もう、2度とお前らは見たくない 作:水面ノ鏡
中学生になってからの話。
俺は剣道部に入部していた。
入った理由としては単純で、剣道がかっこいいと思ったから。
友達も入部していて、楽しく円満な部活ライフを送っていた。
はずだった。
中3になってから、確かに部員たちのズレや歪みが分かってきた。
会話にも、すべてが出てきたのだ。
「野口!早よ来いよ!」
「おう!」
「野口、お前は女子らのことをどう思ってるんや?」
このことを聞いてくるのは部長の泉 俊希。
部長と一緒に帰っているのは、両者ともに塾のため早退した。
そして、前に述べたズレや歪みというのは男子と女子の間に出来たものだった。
俺はどんなことに対しても、中立であろうとしたためか、両方から意見や答えを求められた。
しかし、俺は答えを出さず、濁した。それに俺は、答えを持っていなかった。というよりかは持ってはいけないような気がしていた。
「分からん。俺にはほんまに分からんから聞くなって言ったやろ?」
「そんなこと聞いたような気ぃするけど、やっぱお前の意見聞きたいやん?」
俺以外はちゃんとした答えを持っていた。
曖昧だったのは俺だけ。この時、1番大切だったのは、ちゃんとした意見を持つことだったかもしれないと、今ごろ考えている。
「それでさ。墨田はさ、正直言ってリーダーシップないから副部長に向いてないと思うねんな。お前はどう思う?」
墨田 美保 剣道部副部長にして女子キャプテンだ。
そして、その泉の問に持った答えは簡単。
どっちもどっちだ。
確かに墨田にはリーダーシップはない。
けれど、正直なところ、泉にもリーダーシップはない。
どちらかというと悪いのは、泉だと思う。
リーダーシップがないからと言って、自分のことを棚に上げて言う事自体間違っている。
例えば、機嫌が悪いからって物に当たるとか、基本的には我関せずなところとか。
最後の事柄は俺にも当てはまるが、どこのクソみたいな親父だ。
まぁ、そんなことを考えても言わないのが、小心者の俺なわけで。
「んー、それに関しても分からん。正直言って、自分自身のことだけでいっぱいいっぱいやし」
正直なことだ。俺たちはもう中学三年。つまりは受験生だ。
受験勉強を始めて、その上で剣道部として活動。
さらには2年生の後輩がいないため、自分たちで1年の指導を行わないといけない。
結構カツカツだった。
「ふーん。野口ってさ。何に関しても、濁すよな。まぁ?確かにお前の個性みたいなんがそれやからしゃあないねんけど」
嫌な個性だ。
「じゃあさ。お前知ってるか?顧問の先生の小山先生が3年女子に対してセクハラしてんの」
「………はぁ?」