マミさんが魔女に殺されかけてから何日か過ぎた。
あんなの見てしまったら、魔法少女になるのなんて気が引けてしまうよ。
けど、魔法少女になったら恭介のケガも治るし…。
そうして悩んでいる時だった。悪い事っていうのは連続して起こるんだと思った。
偶然、仁美がフラフラとどこかへ歩いて行っているのを見てしまった。それはまるで操られているような感じだった。
もしかしてと思って周辺を探すと、魔女を見つけてしまった。
マミさんは前のことでトラウマになってるし、あの暁美って奴には頼りたくないし…。
そうだ、あたしが魔法少女になればいいんだ。
そうすれば、皆を救えるし、恭介のケガも…。
私はそう決意して、キュウベエを呼ぼうとする。
「本当にいいのか?」
すると、どこからか声をかけられた。
「だ、だれ!?」
「君は一度、魔法少女が死にかけるのを見たはずだ。君は、自ら死にに行くのか?」
それは男性の声だった。私たちよりも年上のような声だ。
「で、でも、誰かがやらないと、仁美が、皆が」
『Chain Now』
前に聞いた音声がなると、空中に魔法陣がたくさん現れ、魔法陣から出た鎖が皆をその場につなぎとめていった。
「これでゆっくりと話せるな。では答えてもらおう。君は、自分から死にに行くのか?」
「で、でも…それに、恭介だって…」
「なら、その恭介とやらの考えはどうかな」
「恭介の考え?」
「君は見た所、その恭介というやつに好意を抱いているのだろう?」
「え、いや、あ、あたしは」
「だが、恭介はどうかな?君のことをどう思っているのかな?」
「え…そ、それは…」
「好意を持っていたらいいだろう。でも、もし持っているのが嫌悪だったら?」
「そ、そんなはず…」
「ないと言い切れないだろう?そんな奴の為に、君は自分の命を懸けるのかい?」
「……」
あたしは何も言えなくなっていた。恭介があたしのことをどう思っているかなんてわかんないし、もし嫌われていたらと思うと…。
「覚えておくといい、思いというのは言葉にしなければ伝わらん。もし、命をかけるのならば、思いを伝えてからにするといい。逃げていては始まる前に終わってしまうぞ」
そう言って声だけの男性は最後までわたしに姿を見せずにどこかへと行った。
しばらくすると、皆を縛っていた鎖が消えて、みんな元に戻っていた。きっとあの男性が何とかしてくれたのだろう。
みんな助かってよかったのに、あたしの胸の内はなんだかムカムカした。
思いは言葉にしなきゃ伝わらない。逃げていては始まる前に終わる。
その言葉に不安を覚えても、どうしてもあと一歩踏み出す勇気が出なかった。