問題児たちが異世界から来るそうですよ?(十六夜君改変)   作:皇たる機械龍

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どうも皆さん、ご無沙汰しております。皇たる機械龍です。
今回は、ここで諸注意を・・・。
今回は、私の知識による多少の偏見がありますのでどうかご了承下さい。
それでは皆様、どうかごゆっくりとお楽しみ下さいませ。


第15話

十六夜は、先程と変わらない速度でアルゴールに向けて突撃した。

 

「お前にたっぷりと身の程を教えてやる。アルゴール!!」

 

「GYAAAAAA!」

 

アルゴールは雄叫びを上げ、再び拘束具を鞭の様に使って攻撃を仕掛けてくる。しかし、十六夜は避ける仕草を見せようとせず、

 

「・・・・運命よ。」

 

と呟いた。すると、十六夜に襲い掛かろうとしたそれらは突如として軌道を変え、あらぬ方向へと向かっていく。その瞬間、十六夜は"刈足"を用いて一瞬の間にアルゴールに接近し、全く反応が出来ていない彼女の腹部に拳打を打ち込む。

 

「GYA・・・!」

 

アルゴールは苦しそうな声音と共に数歩後ずさる。そして、追撃を加えようとしたその時、炎を纏った矢が再度飛来した。だが、

 

「・・・・運命よ。」

 

その攻撃は無情にもその一言で全くの別方向へと姿を消していく。しかし、今回はそれだけでは無かった。

 

「"名無し"風情の人間如きが、調子に乗るな!」

 

ハルパーの鎌を持ったルイオスが、ヘルメスの靴によって得た飛行能力で十六夜に一撃を見舞わんと四角になる位置から突進してきていた。

 

「死ね!」

 

その言葉と共に、背後から鎌が振るわれる。だが、そんなことは彼にとっては意味の無いものだった。十六夜は、後ろを振り向くことなく完璧なタイミングでルイオスの右腕をつかみ取ると、そのままの状態で背負い投げを行う。

 

「がはっ!」

 

十六夜によって背中から勢いよく叩き付けられたルイオスは苦しそうに咳込む。そんなことはお構いなしに十六夜は掴んだままの右腕の肘の裏側に膝を当てがうと、そのまま右腕を真下に一直線に降ろした。

 

「ぐあぁぁぁぁぁ!?」

 

刹那、何かが折れる音、引きちぎれる音と共にルイオスの絶叫が響き渡った。関節がへし折られ、筋を絶たれた痛みに、ルイオスは悶絶してその場にうずくまった。

 

「どうする?大人しく俺の言うことに従うなら、これ以上の危害は加えないけど。」

 

十六夜の言葉に、ルイオスが激情を以て反論する。

 

「ふざけるな!誰が貴様なんかに-----」

 

しかし、その言葉が最後まで発せられることは無かった。十六夜がルイオスの腹部を蹴り上げたからである。

 

「ごふっ!」

 

「もう一度言う。大人しく従えば危害は加えないよ?」

 

十六夜が再び忠告した刹那、ダメージから回復し接近していたアルゴールが十六夜を後ろから羽交い締めにする。それを好機と見たルイオスは落とした鎌を左手で拾い、立ち上がって振りかざした。

 

十六夜は落ち着いた様子で左足を上げると、震脚動作を兼ねた足踏みでアルゴールの右足を踏み抜いた。

 

「GUGYA・・・・!!」

 

あまりの痛さにアルゴールが力を緩めた瞬間、十六夜は羽交い締めを振りほどき、振り下ろされている左手を蹴り上げる。そして、今度は蹴り上げた右足で震脚動作を行い、がら空きとなったルイオスの腹部に腰の捻りを加えた拳を打ち込んだ。

 

「ぐあっ!」

 

ルイオスは大きく吹き飛ばされ、ニ、三度地面を転がってやっと止まった。しかし、あまりの衝撃で起き上がれずにいた。その様子を見て十六夜は再び接近しようとするが、アルゴールの背後からの攻撃を飛びのいて回避したため、それは叶わなかった。

 

(さすがにオリジナル主体じゃ厳しいな・・・。でも、下手に殺すわけにはいかない。ルイオスを殺るのは論外だし、アルゴールを屠れば脅しの材料が無くなる。これ以上あいつの体を破壊して使い物にならなくなったら困るからな・・・・。だったら、強制的にアルゴールと一対一の状況を作り出してルイオスの目の前で徹底的に痛め付けるか。自分の切り札が通用しないと分かれば素直に従うだろう。石化を解除する道具を手に入れたら手足の関節を破壊すれば問題無いだろうしな。ついでに、試したいことも有るし・・・・・。)

 

そんなことを考えていると、ルイオスは既に起き上がり、アルゴールも十六夜を見据えて対峙していた。

 

(さて、そうと決まれば・・・・。)

 

十六夜は考えを纏めると、アルゴールに向けていた体を百八十度翻し、ルイオスに狙いを定める。そして、"霧足"を用いて瞬く間に接近した。十六夜の驚異的な移動速度にルイオスが反応など出来るはずも無く、ワンテンポ遅れて彼の動きを捉えた。

 

十六夜はルイオスの目を見つめ、ある言葉を呟いた。

 

「・・・Moderation.」

 

刹那、ルイオスの体が石の様に硬直する。その様子に、ルイオスは激しく動揺した。

 

「なっ!?ど、どういうことだ!?」

 

しかし、十六夜はその様子に構わず後ろから突貫してきたアルゴールにカウンターの要領で蹴りを叩き込む。

 

「GAGYA!」

 

十六夜の強烈な蹴りにアルゴールは成すすべなく吹き飛ばされ、壁に激突する。それを見ながら、十六夜は再び思考を始める。

 

(やっぱりだ・・・・・。この"運命の湾曲"は、"ジャン・カルヴァン"が唱えた"予定説"と関わりがあったみたいだな。運命は宿命と同じ意味であり、宿命は神が定めしもの。これに関するものは数多あるが、最も神の影響が強いと考えられるのは聖書から提唱されたこの"予定説"。そして、これを唱えた"ジャン・カルヴァン"の出身地はスイス。スイスには四つの公用語があるが、その中で俺が知っているのはフランス語だけ・・・。でも、ルイオスの状態を見るかぎり問題はなさそうだ。よし、他のものも試してみるか・・・。)

 

そして、十六夜は再びルイオスに語りかける。

 

「当分は動けないよ。まあ、そこで俺とアルゴールの戦いを見てなよ。あんたの自慢の切り札なんだろ?」

 

そう言うと、ルイオスは悔しそうに顔を歪める。そして、十六夜は身を翻し、再び言葉を呟いた。

 

「・・・Acceleration.」

 

その瞬間、十六夜は一瞬にして立ち上がっているアルゴールに肉薄し、彼女の腹部に拳を打ち込んだ。




ここでちょっとした解説を・・・。
"Moderation"はフランス語で"拘束"。"Acceleration"はフランス語で加速という意味です。
次回は戦闘が決着。そして、祝勝会です。
それでは皆さん、さいなら~。
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