〜優子SIDE〜
翌日、私は先生に頼んで特別に1時間自習にしてもらった。
皆が何事かとざわめく中、私は立ち上がって前に出た。そして視線が私に集中する。
「この時間、私が先生に頼んで自習にしてもらったの。どうしてそんなことをしたのか、それは皆に聞いてほしいことがあったからよ」
「……優子、それって授業よりも大切なことなの?」
「少なくとも私はそう思っているわ、代表」
「ふ〜ん? 聞かせてみてよ?」
「ええ、今から話すわ。話した後に1人1人質問するから、ちゃんと聞いてね」
私はそう前置きして、愚弟から聞いたことを嘘偽りなく全て話した。
真剣な顔や驚いた顔、そして若干青ざめている顔の人などがいたが、皆きちんと聞いてくれた。
私が全て話し終えると、辺りが静寂に包まれた。
その静寂を壊すように、私は皆に1つ目の質問をした。
「まず最初……皆はこれを聞いて、どう思った? 率直に述べてちょうだい」
私がそう言うと、皆「Fクラスなんて最低!」とか「マジあり得ないわー」とか「さっさとこの学園から去れよ!」などと、Fクラスへの軽蔑、そして罵倒を言い続けた。
それに満足した私は右手を上げて皆を制し、次の質問をした。
「それじゃあ次の質問ね。私は吉井君側について彼を支えるつもりなんだけど……皆はどうする? これは1人ずつ教えてちょうだい」
私がそう言うと、きちんと1人ずつ吉井君を支えるか否かを教えてくれた。
だけどこの問いは「絶対に支える!」や「ちょっと恐いから支えるのは……」などと色々だったが、Fクラスを支えるという人はいなかった。ま、当たり前よね。
そして最後、問題の代表になった途端に辺りが静まりかえった。
その空気に負けないように、私は代表に問いかけた。
「………代表が、坂本君を愛しているのは知っているわ。だけど、念のために教えてちょうだい。代表は、吉井君を支えるの? それとも、愛している坂本君を支えるの?」
「………………」
代表はしばらくの間無言だった。
だけど決心がついたのか、俯かせていた顔を上げて言った。
「……確かに私は雄二が好き、愛してる。だけどその雄二が人を、吉井を不幸にしようとしているなら……――私は全力で雄二を止める」
「代表、それは……」
「……私も、皆と一緒に吉井を支える」
『『『やったぁぁぁぁっ!!』』』
代表がそう言うと、皆が一斉に歓声をあげた。
その後代表の周りに集まったり私に握手を求めたりと色々だった。
そんな時、突然私の手の甲を何かがかすった。
「いっ…!」
『木下さん!? 大丈夫!?』
『お、おい! 飛んできたのって、このカッターじゃないか!?』
私が痛みに耐えていると、誰かが床を指しながら言った。
そこを見てみると、カッターが深く床に突き刺さっていた。
そんな中で私を心配してくれる人がいるけど、私は自分の手の甲から流れている血に釘付けだった。
(赤い、液体………鮮やかな赤い血が、私から……)
気がつくと、私は血をペロリと舐めていた。
『え……木下さん?』
「っ……!? あっ、いやっ、ただ床に垂れそうだったから…っ!」
『あっ、そういうことね。びっくりしちゃった』
そう言って私は微笑みかけた。
でも、心のどこかで理解していたのかもしれない。
さっきの私は、
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「ふふっ、どうやら彼女も仲間みたいだねぇ♪」
「うんっ♪ やっぱり嬉しいねっ♪」
「それじゃあ――彼女の心を