎちゃうから気をつけてください。

 

「本当に簡単じゃな」

 

「まあ、あんまり本格的なものを作ろうとしたら専門的な調理器具が必要になっちゃうから、これが限界っていうのもあるんだけどね」

 

「専門的な調理器具、とな?」

 

「さすがにテンパリング用の大理石とかは晴風に持ち込めなくって……」

 

「ああ……というかそんなもんまで持ち込もうとしたんじゃな…………」

 

「ドイツはたしかチョコレートの本場だったっけ。ミーナさんも詳しいの?」

 

「わしは食べる方じゃ!」

 

「えぇ……」

 

 そんなに誇らしげに言われても……。というか本当に作り方がわからないから聞きにきたんですね……。

 

「だがチョコレートは好物じゃ。洋酒の香りがするものとかが好きじゃな」

 

「ブランデーとかラム酒とかだね。あれも晴風に持ち込もうとしたんだけど、未成年だからダメだって副長に取り上げられりゃって……」

 

「あー、しろ坊は確かにそこら辺が厳しそうじゃの……」

 

 難しそうな顔でミーナさんがこめかみに手をあてます。でも副長のいう通りでお酒はちょっぴりやりすぎだったかもしれません。でも、チョコレートを溶かしている時に、少しだけ垂らすと味が本格的になりますよ! あんまり量をいれすぎると、香りが強くなりすぎたり、どろっとしすぎちゃうから注意してくださいね。

 

「ミカン、そろそろどうじゃ?」

 

「そうだね、じゃあいっかい見てっみよっか」

 

 冷蔵庫から取り出してつまようじを用意します。つまようじを刺してべっとりチョコがついてこなければだいじょうぶです。少しくっついてくるくらいなら、問題ありませんよ。

 

「うん、これならOKだね」

 

「ならこれを一口サイズに切ればええんじゃな?」

 

「そうだね。だけど切るのが大変だから包丁をお湯の中に潜らせるか、火で直接あぶってから切ると簡単に切れて楽ちんなんだよ」

 

「おお! 切りやすい。さすがミカンじゃな!」

 

「エヘヘ……いやぁ、それほどでも」

 

 これくらいちょっとした知恵ですよ。たぶんお菓子作りが好きな人ならけっこう知っているんじゃないでしょうか。

 

「おーい、ミカン。切れたぞ」

 

「あっ、そしたらココアパウダーを全体的にまぶして。切ってた時に形が崩れちゃったら、この時に形を整えてね」

 

「こんな感じか?」

 

「うん、うん! いい感じだよ。これで完成!」

 

「もうなのか! 冷やしておった時間を除けば30分も経ってないかもしれんぞ」

 

「お手軽でいいでしょ?」

 

 しかもチョコレートをビターにしたりミルクにしたりすることで味を変えることもできるんです! お好みでミックスにしてもいいと思いますよ。

 

「あとはラッピングすればいつでも贈りものにできるよ!」

 

「これで完成なんじゃな」

 

「そうだよ。ところで誰に贈るつもりなの? やっぱりテアさん? それとも同室の副長とか?」

 

 あ、でも艦橋でココちゃんともよくお話してるから彼女かもしれません。なにを話しているのかはわからないんですけど……

 

「何を言うとるんじゃ。ミカン、今日はおぬしの誕生日じゃろうが」

 

「えっ……あっ、そういえば!」

 

「なんじゃ、忘れとったのか。それに今日はバレンタインじゃ。日頃の感謝を伝える日、なんじゃろ?」

 

 ミーナさんがニカッと笑います。ああ、すっかり忘れてました。バレンタインデーが私の誕生日じゃないですか!

 

「本当ならわしがちゃんと作りたかったんじゃが、いかんせん作り方がわからんくてなぁ。じゃから教えてもらうしかなかったんじゃ」

 

 照れ臭そうにミーナさんが頭をかきます。そして急に表情を真面目くさったものに変えました。

 

「ミカン、いつも食事を用意してくれてありがとう」

 

「っ……ズルいなあ、もう」

 

「ミカン……?」

 

「なーんでもないっ! どういたしましてっ。それからチョコ、ありがとう!」

 

「いやいや。それに作り方はミカンに教えてもらったもんじゃしのう」

 

「ううん、こういうのは気持ちが嬉しいんだよ! 本当にありがとっ!」

 

 いつもは作る側だけど、いざもらうと嬉しいものなんですね。思わず顔が緩んじゃいます。

 

「よろこんでもらえたか?」

 

「それはもちろん!」

 

 最高の誕生日だよ!

 

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