ある日の事、ココアと千夜が学校帰りで話していた、内容はチノちゃんの笑顔を見たか否か
「そう言えば、最初に会った時より
表情豊かになったかもね、この前あんこに追いかけられているシャロちゃんを見て羨ましそうに笑ってたわ」
「・・・・・一緒に暮らしてるのに笑顔を見たことないなんて・・」
「きっと偶然見逃してるだけよ」
「それか表情の微妙な変化を感じ取れないだけよ」
「私そんな鈍感じゃないよ!」
◆◇◆◇◆◇◆◇
「写真撮ってるの?」
「うん、家族に手紙と一緒に送ってあげるんだ」
「千夜ちゃんも撮るよー」
「やぁお二人方何してるの?」
「あら、真樹君」
「いまね、家族に送る写真を撮ってたんだよ」
「そうなの?じゃあここはひとつ自分もかっこよく撮っておくれよ!」
そういうと柵に寄りかかるようにしてポーズをキメる
カシャ!
「はい!バッチリ撮れたよ!」
「ちょっとどんな風に撮れたか
見せておくれ」
「はい」
「おお、バッチリ撮れてる」
「ココアちゃん、さっきの写真現像できたら見せてもらえる?」
「千夜ちゃんの写真なら・・これだよ!」
「いえ、写真が出来たら未来の大手チェーン甘兎の店主としてサインを入れたいの」
「すげぇ壮大な夢!」
◇◆◇◆◇◆◇◆ラビットハウス
ココアと真樹がカメラを構えている
「成る程、お前もココアと同じく実家に写真と手紙を送ろうと」
「そゆこと、と言うわけでまずリゼさんの働いてるところを撮ります」
真樹は首からかけた古い一眼レフを構えてガシャリとフィルムを送る
「わかった・・とっ撮ったら見せろよ、半目だったら恥ずかしいからな」
「わかったー」
(これフィルムなんだよな・・・)
カシャ
ガシャリ
ココアとチノちゃんはデジカメで
確認をする
「!!」
「! これは心霊写真⁉︎ 」
リゼさんの写真の右上に白い何かが写っていた
「今までその銃で何人の人をやってきたの!?」
「おい、それは指だろ」
◆◇◆◇◆◇◆
ラビットハウスの三人がそんなやりとりをしている間、真樹はカメラを持って外へ出た
ーーフルール・ド・ラパンーー
「お客さん、店員の撮影はやめてください」
「バニーガールなんて滅多に見ないから面白いかなって・・」
「うちはそう言うお店じゃないんだけど?!って言うか真樹はラビットハウスの制服だけど店は大丈夫なの?」
「今ラビットハウスには自分含めて四人もいるんだ、一人減ったくらいなんてことないでしょ」
ーー甘兎庵ーー
「あら、真樹君も写真を撮りにきたの?」
「折角だから決めポーズでも撮ってくれ」
千夜はあんこの座ってるテーブルに
肘をつきキメ顔をキメる
「良いね!これは巷で言うインスタ映えだ!」
「現像が終わったら見せて頂戴♪」
「了解!」
ーーハーズ・ベーカリーー
・この前の話で出て来た鳥海の働くパン屋である
「いらっしゃい、どうしたのそのカメラ」
「実家に写真を送るんだ、写真を撮っていいかい?」
「いいよ、かっこよく撮ってくれよ」
ガシャリ
「うん!多分綺麗に撮れた!
現像したら一枚やるよ」
「楽しみに待ってるよ」
「おう、そんじゃあな」
◆◇◆◇◆◇◆
その後ラビットハウスに戻ってきた真樹は、出掛けてる間の顛末をリゼに聞かされ、その中のココアと千夜の漫才の内容を聞き、調理実習の時別の班だったが何か言い様のない恐怖にかられたと言う
降り注ぐ声援。舞い降りる点数。排球と羽球と避球の祭、学校が燃える。圧倒的、ひたすら圧倒的パワーが蹂躙し尽くす。ささやかな望み、芽生えた愛、絆、健気な野心。先輩も後輩も、男も女も、午前も午後も飲み込んで走る、点数、点数。音を立てて、意識が沈む。
次回、『練習』。不死鳥は、炎を浴びて蘇える。