問題児たちが異世界から来るそうですよ?(十六夜君改変) 作:皇たる機械龍
今回は、やっと十六夜君のオリギフト(ほぼ名前だけ)が明らかになります。他にも小さなイベントがありますが、それは本編にて・・・・・。
さてさて、それではどうかゆっくりとお楽しみ下さいませ。
目を覚ますと、そこは白夜叉が個室として利用している和室だった。敷き布団で寝ていることを見ると、どうやら誰かが看病してくれていたらしい。
(そうか・・・・・。俺は気を失ってたのか。)
十六夜はそんなことを考えながら、最後に受けた白夜叉からの一撃を分析していた。
(最後の一撃の時、白夜叉の動きが全く見えなかった。それに、あの威力は尋常じゃ無い。さすがは元魔王ってところかな。)
すると、白夜叉が入室してきて、十六夜の近くに腰を下ろした。
「気分はどうじゃ?」
白夜叉の問いに、十六夜は軽く笑いながら、
「特に問題は無いよ。それと、様子を見ててくれてありがとな。」
「別に構わんよ。元々ゲームを仕掛けたのもおんしをそのようにしたのも、全部私が原因じゃからな。」
十六夜が礼を言うと、白夜叉は笑みを浮かべてそれに応じる。その後、白夜叉は何かを思い出した様子を見せ、再び話を始めた。
「おっとそうじゃ、忘れておった。まだおんしにギフトカードを渡して無かったのう。」
その言葉に、十六夜は疑問をぶつける形で応答する。
「あれ、ちょっと待って。それって、俺がゲームに勝ったらの話だろ?さっき俺はゲームに負けたのに、なんでだ?」
「なに、私を楽しませてくれた礼じゃ。まあ、黒ウサギ達のコミュニティの復興の前祝いも兼ねておるがな。」
そう言って、白夜叉は一度柏手を打つ。すると、十六夜の手元にコバルトブルーのカードが表れた。十六夜の手元にカードが納まったのを確認したあと、ギフトカードの説明を始める。
「それがおんしのギフトカードじゃ。そこには己の体に宿るギフトと所持している恩恵[ギフト]、そして所属するコミュニティの名前と旗印が刻まれておる。まあ、おんし達は"ノーネーム"だから少々味気無いが、まあ我慢してくれ。」
十六夜は、白夜叉の説明を聞きながら自分のギフトカードを眺める。しかし、十六夜は突然顔をしかめた。それを見た白夜叉は十六夜に質問する。
「どうかしたのか?」
それに、十六夜は困惑した表情で答える。
「いや、ここのところなんだけど・・・・・。」
白夜叉は座り込む十六夜の後ろからカードを覗き込む。十六夜が指差す場所はギフト名が記される場所だった。しかし、二つの名前のうち、片方には"正体不明[コード・アンノウン]"の文字が刻まれていた。
「・・・そんな馬鹿な。」
白夜叉は十六夜からカードを取り上げてまじまじと刻まれた文字を見る。そこには確かに正体不明の文字が記されていた。
「いいや、有り得ん・・・。エラーを起こすなど今まで無かったことじゃ。まさか、ギフトのキャンセル?いや、それでは大きく矛盾する・・・・・。」
そんなことを呟きながら、白夜叉はふとカードに視線を落とした。正体不明の文字の下に刻まれたギフト名を見ると、白夜叉が今まで見たことの無いギフト名が存在した。
("運命の湾曲"じゃと!?なんだこのギフトは!?こんな物は今まで見たことが無い!!)
そして、白夜叉はある結論に至った。もしや、このギフトが何かしらの影響を及ぼしたのではないかと。
そして、白夜叉は十六夜に問う。
「おんし、このギフトの能力は理解しておるか?」
その名前を見た瞬間、十六夜は顔をしかめて俯いてしまう。
「・・・・・・・・悪いけど、言いたく無いんだ。」
その様子を見て、白夜叉はバツが悪そうに頭を掻く。
「すまん・・・・・。野暮なことを聞いたのう。」
「いや、良いんだ。・・・・・・・・ところで、黒ウサギ達は?」
十六夜がこの空気の払拭を図るべく話題を変える。
「ああ、あやつらなら自分達のコミュニティに帰ったぞ。あと、おんしのことも頼まれておる。今晩はここで泊まっていけ。最低でも明日までは安静じゃ。」
「待ってくれ。明日はガルドとのゲームがある。休んでる訳にはいかない。」
しかし、白夜叉は、
「ダメじゃ。ゲームのことはあやつらに任せろ。なに、心配はいらんよ。あやつらも中々やるようじゃし。それに、おんしはもう少し仲間を信じろ。これから先一緒にやっていくならなおさらじゃ。」
と続ける。それに対して十六夜は、
「・・・分かった。じゃあ、ご好意に甘えさせてもらうよ。」
と言った。その返答に白夜叉は満足げに頷いたあと、そういえばと言って再び話を切り出す。
「おんし、風呂に入らぬか?」
「いや、さすがにそこまでは・・・・・。」
「遠慮することは無い。私も入るつもりじゃったし、ついでじゃ、ついで。」
十六夜は、やや押される形で承諾した。そのあと、白夜叉が浴室の場所や着替えなどの説明をして、十六夜を送り出した。
「それじゃあ、入ってくるよ。」
「ああ、ゆっくりと疲れを癒してくるがいい。」
その言葉を聞いたあと、十六夜は浴室に向かうためにゆっくりと起き上がり、身を翻して歩き始める。しかし、十六夜は気づけなかった。白夜叉が、ニヤニヤとした笑みを浮かべていることに。
ところ変わって浴室。現在、十六夜は広すぎる湯船に一人で浸かっていた。
(やっぱり、風呂はいいなあ・・・。)
そんなことを思いながら、湯船の心地よさを堪能する。
すると、浴室(浴場?)の扉が開く音がした。そちらに目を向けると、バスタオルを巻いた白夜叉が入って来ていた。
「うおおおおい!?な、ななな何してるんだよ!?」
十六夜は激しく動揺しながらもしっかりとその場で反転する。
「何って、入浴しにきただけじゃが?」
さも平然と答える白夜叉に、十六夜は更に動揺する。
「だからって、一緒に入ること無いだろ!?」
「そっちの方が効率がいいじゃろ?」
その問答を終えて無意味だと悟った十六夜は、
「俺はもう上がるよ。」
と言って湯船から出ようとする。
「もしおんしが風呂から上がるなら、私は今ここで大声を上げるぞ?」
しかし、白夜叉の死刑宣告ともとれる発言に、十六夜は仕方なく湯船に浸かり直す。すると、白夜叉が手招きしながら、
「そこの縁に足を揃えて座ってくれぬか?」
と言った。十六夜は怪訝に思いながらも、逆らえないと悟ったのか大人しく言う通りにする。そして、十六夜がそこに腰掛けると、白夜叉は揃えられた足の上に座り込む。
「やはり、こちらの座り心地もたまらんのう・・・。」
だが、十六夜にとっては全くの逆である。ただでさえ整った顔立ちの美幼女が座っているのだ。それに女性特有の柔らかさがプラスされれば、たとえそっちの趣味が無くてもかなり魅力的に見えるだろう。
その状況に十六夜が必死で耐えていると、唐突に白夜叉に話し掛けられる。
「なあ十六夜よ。もしおんしがよければ、あのことを話してはくれぬか?」
その言葉を聞いた十六夜は迷った。だが、誰かに話せば少しは心が軽くなるかもしれない。そう思って、十六夜はゆっくりとした重々しい口調で話し始めた。
「・・・・・・・・あの力のせいで、俺の友達は死んだんだ。」
次回は十六夜君のちょっとした昔話です。
それでは皆さん、さいなら~。