光が消えて闇は笑う   作:ゆん

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半年以上更新しなくてすみません! 挙句の果てに短いですごめんなさいっ!

こんな作品を見てくださっている皆様、本当にありがとうございます(土下座)



EP07 用件はただ1つだよ

瑞希も壊れていたと発覚した翌日、Fクラスは重々しい空気に包まれていた。

 

誰もが、思い出していたのだ。明久と同じように壊れていた瑞希の口から告げられた、言葉を。

 

 

 

『壊れてしまった僕と明久、そしてクラス内やクラス同士での決別……AクラスとFクラスの崩壊はもう、誰にも止められないよっ!』

 

 

 

もう自分のせいじゃないと思うバカは、どこにもいなかった。

 

 

 

もし明久に攻撃しなかったら、なんて今更すぎる。

 

明久がこんな風に壊れてしまうなんてと後悔するならば、最初から攻撃しなければよかったのだ。

 

それでも攻撃していたのは、心のどこかで『明久なら許してくれる』と勝手に思い込んでいたからだ。

 

同じ人間なのだから、そんな保証なんてどこにもなかったのに。

 

「…………明久は、今日もやるのか……?」

 

「やる、じゃろ。ワシらに傷ついた明久を見せるのが、目的なんじゃから」

 

「だよな……」

 

しばしの沈黙。それを破ったのは、この場には合わない明るい声だった。

 

「皆さんおはようございまっす☆ おやおやぁ? 折角の壊したい……じゃなくて、清々しい朝なのに、何だか空気が重いですねぇ?」

 

「ひ、めじ」

 

「やだなぁ、そんなに怯えないでよ僕泣いちゃうっ☆」

 

この場には合わない明るい声を発した人物――姫路瑞希は、ケタケタと笑いながら1枚の手紙をポケットから取り出した。

 

それを訝しげに見ているFクラスを尻目に、瑞希は不気味にな笑みを浮かべながら手紙に書いているであろう文を読み始めた。

 

「よく聞いててねっ☆ 『Fクラスの皆さんお元気ですよね、明久でっす♪ 今回は僕達の招待状を届けに参りました♪ 詳しくは放課後Aクラスでねっ☆ 待ってるよぉ♪』だって! やだ明久ってば可愛いお茶目さんっ☆」

 

「招待状……? おい、どういうことだよ?」

 

「だからぁ、詳しくは放課後Aクラスでって言ったじゃんっ! ちゃんと聞いてよもーっ

!」

 

雄二が言ったことに頬を膨らませながら言い返した瑞希は、読んだ手紙を投げ捨てるかのように手から離し、Fクラスの皆に手を振りながらウインクした。

 

「じゃーね、Fクラスの皆さんっ! また放課後会おーねっ☆」

 

そう言ってピシャリと扉は閉められ、Fクラスに再び沈黙が訪れた。

 

皆の視線の先は、封が切られたまま放置されている手紙。雄二達からすれば昔のように明久から遊ぼうと誘われたことを思い出させる物だった。

 

しかし今回は話が違う。下手したら生死を分ける境界線と言っても過言ではない。

 

今回渡されたのはただの招待状。絶対というわけではないから、放課後Aクラスに行かなければいい話だった。

 

今までのFクラスなら、罠かもしれないと思って無視していたかもしれない。

 

 

 

――――でも、それでも。

 

 

 

「お前ら……覚悟はできてるな?」

 

『『『おうっ!!』』』

 

 

 

今のFクラスには、招待(ワナ)(かか)るという選択肢以外あり得なかった。

 

 

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

一方Aクラスには、明久が直々に登場していた。

 

「――と、いう訳だから、放課後はよろしくねっ☆」

 

「……場所の提供はする。でも、何をやるかは教えてくれないの?」

 

「うーん、さすがにこればっかりは教えられないなぁ。お楽しみってことで、ねっ?」

 

「……わかった。お楽しみにしておく」

 

「ありがと霧島さんっ♪」

 

そう言って子供のように無邪気に笑う明久は、どうしても壊れる前の明久の面影と重なってしまった。

 

純粋だった昔とは違い、今は酷く歪んでいる。そう頭では理解していても、この笑顔を見ると全部夢だったんではないかと錯覚してしまう。

 

(……そんなできた話なんて、あるはずないのに)

 

そう思い、翔子は思わずため息をついてしまった。それにいち早く気づいた明久が顔を覗き込んでくる。

 

「霧島さんどーしたの?」

 

「……なんでもない。それじゃあ吉井、頑張って」

 

「うんっ、じゃーねっ♪」

 

明久は再び笑顔でそう言うと、手を勢いよく振りながら扉を閉めた。

 

遠ざかっていく足音。それが完全に聞こえなくなると、1人の女子生徒が翔子に話しかけた。

 

『霧島さん……これで、良かったんですかね?』

 

「……わからない。でも、私はできる限り吉井の手助けをしたいと思っているから」

 

『そう、ですよね……』

 

そう言うと、その女子生徒はお辞儀をして自分の席へと戻っていった。

 

翔子はそれを見送った後、明久が去っていった扉へと目を向けた。そして再びため息をつく。

 

 

 

翔子にはもう、何をどうすれば正解なのかがわからなくなっていた。

 

 

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

時は過ぎて放課後、Fクラスの面々はAクラスの前に来ていた。

 

覚悟はできてはいたものの、実際来てみるとなるとそれなりの恐怖に襲われてしまう。

 

帰りたい。でも、帰るわけにはいかない。

 

雄二は数回深呼吸をすると、恐怖を振り払うかのように勢いよく扉を開けた。

 

中にはAクラスの生徒は誰もおらず、呑気に椅子に座って会話をしている明久と瑞希がいた。

 

2人は雄二達に気づくと不気味な笑みを浮かべながら立ち上がった。

 

「よかったぁ、きてくれたんだぁ♪」

 

「そりゃ明久が招待してくれたんだもん、来て当たり前だよっ☆」

 

「……それで、用件は?」

 

雄二は茶番をせず、単刀直入に問いかけた。それを聞いて明久は笑みを深める。

 

「用件はただ1つだよ雄二ぃ……」

 

明久がそう言って指を鳴らすと、どこからか優子と利光が目の前に現れた。

 

それを見て目を見開いているFクラスを尻目に、明久は無邪気な笑顔を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕達4人とFクラスで……バトルロイヤル、しよっ♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは、自分の生死よりも辛い地獄の始まりの合図。

 

 

 

 

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