問題児たちが異世界から来るそうですよ?(十六夜君改変)   作:皇たる機械龍

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どうも皆さん、ご無沙汰しております。皇たる機械龍です。
今回は、前回の後書きの予告通りに、十六夜君のちょっとした昔話です。そして、最後に白夜叉様がちょっと・・・・。これから先は本編にて。
ではでは皆様、どうかゆっくりとお楽しみ下さいませ。


第9話

「それは・・・・・一体どういうことじゃ?」

白夜叉が十六夜の顔を見てそう聞くと、彼は変わらぬ調子で答える。

「そのままの意味だよ。俺が殺したようなもんだ。」

「そうではない。そのギフトが、おぬしのそれとどう関係があるのかを聞きたいのじゃ。」

白夜叉が更に聞くと、十六夜は一度目を閉じて話を区切ったあと、再び話し始めた。

「・・・・・・・・俺がその力の片鱗に気付いたのは中一----十三歳の時だ。当時、俺は異常と言える程幸運だった。様々な出来事において順調に物事が進んでたんだ。しかも、俺が願った通りになる。そんな日がずっと続いてた。でも、ある日を境に俺の友達の怪我が増えたんだ。しかも、それが徐々に酷くなっていったんだ。俺も多少は疑問に思っていたけど、浮かれてたせいで特に気にしなかったよ。でも、それが分かれ目だった・・・。それから三日後に、一人目が転落事故で亡くなったんだ。でも、そんなのは始まりに過ぎなかったよ・・・・・。それから続けざまに三人が亡くなったんだ・・・・・。」

その話を聞いていた白夜叉は、合点がいったように呟く。

「じゃあ、まさかそのギフトの力は・・・・・。」

「白夜叉の考えてる通りだよ。このギフトは、自分以外の"ありとあらゆるものの運命"を湾曲させ、狂わせるものだ。俺は一応いくつかの仮説は立てていたけど、さっきのギフト名を見て確信がいったんだ。」

白夜叉は絶句していた。今まで多くのギフトを見てきたが、こんなに反動の大きいギフトは見たことが無かった。

(これは、とても恩恵等と呼べるものでは無い・・・。)

白夜叉はそんなことを思っていた。すると、十六夜から声が掛かる。

「この後の続きを聞きたい?」

「・・・・聞こう。」

白夜叉は強く頷いた。自分から聞いたことだから、責任を持って最後まで聞く、と白夜叉は決心したからだ。

「四人が亡くなったあと、俺は周りの人達から更に避けられるようになった。元々、異常な身体能力で気味悪がられていたなかに俺の周りの人間の謎の事故死。俺を避けるには十分すぎる事件だったよ。それに加えて、あの四人の事故は俺が幸運だったことと何か関係が有るんじゃないかっていう思いと、唯一の心の支えがいなくなったことで俺は廃人同然だったよ。」

「ちょっと待て。おんしの親はどうしたのじゃ?」

白夜叉がそう聞くと、十六夜は特に気にした様な感じを見せず、

「俺の親は俺が十歳の時に俺を捨てていった。その後の消息は未だに分かってない。」

それを聞いた白夜叉は少し怒りを覚えていた。その怒りを十六夜に言おうとしたが、目で諭されて自重する。そして、十六夜は再び話し始めた。

「まあ、その時に俺を救ってくれたのが師匠だったよ。絶望で埋め尽くされてた俺の心をゆっくりと治してくれたんだ。それに、その力に頼らなくても良いようにと、武術の稽古もしてくれたんだ。」

「それが先ほど見せたものか?」

「いや、あれはちょっと違うんだ。確かにあの動きも基本的なものは教わったけど、あれは主に護身用や私闘のときに使うものだから、ほとんどは独学で学んだんだ。」

「じゃあ、おぬしが師と仰ぐ者から享受されたものとは一体何なのじゃ?」

白夜叉が興味津々といった感じで聞く姿に苦笑しながら、十六夜は説明する。

「俺が本当の意味で教えて貰ったやつは、主に多対一を重視した武術なんだよ。それはつまり、どれだけ確実に相手の急所を狙うかを一番にしてるんだ。だから、師匠からは私的な使用を禁止されてる。使用していいのは、緊急事態と誰かを守るときだけなんだ。」

「ほう・・・。それはいつかお目にかかりたいものじゃ。」

白夜叉はそう呟いたあと、更に質問を加える。

「そういえばおんしのあのギフト、効果範囲はどれぐらいなのじゃ?」

「詳しくは何とも言えないけど、経験上それなりの至近距離にいないと発動しないよ。」

「それならば使用しなければ特に問題は無かろう?」

しかし、十六夜は首を横に振る。

「それは分かってるんだ。・・・・・けど、さっきのことが頭に焼き付いて離れないんだ。だから・・・・怖いんだよ。また俺のせいで誰かが死ぬかもしれないと思うと、怖くてしょうがないんだ・・・・・・・・。」

十六夜は、その言葉と共に僅かに震えていた。白夜叉は、震える右手を両手で優しく包み込むようにしながら、諭すように十六夜に語りかける。

「大丈夫じゃ。おんしはあの頃とは違う。それに、誰かを守るための術を得たのじゃ。もう、怖がる必要は無いぞ。」

その言葉は、十六夜の心に染み渡った。そして、嬉しかった。こんな自分にここまで優しい言葉をかけてくれたのは師匠以来だったからだ。十六夜はその行動にお礼を言うべく、今までとは違う満面の笑みで、

「ありがとう。」

と言った。すると白夜叉は、

「はうっ!」

という謎の声を上げたあと、顔を赤くして俯いてしまう。そのことを疑問に思って顔を覗き込もうとすると、白夜叉は膝の上から素早く下りてそのまま脱衣所に行った。十六夜もそろそろ頃合いかと思って腰掛けた縁から腰を浮かせ、脱衣所に向かう。扉を開けると、すでに白夜叉の姿は無かった。十六夜は疑問に思いながらいつの間にか洗濯してもらった制服に袖を通し、脱衣所の扉を開けると、そこに白夜叉は立っていた。しかし、白夜叉はこちらと顔を合わせようとせず、そそくさと歩いていく。どうかしたのかと聞いてみても、

「な、なんでもないのじゃ!」

と赤い顔のまま否定する。

「もしかして、のぼせてるのか?」

そう聞いたら、今度は不機嫌な表情になり、速度を速めていってしまう。結局、軽い食事を食べてから就寝するまで、十六夜は先ほどの行動を理解することは無かった。




多対一の武術の基本ってこれで良いんですかね?とりあえず少し自己解釈してしまっている部分がありますが、そこはご了承下さい。
さてさて、それでは次回予告を。次回はあの元魔王様とゲスぼっちゃんが登場する予定です。
それでは皆さん、さいなら~。

追伸
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