嫌な年の取り方をしてしまった。
「さて、今日がココアの姉上が来る日だが……」
真樹は何となく緊張しながら皿を洗っていた。
「お姉さん遅いですね……」
そう、今の時刻は2時半もう既に来ていてもおかしくない時間帯だ。
朝からカチカチに固まっていたココアもしきりに心配している。
「……! もしかしたら道に迷ってるのかも!」
そう言うやココアは外に飛び出していった。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「そろそろ会えたかしら?」
真樹はぽんやりしながら待っている。
「そういやここにいる皆は一人っ子なんだよね。……お姉ちゃんが、兄弟姉妹がいるのってどんな感じなのかネ」
「成程……、もし私に姉がいたら……想像もつかないな」
「……私はココアさんみたいにすぐモフモフしてこないお姉さんがいいです……」
確かに(藁)
「自分に兄かぁ確かに想像もつかんよ。ただまぁ不思議と姉や妹と一緒にいる様子は想像できるんだがね……」
「なに調子いい事言ってるんだこいつめ!」
リゼさんは僅かに照れながら小突いてくる、すまんすまん
「しかし……最初あれだけふわふわしてたココアが姉にしっかりした所見せようとしてんだから、仲のいいお姉さんなんだろうなぁ」
「そうだな……最初は道に迷いまくっていたココアがな……なんだか頼もしく見えるよ」
ピコン
[かわいいウサギを見つけたよ!]
おおん、姉はどうしたのさ。忘れたんか。
呆れながらケータイから目を離すと客が入って来た……のだが。
「いらっしゃいま……?ウィ!?」
デカい鞄を持った観光客と思しき女性が入って来たのだが、顔をサングラスとマスクで隠すようにしていたのだ。
「すわ、強盗か……もしくは指名手配犯……」
「やはり真樹もそう思うか……怪しい奴だ……」
「なんで二人して物騒な事しか考えられないんですか……」
そういっている間にも謎の女性Zゼータは時折店内を見渡したりブツブツ言いながらメニューを見ていた。
「やっぱやばい人だって!警察よぶべ!」
「すいませ~ん、注文良いですか?」
「!!!」
「……もう、私が行きますから真樹さんは厨房に、リゼさんはここで待機しててください」
そういうと二人はチノに敬礼し持ち場へと散る。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「真樹さん、[ココア特製厚切りトースト]をお願いします。」
「はい。チノちゃん、奴さんに不審な点は?」
「ありませんから大丈夫ですよ……」
適当にあしらわれながらも真樹はトースト作成に取り掛かる。
ココアが作った食パンを丁寧に決められたサイズで切り落とし、大型オーブンでこんがりと焼き上げる。
そして焼きあがったトーストに切れ目を入れバターを乗せ……最後に蜂蜜をかける。
シンプル、だからこそ求められる技量が高い料理なのだ。
さぁ喰らえぃ!
……はむっ
「……このパン、モチモチが足りない……」
「このパンモチモチが足りない!」
そう叫ぶとZは突如立ち上がりバックを開け放つ。なんとその中にはビニール袋に入った白い粉が!
「やっぱり運び屋じゃあないかッ!」
「この小麦粉で本当のパンの味を教えてあげる」
「だ……誰だ!」
Zはマスクとサングラスを取る。
「私です!!」
そこにいたのは……やっぱり知らない人であった。
誰!?
何なのこのお姉さん!?
誰なの?怖いよおッ!!
なんかごちうさ三期はなんか甘すぎて胃もたれおこした……